シラカバ等の木の利用
軽いシラカバ(Betula platyphylla)の皮は、水を通さないので、屋根に利用。樹皮は、漁網に、他の部分は、軽いので浮きに使われた。葉の付いた枝は、サウナで背中を叩くのに利用します。
ヨーロッパアカマツ(Pinus sylvestris)とニレの皮から作った粉は、凶作時の救荒作物 切り株を秋に掘り起こして、粉々にし、次の年の夏に、シャールダールと呼ばれる地面を掘って作った窯で、蒸留し、タールを作って他のヨーロッパに輸出。
あと、木の葉を冬のトナカイの為にせっせと集めるのがフィン人の農家の勤めとか
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これで体をたたきます。
ヴィヒタ(VastaともVihta)といいます。
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焼畑(Kaski) 北欧の焼き畑は、フィン人に教えて貰ったものとか、焼き畑は、熱帯だけではなく、日本などの温帯でも行われており何千年にもわたる農業技術です。
フィン人は、焼き畑をするために森を求めました。森がそのまま彼らにとって最良の畑だったからです。畑(ライ麦、大麦、ジャガイモなど)として使った後、牧草地や放牧地になり、そして、森や放牧林になり、何十年後かに、焼き畑が出来るような森に帰します。
1664年の法律では、共有地での焼き畑が禁じられており、焼き畑をするものは、他の害獣同様、排除しろと書かれていたそうです。
19世紀までの農民にとっては、重要な収入源で今でも、白い衣装を着たフィン人が、伝統を守るためにちょこっとの面積で焼き畑技術を今に伝えています。
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伐採は、こんな機械で
森林の国フィンランド 平らな大地では、こんな機械で伐採 真っ暗な冬は、サーチライトをつけて24時間とか
もちろん、3交替勤務ですが
切り株に菌を フィンランドは、林業の盛んな国です。 ノキアだけではないんです。 伐採の時、切り株に腐朽菌を吹きかけます。 早く、切り株が土に帰るからだそうです。 1本の木をだいたい2分ぐらいで切り倒し、 一定間隔で丸太を作ってしまいます。 濡れているのは、菌を吹きかけた跡
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イチゴ・キノコ狩り フィンランドを始め、北欧の地域は、誰の土地でも、自由に、春はイチゴ狩り、秋はキノコ狩りを楽しめます。
ただ、たき火とか、キャンプファイヤーは、地主に許可が、いりますが・・・・・管理が悪いと、あの持ち主は・・・・・ と悪い噂が立ちます。
こういう背景もあって、フィンランドの森林所有者は、自分の森林を大切に管理しています。
この様に国有林、私有林関係なくキノコや木の実を自由に採取出来る権利を、万人権=自然享受権といい、エブリマンズ・ライト(Allemannsrett)といいますが、その権利をはき違えて、商業用に外国人を雇用して、乱獲する動きがあるとか。
一説では、フィンランド人辺り100キロ分のブルーベリーが全土でなるそうです。バケツ20杯分とのこと。しかし、まだ1割ほどしか収穫されていないようです。とはいえ、この権利、いつまで保つことが出来るのかな。
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蟻塚 針葉樹の葉の集合体のような
柔らかそうでしたが、怖くて近づけませんでした。
ちなみに、我慢大会があるとのことです。
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守り木と新しい林業 北欧の昔の林業では、森林を伐採した後に(皆伐)、1本だけ木の残します。1/3残した立木をワザと枯れるようにしておきます。そうすれば、キツツキの仲間の鳥や昆虫などがその枯れ木で生息できるようにしておきます。今で言う、生態系の保全です。
最近の新しい林業は、枯れ枝を残したりしていますが、実は昔の人も行っていたのです。
一見雑のように見えますが、生態系に配慮した林業の姿です。
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酔っぱらいの熊 いつもの一杯は虫入りカクテル フィンランドでは、森林の生態系の状態を調査するため、地中に紙コップぐらいの大きさのコップにアルコールを入れて虫を採集します。
アルコールに惹かれて色々な虫が寄って来るんです。
アルコールの入ったコップに色々な虫がおぼれているのですが、研究者がコップを採集する前に熊がコップをクイッとイッキ飲みするんです。
だから、フィンランドの森の中には酔っぱらいの熊がふらふらしているのです。ちなみに、フィンランドで見た木彫りの熊は、北海道のお土産とそっくりでした。
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ロシアとの国境線の森は 日本とロシアの間には、海があるのですが、陸続きのフィンランド。この国も、北方領土と一緒で、第二次世界大戦中にロシアは、不法占拠したまま、居直っています。
国防とは、隣を信じるなというのを表すように国境沿いに一定間隔の開けた帯が続いています。ロシアの侵攻を見張る意味もあるのですが反撃するためにも、空間が必要ということで
どうでも良いけど、北方領土返還運動。戦争でもして奪いとるのも一つですが不法にとられている国々と連携した方が絶対良い結果が生まれるような気がします。
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ビールが出来ないとよだれが フィン人の話で、ある娘さんがビールを造ろうと大麦を発酵させようとがんばってもダメ。マツポックリの皮や、熊のよだれ?を入れてもダメ(一説には豚のよだれ?)
蜂蜜を追加してやっとビールになったとか
欧州アカマツの香りのするビール。かつてのビールはマツの香りがしたとか
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サウナ:生まれてから死ぬまで
フィンランド人は、家を建てるとき、最初にサウナを作ります。サウナを起点に台所、寝室、客間などを追加して家を造っていくのです。生活の基本は、サウナからなんです。
そして、フィンランドのサウナは、炉の上に石を置き、白樺を焚きながら、石を熱して、熱気ムンムンの状態にします。そして汗が出だしたら、熱せられた石に水を掛けて蒸気を発生させるんです。
そして、蒸気そのものが妖精とか。ロユリュと呼ばれ、森の魂が宿っていると言われています。森の精=シラカバの精なのかもしれません。
そのときのかけ声が、「良いロユリュに出会いますように」
お客さんには、「良いロユリュに出会えましたか」と家の主が尋ねるとのこと。
春先に作ったシラカバの若葉のヴィヒタは、蒸気によって柔らかくなります。それで体をたたくんです。叩くことで血行が良くなり、新陳代謝を促し、健康になるんです。シラカバの精油がサウナ内に漂うことで、心を静める作用があるとか。
熱くなってくると外に出て湖にダイブ。体を冷やしてから再度サウナに入ります。これの繰り返し。
サウナ上がりはビールですが、昔はシラカバの樹液だったそうです。何から何までシラカバの世界。
そして、出産はサウナで行われるんです。理由は、一番クリーンなので。高い湿度で、殺菌されているからなんです。
その前の結婚の時には、花嫁はサウナで身を清めるとのこと。
そして、寿命が尽きたら、サウナに遺体を安置するんだそうです。そこで旅立つ為のお化粧をしたそうです。また、死期が近づいたらサウナで過ごすという風習もあったそうです。最期は畳の上でのフィンランド版、最期はサウナでということなんでしょうね。
ゆりかごから墓場までというか、人生の始まりと終わりがサウナなんです。
一般の人の古いサウナ小屋
裕福な農家が、周り近所に無償で提供していたそうです。
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新しいタイプのサウナ(電気式)
古いタイプのサウナ(薪式)
サウナに入る前に、必要なだけの薪を割るんだそうです。これも、体を動かし血行をよくする効果があるんだと思います。
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ヘルシンキ市内のサウナショップ
オリンピックが開かれる毎に、フィンランド人は、サウナを広めるんです。日本でサウナが広まったのは、東京オリンピック。理由は選手村にサウナを作ったから。
オリンピック選手は、サウナの伝道者なのです。
ちなみに、ロシアには「バニア」と呼ばれるサウナがあり、体にハチミツを塗るそうです。そして、スウェーデンはサウナは健康に良くないという有害説が出回って衰退したとか。 |
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