Skovbyと呼ばれる森の村
Skovbyとは、森の意味です。
デンマークのシェラン島では、地主との取り決めで、森林資源が利用されていました。その利用とは、乏しいながら、森の中で、牛は草を食べ、ブタはドングリの実を、木の枝や小枝は、木製のスプーンから、車輪の甑(こしき)といった手工業製品に利用していました。
森の中にある野生の果樹にリンゴを接ぎ木し、ちょっとした小遣い稼ぎしていた農民もいたそうです。ちなみに、シェラン島には首都コペンハーゲンがあります。
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農民の秋はブタと散歩 デンマークでの森の権利は、上森権、下森権、地面権の3つの権利があったそうです。
木とその産物を利用するのが上森権。上森権には、ブタに与えるドングリが該当し、平地の農民に貸し付ける資源で秋になると、ブタを連れた農民が利用(もちろん農民は金を払いますが)。ドングリを食べたブタは、酔っぱらいのようにフラフラして興奮するとか。 下森権は、柴や藪の利用で、垣根材を採取する権利。地面権は、牧草地利用の権利だったとか。
ちなみに、秋に太った豚は、クリスマスに人間の胃袋に消えてしまう運命でした。アーメン
その豚肉、日本に大量に輸出。沖縄のスーパーの輸入豚肉(缶詰も)はデンマーク産がほとんどです。
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デンマルク国の話 内村鑑三の講演、岩波文庫から本が出ています。1911年に神田今井館で講演した「この世の話」の一例。 宗教的内容をさっ引いて読む必要があるのですが、高橋健二が教科書に載せるために書き直したのが「緑のデンマーク」
聖書をすばらしさを、その力を分からせるための作り話だったとか。緑のデンマークは聖書の話を抜いたもの。
専門家によれば1835年以降ヒースの開墾が始まったときに、植林の経験のある司法官ゲーオウ・モアヴィレ(1817-1904)やユトランドの地質に詳しいダルガス達が1866年にデンマーク・ヒース協会を作り開墾事業を興したんです。その資金集めに講演して歩いたのがダルガス親子。
ヒースの開墾はヨーロッパの各地で行われており、技術は既にあったとか。
まあ、戦争に負けて領土をとられ、何もないユトランド。そこを一生懸命生産性のある土地に替えたのは本当の話ですが、聖書の力ではないでしょう。生きようとする本能のたまものだと思いますが。
目先の利益のために防風林を切ろうとする日本とは違って、生き続けるために必要な防風林。これにはいっさい手をかけないで守ろうとしているデンマーク
敗戦後の資源のない状態から自ら作り出したデンマーク
一方、加工貿易で国を豊かにした日本。資源がないから加工貿易と習ったけど、無から有を作り出す発想はなかったんでしょうか。
いえ、過去の日本にはいっぱい例があるのですが、歴史を学ぶ癖がないんでしょうね。郷土を愛する思想がないからなんです。きっと。
愛国心を養うというのは歴史を知り、郷土を愛すること。郷土を愛すると言うことは、その自然環境を理解すること理解すれば、自ずと森の価値が分かるはずなんですけど。
日の丸、君が代を認めない人たちが教育の場にいるうちは、無理なのかも知れません。住む土地を愛することは、その地を長く使うこと。持続的発展につながるんです。その象徴を認めなければ、先に進みません。
デンマークを環境保護の先進国とたたえる人がいます。風を利用した風力発電。でも、環境に優しい国民ではなく、きびしい環境下で他国を侵略せずに(出来なかった)生き抜いてきたから、環境に優しいのではなく、自然に逆らわない生き方
開発することが大きな代償を受けると分かっているから。だから、環境にうるさいのです。生き残り続けるために
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ドイツトウヒの人工林
ジャガイモ畑
ライ麦畑
薪に利用した薪炭も兼ねた防風林。 ぼうが更新させていて、中世の絵画に 出てくる風景とよく似ています。
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屋敷林(ユトランド半島北部)
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見事なまでの防風林 デンマルクの国の話の続き。ダルガス親子の資金集めのおかげでユトランド半島には立派な農場と牧場がでも、それ以上に土地を守る防風林があります。
というより防風林なしでは今のデンマークはあり得なかったんです。つねに、風が吹くため、土がとばされ土壌がやせます。土壌が痩せれば農業どころではありません。
また寒さをしのぐにも暖をとる必要があります。そのためにも木が必要だったんです。
また、家は煉瓦造り。木が貴重だったんでしょう。 そして、風から家を守るように屋敷林があります。
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クリスマスで一儲け クリスマスツリーは、ノルウェーにたくさんあるモミノキを利用(原産という話も) ノルウェーより海流の影響で温暖。ということで、樹形がきれいなまま成長
30センチから2メートル近くまでのモミノキを伐ってはヨーロッパ各地に輸出するんだそうです。
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聖ハンスの日 デンマークといえば北欧。 北欧の夏至といえば、火を焚く風習があります。フィンランドのコッコが有名。スェーデンは木の柱を立てる風習もあります。
デンマークでは、聖ハンスの日といって夏至を祝うんです。正確には、夏至を名残惜しむという事だと思います。この火を境に太陽の、日照時間が短くなるからです。だから、火を焚いて元気になってと神様に祈っていた風習の名残なんです。神様といってもキリストじゃないですよ。 バイキング時代には今までご苦労様という意味があったのか、火を焚き、肉を捧げ、酒を飲んで神様を讃えたそうです。
6月24日が聖ヨハネ(デンマークでは聖ハンスのこと)の誕生日(キリストの誕生日の半年後)ということで、火を焚いてというのは、キリスト教以前からの風習。 これに、魔女をかたどった人形を火に入れて燃やすんだそうです。悪霊退散ってな感じで。
子供はマシュマロやソーセージを残り火で焼いて食べるそうです。
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生木を入れたばかりに
ヴァイキングの産んだといわれる保存食。
豚の塩漬け肉をあぶって食べていたところ、生木をくべた為に煙が発生。せっかくの肉が不味くなったけど、捨てるのももったいない。一口恐る恐る食べてみると、これがうまい。
これが、ベーコンの誕生の瞬間だったのです。
fromピッケより
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洗濯は木の棒で
洗濯棒といっても50cm程度の木の棒なんですが、これで十分なんです。グリーンランドでは。
理由は、狩猟で成り立っているグリーンランドでは、寒いので着ているのは毛皮の服。寒いから農作物は出来ないので、狩猟が生活の中心なんです。なので、狩った獲物はすぐに処理するから、毛皮の服は血まみれになるんです。冷蔵庫ではなく冷凍庫の中で生活しているので、すぐに解体しないと、こちこちに固まってしまうので、急いで処理する必要があるんです。
で、血で汚れた毛皮の服に付いた血は、カチカチに凍ります。
ということで、木の棒で叩いて落とすのです。
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