ベトナム社会主義共和国
Socialist Republic of Viet Nam
     
  枯れ葉剤の影響 
森林資源調査とベトナム戦争 
ベトナムコーヒーの作り方 
木の実の味は結婚観 
ベトナム茶は誰のために
悲しい果物
チークへの挑戦
お乳を出すために 
ベトナムの漆の歴史
       
           
           

枯れ葉剤の影響
2000年の段階で、ベトナム戦争が終わって20年が過ぎました。でも、まだその爪痕が森で見られます。
南ベトナムにはいると、北斜面に木がほとんど生えていません。押し寄せる北ベトナム軍(ベトコンも)の侵入を防ぐため、見晴らしを良くしようとしたためと思います。
あの戦争は、色々な見方が出来ますが、貧しい北側が豊かな南側を襲ったようにも見られます。そうでないと、あれほどたくさんの南ベトナム人が故郷を捨てる訳ないですから。
 
木の肥大生長(横に大きくなること)では、10年間で1ミリしか成長しなかった話を聞きました。普通1年で5ミリとか生長するそうですが。しかし、生命力はすごい。枯れずに生きてきたんですから

ちなみに、ヴェトナムのマングローブも枯れ葉剤やゲリラを撃つために焼き払ったりして壊滅的な被害を受けました。





ベトナム戦争の爪痕

山頂は左の写真のように草も満足に生えていません。そして、山頂には、右の写真のように塹壕がいまだに残っています。

ちなみに、南ベトナムでは、山の北斜面は、枯れ葉剤の影響か、今もって、木はあまり生えていません。押し寄せてくる北ベトナムを射殺するには、木がない方が好都合だったからです。




森林資源調査とベトナム戦争
ベトナム戦争当時の話。北ベトナムの森林官は、ベトナム戦争中も森林調査を続けてきたそうです。もちろん銃を持ってです。アメリカ軍の敵は、ベトコンだけでは無かったそうです。

森のことを一番よく分かっているのは、森林調査官。だから、戦争中は、ベトコンだけではなく、森林調査官も資源調査の傍ら、戦争に参戦していたんです。


ベトナムコーヒーの作り方
ベトナムコーヒーは、練乳ミルクと一緒に飲むコーヒーです。ベトナム人みんなが好きではなく、北部の人はお茶が好きで南部の人がコーヒー好きだそうです。
(フランスの影響が濃いためか?)
ベトナムコーヒーは中部高原地帯で作っています。

普 通(他の熱帯では)コーヒーの木の上に、日陰樹という日傘代わりの木を用意します。直射日光では、日焼け(葉焼け)してしまい、育ちません。時には、カカ オ、マツ、マメ科の植物などを日傘代わりにしています。しかし、ベトナムでは、そのまま直射日光に当たるように植えて栽培しています。だから、ちょっと苦 めなのかなと思ったりしますが。

ベトナムにおける森林減少は、コーヒー園の増加と深い関係があります。

余談 

アイスコーヒーを頼むと、氷の上に熱いコーヒーを注ぎます。素早く砂糖を入れてかき回さないと、溶けてくれません。

余談 
「ティープリーズ」は、「オッパイちょうだい」です。「ティー」ではなく、お茶を頼むときは、「テ」といいましょう。


    

木の実の味は結婚観
ビンロウ(Areca catechu)というヤシの実。ガムみたいなもので、キンマの葉と石灰でクッチャクッチャしていると、口の中真っ赤。そして、何とも言えぬ爽快感(恍惚感)があるとか

一種の麻薬です。パプアニューギニア、インドネシア、フィリピン、ベトナム、マレーシア、タイ、ミャンマー、ラオス、インド、バングラディシュ、パキスタン、イランに広がる禁断の実

ベトナムの美人の基準に歯が黒いことがあります。いわゆるお歯黒。ただし、年輩の話(過去形ですが)
20歳過ぎから食べると歯が黒くなるので美人になれるとか

そんなビンローの実も結婚の申し込みでは重要な意味を持っています。

男性の母親が、相手の家に行ってビンロウを差し出すんです。そして、結婚式の段取りが決定するのは、相手の家の長老がビンローを食べるとOK

何故、ビンロウの実かというと、最初は苦くて、だんだん甘くなるから。結婚生活と似ているからとか


ベトナム茶は誰のために
お茶は、ベトナムでも北部を中心に呑まれるモノ。そんなお茶も、フランス植民地時代から大々的な栽培が始まったとか。最初は、フランスのため。でも、これは植民地経営の一環

独立後は、中国と仲が悪くなり、お茶が手に入りにくくなったソ連。ベトナム戦争では、相当肩入れした分を茶で取り戻そうとしたとか。

そして今は、缶からペットボトルまでお茶ブームの日本。静岡茶だけでは足りないようで日本に輸出しているそうです。

次はどこ?


悲しい果物
King of Fruit。フルーツの王様といえば、ドリアン(Durio zibethinus)。熱帯を代表する果物です。
サウリエン(Sau rieng)というのがベトナムの名前。でも果物の王様みたいな意味ではないんです。

昔々、ベトナムの南の地方に二人の愛し合うカップルがいたそうです。しかし、身分の違いで誰からも祝福されることなく、両親には反対され、もう生きていくことが出来なくなったんだそうです。そこで、二人は自らの死を選んです。心中です。
二人の悲しい死を後世に伝えるために、高価な果物に名前を付けたんです。サウリエンとは「私の悲しみ」という意味なんだそうです。


チークへの挑戦
ベトナムでチーク(Tectona grandis)が最初に植えられたのは、1908年(明治41年)のこと。
サイゴン(今のホーチミン)からカンボジアへの道沿いに植えたのです。
結果は、実績を見ることは出来ませんでした。


お乳を出すために
パパイヤ(Carica papaya)といえば、乳瓜(沖縄方言)
赤ちゃんのためも母乳が少ない人のための薬が熟す前のパパイヤの乳液。
パパイヤと豚肉の煮込んだ料理を食べることで問題解決。

日本流に料理をするとしたら
出汁+豚肉+青パパイヤ
煮込んで醤油で味付けしてOK?


ベトナムの漆の歴史
ベトナムの漆器は、ソン・タと呼ばれる木から抽出した樹液を精製することから始まります。たぶんハゼノキ(Rhus succedanea)

始まりは12世紀頃からとか?でも、インドからベトナムにかけてこの木は存在するので、いろいろ使われていたと思う

日本では、安南漆と呼ばれ、熱に弱いのが特徴。