日本の木材伐採だけではない本当の理由は
その1 接着剤、伐採機械の開発・改良 第二次世界大戦のおかけで、大型機械や化学物質が発見・発明され、それまで、大きすぎるがゆえに伐ることが出来なかった熱帯の大木や、接着剤がなかったので、柔らかくて使い道のなかったラワンのような利用方法がなかった木が、次々と利用できるようになったんです。
化学物質の発見は、化学兵器のために。大型機械は、ジャングルを効率よく飛行場にするため、道無き道に道を造るため等戦争の副産物だったんです。
このため、木を切って売れば、独立して間もない国々の貴重な財源になるので、外国の企業(自国にはまだ企業がなかったので)にコンセッション(伐採の許可)を与えたんです。 そこに、日本の企業をはじめ、世界中から木を切りに来たんです。
一つは、植民地政策が搾取がメインだったために民族系の企業が育たなかったんです。
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その2 医学の発達 同じく、第二次世界大戦のおかげで死亡率が大幅に減少し、急激な人口増加が起こったんです。このため、食べ物を求めて、たくさんの人が山に入り、焼き畑をしたため森から畑に代わったんです。 子供の死亡率が下がったにもかかわらず、子だくさんは良いことだという意識が無くならないので
マラリアに効く薬、蚊を撲滅したため、低地の熱帯林は医学の進歩と一緒に無くなっていきました。 それまで、病気の巣であった低地熱帯林でも生活が出来ると科学の進歩が、森に対して悪影響を与えたのです。
例えば、インドネシアではツンパングサリというタウンヤ法の造林方法があるんです。1856年にチークのために導入されたアグロフォレストリー。純粋に木材生産のため、下草刈りを軽減するために農民に植栽木の間に農業を数年していたんです。しかし、1970年代になると、木材生産ではなく農民のための場となってゆくんです。植栽自体がストップし、農業が行われる場所が増えてきたそうです。80年後のチークより数ヶ月後にお金が入る野菜などに変わっていったんです。
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その3 入植者への足がかり 日本の木材伐採の何がいけなかったのか。日本の木材業者が、山を丸裸にしたわけでは、ないのですがその情報は、あまり伝えられていません。山から木を切るためには、道を造ったのです。木を切ったら、企業は撤退しますが、道は残ります。その道を頼りに、町で、都市で生活できない、また、長男ではないので相続する土地がない、色々な理由で、山には入って、とりあえず生計を立てようと知識がないのに、思うまま焼き畑をしたことダメになると、さらに道を頼りに奥へ奥へ移動したこと
日本企業は、その呼び水になってしまったのです。歴史にもしはないですが、道を閉鎖して人が入らなかったら、意外と森は戻っていたかも知れません。ITTOという国際機関(横浜にあります)では、真剣に道を塞ぐことにより森林への人の流入を防ごうという調査をしました。一度使った林道は閉鎖することがいわれています。しかし、それをすると、森林を再生するためのメンテナンスの作業がしづらくなるんです。
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人口の多いところでは、写真のようにモザイク状に焼畑が行われています。森を切って2年間は、お米(陸稲)などの畑にその後15年ほど放置。森が戻ってきたらまた切って火を入れて畑にします。非常に理に適った農法で、生き続けることが出来ました。
でも問題は |
山からは木材が道を使って出てきます。
そして、日本や韓国、台湾、ヨーロッパ、アメリカに輸出1990年頃のマレーシアのサバ州コタキナバル近く
木を伐っても、人が入らなければ残っている木が太くなります。ある一定以上の大きさしか木を伐らない方法を守れば熱帯林から木材が持続的に供給されるのです。
でも、人が入ったために森が無くなりました。
環境保護団体(自称)は、この事実を知ってか知らずか伐採後に都市から人が入った事を無視し、報道せず、購入したり、買い付けた商社を熱帯林破壊の張本人としたんです。 まあ、商社を叩けば一部の人から支持(お金)が集まり名誉が得られ、自己満足出来たからと思うのですが、もっと、ちゃんと取材してくれれば、質問とかで来る間違った認識がこれほどまで一般社会に広まることは無かったと思います。
でも、本当のことを書くと、多分本は売れないんですよね 刺激的な文章でなければ、ダメですからね
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そして都市からは人が道を頼って山に入っていきます。
生きてゆくために、人の居ない奥地へ奥地へと、人は進んでいきます。
この農家は都市で生活が出来なかったために道に沿って山に入ってきたんです。30年前はオラウータンのいた原生林、そして、今は次々と都市から溢れた人が入ってきています。
農業の基礎的な技術、知識がないため、土地を酷使し、疲弊させては、新しい土地を求め、さらに奥地に進みます。もし、木材伐出のための道がなければ、人は、森を切り開くことが出来なかったと思います。まだきて1年ちょっと、でも5年後にここにいるでしょうか、それは分かりません。
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伝統的な森に住む人達には、重なっていてもおかしいという認識はないのです。Aさんの土地でもありBさんの土地でもあると。でもこれでは近代国家へとは行きません。税収などの問題が生じるからです。
例えでいえば、マンションに住んでる鈴木さんと伊藤さんがいたとすれば、鈴木さんは伊藤さんのトイレを使う、伊藤さんは鈴木さんの風呂を使うということがおかしくないということです。台所の調味料を勝手に持っていってもおかしいとは思わない世界です。
というふうにならないといけないのです。 でも、これには痛みを伴います。日本でも太閤検地から始まって明治時代の地租改正、戦後の農地解放(戦時中にプランあり)といった大事業です。このとき農民一揆が起きています。農地解放はGHQの力を借りて行いました。力でねじ伏せたんです。不満が出るんです。OECDに加盟できた韓国。それは日本の統治があったからなのは自明の理。朝鮮半島の人がなんといおうとも日本の統治がなければあり得ない話。理由はこれも土地の線引きをしたからなんです。土地調査といって今まで不明瞭な土地を整理したんです。もちろん、不満が爆発して暴動に至ることもありました。でもその後、アメリカを中心とする連合国から独立したが、土地問題で悩まされなかったので近代化へ進めたんです。日本から無償の技術協力とか資金援助があったのはもちろんですが。土地の明確化。これをしないと近代化できないんです。これが良いかどうかは別ですけど。
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その4 土地の所有権が明確になったので 独立した国々は、多くの森を国有地にしました。 森の多くあるところは、伝統的な土地利用があったのですが、申請すると税金を払わないといけないとか、情報がちゃんと伝わらなかったとかで、国有化になる過程で、放棄してしまったところが多かったみたいです。 このため、国は、国家のモノと言うことで、利用を制限し、住民は、自分たちに返ってこないということで、あるうちに使ってしまえということで、違法伐採して木を売りとばしたんです。
土地問題の解決は近代国家へなるための重要な作業。土地所有者を明確にすること。しかし、もともと土地という概念の無かった人達に「あなたの土地はどれ」と聞いても「あそこからあそこまで」という返事。Aさん、Bさん、Cさんの主張する土地に重なりがあう話。これでは誰の土地か分かりません。行政官の数が絶対数少ない途上国では、土地の交通整理をする人員もいません。だから、いつまで経っても土地所有がはっきりしないんです。 政府に非があるといえばそれまでですが、それをしないと途上国からは脱皮できませんから難しい問題です、
都市の人は山の人をバカにする傾向もあるので、あまり本腰を入れていなかったということもあります。畑としてあるなら、土地は隣と境界線があるので明確です。でも狩猟採集や焼畑で生計を立てるモノは、所有権というモノが無く、みんなで利用しようという考えが強いので、所有という概念になじめなかったのです。
常畑になってしまえば、境界がはっきりするんですけど熱帯で常畑は難しく休閑という土地を休める事をすると、境界が不明瞭になってしまうんです。藪になってしまうからです。
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その5 お金が入る 森の中で、焼き畑移動耕作をして細々と暮らしていた先住民、しかし、この30年に間にたくさんの会社が木を伐りに来ました。そして、雇用の場として先住民を使ったんです。当然、賃金が入ります。で、賃金でモノを買います。
山奥まで貨幣経済が浸透します。お金がないと生きていけないような仕組みが生まれてしまったんです。
おかげで、病気になっても薬が買える様になったり、ラジオが買えて情報が入るようになったり、子供を上の学校に行かせることも出来るようになったので一概にダメとは言えないと思っています。
一部の先住民は、お金のために森の中の木を売りました。売るのに良い悪いはないんですけど、伐りすぎたんです。だんだん木が森が無くなっていったんです。
今、問題の不法伐採 許可無く伐って、持続的な森林経営が出来ないのは、一つにお金が入ると言うことで、こっそりと伐ることが行われています。些細な小遣い稼ぎ、チリも積もれば山となるで、お金を得るために、森が消えていきます。
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かつての森 これからオイルパームのプランテーションになります。 下の写真にヤシが植えられているのが分かりますか
色の薄い緑や土色は森林を切り開いてオイルパームに、濃い緑は森 でも、この土地を持っている国は国家経済を豊かにするため、国民の福祉を良くするために、経済的価値のない森を価値のあるものに置き換えたのです。お金を生むような木材もなければ、人も居ないということで、開発=土地利用の転換
半島マレーシアの錫鉱山の跡地。農業も出来ず荒れ地として放棄。土地を有効利用できないかと、木を植えてみました。しかし腐葉層もなければ土壌養分もありません。鉱石を取る際、洗い流してしまったからです。細かいガラスの上に木を植えるような感じです。荒れ地に強いはずのアカシア・マンギュームも育ちません。
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その6 産業を支えるため 森とは木のあるところ しかし、その木がお金にならないと分かったら、ベニア板とか建築用材とかに使えないというのは価値がないと判断されてしまいます。 そういった森は、ゴム林に、そして最近はオイルパームに変わっていきます。そしてお金を生む土地に替えていったんです。
これが良いか悪いかは別です。 環境団体は悪いといっていますが、本当にそうなんでしょうか。石油の代わりにオイルパーム これからの世界を救う資源になるかも知れません。
産業を支えるために森が無くなっていったんです。 でも、そこで雇用が生まれ、へんぴなところでも現金収入が生まれます。 テレビが買えます。薬が買えます。医者にかかれます。 熱帯では、風土病で苦しんでいる人がいっぱいいます。 100円あれば救われる命がいっぱいあるのです。
プロパンガスが買えます。女性や子供の労働が軽減されるのです。薪を取りに行かなくてもいい。(1日4時間ぐらい費やすとか)だから一概にダメとは言えません。
それを非難する人は、原始的な生活スタイルに変えないとダメだと思います。言うはやすしなんです。 ようは、バランスだと思います。
森が戻ってくる マレーシアでの話です。 オイルパームの前はゴムを政府が奨励していました。 しかし、国際商品のゴムは、安いインドネシアに勝てませんでした。 農民は、ゴムを採るのをやめたところがあります。 そういうところは、人の管理も入らず、元々あった地元の植物がゴム林の中に侵入し、気付けばゴム林みたいな雑木林になっています。 そういうところは、あと30年すれば元の森に戻るかも知れません。 お金を生まないところは、放棄されて森に還っています。 また、水源の所にある森は、昔は祟りがあるということで入りませんし、切りませんでしたが、今は森の機能が理解されているみたいで、積極的に切らないようにしています。
経済条件一つで、森は戻ってくることがあります。
マレーシアに森が戻るのは、インドネシアで安い人件費で生まれたオイルパームやゴムが国際市場を席巻。このように森がなくなると、経済戦争で負けたところでは森が戻ります。 |
その7 やっぱり伐りすぎ 熱帯林経営という森林管理。うまくいっているのはミャンマーのチーク林経営やマレーシアの半島部におけるマングローブ林経営。 でも、各国には各国のきちんとした管理方法があったんです。マレーシアユニフォームシステム(Malaysia
Uniform System :
MUS)といったかんじで。
直径80cm以上の木は伐って良し。80cm以下はダメというかんじの決め事です。
でも、伐採許可をもらった伐採会社は、ちょっとでも利益を上げようと、直径78cmの木まで伐ってしまったんです。78cmが75cm、70cm・・・・・と
数年待てばいいのに、伐っちゃたんですよね。 資源管理という意識がなかったんです。
では何故、ミャンマーや半島マレーシアはしっかりしていたか。理由はどちらもイギリス植民地。 大英帝国を維持するためには安定的に資源を得ること。
香辛料を独り占めしようとして、インドネシアで目の届かないところにある香辛料の植物を焼き払ったオランダとは大違い。イギリスなら人を配置するから だから、資源保全という意識がインドネシアに根付かず、伐りすぎたんだと思います。
問題は、伐ったまま人が入らなければ森に戻ったんですけどね。
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地域の細分 |
陸地面積 |
2000年の森林面積 |
1990-2000年間の 森林面積の変化 |
森林蓄積と地上の バイオマスの量 |
天然林 |
植林地 |
森林計 |
千ha |
千ha |
千ha |
千ha |
% |
ha/人口 |
千ha/年 |
% |
m3/ha |
トン/ha |
中央アジア |
545,407 |
29,536 |
384 |
29,920 |
5.49 |
0.5 |
208 |
0.7 |
62 |
40 |
東アジア |
992,309 |
146,254 |
557,665 |
703,919 |
70.94 |
0.1 |
1,805 |
0.9 |
62 |
62 |
南アジア |
412,917 |
42,013 |
34,652 |
76,665 |
18.57 |
0.1 |
-98 |
-0.1 |
49 |
77 |
東南アジア |
436,022 |
191,942 |
19,972 |
211,914 |
48.60 |
0.4 |
-2,329 |
-1.0 |
64 |
109 |
西アジア |
698,091 |
22,202 |
5,073 |
27,275 |
3.91 |
0.1 |
48 |
0.2 |
101 |
87 |
アジア計 |
3,084,746 |
431,947 |
617,746 |
1,049,693 |
34.03 |
0.2 |
-364 |
-0.1 |
63 |
82 |
世界計 |
13,063,900 |
3,682,722 |
186,733 |
3,869,455 |
29.62 |
0.6 |
-9,391 |
-0.2 |
100 |
109 |
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