県木:ケヤキ Zelkova serrata |
県花:サクラソウ Primula sieboldii |
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市町村花見 | 平地林でのカヤ刈り | 森の南限と北限 | |||||
バヤ刈り・カリッコカキ | 朝はお茶 | ||||||
ススキと政治難民 | 5大桜の一つ石戸蒲ザクラ | ||||||
エゴノキの使い方 | 筏師と飯能銘菓 | ||||||
あかぎれ対策 | |||||||
アグロフォレストリーin武蔵野 | |||||||
三つ又の木でお休み | |||||||
春日部箪笥とキリ | |||||||
秩父の焼き畑 日本版メープルシロップ |
武蔵野台地の話 平地林でのカヤ刈り 武蔵野台地では、カヤの屋根葺きのため、冬至を過ぎた頃にヤマ(ここでは平地林)に入り、カヤ刈りをしていました。 最高のカヤは、平地林の伐採後3年程度を経過したものをいいます。それを過ぎると、森林の生長と共に質が低下し、採取量は少なくなっていったそうです。 採集期間は、10年まで可能であった。 屋根葺き材料として、小麦桿(耐久は5,6年))や稲藁(耐久は2,3年)を使っていたが、カヤの場合、南面で30年、北面で20年保つそうです。もともと、武蔵野は米がとれず、畑作中心であったので、カヤはなじみが深い材料であったのです。 |
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バヤ刈り・カリッコカキ カヤ刈りが終わると、落ち葉を掻き集め、枯れ枝を切り落とし、立ち枯れした木を伐採します。カリッコカキは、土地を持たない農民が、他人の土地に入って、自由に枯れ枝を採取することが許される(黙認)行為。 ただし、制限があり、道具は、草刈り鎌を長い竹の棒にくくったものであったそうです。林の中をきれいにし、林床の低木や草本を刈り払う林床の低木や草本をこの地域で「バヤ」「ボサ」と呼んでいた。 ちなみに、雑木と呼ばれる伐採される木は、ハンノキ(Alnus japonica)、ネムノキ(Albizia julibrissin)、エゴノキ(Styrax japonica)で、コナラ(Quercus serrata)やクヌギ(Quercus acutissima)は、極力残しました。 |
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ススキと政治難民 武蔵野のいえばススキの代名詞。 「武蔵野は月の入るべき山もなし、草よりいでて草にこそ入れ」(読み人知らず)と万葉集にも歌われています。もともとは、昼でも暗い照葉樹の密林だったんです。その構成は、樫、ケヤキ、シイ。その密林が破壊されたのは渡来人が来たからだそうです。 渡来人というのは、北方アジア人。現朝鮮人とは別の夫余族。唐と新羅の連合軍に敗れた高句麗(高麗:でも、統一新羅後の高麗とは別)の政治難民だったんです。 もともと、遊牧民or騎馬民族でもあったらしい夫余族。入植してすることは、焼畑農法と家畜の導入。家畜を飼うためには、餌が常に必要。そのため、森を焼いては木が生えないようにしなければならなかったのです。数百年続けると、もうそれはそれは一面ススキの原になりました。 その後、江戸に徳川幕府が出来るとともに、江戸の生活を支えるために、薪炭林が作られ雑木林が徐々に増えてきたそうです。 |
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エゴノキの使い方 雑木林の利用といえば炭や椎茸を連想するのは素人 雑木林の中には、エゴノキ(Styrax japonica: 英名Japanese snowbell)という樹種も生えています。 この材は、堅いので和傘のロクロ。(傘の骨を束ねているところ)に利用し、細い枝は、浅草海苔のノリソダに利用しました。 木の実は、男の子は、魚毒に利用。エゴノキの語源が、「実がえぐい」からだそうです。えぐみの成分は、サポニン。これが川に入ると魚が麻痺して浮き上がり、回収するという仕組みです。女の子はお手玉に利用したそうです。 |
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ウルシの利用 あかぎれ対策 秩父地方の話 雑穀と野菜中心の食生活ということで、脂肪分が少なく、冬場に野良仕事や山仕事、炭焼きに従事したので山の人はあかぎれに悩んでいたそうです。 そのあかぎれの直し方は、 その傷口にウルシ(Toxicodendron vernicifluum)やヌルデ(Rhus javanica)の木の汁をすり込んだそうです。その他に、スギ脂を流し込んだそうです。 |
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アグロフォレストリーin武蔵野 三芳町といえば、関越自動車道の三芳サービスのあるところ。この一帯は、もともとは、ススキの野原で、風が吹くと砂が舞い人の住めなかったところだったそうです。ましてや、関東ローム層のせいで水田もダメ そんなややこしい土地を開墾したのが柳沢吉保公 長方形に区切って、家のまわりに果樹を植え、隣との境界線は、お茶の木、奥には、落ち葉を取るため&薪を売るための、広葉樹の林(薪炭林)真ん中に、イモを栽培と土地を有効に使っています。 アグロフォレストリーとは、農業と林業が一緒に行われる土地利用システム。持続的に土地を利用するための方法なのですが、このおかげで、薪は江戸に売ることで収入が得られ、イモは生活にお茶の木は、表土を飛ばさない防砂林の機能を持ちつつ、境界線争いを避けつつ、一服のお茶にも家の周りの果樹は、食生活を豊かにしてくれました。 |
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三つ又の木でお休み 11月の第3土曜に行われている秩父の荒川村原の祭り。天狗祭り(てんごうまつり)といいます。 本当は、旧暦の霜月の15日頃の祭り 山の神である天狗の祠の近くに、小屋を造ります。 三つ又のある木を柱に、二股の木で支えて藤のツルで固定します。天井や壁は、麦がらを割竹ではさんで作ります。 民俗学の世界では忌み籠りの付き小屋というものらしく麦がらは天狗の枕。天狗がお休みになる小屋 その横に、大天狗と呼ぶ依り代を作ります。 三角錐の形の中心に葉の付いた新竹を建てます。 祭りの時、昼間は子供が、山から里に「菓子をくっれるぞ!」と叫び、お菓子を護符として配ります。 夜は、護符を食べながらお籠もりします。 子供みんなで夜を小屋で過ごすのです。 おしゃべり、ゲームと楽しいひとときが過ぎると、付け小屋に火をかけて燃やします。 その時、火「天狗の火」に当たると、風邪は引かない、疫病にかからないとのこと さらに、燃えかすを屋根に放り上げると、火難除けに 天狗は山の神、春に里に下りて、秋の収穫後、山に帰るので感謝を込めて山に送ると言うよりは、火を焚いて山に追い出すというイメージを持ってしまいますが、子供の無邪気さをもって、山に送るのでしょうかね |
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春日部箪笥とキリ 春日部、岩槻周辺の家具職人は、日光東照宮を作る職人が造成後に集まったのがきっかけと言われています。 その集まった理由は、豊富な材料。キリ(Paulownia tomentosa)が豊富にあったからとかで、春日部桐箪笥といわれる由縁です。最初は、指物や小物から始まり、大都市江戸への供給源に発展。 武家社会にあわせたのか、無駄な飾りを廃した地味で質素な外観が特徴だそうです。そして、最初から最後まで一人の職人さんが作る一本作り。作り手の顔が見える箪笥です。 |
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秩父の焼き畑 秩父地方は、山で囲まれた盆地。もちろん、気温差は激しく、水田の場所は限られていて、生計のための焼き畑は必須。「さす」とか「そり」と呼んでいました。 |
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樹皮に径1センチ、深さ1センチの穴を開けます。落葉してから2週間で1本あたり20リットルの樹液が取れます。条件が良ければ40リットルになります。新芽が出ると、樹液は止まるとのこと。 カミキリムシ対策として、穴をふさぎます。 翌年、もう一度穴を開け、樹液を採取します。 |
日本版メープルシロップ メイプルシロップは、カナダだけの産物ではありません。日本には、150種のうち26種存在しています。そのカエデからメープルシロップを採っています。26種のうち、秩父には24種存在します。 採取した樹液を、1/40にまで煮詰めます。透明だった色が茶色くなります。これが、秩父カエデ糖なのです。 なお、秩父のカエデ糖には、カナダ産に比べ、カルシウムが2倍、カリウムが3倍多く含まれています。黄色くなるカエデは、カナダに近い成分を、紅葉するカエデは、カルシウムが3倍、カリウムが5倍とのことです。
お菓子屋さんが埼玉県有林や秩父市有林にあるカエデから樹液を採って、カエデ糖にして、さらにお菓子の形で販売しているのが、「お菓子な郷推進協議会」です。 カエデラムネの方です。地元の小麦(ハルイブキ)と楓の樹液に含まれている酵母菌を使ってパンも作っています。 自分たちの持っている山のカエデから樹液を採って、カエデ糖を作ってサイダーを作っているのが「NPO秩父百年の森」「秩父樹液生産共同組合」です。 カエデサイダーの方です。 ちなみに、植栽してから30年たたないと樹液は得られないとのこと。 |