イラン・イスラム共和国
Islamic Republic of Iran
         
  赤ちゃんにアーモンドミルク    日本人は騎馬民族の末裔?
チューリップのふるさとイラン
ザクロのふるさと
森林官は命がけ
土壌保全の知恵 
薪を盗るためにヨーグルト
戦争の爪痕
街路樹は水路に
葉から石鹸
自然資源週間の一例
  こたつにミカンは無い
カスピ海は、緑の森
アーモンドの食べ方
唐草模様とアラベスク模様
イランのお正月飾りはナツメ
罰金代わりの植林
樹液のお菓子ギャズ(Gaz)
そんなお茶、いらんちゃ
イランのお茶文化
お茶とともにクルミも
   
               
日本人は騎馬民族の末裔?
遊牧民の特徴の一つに、荷物が少ないというのがありますが、その他に、花見が大好きです。
草原に一面の花が咲き乱れるとき、花見を楽しみます。
もちろん、花より団子ですが・・・・・・

イスラムだから酒は呑まない。もちろんです。ただ、ブドウジュースの発酵したモノを呑んでいるとか、いないとか。
秋になると国道沿いでは、樽単位でブドウを買っていました。家族で食べる量としては多そうな気がします。

まだ、確認していませんが、稲作農家の国では花見の習慣を聞きません。もしかしたら、騎馬民族の末裔の説は本当かもしれません


   





完璧な愛の象徴の真紅のチューリップ





あと少しで咲くんですが・・・・
チューリップのふるさとイラン
普段、お花屋で見るチューリップの祖先です。
イスラムでは、チューリップが色々なところで、使われるほど生活に密着しています。織物の文様とか、文学とか・・


チューリップ物語 その1
トルコ語でチューリップを「ラーレ」というそうです。この言葉を、アラビア語にすれと「アラー」と同じ綴りになるとか

チューリップ物語 その2
ファルハドという王子がシリンという娘に恋し、愛し合いました。ある日、シリンが殺されたという誤報を受け、悲観のあまり、王子は、斧で自分の体を叩き 割ったそうです。その時の傷口から流れ出した鮮血が不毛の大地に滴り落ち一滴、一滴が深紅の花になったそうです。



こんなのもあります。
ザクロのふるさと
ザクロ(Punica granatum)のふるさとは、イラン。しかも、その場所はザクロス山脈。ザクロは、地名からみたいです。沢山の実が出来、豊饒のシンボルとして有名。

近所のスーパーに売っていたザクロジュース。飲むと女性らしくなるとのこと。男性が飲むと、どうなるんでしょうかね?体型、それとも、心?

ついでに、紅一点の「紅」はザクロの花をさすそうです。



一山越えれば、乾燥した大地が続きます。


移動中の遊牧民




イラン人はザクロの種も一緒に食べます。
アゴが疲れます。


ザクロス山脈の樫の森
中央のは、遊牧民のテント



森林官は命がけ
森林を守るということは、財産(権力)を守ることと。いわれたメソポタミアの頃の話です。

王の森で盗伐(枝が盗まれただけでも)が分かると、管理人は死あるのみ

日本の場合は、盗んだ人の首がはねられた歴史はありますが・・・


土壌保全の知恵
棚田といえば、水田稲作を連想するのが普通です。このシステムは、土壌流亡を防ぐ大切なモノなのです。

イランは、小麦が栽培発祥地でもあります。ここでは、段々畑の小麦畑です。

まあ、水田と違って多量の水を必要としないですが

また、疎林の中でも小麦を育てるんです。
うっすら緑が小麦畑です。



アジア(稲作地域)と大きく違うのは、畑の後ろに森がないんです。もともと、乾燥地発祥の小麦は、雨だけで何とかなるからです。



 木々の中でも小麦を作ります。(違法栽培)
 うっすらとした緑が小麦です。






このように揺さぶることで、ヨーグルトが完成だそうです。


薪を盗るためにヨーグルト
生きた木を伐って燃料用に薪として使うのは、伝統的風習からしてもダメな行為。でも、薪が欲しい場合は、落枝や枯れ木ならOK
緑の少ない場所では、枯れ木を得るのも一苦労。

ということで、生きている木を枯らせばよいと言うことで、生きている木に傷を付けてそこにヨーグルトを塗りつけるんです。

すると木が枯れてしまって、薪に使っても良い条件になるんです。



提供されたプロパンガスが、雪で道路が封鎖されたり、価格が上がると、購入できない、調達できないということで、森林に対する圧力も高まります。森林に依存しているだけで、植林して資源を増やすという発想は、ありません。


戦争の爪痕
イランイラク戦争は、イランの若者をたくさん失ったばかりか、森林も失いました。戦争で森が焼かれたわけではありません。

敵を殺すのには、如何に見つからない様に近づくか。そのために塹壕があります。

塹壕の壁面は、砲撃による振動で崩れないように補強します。鉄などの金属だと、突き刺さるおそれがあるのと、重たくて、そして現地で加工しにくいので使われません。その代わりとして木材が使われたのです。

軽いし、その場で加工が出来るという木材の利点だったのです。






このような灌水方法です。

水やりの方法です。
乾燥地なのに、贅沢な水の使い方です。


街路樹は水路に
沙漠(土漠)の中に街があるというのは不思議な感じです。そしてそこには、緑もある。緑があるというのは水があるということです。

オアシスは、水の湧水点を中心に緑が集まり、人が集まっているんです。結構水は豊富にある様で、街路樹は、水路の中に植えられているんです。

そこを水が流れるという贅沢な灌水方法



建物横の街路樹。木と木の間に水路があります。
ここを水が流れます。
葉から石鹸
コナール(Konar:Ziziphus spinachristi)という樹の葉から石鹸を作ります。作り方は葉を砕くのです。臼と杵で。日本の餅つきとは違います。


鶯色がコナールの粉
右上は茶髪に染めるヘンナの粉

コナールの樹








これが葉っぱです。

コナールの実も食用で、4月下旬にフーゼスタン州では食されていました。街路樹に子供が登ったり、木の下でピクニックをしたりと愛されている樹です。


樹は違いますが、こんな感じです。







式典の後はこんな感じです。


最高指導者も水やり参加(2012年)
  自然資源週間の一例
イランでも、みどりは大切。みんなで植林をしましょうと3月の第1週に植樹祭があります。

金曜日のお坊さん(週で一番偉い人)が鐘を叩いて式の開始。


選ばれた女子高生が民族衣装で植林

ちなみに、普通の女子高生は

こんな感じで、寒風の中、校庭で参加していました。