鹿児島県  
  県木:クス
Cinnamomum camphora
県木:カイコウズ
Erythrina crista-galli
県花:ミヤマキリシマ
Rhododendron kiusianum
杜(森)の話    
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かからん団子(サルトリイバラ)
大隅半島や薩摩半島、屋久島、種子島に伝わるお菓子
よもぎ、または小豆などを練りこんだ餅を黒餡などで包み、かからんの葉で包んだ草餅です。かからんとは、棘のあるサルトリイバラ(Smilax china)の茎を触らないようにという方言「かからん=触らない」から来ています。

サルトリイバラは、殺菌作用があるため、徳島県では柏餅として使われる地域もあります。

ふち餅(ゲットウ)
月桃(ゲットウ:Alpinia zerumbet)に包んだヨモギの草餅。
月桃は、ショウガ科ハナミョウガ属で、殺菌作用を持っています。「ふちもち」の”ふち”とは、ヨモギのことです。この草餅を月桃の葉で包んで蒸したものです。

指宿の山川町の一部では、四十九日に配る風習があります。

旧暦3月3日の4月21日に、奄美大島で行われる海開き「浜下れ」では、無病息災などを祈願します。このとき、浜でふちもちを食べないと、カラスになるんだそうです。

蘇鉄あっての大島紬
奄美大島の産品として有名な大島紬。その特徴は、泥染めにすることです。
元々、平安時代から自生する麻や、芭蕉の繊維で織物を作っていたのですが、江戸時代中期に桑の木を導入。カイコによる絹で作られることになります。

さて、金儲けをしたい薩摩藩は、亨保5年(1720年)に、紬の着用禁止令を島民に出します。せっせと作らせては奪い取る政策で、島民は着る物がなくなっていきます。せっかく作った美しい織物がとられるというのが行われていました。薩摩藩の代官は、島民が贅沢していないか持ち物検査をして回ったそうです。

ある時、一人の農民の女性が、薩摩藩にとられるならと田んぼに着物を隠したそうです。見つかりにくいように、土をかけて。
掘り出してみると、色が変わっていたのです。黒色に。これは鉄分があることで起こる化学反応でした。埋める前の服は、テーチ木ことシャリンバイ(Rhaphiolepis umbellata)のタンニン染めでした。茶褐色の服に、鉄分が加わって、黒色の服に変身です。

泥内の鉄分が欠乏すると、黒色には出来ません。そこで、鉄分補給として、ソテツ(Cycas revoluta)の葉が田に漉き込まれたのです。ソテツとは、鉄を蘇らせるという意味です。