森の意味は? フランスの辞書の森を項には (1)木の生えた広大な土地 (2)暖房・建築などのために伐採される樹木で覆われた土地だそうです。
パリの町のアパートの屋根を見ると、たくさんの煙突が見えます。そして、フランス人にとっては狩りをするところ。中心の広場からあらゆる方向に直線の道があります。これは、逃げる獲物をチェックするため 「今、隣の森にシカが逃げた」 「よっしゃー」 ズッドーン とか言って、狩りをするそうです。
公園の中は、道はこんな風になっています。
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狩りを目的とした森とか 冬景色で白いのは雪です。 |
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フランスの新石器人は ハシバミ、クリ、ナシ、リンゴを森からとって食べていたとか。居住していたのは、林縁だったそうです。 耕地の横に森が迫っていて、森と戦いながら、しかし、森を切り開くというのではなく、耕地に森が入ってくるのを防ぐという受動的。だったとか、森林そのものの開発(破壊)は、紀元前3000年頃からといわれており、ケルト人の侵入まで続いたそうです。
森を焼いて農業するという焼き畑農法を行っており、南フランスでは、羊を林の中で繁殖させたそうです。
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ガリア人の森の利用は ガリア人を森の人とローマに呼ばれていたガリア人。森の人イコール野蛮人イコールガリア(野蛮人の語源は森の人から)。彼らは、森の中で、牛や山羊、ブタを飼っていて、また、養蜂も行っていたとか。ふんだんな蜜や蜜蝋を交易の産物にしていたそうです。
ガリア人の民族的飲み物は、「セルヴォワーズ酒」という、セイヨウサンシュユ(Cornus mas:英名Cornelian cherry dogwood)の実から作った酒を飲んでは騒いでいたとか
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ブロアの森より(上) 切ってもいいですよの刻印(下)
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ワインの樽は200年もの フランスの林業はワインなしでは語れません。
1600年頃から、国によって植林をしています。もちろん、目的はワインのためです。パリから、ロワール川へ行く途中の緑の大きな茂みはオーク(Quercus
robor)の森です。
だいたい200年くらいかけて木を育てます。普段呑んでいるフランスワインは、200年以上前に植えられた木の樽で作られたものです。(多分)
ブドウの産地あても良いけど、樽当てクイズは無いんですかね?「今夜のワインは何にしますか」「良い樽を使ったお勧めのワインは」「このワインは、200年生のブロア産のオークの樽で熟成されたモノです」 「それでお願いします」なんて、会話はレストランではないんでしょうね |
ルソーとミレーとフォンテンブローの森
パリの近くの観光スポットで有名なフォンテンブロー。ここは、建材や製鉄用燃料として伐採され、成長の早い欧州アカマツ(Pinus sylvestris)に樹種転換されそうになったんです、
森の景観が変わろうとしていた最中、1865年にルソーが景観保護のためにナポレオン3世に直訴し、ミレーは「針葉樹の植栽をやめて」と皇后に直訴。 結果は、森が残っています。 バルビゾンの入り口付近に記念碑があります。
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これがパリの雑木林の冬景色(場所は違いますが)
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ルイ14世とジャン・パティスト・コルベール
1669年に、当時の財務大臣コルベールによって治水保林の布告が行われました。フランスの森は国にとって大変重要であり、森林所有者は船の建造のために持続的な用材の提供を目的に効率の良い木材収穫方法や天然更新の確保を目的にマニュアルが成文化され、個人所有者に強制したのです。(結果は、1/3だけが従っただけだっととか)
多くの国有林では、林業技術者を雇用し、フランス革命まで森を管理していました。もちろん、船の建造用とは、戦争に備えてなんですけど
フランス革命後、国有林は荒れ、破壊され尽くされました。人民のモノは俺のモノと・・・・
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フランス林業の歴史 1219年に王有林布告によって王室に属する森林で伐採木を販売した。 1291年に王室最初の植林を行った。 1346年に水路・森林理事会が設置され、王の管理から独立
1376年に最初の土地利用計画が公表され、フランス西部にオークを、東部にシルバイファーの育林指針が作成される。 1520年に私有林者に対し、皆伐の許可が制限され、合理的な伐採量とぼう芽更新の森の管理が調整された。 1661〜1680年にかけて、王有林に検査官が任命され、伐採量が減少する。この当時は、私有林にも最低限度の育林規則を課する 1820〜1827年にかけて、近代的な林業機関が作られナンシーに林業学校の設立、森林法典の制定、フランス育林学校の設立。 ドイツの育林方法を参考に森林官が実施 1857〜1914年にかけて、革新的な林業政策が行われ、林道の開設促進、国有林への農村集落への利用権の設定等が行われ、針葉樹の植林が平地で200万、山地で10万ヘクタール行われる。
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金の鎌とヤドリギ 古代ローマの頃の話 ケルト民族の聖職者 ドルイド僧のすることは神(自然)への感謝
春先になると大きなナラの木に登って、金の鎌で宿り木の枝を切ったんです。ヤドリギは冬でも緑ということで生命力をまた、解毒効果があることや子供が授かるという力があるとのことで信仰したんです。
供物として農耕具や装飾品を埋めんだそうです。 時には、人まで・・・・
京都伏見神社の験(しるし)のスギに近い信仰かも
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恥ずかしがり屋のキノコ「トリュフ」
世界の美食家をうならすキノコとして有名なトリュフ。 フランスは、中央高地から地中海側で分布。土壌的には、石灰質の乾いた土壌で、平地だといいとか。カシ、ナラ、ブナの若い根に寄生するんです。しかも、地表から15〜20センチ下に存在。一生地表に出ることはないとか
成熟期を迎えたトリュフは、強烈な臭いで昆虫や動物を誘って、食べてもらうようにするんです。すると、胞子がばらまかれるという過程を経て、繁殖していくんです。初霜が降りてから成熟が始まるとかで12月上旬に市場に出ます。でも、1から2月が最高とか
イタリアの白トリュフに対してフランス産は、黒トリュフ。12月下旬から2月いっぱいが旬でナマでもOK。丹波の松茸というように最高級のトリュフは南西部のペリゴール産とか
「ペリゴールのトリュフをお願い」 なんて、レストランでいってみたいモノです。
ちなみに、100年前は、年間1000トンの収穫 今は、75トン(価格は1キロ15万円とか) 乱獲のせいとか言われています。
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クリスマスツリーの始まり? モミノキに飾りをするクリスマスツリーの最初はドイツからとか、といっても今はフランス領内。1601年にストラスプールという都市の人々の遊びからとか。 部屋に小さなモミの木を立ててお菓子やリンゴ、紙のバラの花で飾ったのが起源とか
今に飾るようになったのは、比較的新しく20世紀に入ってからとのこと。ちなみにクリスマス、キリストの誕生日ではなく、冬至を過ぎて日が長くなることで、太陽が元気になることを喜んだ古代北欧の風習。
だから冬至よりちょっと日がずれるのです。
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