森林・林業用語集


アースデイ あぁすでい Earth Day Earth Day(地球の日)のこと。1970年4月22日、公害防止や自然保護など環境保全をテーマに全米でデモが行われ、この日がアースデイとなった。地球環境を守る意思表示をする国際連帯行動をするための日とされている。
IgE抗体 あいじーいーこうたい IgE抗体とは「くしゃみ」「鼻水」「鼻づまり」「目のかゆみ」などのアレルギー症状を引き起こす原因となる物質で、アレルギー抗体とも呼ばれています。
本来IgE抗体は身体を守るために作られる物質ですが、アレルギーを起こす抗原(花粉など)との接触を繰り返すうちに体内に蓄積され、この量が一定のラインを超えると、アレルギー(花粉症などのくしゃみ・鼻水・鼻づまり・目のかゆみ)と呼ばれる異常な反応となって、さまざまな症状となって現れるのです。
このIgE抗体を作り出す根本的な原因はTh2ということも近年の研究で分かってきました。
アイスキャップ あいすきゃっぷ ICECAP カンブリア・エナジー、インベステック・バンク、およびレス・カーボンにより設立された、大手排出企業および政府のためのCER調達を目的としたファンド。
アイスブレイキング(環境教育) あいすぶれいきんぐ 初対面の人の心に張った「氷/アイス」を「壊す/ブレイク」こと、打ち解けるためとプログラムへの導入としての様々な活動(アクティビティ)。
赤潮 あかしお プランクトンの異常増殖により水の色が赤褐色、茶褐色等に変色する現象で、大量発生したプランクトンが水中の酸素を大量に消費するため、酸素欠乏により魚介類のへい死などを引き起こす。窒素、りん等の栄養塩類の流入等による富栄養化の進行が原因とされている。なお、湖沼やダム貯水池における淡水プランクトンの増殖による着色現象を淡水赤潮という。
赤星病 あかぼしびょう 赤星病とは、ナシやボケの葉の裏に茶褐色の丸い斑がでる病気のこと。
赤身 あかみ 木材を横に切ると大きく3層に分かれていて外側から樹皮、白太、赤身となります。この中心部分の色が濃い部分が赤身になります。耐朽性があり、材としても利用価値が高いです。
赤身 あかみ 心材
秋芽 あきめ 秋芽とは、気候の変化、剪定や病虫害などによって、本来の芽吹きの時期ではない秋に出る芽のこと。
アクティビティ(環境教育) あくてぃびてぃ 自然体験などの活動のひと単位のこと。特に参加型の活動の場合よくこの表現が使われる。一連の活動(アクティビティ/部品)が時間に配置されてプログラム(製品)が構成(デザイン)される。アクティビティは部品のようなもの。プログラムはアクティビティが組み合わされた製品というような使い分けをする。
アグロバクテリウム法 あぐろばくてりうむほう 土壌細菌のアグロバクテリウムを利用した遺伝子導入方法。アグロバクテリウムは細菌自身が持つプラスミド(核外にある環状DNA)の一部を植物細胞に入れ、その細胞のDNAを組み換える働きを持つ。この性質を利用して、改良したい植物に目的遺伝子を組み込み、遺伝子が導入できる。
アグロビジネス あぐろびじねす 農業関連産業のこと
アグロフォレストリー あぐろふぉれすとりー ある土地に樹木または木本植物(果樹・香木・ヤシ類などを含む)と農作物もしくは家畜をほぼ同時期に植栽したり放牧したりする。樹木等の成長度合に応じて、農作物を短期的あるいは永久的に栽培、飼育し、植物資源を常に保有しつつ土地を有効に利用し、生産するシステム。
作物と林木を同時に生産すること.農地に生えている木を農業に利用すること.果樹,ナッツ類などの直接利用を始めとして,木は農業に昔から燃料,木ぐい,土壌浸食防止,肥沃化,生物の多様性維持などのために利用されてきた.農地に樹木を取り込むことで,生態学的な天然資源管理システムを構築することを目的とし,このような旧来の慣習を今日の科学として見直す試みがなされている.ここでの天然資源管理システムとは,生産の多様化や持続性を可能にするようなものを前提としている。
曙塗り あけぼのぬり 曙塗りとは「根来塗」の反対色の塗り方で、朱を塗った上に黒を塗り重ね、それを丁寧に研ぎ出して黒地に朱模様を浮き上がらせて模様にした塗り方。
亜高山針葉樹林 あこうざんしんようじゅりん 植物の垂直分布帯の1つ。わが国の垂直分布は低い場所から順に、低地帯、亜山地帯(丘陵帯)、山地帯、亜高山帯、高山帯に区分される。日本では、東北地方から中部地方にかけて、亜高山帯には常緑針葉樹林が分布する。この樹林を亜高山針葉樹林という。東京においては雲取山(2017m)が最高峰で高山帯はなく、シラビソ、コメツガなどの亜高山常緑針葉樹林が分布する。気候帯の区分では亜寒帯林に相当する。
亜高木 あこうぼく 厳密な定義は存在せず、文献によりまちまちだが、一般的には樹高3~10mになる木のことを指す。本サイトでは、成木の標準的な樹高が5~10m前後になる樹木のことを指している。小高木(しょうこうぼく)、中木(ちゅうぼく)などと呼ばれる場合もある
浅植え あさうえ 浅植えとは、苗の根鉢上端が表土と同位置、またはやや高い位置となるように植えつけること。根付け後の水はけを確保する場合や、湿り気を嫌う植物を植えつける場合に行われる。樹木の場合、盛り土をして根鉢を地上にだすのは、特に高植えという。
字限図 あざぎりず 明治6年の地租改正条例の施行により明治初期から中期にかけて作成された野取絵図(改租図ともいう)を、明治中期後半に更正した地押調査図のことをいう。別名「字図(あざず)」「字絵図(あざえず)」又は「公図」とも呼ばれる。これは、地番区域である大字又は字を単位に作製されている。この地図の精度は、その当時の測量技術からみて正確性を欠いているが、現在も登記実務上、貴重な資料として活用されている。地籍調査事業についても同様である。
亜酸化窒素(一酸化二窒素、N2O) あさんかちっそ 温室効果ガスの一つである。主要な排出源として、産業部門ではアジピン酸製造工程、廃棄物部門では廃棄物及び下水汚泥焼却施設、農業部門では農地の堆肥等、が挙げられている。
アジア森林パートナーシップ あじあしんりんぱーとなーしっぷ アジアの持続可能な森林経営の促進を目的として、アジア諸国(主にASEAN)や欧米の17カ国・8国際機関・国際NGO等9団体が、違法伐採対策、森林火災予防、荒廃地の復旧・再植林等の活動に協働的に取り組むためのパートナーシップ。2002年の「持続可能な開発に関する世界首脳会議(WSSD)」にて発足。
亜主枝 あしゅし 亜主枝とは、主枝から発生する枝のこと。主枝よりこまかい部分を構成する。副主枝ともいう。
厚まき あつまき 厚まきとは、種を密集させてまくこと。
アドレスマッチング あどれすまっちんぐ 住居表示から緯度経度などの座標へ対応付けを行うこと。たとえば、一般の統計データのように、住居表示で地球上の位置と関連づけらているデータを空間データとして利用するのは難しいが、アドレスマッチングにより、緯度経度で地球上の位置と関連づけられるデータに変換されれば、一挙にGISでの利用が容易になる。
アナフィラキシーショック あなふぃらきーしょっく ハチ毒等が原因で起こる、急性アレルギー反応(アナフィラキシー)は、じんましんや皮膚の紅潮、呼吸困難、めまい、意識障害等の症状を伴うことがあり、血圧低下等の血液循環の異常が急激に現れるとショック症状を引き起こし、生命をおびやかす危険な状態に陥ってしまうことをアナフィラキシーショックという。
アナフィラキシーを引き起こすきっかけには、ハチ毒アレルギーの外に食物アレルギー、薬物アレルギー、ラテックス(天然ゴム)アレルギー等がある。
アナログ地図 あなろぐず 紙やフィルムなどに描かれた地図のこと。
アメニティ あめにてぃ 「快適環境」と訳され,場所・気候風土・自然・社会環境など,環境の総合的な質を表します。
荒透かし あらすかし 密生した枝、からみ枝など、不要な枝を元から切り落とす手入れ法です。樹形をおおまかに透かす技法で、大透かしともいいます。
アレルギー体質 あれるぎーたいしつ アレルギー体質とは、一般には無害とされる物質(花粉など)に過剰に反応しやすい体質、血液中のIgEを作りやすい体質の人などがこう呼ばれています。例えばアトピー性皮膚炎の8割の方は血中IgE値が高いという結果もあるようです。
アレルギー体質の方は免疫の働きが良すぎるため、異物を排除する働きが普通の人より強いわけです。アレルギー体質は悪い意味で捉えている方も多いようですが、異物を体内に取り込まないようにするため、また取り込んでしまった異物を排出するという、とても大切な役割をまかなってもいるのです。
アレルゲン あれるげん アレルギー患者に対してアレルギー反応を誘発する抗原物質のこと。花粉や塵、等が代表的なアレルゲン。アレルゲンを持つ食品は小麦、そば、卵、乳、落花生、あわび、いか、いくら、えび、オレンジ、かに、キウイフルーツ、牛乳、くるみ、さけ、さば、大豆、鶏肉、まつたけ、もも、やまいも、りんご、ゼラチン等がある。食品中のアレルゲンはタンパク質である場合がほとんどである。
アレルゲンとは、身体に異常な反応を起こさせる物質のことで、抗原とも呼ばれ、主にたんぱく質で出来ているものが多いようです。
このアレルゲンが何らかの形で体内に入ることにより、身体が異常を感じ、花粉症、ぜんそく、アトピー性皮膚炎、鼻炎、結膜炎、腸の炎症などのさまざまなアレルギーの症状を引き起こします。現在、厚生省が指定して保険で検査できる物だけで、170種類以上も確認されています。
アレルギー体質を持つ人でも人によって反応を起こすアレルゲン(抗原)はさまざまで、抗原となりやすい物質として花粉・ダニ・卵黄・牛乳・そばなどの食物、カビ(真菌)、ペットの毛などが存在し、主なアレルゲンは5種類に分けられます。
吸入アレルゲン
吸入アレルゲンには、花粉(スギ花粉やブタクサ花粉など)、草花、花の胞子、タバコ、香料、ダニ、ほこり、ペットの毛、建築物の素材(のり・化学物質・ホルムアルデヒド)など、鼻やのどを通じて体内に取り込まれるアレルゲンのことです。
経口アレルゲン
経口アレルゲンは食品として体内に取り込まれる、食物アレルギーの原因物質のことです。
5大食物アレルゲン
卵、牛乳、小麦、そば、落花生(ピーナッツ)が5大食物アレルゲンといわれ、食品衛生法により、これらの5大アレルゲンを含む食品は、その表示が義務づけられるようになりました。これらの特徴としては、たんぱく質含有量が多く、たんぱく質総摂取量の中でも高い比率を占めていることです。
食物性アレルゲンとして他にも、アワビ、イカ、イクラ、エビ、オレンジ、カニ、キウイフルーツ、牛肉、くるみ、サケ、サバ、大豆、鶏肉、豚肉、まつたけ、桃、やまいも、りんご、ゼラチンの19品目についても、可能な限り表示するように推奨されています。
接触アレルゲン
接触アレルゲンとは、肌に直接接触したときにアレルギーを起こす物質のことであり、化粧品、うるし、ゴム,衣服・寝具の素材(綿・絹・羽毛・羊毛)、金属、薬物、化学物質、塗料等、合成洗剤などがあります。
注入アレルゲン
注入アレルゲンは、体内に注入されたアレルゲンのことであり、毒物から虫刺されまでが含まれ、ワクチン・血清・薬剤・抗毒素のような健康を促進する物質が関係しています。
注入アレルゲンの反応は肌のかゆみや、あかみを伴う局所的なものと、ジンマシンや全身のかゆみのような全体的に症状があらわれる場合もあります。
かび・菌類
かびは植物質や動物質のものに発生する微小な菌類で、吸いこまれたり飲み込まれたりして、ぜんそくの症状の主要な発生源となっています。
アレロパシー あれろぱしー アレロパシーとは、植物の他感作用のこと。
植物が生産・排出する化学物質によって、植物・微生物・動物に作用を及ぼす。忌地や連作障害もその作用からくる。
ハーブ栽培でのコンパニオンプランツもアレロパシーを考慮したもの。
アレロパシーの例
☆スギ・ヒノキの下⇒草花の生育が悪い。
☆メロン・リンゴの果実⇒カーネーション・ランの花蕾が眠り現象、しおれ現象をおこす。
☆ヒガンバナ⇒ネズミやモグラの忌避。
☆マリーゴールド⇒ネグサレセンチュウの防除。
☆バラとニンニク・パセリ・タマネギなど⇒相互に収量・品質がよくなる。
☆アニスとコリアンダーの種子⇒発芽、生育がよくなる。
アロマテラピー あろまてらぴー アロマは芳香、テラピーは療法を示す合成語。一般には、花や香草などの香りをかいでストレスを軽減し、心身の健康をはかる療法を指す。森林浴などを行うと、樹木などから放散されるフィトンチッドという香気成分のテルペン類が有効に働き、アロマテラピーと同様の効果が得られる。また、これらの成分を抽出した製品の販売も広く行われている。
暗渠 あんきょ drain ①砂防ダムの堤体に、堤軸に直交する方向にあけられた水路。細粒の砂礫によって砂防ダムが満砂することのないよう低水流量を通過させるほか、工事中の排水路として機能させる。②地巾にパイプやフィルター材を連続状に埋設して地下水を排除するもの。フィルター材としては蛇かご、そだ、礫・割石、竹、丸太などが用いられる。
暗渠疎水材 あんきょそすいざい 暗渠排水は、地表残留水の排除や地下水位の低下を目的に水田や畑で行われる。地下に埋設した吸水管や埋め戻し部分の透水性を高くするために疎水材が用いられ、木材チップ・砂利・火山灰・モミガラなどが使われる。
暗渠排水 あんきょはいすい 水はけの悪い場所で地下に水路を作って排水すること。
暗色雪腐病 あんしょくゆきぐされびょう トドマツ・エゾマツ・アカエゾマツに発生する病気。地面に接する枝や若齢木が林床に伏した状態になったときに菌のために葉が枯れる。
安全率 あんぜんりつ factor of safety 物体の安定条件を損なうように作用する外力、あるいは応力に対してそれらに抵抗する力あるいは応力の許容最大値の比で表す。この比が、1以上であれば安定を保ち、1以下であれば安定を欠くと判定する。構造物は全体としてあるいはそれぞれの部分ごとに定められた安全率を満足するような材料、断面、形状、寸法で設計され施工される。
アンブレラグループ あんぶれらぐるーぷ Umbrella Group EU以外の西側先進国と旧ソ連のグループ。アイスランド、アメリカ、オーストラリア、カナダ、ニュージーランド、ノルウェー、ロシア、ウクライナおよび日本の9カ国。COP3以前に結成された日米加などによるJUSCANZグループが拡大したもの。
アンブレラ種 あんぶれらしゅ 個体の維持に広大な生息地を必要とし、その種を保護することで、傘のように同時にほかの多くの種を守ることができるような種。日本ではツキノワグマやイヌワシがその例である。しかしキーストーン種とは異なり、その種が生態系から失われても他の種に大きな影響が及ぶとは限らない。
EUアローワンス いぃゆぅあろーわんす EU Allowances :EUAs EU排出権取引スキームにおいて取引されるアローワンス。各対象施設は政府から所定のアローワンスを割り当てられる。1EUA=1tCO2。
EU排出権取引スキーム いぃゆうはいしゅつけんとりひきすきーむ EU Emission Trading Scheme :EU ETS EU加盟国内の約12,000施設(Installation)を対象にしたキャップ&トレード型の排出権取引スキーム。2005年1月1日に公式に開始された。第1フェーズ(2005年~2007年)はエネルギー集約産業(電力・熱供給、製油所、鉄・非鉄金属、セメント、ガラス、窯業、パルプ)が対象となっており、EUのCO2総排出量の約50%がカバーされる。2008年~2012年の第2フェーズでは運輸・航空部門の本スキームへの取り込みが議論になっている。なお、第1フェーズはCO2のみ、第2フェーズはメタンなど他の温室効果ガスも対象となる見込み。各国は、アローワンス総量などを盛り込んだ国内割当計画(NAP)を作成し、これを欧州委員会に提出して承認を得る必要がある。また、各企業がその目標達成のためにCDM・JIからのクレジットを利用することを認めている。
EUリンク指令 いぃゆぅりんくしめい EU Linking Directive EU排出権取引スキームにおいて、EU企業がCDM・JIからのクレジットをEU ETSの目標遵守に用いること等を認めたEU指令。CDM・JIクレジットの活用時や域内での排出削減プロジェクト実施時に適用される制限事項についても規定している。2004年10月に採択。
イオルの再生 いおるのさいせい 森林や水辺等において、アイヌ文化の保存・継承・発展に必要な樹木、草本等の自然素材が確保でき、その素材を使って、アイヌ文化の伝承活動等が行われるような空間を形成するもの。なお、アイヌ語で「イオル」とは「狩場」の意味。
維管束 いかんそく 維管束はシダ植物及び種子植物の茎・葉・根などの各器官を貫いて分化した条束状の組織系のことで管束ともいう。維管束は、木部と師部からなり水分や体内物質移動の通路となる。
維管束痕 いかんそくこん 葉が落ちた痕(葉痕:ようこん)にある点状の模様のこと。これは、道管(どうかん)や師管(しかん)などが束になった維管束(いかんそく)の痕で、冬芽で樹木を見分ける際の重要なポイントになる。
育成単層林 いくせいたんそうりん 森林を構成する樹木の全部または大部分を一度に伐採し、そのあとに一斉に植林を行うこと等により、樹齢や樹高のほぼ等しい樹木から構成されている森林。
人為によって保育などの管理がされた森林のうち、樹齢や樹高の異なる樹木によって構成された森林。
森林を構成する林木を択伐等により部分的に伐採し、人為により複数樹冠層を構成する森林(施業の関係上一時的に単層となる森林を含む)として成立させ維持する施業(育成複層林施業)が行われている森林。
育林 いくりん 森林をつくり、育ててゆくこと。造林とほとんど同意義に使われるが、とくに森林の更新や保育の面を強調して使われる。また森林の保護を含めて使うこともある。
IKONOS いこのす 1999年9月に米国スペースイメージング社が打ち上げた高解像度衛星の名称。パンクロマチィック画像で約1mの解像度を持つ。
異常気象 いじょうきしょう 平均気温や降水量が、過去30年(気象庁)ないし25年(世界気象機関(WMO))の気候に対して、著しいかたよりがみられる天候をいう。異常気象はいくつかの原因による現象だが、その原因は気象や海象による「内因」と火山の噴火や気象と無関係な原因による「外因」に大きくわけられる。
位相構造化 いそうこうぞうか topology 地理事象を空間的に把握するとき、距離などの計量と並んで、何がどこの中にあるか,何と何が隣り合っているかなどの性質も重要である。平面の上に閉じた曲線があれば、それは平面を内側と外側に分ける。したがって、内側から外側に行くには必ずその局線を横切らなければならない。こういった性質は当たり前のことと受け取られ、我々の地理的認識の基礎となっているが、これらを数学的に体系付ける分野を位相幾何学、あるいはトポロジー(Topology)と呼ぶ。
位相関係 いそうず 位相関係とは図形と図形の位置関係や接続関係を表す幾何学的な性質の一つである。「道路の接続関係が正しく表現されているか」「道路中心線と道路縁の線とは交差してはならないが、守られているか」などはその代表的な例である。バスの路線図、電子回路図などは、空間的精度よりも位相関係の正確さが重要であるような代表例である。
一軸圧縮試験 いちじくあっしゅくしけん unconfined compression test 円筒型の供試体(直径3~7cm、高さは直径の2~2.5倍)を側方の拘束圧なしに、軸方向に圧縮して圧縮強度を求める試験である。一般に粘性土に限って適用される。飽和土の一軸圧縮強さquは非排水せん断によるCuの2倍になることから、土の非排水せん断強度を求めるときにも用いられる。なお土の圧縮力と変形の関係を求めるために一軸圧縮試験の応力─ひずみ曲線より得られる変形係数が利用される。
一年枝 いちねんし 1年で伸びた枝のこと。(当年枝・本年枝)
一番玉 いちばんだま 根元に一番近い所から取った丸太。元玉ともいう。以下、先端部を二番玉、三番玉、・・・末玉と呼ぶ。
一級河川 いっきゅうかせん 一級水系にある河川、湖沼で、特に重要な区間は国土交通大臣が管理し、その他の区間は都道府県知事が管理している。
一級水系 いっきゅうすいけい 洪水被害や水利用などの観点から特に重要性の高い水系として、国が政令で指定した水系。利根川、淀川など現在全国で109水系が指定されている。
逸出 いっしゅつ 栽培等の目的で植えられた外来植物が、勝手に逃げ出して野生化すること。広義の「帰化」に含まれる。草の場合はよく使われる用語だが、木の場合はあまり使わない。
溢水 いっすい 川などの水があふれ出ること。
堤防がないところでは「溢水」、堤防のあるところでは「越水」を使う。
一斉林 いっせいりん 樹冠の層がほぼ同じ高さで樹種が単一である森林。一般に皆伐跡地に同一樹種を一斉に植栽されたものが成長してできるため、単層林、同齢林、単純林ともいう。
遺伝資源 いでんしげん 長い進化の歴史の中で蓄積された遺伝変異で、育種(品種改良)の基盤となるもの。(遺伝子そのものと、遺伝子型の二つのレベルがあるが、現在は遺伝子型での利用が一般的)
遺伝子バンク いでんしばんく 遺伝資源。遺伝子工学や育種技術で、病気に強い作物作りや、植物からの医薬品生産に利用される生物の種子や遺伝子を総称して遺伝資源という。日本をはじめ各国や国際機関が遺伝子銀行(ジーンバンク)を設置して、現在、栽培されている作物の野生種や近縁種を中心に野外での探索と種子などの保全に取り組んでいる。遺伝子資源の多くが存在する発展途上国は、遺伝子資源に関する自国の主権を主張することが多くなっている。
遺伝的汚染 いでんてきおせん 地理的に隔離され、遺伝的に分化し、従来出会うことのなかった近縁種どうしが、人為的輸送により出会い、交雑して次世代が生じることで、在来種の遺伝的純系が失われていくこと。具体的な例としては、中国から持ち込まれたタイリクバラタナゴという魚が、日本固有のニッポンバラタナゴと野外で交雑して雑種化が進行し、現在、固有種が絶滅に瀕しているというものがある。遺伝的汚染は、遺伝子レベルでの種の絶滅を招く現象といえる。
遺伝的多様性 いでんてきたようせい 遺伝子の組み合わせの多様性のこと。遺伝的多様性は種の進化というダイナミックな視点からも非常に重要であるし、また遺伝的に多様であることで、環境変化に対応することができる遺伝子をもつ個体が生存し、絶滅を免れることができる。また、遺伝的多様性が低下した個体群では、繁殖成功率が低下する例もあり、絶滅危惧種であるチーターの流産率の高さは、遺伝的多様性の低下が原因のひとつとして考えられている。
意図開き(環境教育) いとびらき 様々な活動(アクティビティ)やプログラムが終わった後に、指導者からその意味などを小講義型式で伝えることがある。「ふりかえり→わかちあい」のみで意図開きをしない場合もある。
移入種 いにゅうしゅ 国外又は国内の他地域から本来の野生生物が持つ移動能力をはるかに超えて意図的・非意図的に移動・移入した種のこと。現在わが国では移入種が増加しており、地域固有の生態系や生物相の存続に対する大きな脅威となっている。
東京都の森林では、小笠原諸島において、薪炭として移入したトウダイグサ科のアカギが旺盛に成長し、分布を広げて各島の固有植生を破壊する問題などが生じている。
国外または国内の他地域から、本来の移動能力をはるかに超えて意図的・非意図的に移動・移入した種のことを言う。移入種の影響は、捕食される在来の希少種等の減少、競合する在来種の駆逐などの直接的な影響だけでなく、近縁種との交雑による遺伝的汚染、採餌行為による植生の破壊に伴う土壌流出などの間接的な影響も含め広範囲にわたり、これが地域固有の生態系や生物相の存続に対する大きな脅威となっている。日本では、近年マングース、ブラックバスなどの移入種が問題になっている。
忌み枝 いみえだ 忌み枝とは、木の形を乱す不要な枝のこと。風通しや日当たりも悪くなり成長の妨げともなるので、早めに剪定を行う。
忌地 いやち 連作障害、毎年同一場所で榾木を管理すると年が経過するに従って榾化が悪くなったり雑菌の侵入が多くなり茸の発生量も少なくなること
同じ場所に何年も同一の、あるいは同じ科の植物を植え続けると、病害虫が増えたり生育が悪くなること。
育成障害
忌地とは、同一場所に同じ種類の植物を続けて植えることによって、育ちが悪くなるなどの障害がでること。特定の養分が不足したり病虫害がふえたりするのが原因。忌地現象とか連作障害と呼ぶ。
入会林野 いりあいりんや 集落など一定地域の住民が昔からの「きまり」や「おきて」などの慣習に従って、木材、薪炭、まぐさなどを採取するために使用収益している山林原野をいい、その使用収益する権利を入会権という。「入会林野等に係る権利関係の近代化の助長に関する法律」(昭和41年7月制定)により、入会林野の農林業上の利用を促進するため、権利関係を実質上、個人の権利として明確化する近代化整備を行っている。
異齢林 いれいりん 樹齢が異なる林分で構成されている森林。同齢林に対応する語。
インサイジング いんさんじんぐ 防腐防虫薬剤を材表面から深く、かつ均一に浸透させることを目的に、注入処理の前工程として刃物などにより表面から切り込み、人為的な繊維切断面をつくるもの。
陰樹 いんじゅ 日陰の方が良いもの-常緑樹-
ヒイラギナンテン
アオキ
センリョウ
マンリョウ
カクレミノ
陰生植物 いんせいしょくぶつ 森林内の日当たりの悪い所でも生育できる植物。多くの陰生植物は日向でも育つが、一部、乾燥に弱く直射日光が当たると枯れてしまうものもある。シダ植物、コケ類、アオキ、ヤツデ、カシ、ヒサカキなどがあり、特に樹木を陰樹という。
インセクト・レジスタンス・マネージメント いんせくとれじすたんすまねーじめんと IRM 害虫防除に一つの殺虫剤のみを使用していると、その殺虫剤が徐々に効力を失うことがある。これは、害虫が殺虫剤に対して抵抗性を獲得したために起きる。このような殺虫剤への抵抗性を発達させないための方法がIRMである。IRMは米国環境保護庁(EPA)によって、害虫に強い農作物を栽培する際には実施するよう義務づけられ、作用性の異なる殺虫剤を順番に使う(ローテーション)、又は殺虫剤と共に栽培方法での防除、耕種的防除法を組み合わせる等の方法がとられている。遺伝子組み換え農作物を栽培する場合は、畑の中や周囲に非組み換え農作物を栽培する「緩衝地帯」を設ける、又はローテーションするなどの方法がある。
インセンティブ いんせんてぃぶ 意欲を引き出すために外部から与える刺激のこと。
インタープリター(環境教育) いんたーぷりたー インタープリテーションをする専門職のこと。米国の国立公園、例えばヨセミテ国立公園などでは数十人のインタープリターの専門職が勤務している。
インタープリテーション(環境教育) いんたーぷりてーしょん 本来は「翻訳」の意味。「自然解説」と訳されているが自然物だけではなく歴史文化遺産も含めた事物の意味を伝えること。「インタープリテーションとは総合芸術である」とは米国の研究家の言葉。様々な手法を使ってそのものの裏にある大切なメッセージを伝える。
インベントリー いんべんとりー ある地域に生育・生息する動植物について調査し、一定の基準にしたがって作成された目録
ウイルス ういるす DNAかRNAのどちらかをゲノムとして持つ、感染細胞内だけで増殖する感染性の微小構造体。1957年にA.M.ルウォフらが以下のように定義している。
①核酸としてDNAかRNAのどちらかを持つ
②遺伝物質だけから複製される
③二分裂で増殖しない
④エネルギー産生系を欠く
⑤宿主のリボソームをタンパク質合成に利用するこれらのことから一般に生物とは別の扱いをされる。
ウィルス病 うぃるすびょう ウィルス病とは、ウィルスが病原となっておきる病気のこと。伝染を防ぐためアブラムシの防除やハサミやナイフを消毒が必要。
植え傷み うえいたみ 植え傷みとは、植え付けや植替え時に起こる障害で、生育が止まったり、葉が落ちたり、枯れたりする。原因は植替えなどの作業時に、根を傷めることによることが多い。
ウェイビーウェイビー うぇいびーうぇいびー 北海道木材利用推進協議会が定めた「道産間伐材使用」のロゴマークの付いた紙。間伐材等を主として天然パルプ100%の製品で、従来の紙の約5~10倍伸びる特徴があり、立体的な表現ができる。(世界一伸びる紙)
ウェファーボード うぇふぁーぼーど 合板に代わる構造用面材料で、一辺の長さが50cm前後、厚さ0.5mm前後の正方形状の削片をランダムに配列して接着した板。
上榾 うえほだ 原木の表面ばかりに菌が回り、表面近くが過熟になりそのわりに中心部の菌回りが悪い状態。上榾の木は第一回目の発生のとき全体に貧弱な茸が多く発生しいかにも良い榾木の用であるが第2回目の発生が悪くなりやすい
ウォータークッション  うぉーたーくっしょん water cushion 水褥(すいじょく)ともいう。落差の大きい流れは落下地点での洗掘、波動などを起こすため、下流にプールを造って落下水脈を貫入、拡散させて減勢する。普通は下流の河道を副ダムで締め切ってプールを造るが、落差の大きい場合はプールの底をコンクリート張りにして河床を落下水脈による洗掘から守る。
魚つき保安林 うおつきほあんりん 魚つき保安林とは、公益的機能の発揮が特に必要な森林として農林水産大臣または都道府県知事が森林法に基づき指定する保安林のうち、魚介類の生息、繁殖環境の保全を目的として指定するもの。水面に陰をつくったり、流れ込む水の汚濁を防いだり、養分の豊かな水を供給するなどの働きで、魚介類の生息と繁殖を助ける。
受口 うけぐち 立ち木を伐倒するとき、最初にチェーンソー等で伐倒方向に切り込むこと。受口は、伐倒方向を確実にするとともに、材の裂けを防ぐために設ける。
ウッドマイルズ うっどまいるず wood miles 木材の産地から消費地までの距離を指標のひとつにすることで、木材の環境負荷を評価しようというもの。基本的な考え方は、木材が運ばれてきた「距離」に、運ばれてきた「量」を乗じたものをウッドマイレージ(キロ㍍・立方㍍)と呼び、その木材の環境負荷の大きさを表す基本的な指標としている。輸送方法ごとのエネルギー量を割り出し、輸送過程全体で排出したCO2量で環境負荷を示すウッドマイレージCO2という指標もある。「ウッドマイレージ」はウッドマイルズ研究会(熊崎実会長)の登録商標。
うどんこ病 うどんこびょう うどんこ病とは、葉や茎がうどんこをまぶしたように白くなる病気。白渋病ともいう。防除は硫黄剤で行う。
埋立てガス うめたてがす Landfill gas :LFG 廃棄物などの埋立てによって発生するガス。温室効果ガスのひとつであるメタンが代表的な埋立て発生ガス。埋立てガスの主な回収方法については、垂直方向に井戸を設置する方式、埋立てリフト毎に水平井戸を設置する方式、最上部の覆土の下部に水平井戸を設置する方式などがある。
梢殺 うらごけ 樹幹の形状を示す語。樹幹の上方部が細くやせている形状をいう。
漆の木 うるしのき 漆の木は、イチョウなどと同じように雄木と雌木に分かれています。漆の雌木は実をつけ、その実には蝋(ロウ)がありロウソクの原料になり、一方塗料としての「漆」は、雄木の樹液から作られます。
上根 うわね 上根とは、地表に近い部分にある根をいう。また、ユリなどの場合は、球根の上にある茎から発生する根をいう。
運材 うんざい 広義には集材のような小範囲の木材の移動作業も入るが,一般には山土場から原木を木材市場や中継点の駅土場に輸送することをいう。運材方法は,地形や道路の整備状態,鉄道路線の利用の可否などによってトラック輸送,鉄道輸送の陸上運材と河川を利用する筏流送の水上運材に分けられるが,わが国では現在トラック運材が大部分である。
運材作業 うんざいさぎょう 運材作業は、伐採、集材された丸太をトラックに積み込んで、林道や公道を通って運搬し、木材市場や貯木場などの目的地で丸太を降ろすまでの作業です。
トラックの性能がよくなり、道が整備された現在では、運材作業は比較的単純な作業となっています。多くの地方には運材専門の運送業者がいて、仕事を請け負っています。
HBO型スリット えいちびーおーがたすりっと 「HB」はハイブリットバットレスの略で、鋼製材料で囲った枠の内部にコンクリートを充填して強度を高めた工法。HBOはHB型をさらに経済性を追求し横ビーム式を加えた製品で、最下流型にも対応する。砂防地すべりセンターの技術審査には平成17年に取得済みだが、施工例はまだ少ない。共生機構株式会社の製品。
A型スリット えぇがたすりっと 流木止の一種で横から見た形状がアルファベットの「A」の形になっていることから呼ばれる。日鐵住金建材株式会社(旧:日鐵建材工業株式会社)の製品。
液肥 えきひ 水にとかして与える肥料。液体肥料。水肥。
エコシステムアプローチ えこしすてむあぷろーち 2000(平成12)年5月に開催された生物多様性条約第5回締約国会議において承認された、生物多様性の保全と持続可能な利用を図るために有効な自然資源の管理についての基本的な考え方。12の基本原則と運用のガイドラインからなる。人間が生態系の構成要素であること、生態系が複雑で絶えず変化し続けていることを前提として、自然資源の管理は、関係者すべてが広く自然的、社会的情報を共有し、社会的な選択として、管理の方向性が定められる必要があること、管理は順応的に行われるべきことなどを原則として掲げている
エコツーリズム えこつーりずむ その地域の自然環境を損なうことなく、地域の自然や文化を学び、ふれあう旅行の形態のこと。自然環境への悪影響の防止、ガイドによる質の高い自然解説の確保等の観点から、一般的に少人数で行われる。
希少生物の保護区や保護対象にある自然環境を観光の対象とする旅行形態。(たとえば、中央アフリカへの野生のゴリラの観察ツアーなど)都市住民にとっては貴重な環境教育の機会となり、またレクリエーションの機会にもなる。また、旅行者の払う代金が環境保護に用いられることでその土地の振興、よりよい環境保護にも有益である。
多種多様な動植物が生息する天然林や国立公園などで行う自然に親しむことに重点をおいた観光をいいます。森林を管理する側からは、バッファー・ゾーンに宿泊施設、遊歩道などの施設を設けることにより、厳正な保存地域への立ち入りを防ぎつつ啓発活動を行うとともに、地域の収入増を図ることができます。利用者側からは、通常では親しむことが困難な野生動植物の観察等、その生態系を利用したレクリエーションを行うことができます。
エコトーン えことーん 異なる環境が連続して変化していく場所のことで「移行帯」または 「推移帯」とも呼ばれ、ここでは川岸の水際の多様な自然環境の様子を表しています。特徴としては、陸域から水域へかけて環境が連続して変化しているため、比較的限られた空間の中でいろいろな生物が生育・生息出来ます。このため、生物の多様性保全の観点から重要な場所であると考えられます。
エコトーン えことーん 移行帯または推移帯
エコ・ファースト制度 えこふぁーすとせいど エコ・ファースト制度とは、業界のトップランナー企業の環境保全に関する行動を、さらに促進していくため、企業が環境大臣に対して、自らの環境保全に関する取り組みを約束する制度。1:京都議定書の目標達成に向けた地球温暖化対策をはじめとして、環境保全に関する目標を明示し、かつ目標やこれを実現するための取り組みが、業界のトップランナーとしての先進性・独自性を有するものであること2:全国の模範となるような環境保全に向けた取り組みであること3:約束された取り組みの進捗状況の確認を行う仕組みが設けられ、環境省への報告または公表が行われること――を、約束した企業を「エコ・ファースト企業」に認定、「エコ・ファースト・マーク」の使用を認める。認定企業にはビックカメラ、積水ハウス、ライオン、キリンビール、滋賀銀行、びわこ銀行、三菱自動車、日産自動車などがある。
エコマーク えこまーく 私たちのまわりにあるさまざまな商品の中で、製造・使用・廃棄などによる環境への負荷が他の同様の商品と比較して相対的に少ないなど、その商品を利用することにより環境保全に役立つと認められる商品に付けられるマークであり、「私たちの手で地球を、環境を守ろう」という気持ちを表している。
(財)日本環境協会が認定を行っており、代表的な商品としては、リターナブル瓶(回収の上再利用される瓶)、古紙を原料にした印刷用紙、無漂白のコーヒーフィルターなどが認定されている。
SGEC えすじぇっく Sustainable Green Ecosystem Council 「緑の循環」認証会議
豊富な人工林資源の循環利用の促進や地域材振興への貢献等の必要性を踏まえた我が国独自の森林認証制度で2003年に創設された。北海道では、 2004年 9月に森林として佐藤木材工業㈱の社有林、事業体として佐藤木材工業㈱本社工場、やまさ協同組合集成材工場が認証を取得している。
枝打ち えだうち 林内の光環境の改善、良好な景観の保持及び優良材の生産等を図るために、樹木の枝を落とす作業。
木材として市場価値の高い完満な無節材を育成するために、樹幹の枯れ枝や生きた枝を両刃のナタ、カマ、オノ、ノコなどで切断することをいう。枝打ちの程度や回数は樹種や生産の目的によって異なる。
さらに、枝打ちは、林内に陽光が十分に入り通風がよくなるため、下層植生の成長が促進され林地の保全や病虫害の発生を予防するうえに、山火事の予防や林内作業を便利にするなどの利点がある。
完満な材を作るため、計画的に下枝の一部を幹に沿って、ナタや鋸等で除去する作業をいう。枝打ちの目的は、材の付加価値を高めることや病虫害の防止等の外、林内に光を入れ、下層植生を生育させ、公益的機能の発揮を目指すことである。
節のない材を生産するため,樹木の育成過程において下方の不要な枝を切り落とすこと。無節の幹材を得るためには下枝を計画的に切って,死節などができるのを防ぐ。枝打ち季節は樹木の成長休止期(秋~冬)がよい。
枝下ろし えだおろし 大木の大枝を付け根から切り落として形姿を整えることです。
枝下高 えだしたこう 枝のない幹の部分の高さ。地上から最初の枝までの高さ。
枝透かし えだすかし 込みすぎている枝を切って風通しを良くすること。枝抜きと同じ
大バサミなどを用いて小枝や徒長枝を細かく切除する「はさみ透かし」と、のこぎりを使って大枝を抜いていく「のこ透かし」と呼ばれる手入れ法があります。
枝払い えだはらい 枝払いでは、材の付け根を幹に沿って平らに切りますが、小さな枝はオノを使う方が便利なときもあります。枝払い作業は作業者自身の足場と、材の安定を常に確かめることが大切です。作業者は元口側から梢端の方へ向かって左側に立って、枝を切っていきます。チェーンソーのバーの先端部を枝に当てると反発が起こって危険ですから、バーの中間から元の方を使います。大きな枝や材の下に押さえ込まれている枝は、不用意に切ると反発が生じたり、チェーンが食い込んだりすることがあります。
枝干し えだほし 葉の落ちた木を伐採し放置して水を抜くこと
餌付け問題 えづけもんだい 特定の動物の保護や、観光を目的として人気の動物に餌付けを行った結果、その動物が自ら餌を採る能力を失ってしまうことが問題化した。有名な事例としてイエローストーン国立公園(米国)のグリズリーベアーの餌付けが挙げられるが、これは観光客誘致のためにグリズリーに餌付けを行ったところ、人に近いところまでグリズリーがやってくるようになって「大成功」ではあったが、かえってグリズリーが餌を求めてやってくるようになってしまった。そこでグリズリーの餌付けを中止したところ、今度は餌を求めてやってきたグリズリーが人間を襲う事態となってしまい、keep wilderess という思想の原点となった。同様の事例は、日本でも日光の猿や知床の熊にも見られる。
エッジ効果 えっじこうか edge effect 「エッジ効果」は、外部の環境(牧草地や道路など)と接している周縁部は外部からの影響を受け内部の環境(熱帯雨林内)とは異なる現象がみられる効果のことをいう。具体的には、日射量、気温、湿度、風の強さなどの微気候が大きく変動することがあげられる。
エッジ効果はどの森林でも生じるのが特徴である。
例えば熱帯雨林の周りに牧場が隣接している場合、開けた牧場からの風が熱帯雨林に吹き込む。さらに、日が差し込むことにより、湿度を保っていた土が乾き土壌の質が変わる。その結果、ランタナなどの雑木が生え、熱帯雨林が広がらなくなる。
また雨が降ると、直接雨にさらされない熱帯雨林の中とは違い、エッジ部分には直接土壌に雨があたり土や養分が流されてしまうことがある。
越水 えっすい 川などの水があふれ出ること。堤防がないところでは「溢水」、堤防のあるところでは「越水」を使う。
N樹 えぬじゅ 針葉樹の略称。Nは独語Nadelbaum の頭文字をとったもので針葉樹,またはその製材品を示す。
NPO(民間非営利組織) えぬぴーおー Non Profit Organization 政府や私企業とは独立した存在として、市民・民間の支援のもとで社会的な公益活動を行う非営利の組織・団体。継続的に活動する組織体という点でボランティア(個人が善意で行う個々の活動)と異なる。このような組織・団体の活動を支援するため、環境の保全を図る活動等の12分野の特定非営利活動を行う者について簡便に法人格を与える「特定非営利活動促進法(NPO法)」が制定され、平成10年12月1日から施行されている。
営利を目的としない民間の組織や団体。会費、事業収入、民間の寄付、行政の補助金等を財源にして、ボランティアの労働力などで運営を行う。活動領域は福祉、環境からまちづくりまで幅広く、行政とは独立して自主的に社会貢献活動を行うなど市場でも政府でも十分に供給できないサービスを提供しており、新たな公益活動の担い手として注目されている。
また、特定非営利活動促進法に基づき、法人格を取得し、法人として、銀行で口座を開設したり、事務所を借りるなどの行為を法人の名で行えるNPO法人(特定非営利活動法人)と任意団体等を含む広義のNPOと区別している。
エネルギー効率 えねるぎーこうりつ Energy Efficiency :EE 排出削減プロジェクトにおける1カテゴリー区分。小規模CDMプロジェクト方法論については、供給サイドおよび需要サイド双方の省エネルギー方法論が提示されている。
FSC(森林管理協議会) えふえすしー Forest Stewardship Council 1993年にWWF(世界自然保護基金)などの環境団体や林業者、木材取引企業、先住民団体などによって組織された非営利の国際団体。FSCの森林認証は、「環境保全の点から見て適切で、社会的な利益にかない、経済的にも持続可能な森林管理」を推進することを目的としており、認証された森林から出された木材・木材製品にロゴマークを付けて流通させるもの。北海道では、2003年8月に下川町森林組合が認証を取得している。
各国で森林経営の認証業務を行う機関を評価、認定、監視するために平成5年(1993年)に設立された協議会。環境NGO、木材流通業関係者等世界40か国256の会員で構成されている。FSCの認証を受けることにより、木材・木製品にFSCのロゴマークを表示することが許可され、環境等に配慮した森林管理が行われている森林から生産された木材であることをアピールすることができる。
1993年にWWF(世界自然保護基金)などの環境団体や林業者、木材取引企業、先住民団体などによって組織された非営利の国際団体。FSCの森林認証は、「環境保全の点から見て適切で、社会的な利益にかない、経済的にも持続可能な森林管理」を推進することを目的としており、認証された森林から出された木材・木材製品にロゴマークを付けて流通させるもの。北海道では、2003年8月に下川町森林組合が認証を取得している。
LVL(単板積層材) えるう゛いえる 単板の繊維方向を揃えて多数接着した厚板又はブロック状の製品。家具、建具、構造材等に利用される。
L型スリット えるがたすりっと 鋼製透過型堰堤の一種で横から見た形状がアルファベットの「L」の形になっていることから呼ばれる。基礎にコンクリートを打設しない工法のため、砂礫基礎に適する。HBO型と同じく横ビームにより土石流を捕捉する。JFE建材株式会社の製品。
L樹 えるじゅ 広葉樹の略称。Lは独語Laubholz の頭文字をとったもので広葉樹,またはその製材品を示す。
塩基 えんき 一般では水素イオンを受け取るもの、もしくは水に溶けてアルカリ性を示す物質をいうが、分子生物学分野では核酸やヌクレオチドのピリミジン核あるいはプリン核を持った通常塩基性の部分をいう。アデニン(A)、グアニン(G)、シトシン(C)、ウラシル(U)、チミン(T)等があり、DNAを構成するのは、 A、G、C、Tの4種。一方、RNAを構成するのはA、G、C、Uの4種。
エンジニアリング・ウッド えんじにありんぐうっど 材料の強度的特性のばらつきが少なく、またそれが明確に表示されている構造用木材製品の総称です。例:構造用集成材、構造用単板積層材等。
塩生植物 えんせいしょくぶつ 塩分が多く含まれている土壌に生育する植物の総称。一般には熱帯・亜熱帯の塩性湿地に生育するマングローブ類をいう場合が多い。
堰堤 えんてい 砂防指定地内の河川において、上流から流失してくる土砂を貯留するために、あるいは既に河床に堆積した土砂の再流失を防止するために設置されるダム。砂防堰堤とも呼ばれる。一般的には、「ダム」と「堰堤」は区別なく用いられるが、河川法(1964・国土交通省所管)上は、「流水を貯留する目的で築造された高さ15m 以上の構造物」をダムと定義している。
塩風害 えんふうがい 海上からの強風により運ばれた塩の粒子により送電線、植物、などに起こる災害。台風の影響で起こることが多い。
塩類集積 えんるいしゅうせき salt accumulation 極多肥,ビニルハウスなどの施設内,蒸発量が降水量を上回る乾燥地帯などで,水が表層に移動して各種の塩類が土壌表層に集積すること。生育の障害や,世界的には砂漠化の原因ともなる.一般には粘土や腐植の少ない土壌で被害が大きい。土壌診断(電気伝導度,塩基の量,硝酸態窒素などを測定)により判定する。対策としては,施肥の合理化(過剰に施肥しない),土壌水分の適正化,湛水による塩類除去,植物に吸収させて外に排出するなどがある。
追口 おいぐち 立木に受口を切り込んだ後、反対方向から受口より少し高い所を樹心方向に切り込むこと。立木に受口を切り込んだ後,反対方向から受口より少し高いところを樹心に向かって切り込むこと。チェーン・ソーなどで追口を挽き,受口方向に伐倒する。伐倒方向を正確にするため,追口に楔を打ち込む場合もある。
オイルショック おいるしょっく 1970 年代に2度あった、原油の供給逼迫および価格高騰と、それに伴う経済混乱のこと。石油危機、石油ショックとも称される。 <第一次オイルショック> 1973年に勃発した第四次中東戦争を受けて、石油輸出国機構(OPEC)に加盟のペルシア湾岸産油6ヵ国は、原油公示価格の21%引き上げ、原油生産削減、イスラエル支援国への禁輸を実施、さらに12月には,翌1974年から原油価格を2倍に引き上げた。エネルギーを中東の石油に依存してきた日本では、経済面での直撃を受け、インフレが加速した。 <第二次オイルショック> 1978年のイラン革命により、イランでの石油生産が中断したため、イランから大量の原油を購入していた日本は需給が逼迫した。規模としては、第一次オイルショック並の原油価格の高騰であったが、第一次での学習効果、省エネルギー政策の浸透、企業の合理化効果などにより日本経済は比較的軽微な影響で済むことができた。
オークション おぅくしょん Auction 排出枠の交付にあたって、競売(オークション)によって交付先を決定する方式のこと。EU排出権取引スキームのEUアローワンスを扱う取引市場としては、欧州エネルギー取引所(EEX)がEUアローワンスのオークションを行っている。
欧州材 おうしゅうざい 欧州(ヨーロッパ)から輸入された木材の総称。その多くが、製材品であり、集成材に使用する板材(ラミナ)が主体。樹種はホワイトウッド(オウシュウトウヒ等)等。
黄変 おうへん 黄変とは、本来の緑の葉が、病気や老化によって黄色に変色してしまうことをいう。
オープンスペース おーぷんすぺーす 建造物などがない,一定の地域的な広がりのある空間をいい,公園や河川の水辺地,駅前広場,集合住宅の住棟間等が該当します。
オーライ!ニッポン会議 おーらい!にっぽんかいぎ 都市と農山漁村の共生・対流を国民的な運動として展開するために、市町村、NPO、企業、個人等が集まって平成15年6月に設立された「都市と農山漁村の共生対流推進会議」(代表:養老孟司氏)の通称。
オガ菌 おかきん 広葉樹のひきヌカを用い培養した種菌のこと
置き肥 おきごえ 鉢や花壇の土の上に置いておく肥料。水やりなどのときに少しずつ溶けて効果 をあらわす。「おきひ」とも呼ぶ。
屋上緑化 おくじょうりょっか Green roof 都市におけるヒートアイランド現象の緩和を主な目的として、ビルなどの屋上に草木を植えること。屋上緑化はこの他にも、窒素酸化物などの大気汚染物質を浄化する、植物や土壌の保水作用により急激な雨水流出が抑制され、都市型水害を防ぐ、冬には植物の蒸散により過度な乾燥を防ぐなどの効果もある。東京都は「自然保護条例」(正式名称:東京都における自然の保護と回復に関する条例)により、2001年4月から一定規模以上の新改築ビルに屋上緑化を義務付けた。
建築物の屋上部分に緑化を行うこと。これにより、ヒートアイランド現象の緩和や、夏季の室内温度上昇の軽減等による省エネルギー効果、都市における自然的環境の創出といった効果が期待できる。
国や一部の地方公共団体において、整備費用の軽減等を目的とした普及推進制度が創設されており、施行面積は年々増加している。
オゾン おぞん ozone 地上20~40kmの成層圏に層状に存在する気体。成層圏の上方で、短波長の紫外線によって、酸素分子(O2)が2つの酸素原子に分解されたときに生じる。これらの反応性に富む酸素原子は、酸素分子と結合し、オゾン分子(O3)となる。オゾンは長波長の紫外線を吸収し、地球上の生命を紫外線照射の被害から保護している。大気圏のより低層(対流圏)では、窒素酸化物(NOx)や炭化水素、過酸化水素の増加に伴い、一般にオゾンの量も増えつつある。オゾンはこのような物質から光化学反応により合成され、強い光や高温がそれを促進する。オゾンは赤外線照射を吸収することから、温室効果ガスである。オゾン濃度が通常の2.5倍を超えると、ヨーロッパの草本植物に対して、オゾンによる被害が起こる。スクロースの分布が根からシュートに移り、乾燥に関連したストレスが増加する。また、オゾンがエチレンと反応し、有害なフリーラジカルを形成する可能性がある。
おとり作物 おとりさくもつ 「蓼食う虫も好き好き」とはよくいったもので、農作物に大きな被害をもたらす害虫や病原菌にも食物に対する好みがあり、おとり作物は、それを活用するもので、以下の三つの活かしかたがある。(1)モニタリング(害虫監視)―オンシツコナジラミは本当はトマトよりキュウリやインゲンを好む。そこで、それらをハウスの片隅やウネ間に植えておき、初発生をいち早く確認するのに利用する。(2)害虫防除―マメコガネは緑肥作物のクロタラリアを好む。そこでレンコン圃場の周りに一mほどの幅でクロタラリアを植え、集まったマメコガネに薬剤を散布して一網打尽にする。(3)病気対策―病原菌を誘惑しておびき寄せ、自滅させ、その数を減少させるような効果をねらう。たとえばハクサイなどアブラナ科野菜では根こぶ病が発生するが、ダイコンでは、根こぶ病菌は根に感染はするが増殖できない。だから、ハクサイを作付けする前にダイコンを栽培することで根こぶ病菌を抑制できる。
帯工 おびこう 河川の横断方向の局所洗掘を防止するための施設
お礼肥 おれいごえ 花や野菜、花木などが開花、結実(収穫)したあとに与える肥料。
オレイン酸 おれいんさん 炭素数18の二重結合を一つ持つ不飽和脂肪酸。ほとんど全ての油脂に含まれている、主要な脂肪酸成分。特にオリーブ油、サザンカ油、ツバキ油等に多く含まれている。血中コレステロール濃度を低減させる効果があるといわれており、健康食品としての注目も集めている。
温室効果 おんしつこうか Greenhouse Effect 大気に含まれている水蒸気や二酸化炭素などには、可視光線は通すが赤外線についてはその一部を吸収するという性質がある。その結果、主に可視光線の形で到達する太陽からのエネルギーは地表まで届くが、赤外線の形で宇宙空間に向けて放出される地球からのエネルギーについてはその一部が吸収され、地表に向って再び放出される。このようにして、地球から放出されるべきエネルギーの一部が大気に捉えられて、地球の温度が上昇するメカニズムを温室効果という。
温室効果ガス おんしつこうかがす 太陽から地球に流入する日射はほとんどが可視光であり、地表面で吸収される。可視光を吸収して加熱された地表面は赤外線の熱放射をするが、大気中には赤外線を吸収する「温室効果ガス」と言われるガスがあり、地表面からの熱をいったん吸収する。そして、温室効果ガスを含む大気によって吸収された熱の一部は地表面に下向きに放射され、一部は大気上層に上向きに放射される。このように日射に加えて大気からの下向きの放射による加熱があるため、地表面はより高い温度となり、これを「温室効果」という。温室効果ガスの大気中の濃度が人間活動により上昇し、「温室効果」が加速され地表面の温度が上がると予測され、これが地球の温暖化の問題である。温室効果ガスには様々なものがあるが二酸化炭素、メタン、亜酸化窒素、対流圏オゾン、クロロフルオロカーボン(CFC)の5つの物質が代表的である
地球から宇宙への赤外放射エネルギーを大気中で吸収して熱に変え、地球の気温を上昇(地球温暖化)させる効果を有する気体の総称。代表的なものに二酸化炭素(CO2)、メタン(CH4)、一酸化二窒素(N2O)等がある。これらの排出には人間の生活・生産活動が大きく関与している。
温室効果ガスインベントリ おんしつこうかがすいんべんとり 気候変動枠組条約の締約国は、定期的に温室効果ガスの排出・吸収量等に関する情報を条約事務局へ提出することとされており、それに基づき、独立行政法人国立環境研究所内の温室効果ガスインベントリオフィス(GIO)が毎年作成している温室効果ガスの排出・吸収量をまとめた報告書のこと。効果的な温室効果ガス排出量削減のための政策や対策を打ち出すための情報源となる。
カーシェアリング かーしぇありんぐ 複数の人が自動車を共同で保有して、交互に利用すること。個人で所有するマイカーに対し、自動車の新しい所有・使用形態を提唱。走行距離や利用時間に応じて課金されるため、適正な自動車利用を促し、公共交通など自動車以外の移動手段の活用を促すとされる。自動車への過度の依存が生んだ環境負荷の軽減や、交通渋滞の緩和、駐車場問題の解決、公共交通の活性化などが期待される。
世界的に最も古いカーシェアリング取り組みは、1948年にスイスのチューリッヒにおいて実施された。当時の取り組みは、経済的理由から車を購入できない人を対象とした限られたものであった。その後、いくつかの実験的取り組みを経て、本格的には1987年にスイスのチューリッヒおよびスタンスで相次いでカーシェアリング会社が設立。その後、世界各地に広まり、2006年現在で600都市(4大陸・世界18カ国)で、約35万人の会員と約2万台の共用車運用により実施されている(うち、60%がヨーロッパにおける取り組み)。日本でも横浜市や福岡市等で、企業や市民団体、自治体などによってカーシェアリングが実施されている。
なお、日本ではカーシェアリングを提供する事業者は、道路運送法第79条(共同使用の許可)および第80条(有償運送の禁止及び賃貸の制限)などの規定によりレンタカーと同じ規制を受け、国土交通大臣の許可を得なければならないとされている。また2005年には「環境にやさしいレンタカー型カーシェアリング」を推進するための構造改革特区制度が創設され、利便性の向上と事業者負担の軽減などが図られている。
ガーデニング がーでにんぐ 庭やバルコニーで,庭づくり,草花の育成を楽しむことです。どちらかというと平面的な広がりより,限られた敷地を有効的に活用した立体的な配置や色彩を工夫したりします。
カーボン・オフセット かーぼん・おふせっと Off Set 二酸化炭素などの温室効果ガスの排出を回避・分離・封鎖する、あるいは置き換えること。
カーボン・オフセットとは、温室効果ガスの排出について企業や家庭、個人が主体的に削減努力を行ったが、どうしても削減が困難だった排出量について、他の場所で実現した温室効果ガスの排出量を購入することで埋め合わせる(相殺する)という考え方。
カーボン・オフセットを活用することで、家庭などでの温室効果ガスの削減に期待が寄せられる一方で、欧州ではオフセット(相殺する)のための削減活動が実質的な温室効果ガスの削減に結びついていないことが指摘されている。
カーボンニュートラル かーぼんにゅーとらる Carbon Neutral バイオマスは、生物が光合成によって生成した有機物であり、バイオマスを燃焼すること等により放出される二酸化炭素は、生物の成長過程で光合成により大気中から吸収した二酸化炭素であることから、バイオマスは、ライフサイクルの中では大気中の二酸化炭素を増加させない。この特性を称して「カーボン・ニュートラル」という。
ライフサイクルの中で、二酸化炭素の排出と吸収がプラスマイナスゼロのことを言う。例えば、植物の成長過程における光合成による二酸化炭素の吸収量と、植物の焼却による二酸化炭素の排出量が相殺され、実際に大気中の二酸化炭素の増減に影響を与えないことが考えられる。このように、化石燃料の代わりにバイオマスエネルギーの利用はカーボン・ニュートラルだと考えれ、二酸化炭素の発生と固定を平衡し、地球上の二酸化炭素を一定量に保つことができる。また、二酸化炭素排出量を削減するための植林や自然エネルギーの導入などは、人間活動による二酸化炭素の排出量を相殺できることもカーボン・ニュートラルと呼ぶことがある。
植物は光合成によって大気中のCO2を吸収して育つため、植物をプラスチックにして使用後に仮に燃やしても、排出されるCO2はもともと生態系に存在したもので排出増にはならないという考え方。
京都議定書でもこうしたCO2は排出にカウントされない。
外材 がいざい 米材
主にアメリカの太平洋岸とカナダのブリティッシュ・コロンビア州から出材される木材。
日本に輸入される樹種は米マツ・米ツガ・米ヒバ・米モミなどがある。
近年、製品・半製品の輸入量が増えてきている。
南洋材
一般に、東南アジア諸国で算出される木材の総称。インドネシア、マレーシア、フィリピン、シンガポール、ブルネイ、ソロモン諸島、パプアニューギニアの7カ国から輸入された丸太及び製材品をさしている。合板の原料となるラワンなどがある。
北洋材
旧ソ連極東地域から出材され、日本に輸入される木材の総称。主な樹種はエゾマス、トドマツ、シベリアカラマツ、欧州アカマツ、紅マツなどで40%前後がエゾマツ、トドマツで占められている。
ニュージーランド材
ニュージーランドで生産される木材。主にラジアータパイン
改植 かいしょく 植え替えのこと
外水氾濫 がいすいはんらん 河川の堤防から水が溢れ又は破堤して家屋や田畑が浸水すること。
階段工 かいだんこう 樹木を植栽する場所や筋工、柵工等を設置する場所を造成するため、斜面の一部を切り取る工種。地表水の分散流下と流下速度の低減、雪雪崩に対する抵抗力の増加などに効果がある。通常、階段は、目的に応じた間隔で斜面に水平に設ける。
階段ダム工 かいだんだむこう step dams 渓流の縦侵食を防止するために、床固工を階段状に設ける工法。どの床固工の堆砂線も一つ上流の床固工の基礎に達して前庭部の洗屈を堆砂で防ぐように設計する。
害虫抵抗性 がいちゅうていこうせい 害虫に強い性質のこと。遺伝子組み換え農作物では、Btトウモロコシなどがその例。害虫の天敵微生物(バチルス・チューリンゲンシス、Bt)から特定の昆虫のみを殺すタンパク質、例えばBtタンパク質を作る遺伝子を取り出して、導入することによって作られている。導入するタンパク質は特定の種類の昆虫だけに殺虫力を示すので、それ以外の生物に影響をおよぼすことはない。また、通常の育種においても、ネコブセンチュウに対して抵抗性を持つトマトなど様々な害虫抵抗性の品種がある。
皆伐 かいばつ 一定範囲の樹木を一時に全部又は大部分伐採する主伐の一種。
外部経済効果 がいぶけいざいこうか ある経済主体の経済活動が、市場を介さずに、他の経済主体の経済活動に及ぼす影響を外部効果といい、それがよい効果である場合は外部経済といい、望ましくない効果である場合は外部不経済という。後者の典型は公害である。農業の有する多面的機能は、対価が払われることなく、他の主体にプラスの効果を与えるという意味で外部経済効果の性格を有している。
外来種 がいらいしゅ 人間の様々な活動に伴って、本来生息している分布範囲を超えて持ち込まれた生き物のことです。これに対して、海や陸地、山脈などによって分布を制限され、長い年月をかけて地域の環境に適応し、進化してきた生物を「在来種」と呼びます。
懸木 かかりぎ 立木の伐採作業で伐倒木が隣接した立木の枝などにもたれかかること。
過旱 かかん 乾きすぎ、またはこれにともなう植物の乾燥
かき起こし かきおこし ササなどの下層植生を取り除き、種子の発芽や稚樹の生育を促す作業のこと。
拡大造林 かくだいぞうりん 林種転換を目的として天然林を伐採した跡地に行う人工造林や未立木地や原野等に行う人工造林をいう。
隔年結果 かくねんけっか 隔年結果とは、1年おきに実がついたり、つかなくなったりすること。多数の実に養分を使い果たし樹勢が回復していないために起こる。
ミカン・カキなど、花が咲いてから実が熟すまで長くかかる果樹に多くみられる。
当たり年に実を成らせすぎると、翌年は実つきが悪くなるので、花が咲いたあと摘果して防ぐようにする。
隔離圃場 かくりほじょう 隔離圃場は、農林水産省が定める「遺伝子組み換え体の利用指針」に基づき、組み換え作物の環境に対する安全性評価試験を行うための施設で、周囲をフェンスで囲み、焼却炉、洗い場を備えた小規模で柵など他の場所と隔てられた農場をいう。導入遺伝子の発現、周囲の生物への影響、花粉の飛散による環境への影響などを調べる。
花茎 かけい 花茎とは、葉はつけないで花だけをつける茎のこと。タンポポなどのようにロゼットから直接でて花だけをつけたもの。
がけ崩れ がけくずれ 地中にしみこんだ雨や地震、気温の変化などによって斜面が崩れ落ちる現象を指します。がけ崩れは土石流や地すべりと比べて規模は小さいが、突発的に発生するのが特徴です。都市化による丘陵地への宅地造成等により、がけ地に隣接して生活するケースが増加しつつあることから、民家の近くで発生し、被害の割合が高くなってきています。
花梗 かこう チューリップのように地下茎や根から直接出て、葉をつけずに花をつける茎。
嵩上工 かさあげこう  raising work ①砂防ダムの貯砂量を大きくするために既設ダムの天端を高くすること。②河川工事で河積を増やすために既設の堤防の上に盛土して天端を高くすること。
笠木 かさぎ 直射日光などから榾木を守るため、榾木の上に笠のようにのせた小枝のこと
カシノナガキクイムシ かしのながきくいむし コナラ、ミズナラなどの木材の内部まで穿孔して繁殖する昆虫。被害木は枯れる。体長5ミリ弱のキクイムシの一種。
カシュー漆 かしゅーうるし カシュー漆とは、カシューナッツの殻から搾り出した油を原料とする漆の代用塗料。光沢ある塗膜は漆と殆ど見た目に変わらず、耐水性、耐熱性に優れ高硬度で弾力性がある実用的な塗料となっている。見た目は漆とほとんど変わらず、水、熱に強く、キズがつきにくい。
カスケード利用 かすけーどりよう cascading 資源やエネルギーを1回だけの使いきりにするのではなく、利用したことで性質が変わった資源や、利用時に出る廃棄物を別の用途に使い、その後もさらに別の用途に活かす、というように、高レベルの利用から低レベルの利用へと、多段階(カスケード)に活用すること。これにより、資源の利用効率が向上する。たとえばエネルギーの場合、石油やガスなどを燃焼させたエネルギーで発電し、その排熱を冷暖房に利用し、さらにその排熱で給湯するなどのカスケード利用がある。また、一般的な発電では、約30%のエネルギーが電力に利用されて残りは捨てられているが、発電と併せて排熱を利用するコージェネレーションシステムでは、エネルギーの利用効率が70~80%になるといわれている。さらに、カスケード利用は、多種多様な物質に幅広く応用できる考え方である。木材では、木屑に合成樹脂接着剤を塗布して熱圧成型し、比較的厚い板材にしたパーティクルボードが家具などに利用されているほか、ボードとして利用できなくなったものの燃料化や、端材からの精油抽出、残渣の環境浄化への活用など、さまざまなカスケード利用が実用化されている。
化成肥料 かせいひりょう 自然界に存在する硫安や過石、塩化カリなど肥料の三要素のひとつずつを含んだ化学肥料を混ぜ合わせて作り出したものをいいます。粒状になっているものが多くあります。
架線集材 かせんしゅうざい 空中に張ったワイヤーロープを使って、伐採した木を林道端等に集める方法。
架線集材は、ワイヤーロープを空中に張って組み立てた集材装置を使って材を集める方法です。地形が急峻で道が少ないわが国の森林では、架線集材の利用価値は高く、地形や作業条件に合わせて、大規模なものから小規模なものまでいろいろな架線集材の方法が発達しています。大規模な集材架線はその長さが1,000mを超えることもあり、吊り荷重量も1トンを超える場合が少なくありません。最近では小規模な間伐作業が多くなったことから、運転操作が簡単な集材架線が利用されることも多くなっています。
装置の架設に人手がかかり、集材作業も3~5人程度の組作業となります。
集材の能率は高く、材が泥に汚れることが少なく、林地を荒らすことも少ないといえます。
下層間伐 かそうかんばつ 一番行いやすい間伐で、「普通間伐」とも呼ばれます。
残存木の成長を促進するという、間伐に求められる重要な効果は一番少ない方法です。なぜなら、間伐せずに放置しておいてもやがて枯れていく木を、早めに伐るにすぎないからです。そのかわり選木はしやすく、残存木の均等配置は一番とりやすくなります。
また、間伐後の台風などの気象災害に対しては最も安全です。
型枠 かたわく  form コンクリートを成形する際の一時的工作物で、コンクリートに直接に接するせき板をさん木で連結した型板と、型板の位置を確保するための貫(ぬき)材やつなぎ材の総称である。小工事や曲線部分の場合には木製が、大工事や標準部分の多い場合は合板や鋼製が用いられる。
学校林 がっこうりん 学校の財産として、または、教育利用を目的として、小学校、中学校、高等学校が保有している森林。
褐色森林土 かっしょくしんりんど 我が国の森林に分布する土壌の一つで、温帯を中心に暖温帯から亜寒帯、亜高山帯の一部にかけて広く分布し、我が国に分布する森林土壌の7割以上を占める。
最も広く分布する森林土壌で、BD型(適潤性褐色森林土)に代表されるようにスギ、ヒノキ人工林や広葉樹林が生立している。
活着(きのこ) かっちゃく 植えつけた種菌が原木内の組織に食い込み活動を始めた状態のこと
カットオフ かっとおふ cut off 止水壁および止水工の総称。砂防ダムでも前庭部分の洗掘から基礎部分を保護するため下流側の堤敷きを一部深く掘り込んで止水壁とすることがある。
滑路集材 かつろしゅうざい プラスチックなどで作った天樋状の人工シュラを架設して、丸太をこれに入れて、自重で滑らせて集材する。
鹿沼土 かぬまど 鹿沼地方の通気・保水・水はけのよい弱酸性の土
河畔植生 かはんしょくせい riparian vegetation 河畔は、水流部とそれに隣接する陸地によって構成され、そこに成立する植生を河畔植生という。
河畔植生は、その特徴から陸生の生態系、水生の生態系、下流域の3つに影響を与えるため、非常に重要であると考えられている。
陸生の生態系に河畔植生が及ぼす影響は、生息地の提供、断片地をつなぐ自然のコリドーの創生、乾季の避難場所(水を提供する場)、土壌流出の防止、栄養塩の保持機能があげられる。
水生の生態系に河畔植生が及ぼす影響では、水生動物の生息地の提供、水流部を直射日光から防ぐことによる水温維持、急流部や池など多様な環境の提供があげられる。
下流域が河畔植生が与える影響では、土壌流出を防ぐことによる水質浄化、富栄養化の防止、有害物質の流入防止機能があげられる。
株立ち かぶだち 1本の木で、根元から複数の幹が生えている樹形。低木に多い形態。「株立ち状」と使う場合も多い。
花粉症 かふんしょう スギやブタクサなどの植物の花粉が原因のアレルギー性鼻炎。季節的に発症するのが特徴。スギ花粉症の場合、花粉が飛ぶ2 月から5 月頃までの間、くしゃみ、鼻水、目の充血・かゆみ、流涙などの症状が出る。花粉症において重要な点は、化学物質と本人の体質的要因に起因して起こるということである。特に花粉症は大気中の粉塵によって悪化すると言われ、大気汚染と関係が深いと考えられている。また都心部はアスファルトに覆われ花粉が舞い上がりっぱなしであることも遠因と考えられている。一方で同じ環境にいても花粉症になる人とならない人がいる、ということから体質的な問題でもある。以上のことから花粉症は、環境要因と体質的要因の相互作用と捉えられている。
花粉疎開 かふんそかい 花粉疎開とは、花粉の飛散する時期に花粉の飛散しない地域、例えばスギ花粉なら沖縄や北海道に一時的に避難、移住する事です。
花粉症は原因植物に接しなければ症状は現れませんので、花粉疎開は近年とくに増え、花粉疎開ツアーなるものも旅行代理店などにより企画されています。しかしこれは金銭的に余裕がある人など、限られた人にしか出来ない、贅沢で特別な花粉症対策です。
花粉吹雪 かふんふぶき 花粉吹雪とは、花粉の飛散する時期、特にスギ花粉などが強風により、花粉が吹雪のように舞うことです。花粉吹雪が起こると、空一帯は赤茶色に染まったように見えたり、黄色い煙状になります。こんな時は完全防備で外出するか、出来れば外出を控えたほうがよさそうです。
下木植栽 かぼくしょくさい すでに成立している林の中に植栽すること。樹下植栽,林内更新ともいう。植栽する下木は上木よりも耐陰性が強いことが普通で,複層林となる。上木を伐採しても下木があるので裸地化しないため林地保護が期待される。上木の保護の下で下木が完全に育成する,林地生産力を有効に使える,などの効用がある。
紙地図 かみちず 紙に描画されている地図。ディジタルデータ化された地図に対比して使用される用語であり、必ずしも一般的な用語ではない。通常はアナログ地図と言う。
からみ枝 からみえだ 他の枝にからむように出る良くない枝
ガリー かりー 降雨などによる地表流水が集まって生じた細流の浸食作用によって,軟弱な地表構成層中に深く刻み込まれたV字型またはU字型の横断形をもつ小谷のこと。
刈出し かりだし 更新を目的として、稚樹の発生や成長を促すために雑草木などを刈り払う作業。ササ等の被圧により天然更新目的樹種の更新が阻害されることを防ぐため、ササ等を刈り払うこと。
仮伏せ かりぶせ 原木内の種菌を活着、伸長させるために乾燥や寒さから保護する為の伏せこみ方
夏緑樹林 かりょくじゅりん 落葉樹林の中の一つで、夏に葉をつけ、冬に葉を落とす樹木が集まった樹林。日本の落葉樹林はすべて夏緑樹林と考えてよい。これに対し、熱帯では乾期に葉を落とす雨緑林などがある。
芽鱗 かりん 冬芽の外側を覆っている皮のようなもの。ウロコのように何枚も重なっていることが多い。冬芽の中の葉や花が開くときには、外側にむけて落ちる。鱗片(りんぺん)とも呼ぶ。
カルス かるす 植物体の一部を切り取り、オーキシンやサイトカイニン等の植物ホルモンを含む培地上で培養した時に形成される無定形の細胞隗を示す。植物体のあらゆる部分からカルスを形成させることができ、適当な条件下では無限にカルスの状態で成長を続ける。しかしある条件下で培養すれば、組織分化や不定芽、不定根が形成される。
過齢林 かれいりん 森林施業計画の対象とする森林のうち市町村森林整備計画において適正伐期齢が定められている森林であるものにつき,当該森林施業計画の始期においてその適正伐期齢に5年を加えた林齢を超える森林(森林法施行令第3条の2第2項に規定)。
川裏 かわうら 堤防の川側が「川表」、住宅や町などがある側が「川裏」。
川表 かわおもて 堤防の川側が「川表」、住宅や町などがある側が「川裏」。
環境アセスメント かんきょうあせすめんと 環境に大きな影響を及ぼすおそれがある事業について、その事業の実施にあたりあらかじめその事業の環境への影響を調査、予測、評価し、その結果に基づき、その事業について適正な環境配慮を行うこと。わが国においては、環境影響評価法等に基づき、道路やダム、鉄道、発電所などの事業者が行う対象事業について、地域住民や専門家、環境担当行政機関が関与する手続が実施されている。環境汚染を未然に防止するための重要な手段の一つである。
環境影響評価
公共事業等の実施により環境に与える様々な影響に関して、その内容や規模などに応じた予測、評価、処置などを行うことです。
長野県環境影響評価条例によると、ダム建設では貯水池面積が50ha以上のものは必ず実施することに、同じく30ha以上のものは判定により実施をすることに定められていますが、実際にはほとんどのダム計画で環境調査・評価が行われています。
環境会計 かんきょうかいけい 企業等が、持続可能な発展を目指して、社会との良好な関係を保ちつつ、環境保全への取組を効率的、かつ効果的に推進していくことを目的として、事業活動における環境保全のためのコストとその活動により得られた効果を定量的(貨幣または物量単位で表示)に把握(測定)し、分析し、公表するための仕組みのこと。
環境家計簿 かんきょうかけいぼ 環境家計簿を活用することにより、今後一人ひとりが環境保全に配慮したライフスタイルを実践していくことが期待される。
日常生活において環境に負荷を与える行動や環境によい影響を与える行動を記録し、必要に応じて点数化したり、収支決算のように一定期間の集計を行なったりするもの。
多くの地方公共団体や消費者団体において作成され、この家計簿を付ける運動が広がっている。
地球温暖化に着目すると、毎月の電気、ガス、水道、自動車燃料の使用量、廃棄物の排出量等を記入しし、所定の計算を行うと、各家庭の二酸化炭素の排出量がわかるようになっている。
環境教育 かんきょうきょういく 環境について、その望ましい姿を明らかにし、持続・改善することを目的とした教育。第2次世界大戦後間もなく活動を始めた国際自然保護連合(IUCN)やユネスコ、国連環境計画(UNEP)などによって強力に推進された。人間と環境とのかかわりについて理解と認識を深め、正しい知識に基づいて、望ましい環境の形成に向けて責任ある行動がとれるように教育をすることです。生涯教育として幼児から高齢者までのあらゆる年齢層の人々を対象として、家庭、地域社会、学校、企業、行政などがそれぞれ主体的に取り組まなくてはなりません。
環境負荷 かんきょうふか 人が環境に与える負担のこと。単独では環境への悪影響を及ぼさないが、集積することで悪影響を及ぼすものも含む「環境基本法」では、環境への負荷を「人の活動により、環境に加えられる影響であって、環境の保全上の支障の原因となるおそれのあるものをいう」としている。
環境保全型農業 かんきょうほぜんがたのうぎょう 農薬や化学肥料の利用による環境負荷を減らし、生産性・収益性も考慮した持続可能な農業のことをいう。農林水産省では「農業の持つ物質循環機能を生かし、生産性との調和などに留意しつつ、土づくり等を通じて化学肥料、農薬の使用等による環境負荷の軽減に配慮した持続的な農業」と定義している。農業が有する物質循環が他産業としての特質を最大限に活用し、農業が持つ環境保全機能を一層向上させるとともに、環境への負荷をできるだけ減らしていくことを目指すタイプの農業をいう。具体的には、化学肥料や農業に大きく依存しない、家畜ふん尿などの農業関係排出物をリサイクル利用するなどの取組が挙げられる。
環境林 かんきょうりん 森林ゾーニングにより区分された、木材生産機能よりも公益的機能を重視する森林。一般的には環境保全機能等の高い森林のことをいうが,狭義には主として市街地,集落等の近郊に所在し,修景植栽等の森林造成及び歩道の開設などを行うことにより,木材の生産と生活環境の保全,保健文化機能等公益的機能の総合発揮の効果の及ぶ一定の広がりを有する森林をいう。
緩効性化成肥料 かんこうせいかせいひりょう 緩効性化成肥料とは、ゆっくりと効いていくようにした化成肥料のこと。急速に効いて、根を傷める心配が少ない。化学肥料の多くは即効性だが、その化学的、物理的形態を変えてゆっくりと効くようにしている。水に溶けにくくしたり、微生物に分解されてから効果を現すようにしたり、粒状にした肥料の表面をコーティングして徐々に溶け出すようにしたものなどがある。植物を植えつけるときの元肥や、開花期間の長い植物の追肥などに使われる。
官行造林 かんこうぞうりん 土地所有者と契約を結び、収益を分収する条件で国が行う造林。
公有林野等官行造林法(大正9年7月27日法律第7号)に基づき、市町村有の林野に国費で造林し、その収入を国とその市町村等が分割収得するものである分収造林の一種。この法律は昭和36年5月19日に廃止
公共団体所有の林地のうち,荒廃林を整備して林産物供給能力を高め,または水源林などの保安林機能を高めるため,地方公共団体に代わって国が造林を行い,将来,造林後の林産物収益は契約に基づいて両者で配分する事業。
寒肥 かんごえ 寒肥とは、12月から2月頃にかけての、冬の休眠期間中に花木、果樹などに与えておき、春の生育に役立たせる肥料のこと。有機質肥料が適している
間作 かんさく 地ごしらえを行ったあと、一時的に林地に農作物を栽培すること。木場作ともいう。農作物はマメ類、イモ類など多様であり、間作の期間も時には10年前後に及ぶ
寒晒し かんざらし 榾木に真冬が来た事を感じさせる為に行う発生操作
完熟堆肥 かんじゅくたいひ 完熟堆肥とは、ワラや落葉を腐らせてつくった堆肥の完全に腐りきったものをいう。未熟な堆肥は障害がでる恐れがあるので完熟堆肥を施すようにする。
環状剥皮 かんじょうはくひ 環状剥皮とは、取り木する場合、発根させたい部分で枝の表皮を一回り、一定幅に指輪状に剥ぎ取り養分の流れを止めること。切り口をミズゴケなどで包んで発根を促す。リンキングとも呼ばれる。
花芽をできやすくする効果もあり、花つき、実つきが悪い株の改善策として試されることも多い。
冠水 かんすい 洪水による氾濫によって住宅や田畑が水につかること。住宅などが水に浸かることを「浸水」、田畑や道路などが水に浸ることを「冠水」という。
含水率 がんすいりつ 木材中に含まれる水分の割合・W={(W1-W0)/W0}x100
W=求める含水率
W1=重量(そのときの)
W0=100~105℃に24時間保った時の絶対乾燥重量
冠雪害 かんせつがい 立木の枝葉に雪が降り積もり、その重さのために、木が折れたり曲がったりする被害のことです。
冠雪害は、スギ林でよく発生することが知られています。しかし、最近は、冠雪害に強いといわれているヒノキ林でも、発生するようになりました。
冠雪害の被害の形は大きく分けて3つあります。
①幹折れ:木の幹が途中で折れる
②幹曲がり:幹が大きく曲がり回復不能になる
③根返り:立木が根元から倒れる
冠雪害は,湿った雪が樹木の枝や葉に付着し,その重量を幹や枝が支えきれずに折れたり,曲がったり,倒れたりする被害である。
四国の場合は,通常積雪の少ない地域であり,発生頻度も少ないが,一度大雪が降ると被害が発生しやすく,しかも大被害になりやすい傾向がある。この要因として考えられることは,戦後急速に推進された造林地が,冠雪害を受けやすい林齢に達していることと,これらの多くは除間伐が適切に行われていないため,樹高と胸高直径のバランスの取れていない林分になっていることがあげられる。
スギの場合,林齢が2~3齢級で胸高直径7~8までは幹曲がりや倒伏の割合が多く,雪の量が多い所ではこれに伴って一部に幹折れ,根元割れが発生する。また最も激しく冠雪害を受けるのは3~6齢級で,幹折れ,裂け,曲がり等の被害が発生しやすく,7齢級以上になると急激に被害が少なくなり,被害形態も比較的軽微な梢端折れが多くなる。一般に,齢級が高くなるとともに被害部位が上がっていく傾向があり,4~5齢級では幹の中央部での折れが最も多い。折損被害が発生しやすい胸高直径階は10~20である。なお,梢端折れは5以下の太さでの折れが最も多い。
次に,林分の被害をみると,林内に単木的に被害が散在する軽微な被害から集団的な被害や林分全体が壊滅的な被害を受ける場合までがある。この集団的な被害の発生は,林分内の密度が均等でないことにも原因があるようである。
乾燥材 かんそうざい 乾燥処理をした木材(製材品)。乾燥方法には人工乾燥と天然(自然)乾燥の2種がある。建築用材などとして使用する前に、あらかじめ乾燥させた木材。木材に含まれる水分を一定の水準まで減少させることにより、寸法の狂いやひび割れ等を防止し、強度を向上させる効果がある。
間伐 かんばつ 育成段階にある森林において樹木の混み具合に応じて、育成する樹木の一部を伐採(間引き)し、残存木の成長を促進する作業。この作業により生産された丸太が間伐材。一般に、除伐後、主伐までの間に育成目的に応じて間断的に実施。森林を病虫害、雪折れ、風倒等の自然災害に対して抵抗力のある健全な状態に保ち、生産目的に合った木材を生産するため、主として優良木の生長を阻害する樹木等を間引き、樹木の密度を調整すること。
間伐材マーク かんばつざいまーく 間伐や間伐材利用の重要性などをPRし、間伐をすすめていくための普及啓発・間伐材の利用促進・消費者の製品選択に資することなどを目的に設定されたマーク。間伐材を使用した製品などに表示する。間伐材マークの使用にあたっては申請・認証が必要となる。事務局は、全国森林組合連合会間伐材マーク事務局。
間伐紙 かんばつし 国内の間伐材と古紙パルプとを配合した紙。印刷用紙・封筒用紙・ファイル用紙・名刺などのほか、カート缶(紙缶飲料製品)などに使用されている。間伐材の使用率は、10%から20%で製品によって異なる。
間伐実施率 かんばつじっしりつ 間伐が必要な森林面積に対する間伐実施面積の割合。
間伐利用率 かんばつりようりつ 間伐材の素材換算材積に対する利用材積の割合。
完満度 かんまんど 樹幹の太りぐあいをいい、樹幹が円熟に育っている状態を完満という。
寒冷紗 かんれいしゃ1 遮光や防寒のために使う網目状に織った資材。
綿糸、麻糸等を粗めに織った薄い布地。
緑化工においては、種子や生育基盤材の流亡を防ぐために使用する。
苗木の養成、陰生植物の生育保持、蒸散抑制、寒風害の防止といった植物の生育環境を整備するために利用
緩和作用 かんわさよう Regulating 汚染や気候の変動、害虫の急激な発生などの急激な変化を緩和し、人間社会に対する影響が緩和される効果を指す。
気候変動を緩和、害虫、病気、汚染を抑制
生態系に由来する人類の利益となる機能(生態系サービス)の4つのうちの一つ
キーストーン種 きーすとーんしゅ 存在量に比べてずっと大きな作用を、その種が属する生物群集や生態系に及ぼしていて、その種がいなくなると、他の多くの種の絶滅が引き起こされたり、生態系の構造や機能に大きな影響がもたらされるような生物。キーストーン種には、食物連鎖の末端にいる上位捕食者が多い。キーストーン種として有名なラッコは、大量のウニを食べることで、ウニの増殖を抑える。そのおかげで多くの生物が依存するケルプ(海草)の森が発達するが、ラッコがいなくなると、ウニは藻場を食べあらし、海底を裸地化してしまう。
木裏 きうら 板目板で樹心に近い方の面。板目板は木裏を凸にして反帳(はんちょう)する。板目材の樹心側。木裏は繊維が浮き出たようになる。
キウロコタケ きうろこたけ 色は灰黄色、裏面は黄褐色である。湿気が多く、光線不足の環境に多く発生し接触感染する。低温、多湿の年にも多い。防除は榾場の環境整備の改善が必要となる
木表 きおもて 板目材の樹皮側。木表は木目が優しく、化粧面に適する。乾燥すると木表側に反る傾向がある。
機械的間伐 きかいてきかんばつ 優勢的や劣勢木などに関係なく、1本置きに伐るといったように機械的に間伐していくもので、2列残して1列伐るなどという「列状間伐」は機械的間伐の代表例です。
列状間伐は作業効率は高いのですが、質的生産の上で欠点があり、仮に列状間伐を採用しても残された列の中で形質の悪い木は除去するなどの考慮は必要です。
機械等級区分 きかいとうきゅうくぶん 機械で曲げヤング係数を測定し、この値によって非破壊的に強度を推定して等級格づけする。
帰化植物 きかしょくぶつ 本来の野生地から、人間の移動や動物の媒介によって他の地域に持ち込まれ、自然に定着した植物をいう。イネ科、マメ科、アブラナ科、ナス科などの種に多い。
基幹作業道 きかんさぎょうどう 林道を補完する基幹的な作業道であり、高性能林業機械の活用を踏まえ、伐採、搬出などの作業を行うための恒久的な道路。
木子 きご 球根植物で、母球の周りにできる小さな球根。
気候適応 きこうてきおう 地球温暖化などの気候変動に対する生理的あるいは行動的な適応。
気候変動 きこうへんどう 全球の大気の組成を変化させる人間活動に直接または間接に起因する気候変化のことで、それと同程度の長さの期間にわたって観測される自然な気候変動に加えて生じるものをいう。気候変化とも訳される。近年では、地球温暖化と同義語として用いられることが多い。
気候変動に関する政府間パネル きこうへんどうにかんするせいふかんぱねる UNEP(国連環境計画)とWMO(世界気象機関)によって1988年11月に設置された、各国の研究者が政府の資格で参加して地球温暖化問題について議論を行なう公式の場。地球温暖化に関する最新の自然科学的および社会科学的知見をまとめ、地球温暖化対策に科学的基礎を与えることを目的としている。ほぼ 5~6年おきに世界中の約1,000人の科学者・専門家が参加・検討して「評価報告書」をまとめ、信頼できる科学的な知識を提供している。 1990年に第1次評価報告書、1995年に第2次評価報告書、2001年に第3次評価報告書をまとめ、2007年に第4次評価報告書が発表された。
気候変動枠組条約 きこうへんどうわくぐみじょうやく 大気中の温室効果ガスの濃度の安定化を究極的な目的とし、地球温暖化がもたらすさまざまな悪影響を防止するための国際的な枠組みを定めた条約。1994 年 3月発効。温室効果ガスの排出・吸収の目録、温暖化対策の国別計画の策定等を締約国の義務とし、さらに先進締約国には、温室効果ガスの排出量を 2000年に1990年レベルに戻すことを目的として政策措置をとることなどの追加的な義務を課している。
気根 きこん 地上の幹から出た根が地下に入って樹幹を支える役目をするもの。ガジュマルの他,沼地や泥土地帯で地中の酸素が欠乏するところに生育するラクウショウ,マングローブ,タコノキ類などにみられる。気根の表面は無数の皮目があり,そこから空気中の酸素をとって地下茎に供給している。
季咲き きざき 自然の開花期に花をつけること。
基準・指標 きじゅんしひょう Criteria&Indicators 「基準・指標」の活用により森林の持続可能性を科学的に把握しようとする取組が世界的に進められてきている。ここで言う「基準」とは、森林経営の持続可能性に関わる分野・カテゴリーを示し、例えば、「生物多様性の保全」、「森林生態系の生産力の維持」、などがあり、一方、「指標」はこうした基準を定期的に計測するための「ものさし」にたとえられ、「生物多様性の保全」の基準に対応する指標としては「森林タイプ別の森林面積」、「森林に依存する生物種数」などが挙げられる。
基準年 きじゅんねん 温室効果ガスの削減に関し、基準となる年。京都議定書では基準年を原則的に1990年としている。ただし、HFC類、PFC類、SF6については1995年を基準年とすることができるとしている。
気象害 きしょうがい 気象現象により森林に悪影響を及ぼす被害。風害、雪害、凍害、潮害など。
気象災害 きしょうさいがい 大雨、強風、雷、雪などの気象によって生じる災害。 気象災害は雨によるものが最も多く、ほかに風、雪、雷、雹などによるものがある。災害がいちじるしく広範囲におよぶと、多数の死傷者をもたらし深刻な被害となることもある。
季節性アレルギー症状 きせつせいあれるぎーしょうじょう 季節性アレルギー症状とは、1年の特定の時期にだけ症状が現れるアレルギーで、花粉症は典型的な季節性アレルギーです。
木立ち性 きだちせい 木立ち性とは、草本でありながら茎が木の幹のように太くなり、立つ性質のことをいう。
キックバック きっくばっく チェーンソー・刈払機で、回転中のソーチェーン・刈刃が木材や障害物に当たって、回転の反対方向に跳ね上げられる現象。キックバックを起こしやすい部分は、チェーンソーではガイドバー先端部上側の円周部分、刈払機では刈刃の正面から右90度の部分。
木取り きどり 木取りの語義には、(1)伐採原木から造作仕様書に基づく定尺採木と、(2)素材をノコ挽きにして製材品を生産するときの木取り法の二つがある。
(1)の場合は、材の長短、曲直、品等に影響する欠点などを調べ、元口から末に向かって玉の寸法をきめて印をつけ、直角に切断する。
(2)は、大別して角材と板材に分け、板材は柾目木取りと板目木取りに分けられ、そのほか樹種、品等用途によって多様な木取り方法がある。
木流し きながし 洪水時の水防活動で使われる手段で、木におもしの土のうをつけて川の中に流し、堤防に当たる流れの勢いを弱めて堤防が洗掘されるのを防ぎます。枝葉の繁茂した樹木におもり土のうをつけて、洗掘部をカバーするものである。この工法は、設定も容易で流速を緩和するので、激流による洗掘予防、拡大予防に用いられ、数個並置することにより大きな効果が期待される。
忌避剤 きひざい 動物や鳥類などが嫌忌する薬剤。
基本高水・基本高水流量 きほんたかみず 基本高水は、人工的な施設で洪水調節が行われていない状態、つまり流域に降った計画規模の降雨がそのまま河川に流れ出た場合の河川流量を表現したハイドログラフ(流量が時間的に変化する様子を表したグラフ)となっている。基本高水流量は、このグラフに示される最大流量から決定された流量の値である。
客土 きゃくど 植栽地の土質が植物の生育に適しないところや、瓦礫などの多い土地に植栽するときに、在来の不良土を取り除き、ほかから良質の土壌を搬入して入れ替えることをいいます。
CADシステム きゃどしすてむ Computer-Aided Design CADは、Computer-Aided Designの略で、コンピュータを活用して設計図の作成を行うシステム
旧慣使用林野 きゅうかんしようりんや 旧慣使用権とは、地方自治法の規定により、当該市町村の住民が、旧来の慣例に基づいて市町村又は財産区の所有する公有財産を使用する権利である。
旧慣使用林野とは、この権利に基づき主として、木竹の育成又は採草、放牧に利用される土地をいう
吸収源 きゅうしゅうげん 大気中の二酸化炭素などの温室効果ガスを吸収し、比較的長期間にわたり固定することのできる森林や海洋などのこと。京都議定書では、先進締約国が温室効果ガス削減目標を達成する手段として、新規植林、再植林、土地利用変化などの活動を考慮することが規定されている。
給水 きゅうすい 榾木内に浸透するくらいたっぷりと掛ける水掛のこと
休眠期 きゅうみんき 生長に適さない環境下で植物が一時的に生長を休む時期。
供給作用 きょうきゅうさよう Provisionong 人間社会が生態系に依存して衣食住を得ていることを指す。
食料、繊維、燃料、淡水、遺伝子、資源
生態系に由来する人類の利益となる機能(生態系サービス)の4つのうちの一つ
供給の鎖(サプライチェーン) きょうきゅうのくさり 原材料の調達から生産・販売・物流を経て最終需要者に至る、製品・サービス提供のために行われるビジネス諸活動の一連の流れのこと。業種によって詳細は異なるが、製造業であれば設計開発、資材調達、生産、物流、販売などのビジネス機能(事業者)が実施する供給・提供活動の連鎖構造をいう。
強光性植物 きょうこうせいしょくぶつ 強光性植物とは、もっとも光を欲しがる植物のこと。
真夏の直射日光の明るさを好むので、一年を通して日当たりの良い場所で育てる。
ペチュニア、マリーゴールド、キクなど
胸高直径 きょうこうちょっけい 立木材積測定に用いられ、成人の胸の高さの位置の樹木の直径をいう。通常は地上1.2mの高さである。
立木材積測定の1つ。成人の胸の高さの位置における樹木の直径をいう。日本では,一般的に1.2m(北海道では1.3m),ヨーロッパ諸国では1.3m,アメリカでは1.37mを採用している。
強剪定 きょうせんてい 形を整えたり生長を抑える目的でふだんの剪定より短めに切ること。
共同実施(JI) きょうどうじっし 京都メカニズムの1つで、JIは、Joint Implementationの頭文字。投資対象国で二酸化炭素を削減する手段に、投資をした複数の国が、その見返りに排出権をクレジットとして獲得できる仕組み。
共同実施活動【温暖化対策】 きょうどうじっしかつどう Activities Implemented Jointly:AIJ 途上国を含めた世界全体の温室効果ガス排出量をできるだけ費用効果的に抑制していくために、各国が有する技術、ノウハウ、資金等を適切に組み合わせて具体的な対策プロジェクトを進めていく手法。結果として得られる排出削減量は、プロジェクト参加先進国の削減量にカウントしない。気候変動枠組み条約第1回締約国会議(COP1)で、1990年代末までをパイロットフェーズ(試行的段階)とすることが決まっている。
京都会議 きょうとかいぎ 気候変動枠組条約による第3回締約国会議(COP3)のこと。
京都議定書 きょうとぎていしょ 地球温暖化防止のため、先進国の温室効果ガス排出量について、各国ごとに数値目標を定めたもの。1997年12月、京都で開催された気候変動枠組条約第3回締約国会議(COP3)において採択、2005年2月に発効。対象となる温室効果ガスを二酸化炭素(CO2)、メタン(CH4)、一酸化二窒素(N2O)、ハイドロフルオロカーボン(HFC)、パーフルオロカーボン(PFC)、六フッ化硫黄(SF6)の6種類とし、ロシア、東欧を含む先進国全体の排出量を2008年から2012年の5年間の平均で、1990年の実績から(HFC、PFC、SF6については、1995年を基準とすることも可)、少なくとも5%削減することとしている。各国の削減率は、日本マイナス6%、アメリカマイナス7%、EUマイナス8%、その他の国8%削減~10%増加と国別に決められている。(アメリカは離脱を表明)
1997年12月に京都で開催された「気候変動枠組条約」の第3回締結国会議で採択された議定書のこと。地球温暖化対策の枠組みを定めた「気候変動枠組条約」(1994年3月発効)に盛り込まれていなかった温室効果ガスの排出削減に関する具体的な数値目標や削減手段を、この京都会議で検討、以下のようにまとめた。1:先進国全体で2008~2012年の5年間(第1約束期間)で、温室効果ガスの排出量を、1990年比で最低5%削減。これに伴う国別の削減目標を、たとえば日本はマイナス6%、米国マイナス7%、EU全体でマイナス8%などに設定。しかし、米国はこれを批准せずに、京都議定書の枠組みから離脱している。2:開発途上国には削減義務を課さない。3:森林などの吸収源による二酸化炭素吸収量も算入可能にした。4:クリーン開発メカニズムや排出権取引など、国際的に協調して目標を達成するための仕組みづくりを導入する。
京都議定書締約国会議 きょうとぎていしょていやくこくかいぎ 略称COP/MOP(コップモップ)。気候変動枠組み条約の締約国会議(COP)が京都議定書の締約国会合として機能している。京都議定書の締約国ではないが、気候変動枠組み条約の締約国(たとえばアメリカなど)は、オブザーバーとして参加することができる。
COP : Conference of the Parties to the Convention
MOP : Meeting of Parties to the Protocol
郷土種 きょうどしゅ 郷土種とは、もともとその地域に生育していた植物種のこと。
これに対して、何らかの理由で対象とする地域や個体群の中に外部から入り込んだ個体の種のことを「外来種」「移入種」といい、外来種(移入種)は在来の生物種や生態系に様々な影響を及ぼすことから、郷土種による森づくりが必要とされている。
共有地の悲劇 きょうゆうちのひげき ハーディンが共有(牧)地を各自が自分の利益を最大化しようとして使う結果、過度の放牧が起こり、個々の農家が分配すれば持続可能な共有地が破滅的な結果が起こるという人間行動生態学の用語。現代社会の文脈では情報化社会問題などでも使われるが、環境問題ではマクロには地球温暖化問題の二酸化炭素排出の議論、ミクロにはゴミの分別など、この筋で説明される問題は多い。
共有林 きょうゆうりん 複数の所有者により共有されている森林。実質的には、集落有林等に属するもの。
共用林野 きょうようりんや 国有林野を地元民が活用する方法の一種で、契約により、林産物の採取(自家用薪炭原木、落葉、下草、きのこ等)や放牧利用の権利が認められている国有林野である。
許可証【温暖化対策】 きょかしょう Allowance ある遵守期間内の温室効果ガスの排出量あるいはその発生源の生産・輸入量もしくは販売量に相当する量に対して割り当てられる許可証のこと。排出枠の総量を quota、取引を行う排出枠の一部をpermitと区別している場合もある。
極相林 きょくそうりん コケ→一年生の草→多年生の草→低木(アオキ等)→高木(タブノキ等)というように、植生は自然のまま放置しておくと、群落として生活のパターンをつぎつぎに発達させます。そして最後は、適度の湿り気をもった豊かな土壌の上の木の群落(森林)に落ち着きます。このように生活パターンを変えていく、いわゆる「遷移」(サクセッション)の最終段階のことを、極相(クライマックス)といい、この段階に到達した森林は、一応自然の完成した姿と言え、極相林と呼ばれます。→原生林
鋸歯 きょし 葉の縁が鋸の歯のように細かく切れ込んだ状態を言う。切れ込みの深さや形状により、鈍鋸歯縁、鋸歯縁、歯牙縁、重鋸歯縁などに分類される。
葉のふちなどにあるギザギザのこと。確かにノコギリの歯のようだ。鋸歯のあるふちのことを鋸歯縁、ないものは全縁と呼ぶ。
木寄せ作業 きよせさぎょう 木材を伐採して搬出する作業は、これまでに述べた伐倒、造材、運材が主なものですが、このほかに木寄せ作業と巻き立て作業があります。
林内で伐倒・造林作業が終わった段階では、丸太は林内にバラバラに散らばっています。このままでは集材がやりにくいので、集材に都合がよいように、丸太を1ヵ所にまとめる作業が必要です。この作業を木寄せ作業と呼びます。
魚道 ぎょどう 河川に堰などの人工物が横断する形で建造されると、魚やその他の水生生物の通過が困難になり、生態系の混乱や破壊を招く。これを防ぎ、魚の遡上や降河など自由な回遊を助けるために設ける構造物のこと。魚道にはその形状や機能により、プール式、スロット式、エレベーター式などさまざまな種類がある。また、従来型の人工的魚道に対して、より自然の姿に近く生態系に配慮した多自然型、近自然型魚道などがあり、ドイツなどヨーロッパを中心に盛んに施工されている。
巨木 きょぼく 地上約1.3mの位置での幹周りが、3m以上の木。地上約1.3mの位置において、幹が複数に分かれている場合には、それぞれの幹周りの合計が3m以上あり、主幹の幹周りが2m以上のもの。「巨木の定義:1988年環境庁(現環境省)」
切り戻し きりもどし 長く伸びた枝や古くなった部分を切り詰めること。新しくて強い枝を出す目的でも行う。
切り戻しとは、花木や庭木の剪定法で、長すぎたり不要な枝を任意の位置で切り捨てること。外芽の上で切り戻すと樹形が維持しやすい。徒長や枝の老朽化による着果不良などを防ぐ目的で行う。
また草本で、インパチェンスなどの生長を続けながら花を咲かせるものは、草丈を半分ほど切り戻して追肥すると、新しい芽が伸びてまた花が咲くようになる。
菌紋 きんもん 植菌後木口に発生したシイタケ菌(はじめ白色後に褐色)
空間データ くうかんでーた 座標や住居表示などで地球上の位置と関連付けられるデータのこと。地図データのほか台帳類、統計資料類やその他画像データ、音声データも、位置の情報を含んでいれば、空間データとなる。
空間データ基盤 くうかんでーたきばん 空間データを地球上の正しい位置に対応付ける仕組を兼ね備えたデータのこと。即ち、道路、河川、鉄道、行政界などの基本的な地理的な情報(Base)を持つ地図に空間データを空間の正しい位置に対応付けるための仕組(機能)を付加したものが、空間データ基盤となる。
空間データマイニング くうかんでーたまいにんぐ 「大量の空間データの中からコンピュータによって半自動的に規則やパターンを発見する手法」である。主にマーケティングの分野で用いられているデータマイニングの空間データ版といえる。
空中写真 くうちゅうしゃしん 航空機などにより空中から地表を撮影した写真のことで、測量図の作成を目的に撮影されることがあります。
くさび くさび くさびはチェーンが挟まれることを防ぐとともに、伐倒方向を正確にするためにも必要です。つるの幅を次第に狭くするように追い口を切り進めると、最後に残ったつるが蝶番のような役目をして、受け口の方向へ倒れます。
果物過敏症 くだものかびんしょう 果物過敏症とは、食物アレルギー症状・口腔アレルギー症候群とも呼ばれる、果物・野菜を食べた時に、くちびるや舌、のどの奥がかゆくなったり腫れたり、痛みを伴う症状の事です。
果物過敏症は時に、じんましんが出たり、気管支喘息の発作を起こしたり、吐き気や下痢、最悪の場合はアナフィラキシーを起こしてしまうこともあります。
果物過敏症の原因植物には、リンゴ・モモ・ナシ・キウィ・サクランボ・メロン・スイカなどがあり、果物過敏症を誘発する花粉は、シラカンバ・カモガヤ・ブタクサ・オオバヤシャブシ(ハンノキ属)などで、特にシラカンバ花粉症患者の多くが果物過敏症を合併するケースが多い理由は、シラカンバ花粉のタンパク質とアレルギーを起こす果物のタンパク質が似ていることが原因のようです。
食物アレルギー症状・口腔アレルギー症候群
クナイプ療法 くないぷりょうほう ドイツ・バイエルン州のカトリック司祭であったセバスチャン・クナイプ(1821~1897)によって提唱された自然療法のこと。温冷水浴を使った「水療法」、森林散策などによる「運動療法」、栄養バランスのとれた食事をとる「食事療法」、ハーブ、薬草などを使った料理や入浴、アロマテラピーなどを取り入れた「植物療法」、心身や身体内外の自然との調和を図る「調和療法」の5療法からなる。ドイツのバート・ウェーリスホーフェンなどで盛んに行われている。
クナイプ療法 くないぷりょうほう 田園農地や郊外の森林など、身近な自然環境をそのままさりげなく保養環境として活用できる点が特徴である。
グライ ぐらい 地下水の影響を受けて水が停滞し、青灰色を呈する土壌で、湖沼や湿地に多く出現し、林木の生長は悪い。
グラウンドワーク ぐらうんどわーく 1980 年代に英国の都市周縁部(アーバンフリンジ)で始まった,パートナーシップによる地域での実践的な環境改善活動です。地域を構成する住民,企業,行政の三者が協力して専門組織(グラウンドワークトラスト)を作り,身近な環境を見直し,自らが汗を流して地域の環境を改善していくもの
グランドカバー植物 ぐらんどかばーしょくぶつ 地被植物をいう。
林業上では落葉、こけなど林地上の被覆物をいい、造園上では低小の草木、かん木の類などの生物であって地表を完全に覆って生育するものをいう。
芝生用の芝草はその一つである。
クリアリングハウス くりありんぐはうす 空間データなどの所在とその規格、書式を教えてくれるサービス。クリアリングハウスがあれば、利用者が必要な情報を入手することが容易になるため、情報の流通が促進される。国土交通省国土地理院では、既に平成6年度より、メタデータの標準化と合わせて、クリアリングハウスに関する研究を開始している。
クリーニングクロップ くりーにんぐくろっぷ 土壌への過剰施肥や畜産廃棄物による過剰養分の土壌からの除去,連作によって増加した土壌微生物やかたよった微生物相の是正,あるいは富栄養価した水域の浄化などを目的として栽培される作物.畑での過剰養分吸収のためには,吸肥能力の高い粗大イネ科作物のソルガムやトウモロコシ,連作障害回避のためには,センチュウ駆除効果のあるマリーゴールド,ハウス栽培における過剰養分吸収にはスイートコーン,水質の改善のためには,水生植物で養分吸収能力の高いホテイアオイなどが用いられる。
清耕作物ともいう
グリーンIT ぐりーんあいてぃ 「グリーンIT」とは、地球温暖化防止のために貢献できる情報技術(IT)のこと。「グリーンIT」には「Green of IT」と「Green by IT」の2通りの考え方がある。「Green of IT」は、IT機器のハードの部分で省エネ技術を開発・導入して温室効果ガス排出量を削減する方法。「Green by IT」は、ITを利用する産業活動のなかでビジネスモデル改革や事業の効率化で省エネを実現する方法をいう。
経済産業省のグリーンIT推進協議会によると、ITによる地球温暖化の影響を消費電力でみた場合、2006年に約500億キロワット時だったものが2015年には2.1倍に、2025年には5.2倍に膨れ上がるという。ITの「負」の影響はトラフィック量に比例しており、2006年から2025年にトラフィック量は約190倍増えると見込んでいる。
クリーン開発メカニズム(CDM) くりーんかいはつめかにずむ Clean Development Mechanism 温室効果ガスを削減するため、京都議定書(第12条)で設置されたメカニズムのひとつ。先進国が開発途上国内での温室効果ガスの排出削減のプロジェクトを実施し、その結果生じた排出削減量のクレジットを投資国(先進国)とホスト国(開発途上国)とで分け合う仕組み。国連のCDM理事会が、排出権(CER)の発行などを電子データの登録簿で管理する。投資国(先進国)、ホスト国(開発途上国)とも京都議定書の締結国であること、またDNA(指定国家機関=Designated National Authority)の承認が必要で、たとえば日本の企業が進出していても、台湾やカザフスタン、トルコなどは締結国ではないのでCDMのメカニズムは活用できない。また投資国(先進国)では、米国は京都議定書を批准していないので活用できない。
クリーン開発メカニズム くりーんかいはつめかにずむ Clean Development Mechanism 「グリーンIT」とは、地球温暖化防止のために貢献できる情報技術(IT)のこと。「グリーンIT」には「Green of IT」と「GreenbyIT」の2通りの考え方がある。「Green of IT」は、IT機器のハードの部分で省エネ技術を開発・導入して温室効果ガス排出量を削減する方法。「Green by IT」は、ITを利用する産業活動のなかでビジネスモデル改革や事業の効率化で省エネを実現する方法をいう。
経済産業省のグリーンIT推進協議会によると、ITによる地球温暖化の影響を消費電力でみた場合、2006年に約500億キロワット時だったものが2015年には2.1倍に、2025年には5.2倍に膨れ上がるという。ITの「負」の影響はトラフィック量に比例しており、2006年から2025年にトラフィック量は約190倍増えると見込んでいる。
CDM植林 くりーんかいはつめかにずむしょくりん 京都メカニズムの一形態であり、先進国と開発途上国が共同で植林事業を実施し、開発途上国の持続可能な開発に資するとともに、その事業による吸収分を先進国が京都議定書における自国の温室効果ガス削減目標達成に利用できる制度。
グリーンコンシューマー ぐりーんこんしゅーまー 環境などへの影響を重視する消費者。環境に配慮し、適切に管理された森林から生産された木材を選択的に購買することを通じて持続可能な森林経営を支援する。
グリーン・ツーリズム ぐりーんつーりずむ 農山漁村地域において自然・文化、農林漁業とのふれ合いや人々との交流を楽しむ滞在型の余暇活動。
ヨーロッパ諸国では、既に国民の間にグリーン・ツーリズムが定着しており、緑豊かな農山漁村が育んできた自然、生活・文化ストックを広く都市の人々に開放し、これら市民が「ゆとり」や「やすらぎ」のある人間性豊かな農山漁村での余暇活動を楽しんでいる。
農山漁村における滞在型の余暇活動のことで,日本,イギリスではグリーン・ツーリズム,ドイツではルーラル・ツーリズム,フランスではアグリ・ツーリズムとよばれている。農林水産省のグリーン・ツーリズム研究会の中間報告(1992(平4)年)では,グリーン・ツーリズムの概念を,緑豊かな農山漁村地域において,その自然,文化,人々との交流を楽しむ,滞在型の余暇活動のことで,農山漁村と都市が相互に補完しあい,共生していくことにより,国土の均衡ある発展を目指すことを基本とし,農山漁村地域における開かれた美しいむらづくりに向けた意欲と,都市住民の側に芽生えた新たな形での余暇利用や農山漁村空間への思いとに橋をかけるものと定義している。
グリーンバンク ぐりーんばんく 緑の保全や創造を推進するため,市民や事業所からの苗木,労力,拠金などの提供を受け,町内会や施設などへ計画的に払い出す制度のことです。
グリーンプロット ぐりーんぷろっと まちかどに潤いをあたえる30~50平方メートル程度のスポット的な緑地のことです。
臨海部をウォーターフロントと呼ぶことに対して、関東平野の地形と緑地の状況から見て、秩父山地の緑の東端が丘陵、台地に出合う首都圏西部の山麓地域を“緑の波打ち際”の意味で「グリーンフロント」と捉えることができる。
車枝 くるまえだ 1本の幹や枝を中心に、1カ所から放射状に発生し伸長した数本の枝の状態をさします。手入れにあたっては、小枝の枝数を2~3本に減らしてすっきりさせます。
黒漆 くろうるし 黒漆とは、その名のとおり黒い漆のこと。生漆(きうるし)を透漆(すきうるし)に加工する際に水酸化鉄を混ぜると鉄の酸化作用で黒くなる。この黒漆から漆黒(しっこく)と呼ばれる神秘的かつ魅力的な黒い漆塗りの漆器が生まれます。
クローン くろーん 個体を指す場合、細胞を指す場合、遺伝子を指す場合の3通りがあるが、いずれも同じ1個の起源のコピーであるような、遺伝子型が均一の無性的な生殖によって生じた生物的集団を意味する。遺伝子の場合は、組み換えDNA実験の開発によりクローン化が可能となり、遺伝子構造解析やその他多方面の研究に広く活用されている。
クローンザクラ くろーんざくら ソメイヨシノのこと。ソメイヨシノは2 つの異なる種の間にできた雑種であり、全国に分布するソメイヨシノはすべてこの雑種のクローン(挿し木で殖やしたもの)である。全てのソメイヨシノの遺伝情報は寸分たがわず同じであるため、病気や環境の変化に弱いことが危惧される。ソメイヨシノが交配を行うことができないのは、同じ遺伝情報をもつサクラは交配できないため。しかも全国のサクラの8 割がソメイヨシノといわれ、ソメイヨシノの寿命は60 年ほどと短いため、近年日本のサクラが一斉に枯れだすこともありうると言う。
クロコブタケ くろこぶたけ 木口にうぐいす色のカビとしてあらわれる。後に黒い色で硬い半円形となる。湿気の多いところに出やすい
クロスカット くろすかっと 木材の繊維を走行方向と直角に一本ずつ切って離してしまうというきり方。
群状択伐 ぐんじょうたくばつ 1地点から複数の立木をまとめて伐採する択伐。点状択伐に対する語。
計画堆砂勾配 けいかくたいしゃこうばい 一般に土石流対策堰堤では平均渓床勾配の2/3の勾配で上限を1/6とすることが多い。流砂調整堰堤では平均渓床勾配の1/2の勾配としている。図上で表される線のことを計画堆砂線、その範囲のことを計画堆砂域(けいかくたいしゃいき)という。
計画高水流量・計画高水位 けいかくたかみずすいりゅうりょう 河道を建設する場合に基本となる流量で、基本高水を河道と各種洪水調節施設に合理的に配分した結果として求められる河道を流れる流量。言いかえれば、基本高水流量から各種洪水調節施設での洪水調節量を差し引いた流量が、計画高水流量となる。
計画高水位は、計画高水流量が河川改修後の河道断面(計画断面)を流下するときの水位。つまり、計画上、川の堤防が洪水に耐えられる最高の水位である。都賀川は100年に一度の大雨が降っても洪水(毎秒250m3)があふれないように河床を深く掘り下げている。
計画捕捉量 けいかくほそくりょう 不透過型堰堤では、平常時堆砂線から計画堆砂線の間で堆積する土砂量をいう。透過型堰堤では、通常は土砂を貯めない工法のため、現況地盤線から計画堆砂線までを計画捕捉量とすることができる。
計画流下許容量 けいかくりゅうかきょようりょう 計画点から下流に対して流しうる土砂量で「E」と表す。一般にE=0としている。
渓間工 けいかんこう 森林の保全や下流域への土砂流出の防止を目的として渓流内で実施される工事。治山ダム工、流路工等がある。
形質転換 けいしつてんかん プラスミドやそれに結合した遺伝子なども含め、DNA分子を細胞に導入し、起こす遺伝現象のことをいう。遺伝子工学の基本技術の一つ。グリフィスが肺炎双球菌で、ある株の性質が他の株にうつる、この現象を発見し、遺伝子がDNAであることを証明するさきがけとなった。
形状比 けいじょうひ 樹幹の形状を示す物さしの1つで、樹高(H)を胸高直径(D)で割ったH/Dの値をいう。形状比が大きいほど細く長い幹なので、冠雪害などに対する抵抗力が小さくなる。
欠測 けっそく 観測機の故障・不具合等により、データの取得が出来ない状態
ケナフ けなふ ケナフとは、アオイ科ハイビスカス属の植物で、熱帯性の1年草。半年で高さ3~4メートル、茎の太さが3~4センチに生育する。栽培が比較的容易であること、茎からパルプがとれることから、紙の原料としての利用が話題になった。また、早く育つので、二酸化炭素を早く吸収するなどの理由で、環境教育に使っている学校もある。しかし、ケナフパルプのコストが高すぎること、組織的に大規模にケナフを栽培したり、種子を配布したりすると、帰化して地域の植物の生態系を乱したりする心配もあり、ケナフの環境効果を疑問視する見方もある。
限界集落 けんかいしゅうらく さらに、高齢で過疎化が進むことから、現在の世代で集落が途絶え、消滅することが予想され、その数は日本全国で2000以上とされている。今後それにより里山が消滅し、自然環境に影響を与える恐れがある。
近年の少子化や過疎化により、65歳以上の人口が50%以上になった集落を指す。これらの集落では商店の閉鎖や企業の撤退で、日々の活動(購買活動や冠婚葬祭、業務手続、医療など)に支障が出ている。生活環境は劣悪になるが、高齢のため転居も難しく、また居住者も土着心が強く、転居を嫌う傾向がある。赤字経営の地方自治体と相まって、今後居住者は深刻な状態になる恐れがある。
県産材認証制度 けんさんざいにんしょうせいど 県産材のトレーサビリティ制度。生産地、木材の伐採を行った事業者から、加工して柱や家具などを生産する事業者、その製品を販売する事業者までの生産加工履歴を明らかにするもの。
原生林 げんせいりん 過去に人手が加わらず、大きな自然撹乱の痕跡も見られない森林をいう。植物学者はおおむね原始林という。
絶対に人手が加わっていない森林はまれであるばかりでなく、各種の害を受けて樹種や立木構成状態がかなり変わっているのが普通で、厳密な原生林はほとんど存在しない。このため、文化人が計画的に伐採したことがなく、かつ近年重大な災害を受けていないことから、ほぼ極相とみなされるほど安定している森林を呼んでいる。
原始林とも言います。まったく人手のはいらない天然の林で、林学では、天然林と呼んでいます。文字通りの原始林は、この地球上にはないと言ってよく、しかし、これに近いものはかなり残されています。原生林は、普通その地域の気候条件でもっとも発達した極相林とほぼ同じものです。
現存植生 げんぞんしょくせい 現在、その土地に分布する植物群落のことをいいます。このうち、人の活動による影響を受けず、その土地の環境下に自然に成立しているものを「自然植生」、薪炭林利用、火入れ、植林などの人の活動により、その土地本来の植生に代わって成立しているものを「代償植生」といいます。
建築基準の性能規定 けんちくきじゅんのせいのうきてい これまでの建築基準法では、材料、工法、寸法等を具体的に規定する、いわゆる仕様規定が中心であったが、昨今の技術革新の成果を積極的に採用した新技術や新材料の円滑な導入、海外の基準・規格との整合等を推進するため、建築基準法を改正し、建造物が満たすべき一定の性能項目・性能水準を明確化、それを満たせば多様な材料、設備、構造方法を採用できる仕組みとすること。
現地発生土 げんちはっせいど 山を切り開いたりすることにより現場で発生する土のこと
権原 けんばら ある法律行為または事実行為をすることを正当ならしめる法律上の原因をいい、権限と区別するため通称「ケンバラ」という。
権原 けんばら 例えば道路について言えば「土地を道路法上の道路として使用することを正当ならしめる法律上の根拠(原因)」のことで、所有権または地上権取得を原則とする。他に使用貸借、賃貸借などがある。
原木 げんぼく クヌギ、ナラなど種菌を植える前の樹木のこと
源流管理 げんりゅうかんり 開発・設計の段階にさかのぼった源流からの環境対策を講じることをいう。
合意形成能力(環境教育) ごういけいせいのうりょく 環境問題解決のために「当事者意識」とならんで大切なことが「合意形成能力」です。地球の国と国。民族と民族。立場と立場。個人と個人。そしてヒトと他の生物たち。様々な利害や考え方の違う間で「どこで折り合いが付くのかな?」「何を我慢しなければいけないのかな?」・・・・「お互いの違いを認めあった上でお互いを認めあう、そして合意を模索する」こうした能力が求められています。
高温障害 こうおんしょうがい シイタケ菌にとって活動が出来なくなるほどの高温による害のこと
高解像度衛星写真 こうかいぞうどえいせいしゃしん 近年、米国政府は軍事技術の民間転用を進めており、衛星分野でも1m以上の高解像度の衛星を商用目的で打ち上げることを許可したため、日本全国を高解像度のオルソ画像でデータベース化し、有料で一般に提供されるようになった。
高解像度衛星写真 こうかいぞうどえいせいしゃしん 高解像度衛星写真は、従来の衛星写真と比較して高い位置精度をもっており、より大縮尺の地図への適用が期待されている。また、ステレオ撮影により高さデータの取得も可能となる。
工業用木炭 こうぎょうようもくたん 家庭用燃料に対し、鉱工業用に利用される木炭をいう。その種類は金属硅素、二酸化炭素、製鉄、チタン、青化ソーダ、硫化ソーダ、活性炭素、黒色火薬、研磨炭用などがあり、それぞれ用途により灰分、硬度、揮発性分等が異なっている。
抗原抗体反応 こうげんこうたいはんのう 抗原抗体反応とは、生体が自分の身体を守るために「異物を排除する」システムです。異物である抗原(花粉・ダニ・ウイルスなど)に対して身体の防衛機能が働き(敵だと判断し)、体内で抗原に対する抗体(IgE抗体)を作ります。そして外部からの抗原と生体を守ろうとする抗体が結合(反応)して、抗原の動きを止め、抗原を排除する、これが抗原抗体反応です。
好光性種子 こうこうせいしゅし 光が当たらないと発芽しない種子。タネをまくときは覆土はしないか、ごく薄く覆土する
格子枠型スリット こうしわくがたすりっと 鋼製透過型堰堤の一種で鋼管を格子状に組み合わせた工法であるため呼ばれる。鋼製透過型としては最も歴史が古く、施工例も一番多い。格子状のため、他工法に比べて施工費が高い。神戸製鋼株式会社の製品。
更新方法 こうしんほうほう 新植,天然下種(更新),萌芽,更新困難地に区分される。
公図(旧土地台帳付属地図) こうず 旧土地台帳の付属地図のことで古くは明治6年から14年の地租改正に伴い作成された「改租図」が基本となり徴税関係の法廷資料として税務署で管理されてきた。昭和35年不動産登記法の一部改正に伴い、法的根拠は失われた。昭和52年不動産登記法準則の改正により登記所の内部資料として“地図に準ずる図面” というあつかいで不動産登記法17条地図が整備されるまでの暫定的処置として登記所に保管され、土地の異動などに伴う所用の修正などを加えて、一般の閲覧に供されている。
洪水 こうずい 大雨や雪どけなどによって河川流量が普段より増大したり、氾濫すること。
鋼製堰堤 こうせいえんてい 鋼製透過型堰堤を一般に鋼製堰堤と呼んでいる。堰堤全体がコンクリートでなく鋼製材料を用いたものに、鋼製枠組堰堤、ダブルウォール型堰堤などがある。
高性能林業機械 こうせいのうりんぎょうきかい 従来のチェーンソーや刈払機等作業の一工程を処理する林業機械に対し、先端技術により多行程を処理することができるようになった林業機械の総称である。高性能林業機械に該当する機種については、国において公表されている高性能林業機械化促進基本方針の中で、ハーベスタ、フェラーバンチャ、プロセッサ、タワーヤーダ、フォワーダ、スキッダの6機種が示されているが、岡山県では、その導入の必要性から、材の玉切り、移動、積込作業といった多行程を処理することができるグラップルソーを含め、合計7機種を高性能林業機械としている。
主な高性能林業機械は、フェラーバンチャ、スキッダ、プロセッサ、ハーベスタ、フォワーダ、タワーヤーダ、スイングヤーダ。
フェラ・バンチャ(伐倒機)
林内を走行して伐倒、木揃作業を行う林業専用の機械で一般的にスキッダ、プロセッサとセットで用い、大規模な伐倒作業地に適する。
フェラ・スキッダ(伐倒集材機)
林内を走行して伐倒し、その木を集材する林業専用機械。
スキッダ(索引集材車両)
主に全幹材をウインチ、グラップル等により索引して集材する専用のトラクタである。
プロセッサ(造材機)
主に全木集材された木材を枝払い、玉切りする林業専業機械。北米では、一般的に作業規模が大きく、全幹集材された木材をこの機械により枝払い、玉きりする。
デリマ(枝払機)
主に北米で用いられているプロセッサをデリマと呼んでいる。
グラップルソー(玉切機)
土場に集材され、枝払いされた全幹材を玉切りし、集積する林業専用機械。
ハーベスタ(伐倒造材機)
林内を走行し、伐木、造材作業を行う林業専用機械。一般的にフォワーダと組み合わせた短幹材作業に用いられ、北欧で発達した。
フォワーダ(積載集材車両)
主に短幹材を二台に積載して運び、ブーム式油圧グラップルを装備している。
タワーヤーダ(タワー付き集材機)
移動や架設が容易なようにタワーと集材機が一体となっている移動式架線集材機。一般的には大型機は全幹集材、小型機は短幹集材に用いられている。
構造材 こうぞうざい 木造建築の骨格となる土台、柱、大引、梁、小屋組みなどに使用される木材。乾燥したもので節、腐れ、丸味などの欠点がないものがよく、スギ、ヒノキ、アカマツ、ヒバ、カラマツ、米ツガ、米マツなどが主に使われている。
高層湿原 こうそうしつげん 寒冷多湿に生育するミズゴケの泥炭が堆積することにより、湿原の表面が地下水位面より盛り上がり、凸レンズ上の形となった貧栄養・弱酸性の湿原。湿原の形成過程は、浅い沼から低層湿原へ、さらに高層湿原への成長の過程を示す
耕地 こうち Cropland
後伐 こうばつ 漸伐の1種。漸伐は伐期に達した一斉林で行われる主伐であるが,予備伐と下種伐と後伐に分けて行われる。予備伐は稚樹の成長を促すために行い,下種伐は,結実年に行うもの。後伐は下種伐の後に母樹及び保護樹として残された成熟木を伐採する作業をいう。
合板 ごうばん 丸太から薄くむいた板(単板)を、繊維(木目)の方向が直交するように交互に重ね、接着したもの。
公有林 こうゆうりん 県、市町村、財産組合等の地方公共団体が所有している森林です。
広葉樹 こうようじゅ 樹木を葉の形態で分類した名称で、針葉樹に対応する語。カシワ、ケヤキ、クスなど偏平な葉をもった樹木で、常緑樹と落葉樹に分けられる。常緑樹にはシイ、カシ、クス、ツバキ、ヒサカキなどがあり、落葉樹にはケヤキ、ブナ、ナラ、クロモジ、ムラサキシキブなどがある。広葉樹を主体として構成される森林を広葉樹林という。
広葉樹の苗木 こうようじゅのなえぎ 広葉樹の苗木は直根性のものが多く、地上部も枝張りが少なく、全体として細長く、針葉樹の苗木の評価法はそのまま当てはまりませんが、根がしっかりしていること、枝張り、着葉が均整のとれていることなどは、よい苗としての大事な点です。
比較苗高(苗高/根元直径)は主要針葉樹では50以下が求められますが、ケヤキ、ミズナラ、コナラなどの広葉樹では110~120以下であればよいのです。しかし根がしっかりしていること、枝張り、着葉が均整のとれていることなどは、よい苗としての大事な点です。
下刈り作業において、広葉樹の場合は針葉樹よりもさらに植栽木と雑草木との区別がつきにくいので、苗木は大きめのものを選ぶことが望ましいでしょう。
ケヤキ、ミズナラ、コナラなどは苗高80~100cmぐらいのものが適当で、2年生ないしは3年生苗を選びます。
苗木の取り扱いについて
裸苗の場合は早春の新芽が吹き出すまでの間か、秋の彼岸から霜の降りるまでの間に植栽します。
根を乾かさないことが最も重要で、苗木の搬出移動から植栽までの間に根が直射日光に当たること、風にさらされることは極力避けなければなりません。
輸送時に根が乾燥し、水分欠乏がみられるものは、束のままスギで3~4日、ヒノキで1~2日根部を流水に浸します。林地に苗木の束が到着後は、日陰に置いてむしろをかぶせます。
植栽までしばらく林地に置いておく必要のある場合は、日陰に溝を掘り、1列並べにして土が根に十分接するように土をかけ、水をやります。植栽はバッグ(背負い式が便利)に苗木を入れて、1本ずつ順次取り出して植栽します。
ポット苗の場合はポットを詰めた箱が林地に着いたらまず日陰に置いて、箱を順次植栽位置に運びます。ミズゴケ泥炭と特殊パルプに肥料を添加して成型したピートポット(ジフィーポット)の場合は、穴を掘ってポットのまま埋めます。
ビニールポット、プラスチックポット、木製ポットなどの場合は、まず穴を掘り、ポットから根鉢(鉢土)を外して、根鉢を崩さないように植え込みます。このように、ポット苗は根を空気にほとんどさらさない状態で作業ができます。
広葉樹林化 こうようじゅりんか 森林の有する多面的な機能を十分発揮させるため、これまで造成され利用期を迎えたスギ・ヒノキ等の森林について、皆伐を避け、広葉樹を主体とした森林へ誘導する取組。
高林施業 こうりんせぎょう 木を大きくすること
メリットは、木がうっ閉している限りは、管理は年1回ササを刈ればよい(ササが茂り過ぎなければそれも不要)だけであること。
デメリットとしては、伐る必要が出てきた際、プロが必要、周辺が民家や畑などの場合、日照権の問題が起きること
護岸工 ごがんこう 河岸や海岸または堤防などの河川工作物を流れによる崩壊から保護するために、斜面などに施工する工事または工作物。
呼吸根 こきゅうこん 呼吸根とは、地下を伸びる根の一部が地上に突出したもの。水湿地に生育する植物にみられる。膝根とも呼ばれる。ヌマスギ(スギ科)など。
国土数値情報 こくどすうちじょうほう 国土庁が国土地理院とともに、昭和49年度から作成している日本全域をカバーする数値地理データである。内容は地形、土地分類、指定地域、行政界、湖沼、島、文化財、土地利用、砂防等指定地域、流域などからなる。標準メッシュ(JISメッシュ)を基盤としたデータが主体だが、行政界、海岸線などベクタ型のデータも含まれる。3次メッシュを4×4等分した格子点の標高データは、広域的なDEMデータとしてしばしば利用される。
黒ボク土 こくぼくど 火山山麓などにみられる、火山放出物の風化堆積層の上部に暗褐色ないし黒色を呈する非泥炭質の腐食が集積した土壌。物理性は良好だが、養分の保持能力は比較的小さい。
国有林野の管理経営に関する基本計画 こくゆうりんやのかんりけいえいにかんするきほんけいかく 国有林野の管理経営に関する基本的事項について、5年ごとに10年を1期として農林水産大臣が定める計画。毎年9月30日までに、この計画の実施状況が公表されることとなっている。
国連気候変動枠組条約(UNFCCC) こくれんきこうへんどうわくぐみじょうやく United Nations Framework Convention on Climate Change 正式名称を、「気候変動に関する国際連合枠組条約」(United Nations Framework Convention on Climate Change)。地球温暖化防止条約ともいわれる。二酸化炭素(CO2)やメタン、一酸化二窒素などの温室効果ガスの増大が地球温暖化を引き起こし、自然の生態系などに悪影響を及ぼすおそれがあることを背景に、大気中の温室効果ガスの濃度を安定化させることを目的として、1992年にブラジル・リオデジャネイロで開催された地球サミット(UNCED)で制定された条約。94年に発効した。07年8月現在で、世界191か国と欧州共同体(EU)が締結している。
コ・ジェネレーション こじぇねれーしょん 熱電併給。電力と熱とを併給することをいい、発電と同時にそれに使った排熱を利用するシステム。燃料を燃やして得られる熱を電力に変えると同時に、蒸気、熱水を暖房・給湯などにも利用するため、熱効率がきわめて高い(70~80%)のが特徴である。
腰水 こしみず 鉢の下に受け皿などを置き、そこに水を張って底面 から水を吸わせる方法。浸透灌水、底面灌水。
古紙リサイクル こしりさいくる 製品としての使用を終えた紙、すなわち古紙を製紙原料などに再生してトイレットペーパーや各種用紙など他の紙製品に再利用したり、他の用途に用いること。従来古紙利用製品は、パルプ100%に比べて白色度や質感などが低く価格も高かった。しかし、近年品質が格段に向上しコストも下がったため、コピー用紙などを中心に利用が急増し、企業や官庁のオフィスにおける古紙の回収・分別、そして再生紙の利用はもはや常識となっている。ただ、古紙価格は回収量などの要因で変動しやすく、それにより需要が左右されて古紙の不足やだぶつきが起きやすい点が、リサイクルを阻害する大きな問題となっている。
コマ菌 こまきん 広葉樹の木片に菌を培養した種菌のこと
ゴムタケ ごむたけ 円錐を逆さにした形でゴムのように弾力がある。初年度の榾木に梅雨期から夏にかけて発生する。材の腐朽力は弱く直接被害は少ないが榾木の水分状態の目安に利用できる。
孤立化 こりつか isolation 熱帯雨林の孤立化は、開発などによる伐採によって他の熱帯雨林との距離が遠い状態に断片化することをいう。地上性の動物はもちろん、種子分散者としての鳥類なども行き来できないことが多い。そのため、種多様性や遺伝子多様性の減少、混み合い効果が大きな問題となる。
特に、原生林からの距離があるほど、生息できる種の数が少なくなると言われている。
熱帯雨林が孤立化するとそこに生息している生物の遺伝的な多様性が低くなることで最後には環境に対応できなくなり、地域絶滅してしまうことがある。
コリドー こりどー corridor 保全生態学におけるコリドーは、2つの離れた生息地を、その地にあった植生を創生することで連結させることをいう。帯状の植生をコリドーという場合もある。
コリドー創生のメリットは、遺伝的多様性の増加、それぞれの野生生物の移動、生息地の増加などが期待できることである。
一方、コリドー創生のデメリットは、エッジ効果の増大、捕食圧、コリドーの距離、病原菌の移動などが指摘されている。
しかし、デメリットとメリットのどちらにプライオリティを置くかが重要である。
コルチゾール こるちぞーる cortisol コルチゾール(cortisol)はストレスによって発散される副腎皮質ホルモンの一種のうちの3種の糖質コルチコイドの一種であり、ヒドロコルチゾン、ハイドロコーチゾン(hydrocotisone)とも呼ばれる。この3種のうちではもっとも量が多く、糖質コルチコイド活性の約95%はこれによる。血圧や血糖レベルを高め、免疫機能の低下や不妊をもたらす。
また、このホルモンは、過剰なストレスにより多量に分泌された場合、脳の海馬を萎縮させることが、近年PTSD患者の脳のMRIなどを例として観察されている。海馬は記憶形態に深く関わり、これらの患者の生化学的後遺症のひとつとされている。
混芽 こんが 冬芽のうち、葉と花の両方になる芽のこと。つまり、葉の赤ちゃんと花の赤ちゃんの両方が入っている。一部の樹種で見られる。
根茎 こんけい 地下茎の一種で、タケ、ヨシ、シバなどのように、横に長く伸びて新しい茎を作るものをいう。
混交歩合 こんこうぶあい 樹種別の立木材積により,百分率をもってあらわされたもの。
混交面積 こんこうめんせき 混交林や複層林の場合,小班の総森林面積が表記される。
混交林 こんこうりん 2種類以上の樹種が混在する森林のこと。ただし,ここでいう2種以上の樹種には林業に関係のない下木の類は含まれない。
混植・混作 こんしょく・こんさく 自然の野山では一つの植物だけが広範囲に植わっていることはあまりなく、雑多な混植・混作状態でお互いバランスをとっている。人為的に「栽培」するとなると、ある程度決まった作物を作付けせざるを得ないわけだが、そんな中になるべく他の作物も取り入れて、多自然型・複雑系の畑にしようという工夫が各地で生まれている。一種類の作物で埋めつくされた畑よりも、いろいろなものが植わっている畑のほうが病害虫にやられにくい。土着天敵や根のまわりの菌もいろんな種類が増える。作物どうしのアレロパシー(他感作用)もある。
ネギ・ニラ混植はもちろん、ラッカセイとキュウリ、バジルとトマトなどは、代表的なコンパニオンプランツ。ナスの周囲にソルゴーを植えて天敵をよぶバンカープランツや、マルチムギ、果樹の草生栽培なども、混植・混作の事例といえる。
害虫、天敵、ただの虫、根の分泌物や根圏微生物、そしてそれぞれの作物固有の性格など、複雑系の畑では、いろんな自然力が作用する。とはいうものの、複雑系の畑は大型機械では作業しにくいし、農薬散布も作物ごとに登録が違うので、現状ではなかなかやりにくいのも事実。だが、自然力を生かして作物どうしの力を引き出し、農薬を減らせるこの方法に、農家の関心は大。
コンテントとプロセス(環境教育) こんてんととぷろせす 「コンテント」とは、グループの課題や仕事などの「内容」、「プロセス」とはグループの中で起こっている人と人との「関係の様子」をさす。例えば、グループが課題「プログラムをつくる」を与えられた時、完成したプログラムの内容そのものが「コンテント」、完成までの過程でグループの中で起こったことやメンバーの関わりが「プロセス」である
混牧林 こんぼくりん 幼齢造林地等で林地の雑草木を飼料として利用するために林内に放牧し、除草の省力化と蹄耕、施肥の効果をはかって畜産的利用をしている森林。
農業振興地域の整備に関する法律第3条第2号に規定される「主として木竹の生育に供され、従として耕作又は養畜の業務のための採草又は家畜の放牧の目的に供される土地」をいう。
混牧林は林業と畜産の複合利用を意図したもので、農用地としても扱われる。
コンポスト化 こんぽすとか ごみや家畜ふん尿、木屑などの有機物を、微生物により発酵させて堆肥化し、肥料や土壌改良材として農業用に再利用することをいう。家庭生ごみを堆肥化する簡便なコンポスト器も市販されている。
根粒 こんりゅう マメ科植物及び特定の非マメ科植物の根に共生菌が住み着いてできた粒状のもの。窒素同化作用をもつバクテリアとの共生関係があることから肥沃な土壌に改良される。肥料木として利用され、ヤシャブシ等がある。
災害査定 さいがいさてい 地方公共団体の公共土木施設で異常天然現象(台風、大雨、地震等)による災害に対し、国庫負担申請がなされたあと、国土交通大臣が災害査定官を現地に派遣し、財務省職員立会いのもとに、復旧事業の決定を行うこと。
財産区有林 ざいさんくゆうりん 市町村及び特別区の一部で財産を所有する特別地方公共団体である財産区が所有する森林。合併前の市町村単位で管理・経営する場合が多い。公有林(市町村有林)の一種。
市町村及び特別区の一部で財産を所有する特別地方公共団体を財産区というが,合併前の旧市町村単位で山林を経営する場合が多い。これを財産区有林といい,公有林に区分されている。
在住区分 ざいじゅうくぶん 森林所有者が(自市町村内,他市町村内,県外等)どこに住んでいるかを区分するもの。
再生可能エネルギー さいせいかのうえねるぎー 再生可能エネルギー(さいせいかのうえねるぎー)太陽光、太陽熱、風力、地熱、バイオマスなど通常エネルギー源枯渇の心配がない自然エネルギーのこと。ダムなどの建設を伴わない小規模の水力発電も再生可能エネルギーに含まれる。
再生紙 さいせいし 原料に古紙を配合した紙。新聞紙、段ボール、ボール紙、トイレットペーパーなどはもともと再生紙であるが、近年は書籍や雑誌、文具、OA用紙などへの使用も増えている。再生紙の生産量は少なく、古紙に含まれるインクを抜く脱墨の工程が必要なため、バージンパルプだけでつくった紙よりも割高になるが、急増する紙ごみの原料と森林資源保護のため、再生紙を導入する官庁や民間企業が増えている。しかし、脱墨の工程で使用する大量の塩素がダイオキシンを発生させることが明らかになり、紙の大量消費、大量廃棄自体が問われている。
材積 ざいせき 立木または造材された丸太、さらに製材された木材の体積をいう。材積は①実績②層積に区分され、①は立木(枝条を含む)や丸太の実績をいい(大面積の立木群の材積を蓄積ともいう)、②は薪炭材などの小径木を一定の枠に積み重ね丸太間の空間を含めて材積を測定する。
換算は、1m3=3.5937石、1石=0.27826m3です。ちなみに丸太材積は、末口直径×末口直径×材長で算出
再造林 さいぞうりん 人工林を伐採した跡地に人工造林を行うこと。
人工林の伐採跡地に人工造林を行うこと。多くは、針葉樹人工林の伐採跡地に再び針葉樹の苗木を植栽。
最多密度曲線 さいたみつどきょくせん 林分は,林木の大きさに応じて林木が生存しうる最多の本数密度に一定の限界を持っている。この関係を表したものが最多密度曲線である。
CITES さいてす Convention on International Trade in Endangered Species of Wild Fauna and Flora Convention on International Trade in Endangered Species of Wild Fauna and Flora(絶滅のおそれのある野生動植物の種の国際取引に関する条約)の略称(通称ワシントン条約)。166か国が加盟(2004年9月現在)。
細胞培養 さいぼうばいよう 組織培養の一方法で、動植物の器官・組織片を物理的あるいは化学的に処理して細胞に解離して、これをガラスあるいはプラスチックの器内で無菌的に培養する方法。
細密数値情報 さいみつすうちじょうほう 国土地理院による3大都市圏宅地利用動向調査で作成されている土地利用を中心としたデータである。航空写真などから土地利用の現況を判定し、それを 10m メッシュ毎にスキャナで読み取っている。土地利用のほか行政区、規制区分、地形、時間距離などの項目が含まれる。メッシュは平面直角座標系に基づいた等幅メッシュである。これまでに4時点のデータがつくられている。
在来種 さいらいしゅ ある地域に従来から生育・生息している種で、本来的にその地域において生態系の構成要素となっている生物種のことをいいます。
逆枝 さかえだ 下方向や、幹に向かって伸びる枝
作業システム さぎょうしすてむ 伐倒、造材、集材、運材など伐出の作業システムで、林道からの距離、高性能林業機械などにより構築するもの。
作業種 さぎょうしゅ 更新及び伐採の過程によって生産方法を分類したもの。伐採方法,伐採面(更新面、作業地)の広狭(面積の大小)及び形状などによって分類するのが普通である。
作業道 さぎょうどう 林道などから分岐し、立木の伐採、搬出、造林などの林内作業を行うために臨時的に作設される簡易な構造の道路。
林道を補完し、除間伐等の作業を行うために作設される簡易な構造の道。
作業班 さぎょうはん 立木の伐採・搬出、造林などの各種施業を実行するために、森林組合が雇用した労働者の作業組織
森林組合作業班
作業ポイント さぎょうぽいんと 林道等で集材、造材、積み込みなどの作業を行うことが可能な場所。
作業路 さぎょうろ 伐採、造林、保育等の森林施業を行うために、林道等から作業現場へ向けて開設した幅員3m程度の作業用道路。
さし枝 さしえだ 長く奇麗に伸びて、樹形を整えてる枝のこと
挿し木 さしき 木の枝を土に挿して発根、発芽させ、新しい株を作ること。
挿し穂 さしほ 挿し木や挿し芽に使う、枝や茎の一部を切りとったもの。
挿し芽 さしめ 挿し木とほぼ同じだが、草本の茎を挿す場合は挿し芽と呼ぶ。
里地里山 さとちさとやま 居住地域の近くに広がり、薪炭用材や落葉の採取、農業生産など様々な人間の働きかけを通じて自然環境が維持・形成されてきた地域のことをいいます。森林、農地、ため池、草地等で構成されており、多様な動植物の生息・生育場所になっています。
人里近くにあって人々の生活と結びついた山林。里地まで含めた場合、水田・雑木林・ため池といったさまざまな要素が入り組んだ、モザイク的環境を指す。里山では人々が生活のために自然に手を入れて二次的自然を作り出すことによって、生物多様性や美しい景観が維持されている。いわゆる「どこにでもある日本の風景」ではあるが、過疎化や都市化によって荒廃が進んでいる。全国の約4割8に当たるこれらの地域は、いろいろな地形や要素を含むので、最近では人間と自然の共生の場として注目されているほか、多様な動植物が生息できる環境として、生物多様性の観点からいっても重要な位置を占めている。絶滅のおそれのある種の多く出現する場所の5割が里地里山にあることがわかっている。
里山 さとやま 市街地や集落周辺において従来、林産物栽培、有機肥料、薪や炭の生産等に利用されていた森林で、近年、住民に身近な緑地として評価されているが、所有者による適切な維持管理が困難な状況となっている。
里山インストラクター さとやまいんすとらくたー 豊かな自然生態系の宝庫である里山の保全整備と、子供たちに楽しく学ぶことができる適切な指導者
里山活動 さとやまかつどう 里山(かつては薪炭やシイタケ等の特用林産物を生産するなど農山村の人々と深いかかわりを有していた森林)の再生と里山と人との新たな関係を創造する活動のこと
里山林 さとやまりん 人里近くに広がり、古くから、薪や炭にするための木を伐り出したり、水田や畑の肥料とするための下草や落ち葉を採取してきた森林。近年、都市化の進展とともに次第に放置されるようになってきており、人々と里山林のつながりをもう一度築きなおし、環境教育や自然観察のフィールドとして整備・活用しようとする取り組みが期待されている。
居住地近くに広がり、薪炭材の伐採、落葉の採取等を通じて地域住民に利用されている、あるいは利用されていた森林。
農山漁村集落周辺にあり,かつては薪炭やシイタケ等の特用林産物を生産するなど人と深い関わりを有していた森林。1987(昭62)年に策定された第4次全国総合開発計画では,人間・社会とのかかわりを中心として森林を類型化(奥山天然林,人工林,里山林,都市近郊林)し,それぞれのタイプ別の森林の整備方向を示している。里山林については,児童生徒の学習の場や山村における都市との交流拠点など多様な要請があり,自然環境や国土の保全に留意しつつ,森林の総合的利用を図り,このため,広葉樹の価値を再評価しつつ,育成天然林施業等により,利用目的に応じた多様な森林を整備することとされている。
砂漠化 さばくか 砂漠化とは、「乾燥、半乾燥及び半湿潤地域におけるさまざまな要因(気候変動及び人間の活動を含む)に起因する土地の劣化」を言います。(砂漠防止条約第1条)砂漠化の原因は、気候的要因(大気循環の変動による乾燥地の移動)と人為的要因(家畜の過放牧、休耕期間短縮による地力低下、薪炭材の過剰採取など)があげられます。地球の面積の約40%にあたる約36億ヘクタールが砂漠であり、毎年600万ヘクタール(四国と九州の合計に相当)ずつ砂漠化が進行しているされていると言われています。1992年(平成4年)6月の地球サミットで「砂漠化防止条約交渉会議」の設置が決定され、1994(平成6年)年 6 月「砂漠化防止条約」が採択されました。
砂漠化防止条約 さばくかぼうしじょうやく 開発途上国(特にアフリカ)で深刻化する砂漠化(干ばつを含む)問題に対して、国際社会がその解決に向けて協力するため、1994年(平成6年)6月 17 日に採択しました。被影響国、地域による砂漠化防止行動計画の作成と実施先進国の資金援助、技術移転の支援等を定めています。日本では、1994年 10月条約に署名しました。ただし未批准となっています。
さび病 さびびょう さび病とは、葉の表面にさび色の粉がつく病気のこと。白さび病、黒さび病などがある。
砂防 さぼう 上流山岳部における土砂礫の生産流出を抑制し、急激な下流への流下や土石流の発生・氾濫を和らげることを目的とした工事です。山腹や斜面の対策工事と、渓流保全工事とに大きく分けられ、斜面対策としては地すべり対策工事や急傾斜地崩壊対策工事などが、渓流保全工事としては堰堤工や流路工(渓流保全工)などが行われています。
砂防堰堤 さぼうえんてい 砂防堰堤は、降雨によって土石流となって流れてくる土砂を食い止めて勢いを弱めるとともに土石流の流向きを制御し、河床の浸食や土石流の氾濫を軽減します。
砂防目的に作られる構造物で、コンクリートなどで造られた重力式のダムです。治水の重力ダムとは形状が異なり、下流側がほぼ垂直に近い勾配をしています。一般的には流水はそのまま下流へ流れる構造になっていて、上流側には土砂が貯まり、上流からの土砂の供給に応じて堆積する勾配が変化し、下流への土砂供給を自然に調節します。砂防ダムと呼ばれることもあります。
砂防指定地 さぼうしていち 砂防法第2条に基づき、砂防設備を要する土地又は治水上砂防のため一定の行為を禁止若しくは制限する土地のことをいい、建設大臣が指定する。森林施業については、5ha以上伐採する場合は知事の許可が必要である。
砂防ダム さぼうだむ 渓流において、堆砂によって河床を上昇させて山脚を安定させ崩壊を防止したり、流送する土砂を貯砂、調節して土砂災害を防ぐために築造されるダム。
ダムのその目的によって次の5種類に分類することができる。一つのダムが二つ以上の目的を兼ねる場合には、その主たる目的によって分類するものとする。
1.山脚固定ダム・・・河床を上昇させて山脚を固定し、山腹の崩壊等の予防及び拡大の防止を図り、土砂の生産を抑制することを目的とする。
2.縦侵食防止ダム・・・河道の縦侵食を防止して、土砂の生産を抑制することを目的とする。
3.河床堆積物流出ダム・・・河床に堆積した不安定な土砂の流出を防止することを目的とする。
4.土石流対策ダム・・・土石流を抑止あるいは抑制することを目的とする。
5.流出土砂抑制・調節ダム・・・流出土砂の抑制及び調節を目的とする。
サポート さぽーと supporting 生態系サービスの土台を築くもので、そもそも人間社会を含む生物種や生育域が存在する為の環境を形成し、維持するもの
生息地、栄養、水、土壌の形成など
生態系に由来する人類の利益となる機能(生態系サービス)の4つのうちの一つ
ザラ榾 さらほだ 菌が弱りまたは死ぬことにより樹皮が形成層から剥離すること。原因には①直射日光の連続②乾燥の連続③過湿の連続④長期にわたり榾木を蒸らした場合
三角形植え さんかくけいうえ 正三角形植え(一般に三角植えと呼ぶ)は、平地でも傾斜地でも、それぞれの木に均等な樹冠スペースを与えるのに最適です。三角植えは冠雪害による共倒れを防ぐのに効果があります。しかし間伐の伐出作業の能率は落ちます。
三角点 さんかくてん 国土地理院が行う三角測量によって設置し、水平位置を求めた基準点をいう。
三角点は、明治時代に設置以来すべての測量の基準となる基準点で、測量法の基本測量(国土地理院が行う)でいう永久標識の一つとなる。現在(平成15年3月31日時点)では、一等三角点972点、二等三角点5,056点、三等三角点32,699点、四等三角点64,557点が設置されている。
この三角点を繰り返し測量することによって、日本列島の地殻変動が明らかになるが、現在は「精密測地網高度基準点測量」という測量により地殻変動を検出している。この測量は、一等三角点と二等三角点の一部で構成される約2,000点の三角点を全国に設置されている電子基準点を既知点として、GPS観測によって高精度な測地学的位置を求めるもので、この高度基準点測量を5年周期で繰り返し実施することにより、日本列島の地殻変動を検出している。
散水 さんすい 乾燥を防ぐ程度の軽い水掛のこと
散水養生 さんすいようじょう  water curing by sprinklers 打設されて間もないコンクリートの表面は乾燥するとひび割れを生じやすいため、コンクリートを打ち込んだ後には養生を行って湿潤状態を保つ必要がある。一般にはリフト面上に注水をして湛水養生を行なうが、型枠移設等のため湛水を行うことが困難な場合、スプリンクラー等を用いて散水をする養生が用いられる。これを散水養生という。リフト面上で配筋や型枠作業を行なうときは、スプリンクラーの散水が不十分になりがちであるので、作業員を配してホースによる散水を徹底させる必要がある。
酸性雨 さんせいう 大気中の硫黄酸化物や窒素酸化物等の酸性物質を取り込んで酸性を呈する降雨とされていたが、現在では、霧や雪なども含めた「湿性沈着」及び晴れた日でも風に乗って沈着する粒子状やガス状の物質などの「乾性沈着」を合わせたものとされている。
酸性雨による影響として、土壌の酸性化による森林の衰退、湖沼の酸性化による陸水生態系への被害、銅像等の文化財や建築物の損傷などが指摘されている。
酸性雨問題は、原因物質が国境を越えて移動することから関係国が協力して取り組む必要がある。
主として化石燃料の燃焼によって生ずる硫黄酸化物(SOx)や窒素酸化物(NOx)などの酸性雨原因物質が大気中で硫酸イオンや硝酸イオンなどに変化し、これを取り込んで生じると考えられるPH(水素イオン濃度)5.6以下の雨のことを指します。なお広義にはこれらの雨に加え、霧や雪なども含めた湿性沈着(Wet Deposition)およびガスやエアロゾルの形態で沈着する乾性沈着(Dry Deposition)の両者を合わせて酸性雨と呼んでいます。酸性雨による影響としては、(1)湖沼や河川等陸水が酸性化し魚類が死滅する。(酸性湖)(2)土壌が酸性化し植物の根を傷め、森林が枯死する。(3)建造物(大理石・金属)が酸化腐食する。などがあります。
残積性未熟土 さんせきせいみじゅくど 岩石または未固結の地層が原位置で風化し、土壌化が進んでおらず、層位の分化が不完全でその土壌固有の特徴を示すまで至らない土壌。
山村産業 さんそんさんぎょう 林業と農業を中心に、山村地域が一体となって山村のあらゆる資源を活用した総合的な産業をいいます。
山地災害危険地区 さんちさいがいきけんちく 山腹の崩壊、崩壊土砂の流出などが既に発生している、または発生する危険のある森林原野であって、その危害が人家1戸以上または公共施設に直接及ぶ恐れのある地区。
山地災害防止機能 さんちさいがいぼうしきのう 自然現象等による土砂崩壊、土砂流出等の山地災害の発生その他表面浸食等山地の荒廃化を防止し、土地を保全する機能。
山地防災ヘルパー さんちぼうさいへるぱー 山地防災に関する一定の専門的知識を有し、山地災害に関する情報収集活動に参加する者で都道府県知事から認定された治山事業の経験者や市町村の職員、林業関係団体の職員等。
サンドブラスト さんどぶらすと sand blasting 砂を高圧水に混ぜて吹き付け、コンクリートの水平打ち継ぎ面のグリーンカット、鋼材のさび落としなどを行なう方法をサンドブラストという。一般に、グリーンカットにはエアーウォータージェットが用いられるが、鉄筋の多い箇所あるいは何らかの理由でグリーンカットを行なわなかった場所、または油の付着などの汚れのひどい場所にはサンドブラストが用いられる。
サンドライ さんどらい 葉枯らしとは、伐倒木を枝葉のついたまま一定期間(通常数ヶ月程度)林内に放置し、残した枝葉からの水分蒸発によって材の含水率を低下させる方法。国有林葉枯らし材のブランド名称である。
傘伐 さんばつ 一斉林の主伐の1種。伐期に達した林分を,親木(母樹)を残して周辺を全部一様に伐採すること。伐採後は,親木から落下した種子が親木の傘の周囲で稚樹として成長するところから‘傘(さん)伐’という。
山腹工 さんぷくこう 山腹崩壊、はげ山などの荒廃地あるいは今後、荒廃の恐れのある山地に対して、本来の植生状態に復旧させる。または現在の植生を維持改善させることを目的として行う工事。
荒廃した山腹斜面等において植生を回復させることにより、斜面の安定化を図るために実施される工事。土留工、実播工等がある。
一般に、はげ山、山腹の崩壊箇所に、表土の風化の進行防止、裸地及び崩壊の発達防止のために植生の最終形態である森林の造成をいう。一般的ではあるが、植栽樹が成林して初めて目的が達成される。
三面張 さんめんばり 扇状地内の急勾配で、床固工で落差を付けてもなお掃流力が河床の抵抗力よりも大きい場合、また常に土石流が流下する場合には河床をコンクリートや石材で張って三面張りとする。そのときの河床勾配の粒径によっても異なるがおおむね1/30程度である。厚みは普通0.3mであるが、土石流によるすりへりが土石流1回あたり2cmに達する例もある。
CSR しぃえすあーる Corporate Social Responsibility Corporate Social Responsibilityの略です。背景には、「マルチ・ステークホルダー・エコノミー」と言う考え方があります。企業は社会的な存在であり、自社の利益、経済合理性を追求するだけではなく、ステークホルダー(利害関係者)全体の利益を考えて行動するべきであるとの考え方を基に、環境保護のみならず、行動法令の遵守、人権擁護、消費者保護などの分野についても責任を有するとされています。最近では、大企業ばかりでなく、市場拡大を目指す中小の事業者や、地場産品などの高付加価値化を狙う地域にもこのような動きが拡大しており、「CSR(企業の社会的責任)報告書」などを作成する事業者も増えてきています。このような意識の高まりを受けて、EU理事会は、2002年(平成14年)7月、「企業の社会的責任:持続的な発展への企業貢献」と言う報告を出し、EUの積極的な姿勢を表明するとともに、企業のCSRにかかわる情報公開や監査などについての具体的指針を示しました。また、ISOは、CSRの国際規格化について検討し、第1世代の「品質」(ISO9000)、第2世代の「環境」(ISO14001)に続いて、第3世代のマネジメントを「企業の社会的責任」と位置づけ規格化への作業が進められています。なお、2001年(平成13年)の内閣府の調査では、企業の社会的役割として回答者の66%が「環境保護」を挙げており、今後企業が社会的信用を得るために力を入れるべきものとして71%が「環境保護」を挙げていることが注目されています。
CSR(Corporate Social Responsibility)とは、「企業の社会的責任」のこと。企業は社会的な存在として、最低限のコンプライアンス(法令遵守)に基づいて、よい商品やよいサービスの提供、雇用の創出と維持、納税に対する責任。適正なコーポレートガバナンス(企業統治)とディスクロージャー(情報開示)、また最近では個人情報保護や消費者への誠実な対応、地域社会への参加、安全や健康に配慮した職場環境、地球温暖化防止などの環境問題への対応などが、企業が社会に対して果たすべき「責任」としてとらえられている。
企業には、株主や消費者、従業員、取引先、地域住民など幅広いステークスホルダーがいて、CSRにはこうしたステークホルダーとの関係が重要であるとされる。企業を取り巻くさまざまな立場の人とのコミュニケーションを通じて、ステークホルダーから信頼を得る、そのための活動がCSRといえる。
CCS(二酸化炭素回収・貯留システム) しぃしーえす 火力発電所などの排出ガスを溶剤に通すことで二酸化炭素(CO2)を分離し、熱で溶剤を蒸発させてCO2のみを回収、深さ1000メートル程度の地中や海底に封じ込める技術です。発電所が排出するCO2の約9割を回収できるといわれている。
シイタケオオヒロズコガ しいたけおおひろずこが 榾木表面部または植菌付近へ生み込まれ幼虫期にシイタケ菌を食害する。駆除法は通風良くし、被害榾の近くに新榾を置かないこと。駆除剤あり
シイナ しいな 実が入っていない種子。孤立木に多い
GPS じぃぴーえす:ジーピーエス Global Positioning System 人工衛星からの電波を受けて、位置を測定する技術。また、その装置。測量やカーナビゲーションなどに利用される。
米国防省が運営・管理している衛星ナビスター(NAVSTAR:Navigation System with Time and Ranging)を利用した位置測定システムである。地球上空約20,000kmの高度の6つの軌道面上にアクティブな衛星21個とバックアップ用の予備衛星3個が配置されている。各衛星は原子時計を搭載し、これに基づく正確な時刻と、軌道計算に基づく正確な位置情報を持っている。各衛星は、この時刻と位置とを符号化して発信する。最も受信しやすい4機以上の衛星から電波を受信し、各々の衛星から電波が届くまでの時間を測定することにより、正確な位置、移動方向、移動速度を24時間リアルタイムで知ることができる。
c─φ図 しぃふぁいず 斜面の安定解析を行うときは、現状の安全率を仮定し、すべり面の強度常数の粘着力Cと内部摩擦角φ(tanφ)との関係を求め、これを平面上に表示したもの。すべり面強度定数を逆算する場合にしばしば用いられ、地すべりの安定解析を行うときの強力な手法となっている。この図をもとに地すべりの垂直層厚により経験的に粘着力を推定し、内部摩擦角を求める方法が慣用されている。
ジオコード じおこーど 都道府県や市区町村に対して付けられた行政コードや、国勢調査の調査区、郵便番号区、小学校の学区域、選挙の投票区などのように、地理的な情報を文字や数字のデータとして収集管理するために、対象地域を領域分割し、各領域に一定の規則に従って付けるコード番号体系。
直挿し造林 じかざしぞうりん 母樹から切り取った枝の一部を直接,林地に挿して不定根を発芽させ,独立の林木に育て林を仕立てる方法。主にスギ,ヒバについて行われている。
自家用林 じかようりん 森林法第10条第1項第7号に規定される「普通林であって、自家の生活の用に充てるため必要な木材その他林産物の採取の目的に供する森林」で北海道では2ha以内、北海道以外では1ha以内で指定される。伐採する場合は伐採届出書の提出は不要。
普通林のうち,自家の生活の用に充てるため必要な木材,その他の林産物の採取の目的に供すべきもののうち,市町村長が当該森林所有者の申請に基づき省令で定める基準に従い指定したもの。自家用林においては,伐採の届出や市町村森林整備計画で定められる適正伐期齢の対象除外となる。
時間雨量 じかんうりょう 正時(毎時00分)を始点として1時間以内に降った雨の量を指します。
敷モルタル しきもるたる mortal layer コンクリート打設前に打込み場所に敷き均すモルタルのこと。新旧コンクリートの打ち継目における付着を確実にしたり、打ち込んだコンクリート面に豆板ができるのを防止する。
敷きワラ しきわら 木の根もとにひくワラ乾燥や凍結を防ぐ
じぐざぐ植え じくさくうえ じぐざぐ植え(千鳥植え)は三角植えに近い効果があり、積雪地帯でよく用いられます。列状植栽は2列植え、3列植えなどがあり、機械作業には便利です。
試験研究の目的に供している森林 しけんけんきゅうのもくてきにきょうしているしんりん 試験研究のために具体的な施業等が予定されている森林であり、かつ市町村森林整備計画に記載のある標準的な森林施業の方法と著しく異なる取扱いを行う森林のこと。森林法第10条の4に規定される地域森林計画としての摘要の除外が必要な場合は、森林所有者が、森林法施行規則第5条第2項の規定に基づき、農林水産大臣に申請することとなっている。
試験研究林
資源の循環利用林 しげんのじゅんかんりようりん 木材等生産機能を重視する森林。効率的・安定的な木材資源の活用と施業の集約化・団地化や機械化を通じた効率的な森林整備を図るために設定される。森林法第11条第4項第2号イに規定されている「公益的機能別施業森林区域以外の区域内に存する森林」が該当する。
地ごしらえ じごしらえ 人工造林や天然更新の準備のため、雑草木の刈払いや伐採した樹木の枝などの整理を行う作業。
地ごしらえとは、伐出後に林地に残された幹の先端部(末木)や枝(枝条)、あるいは刈り払われた低木や草本などを、植栽しやすいように整理、配列することです。末木枝条などの有機物は、養分の供給源として、また表層土の流亡を抑え、土壌の物理的、化学的条件をよくするために、さらにまた、土壌の乾燥、霜柱などを防ぐために重要です。
・低木類を全部伐る「全刈り地ごしらえ」
・低木類を部分的に伐る「筋刈り地ごしらえ」や「坪刈り地ごしらえ」など
・全刈り地ごしらえが一般的です。
枝条 しじょう 樹木の支幹(大枝(力枝))と枝の総称。
死水 しすい ダムの貯水池の最低水位(最も低い位置にある取水口の位置)以下の、利水の対象とならない水を指します。異常渇水時などに、緊急的に利用されることがあります。堆砂容量内の水も含めて、死水と呼ぶのが一般的です。
止水板 しすいばん  cut-off plate 水密を要するコンクリート継目に止水のため設けられるもので、銅、ステンレス、ゴム、合成樹脂等の材料の板である。コンクリートに密着すること、引張強さと柔軟性、耐アルカリ・酸・水性、老化しにくい耐久性を必要とする。
地滑り じすべり 地下水などの影響により斜面の一部が動き出す現象。緩やかな斜面が広い範囲でゆっくりと動くのが特徴である。
地滑り じすべり ある特定の範囲の斜面全体が下方へ移動する現象です。地すべりの発生は大雨を誘因とする場合以外にも、融雪による地下水位の上昇などもあります。また、斜面の造成工事を行っている場合にもバランスを崩して移動することもあります。
自生 じせい 自然界で元来その地に生育していること。人為的な影響が加わっていない状態。(←→野生化、植栽)
支川 しせん 他の川に合流する河川。本川に合流しているもの、支川に合流しているものがある。
自然維持林 しぜんいじりん 国有林野のうち,原生的な森林生態系からなる自然環境の維持,動植物の保護,遺伝資源の保存等自然環境の保全に係る機能を重点的に発揮させるべき森林。
自然環境保全地域 しぜんかんきょうほぜんちいき 高山性植生、亜高山性植生、優れた天然林などのうち、自然的社会的諸条件からみて、その自然環境を保全することが特に必要な地域として、自然環境保全法又は県自然環境保全条例に基づき指定した地域のことです。
自然侵入 しぜんしんにゅう 周辺から種子が運ばれてきて発芽定着すること
自然保護と観光開発の対立 しぜんほごとかんこうかいはつのたいりつ 豊かな自然が残っている場合に、それを徹底して保護していく姿勢を貫くのか、それとも観光資源として利用するのかという問題は、先の項で述べたイエローストーンの国立公園としての登録時から存在する。現在では、自然への影響を最小限に抑えるよう人間の立ち入る区域を厳しく限定して観光資源として利用する方法が一般的である。しかし、その「最小限の影響」の尺度は国や地域によって異なり、ほとんど野生に近い状態から建物や道路が乱立する状態まで様々である。
持続可能な開発 しぞくかのうなかいはつ 将来世代に多大な資源的制約や環境上の負荷をもたらさないような人類の活動のこと。「環境と開発に関する世界委員会」が1987年に発表した報告書「我ら共有の未来」の中で提唱した概念。1992年の地球サミットにおいて、これを実現するための世界行動指針として「アジェンダ21」が採択された。
持続可能な森林経営 じぞくかのうなしんりんけいえい1 現在の世代において、森林から得ている生活資材、エネルギー、食料等の資源を持続的に生産することはもちろんのこと、森林に対して何を求めるのか全く予測できない次世代のためのあらゆる可能性を残すため、森林の質的内容の豊かさの維持を最重要目標とする森林経営のこと。
持続可能な森林経営 じぞくかのうなしんりんけいえい2 将来の世代のニーズを損なうことなく、今日の世代のニーズを満たすような森林管理のあり方を指す。わが国では特に、「森林を生態系としてとらえ、森林の保全と利用を両立させつつ、国民の多様なニーズを永続的に対応していく」という森林の取り扱いに関する理念を指す。
持続可能な森林経営 じぞくかのうなしんりんけいえい3 1987年、「環境と開発に関する世界委員会」の報告書「我ら共有の未来(Our Common Future)」で「持続可能な発展」という概念が提唱された。その後、1992年の地球サミットにも、その考えが引き継がれ、現在この考え方はグローバル・スタンダードとなっている(林業白書13年版p26)。
下刈り したがり 雑草木が造林した苗木を覆うことで苗木の成長を妨げることがないよう、普通年2回、造林してから10年ぐらいは下草を刈る必要があります。
下刈り したがり 植栽した幼齢の造林木の、生育を妨げる雑草木を刈り払う作業。一般に植栽後の数年間、毎年、春から夏の間に実施する。
市町村森林整備計画 しちょうそんしんりんせいびけいか 森林法第10条の5の規定に基づき、「地域森林計画」に適合して、市町村の長が当該市町村内の民有林について、5年ごとにたてる10年間の計画。
市町村森林整備計画 しちょうそんしんりんせいびけいか 地域の実情に即した森林整備を推進するための具体的な森林施業等(伐採・造林・間伐・作業路等)を明らかにしたものであり、森林所有者等が自発的意思に基づいて作成する「森林施業計画」の直接的な規範となるものである。
シックハウス症候群 しっくはうすしょうこうぐん Sick Building Syndrome 住宅の新築や購入の後、住宅建材から出る化学物質が原因で心身の不調を訴え目やのどの痛み、頭痛などの症状を発すること。
シックハウス症候群 しっくはうすしょうこうぐん Sick Building Syndrome 住宅の高気密化や化学物質を放散する建材・内装材の使用等により,新築・改築後の住宅やビルにおいて,化学物質による室内空気汚染等により,居住者の様々な体調不良が生じている状態が,数多く報告されている。症状が多様で,症状発生の仕組みをはじめ,未解明な部分が多く,また様々な複合要因が考えられることから,シックハウス症候群と呼ばれる(厚生労働省)。本来,英語圏ではSick Building Syndrome,シックビルディング症候群と呼ばれるが,日本では住居で問題が顕在化したため,このように呼ばれる。和製英語。
実効雨量 しっこううりょう これまでに降った雨や現在降った雨が地中にどれ位残存しているかのかを便宜的に示した値。多ければ多い程、地中に残っている雨が多いということになる。
指定施業要件 していせぎょうようけん 保安林において、立木の伐採の方法及び限度並びに伐採後の植栽方法、期間及び樹種をいう。
指導林家 しどうりんか 林業経営および林業技術において地域の模範となり、林業後継者の育成に理解と熱意があると認められる林家を都道府県知事が指導林家として認定する制度。
指導林家 しどうりんか 「地域の模範と認められる林業経営を行っている」「林業後継者の育成指導に理解があり、積極的に指導活動ができる」ほかの要件に適応する人を都道府県知事が認定する。おもな活動は、「先進的な森林施業技術などを林業後継者などに普及指導する」「森林・林業教育の指導者として、学習の場の提供および技術指導」「林業普及指導員と連絡・調整を図り、地域林業の振興に寄与する」ほか。
指導林業士 しどうりんぎょうし 優れた林業経営を実践し、農山村青年の育成指導に理解と情熱をもち、地域林業振興に貢献している林業経営者
シトネタケ しとねたけ 梅雨のころシイタケ榾木樹皮上にオレンジ色のひも状の胞子角が発生する。やがて外樹皮が剥離される。主に原木伐採からシイタケ菌接種初期の急激な乾燥状態が原因とされる
自伐 じばつ 森林所有者自らが伐採、搬出作業等を行うこと。
指標植物 しひょうしょくぶつ 気象・土壌などの環境条件を示す指標となる植物または植物群落。(「ネジキの生えているところは、痩せ地で成長が悪い」、「ウワバミソウの生えているところにスギを植林すれば成長がいい」などの目安になる植物のこと。)
ジブクレーン じぶくれーん jib crane ダム長が大きくしかもケーブルクレーンの移動側の走行路の建設が困難な場合、鉄骨構造の足場(トレッスル)を架設してそのうえに旋回と上下動が可能なブームを装備したクレーンを用いてコンクリートを打設する。足場はガダーを残して普通は堤体に埋設される。クレーンは走行式と固定式がある。
子房 しぼう 花柱の基部が肥大した部分
子房 しぼう 果実(ザクロなど)になる
氏名コード しめいこーど 森林所有者固有の番号となっている。
社会林業 しゃかいりんぎょう 主として開発途上地域の農村集落のメンバーや小土地所有者が、自ら消費したり、販売収入を得るために行う、さまざまな林業活動(樹木と森林に係る活動)のこと。典型的な例としては、農民たちが自分の土地や共有地に、燃料用や小丸太用の樹木を植林するケースであるが、地元住民の必要を満たすべく政府や他のグループが公有地に植林するケースも含まれる。さらに、農民たちが個別ないし共同で行う林野産物の採取、加工、販売も社会林業活動の一つに数えられている。この場合の林や産物とは果実、薬草、キノコ類、蜂蜜、籠材料などをいう
蛇篭 しゃかご gabion wirecylinder 亀甲形の目に編んだ円筒形のかごに玉石または割石を詰めたもの。かごは竹もしくは鉄線で作る。含銅鉄線は腐食に対する抵抗が大きいのでよく用いられる。屈撓性が良いので、のり覆工、根固め工、床固工などに用いる。形によって、ふとんかご、だるまかご、さざなみかごなどがある。
蛇篭ダム じゃかごだむ gabion dam 蛇かごもしくはふとんかごを積み上げて心杭で固定したダム。大粒径の掃流砂が流れない小渓流で、渓流の低下を防止すると同時に常時排水する目的で築造される。
JAS(日本農林規格)制度 じゃすのうりんきかくせいど 「農林物資の規格化及び品質表示の適正化に関する法律」(昭和25年法律第175号)の規定に基づいて制定した規格をいう。該当する林産物の主なものには、素材、製材、普通合板、特殊合板、集成材、フローリングなどがある。製品は自主的検査機関において等級査定を行い、該当する等級と責任検査機関名を刷り込んだJAS標紙を添付して消費者の保護を義務づけている。
斜面林 しゃめんりん 斜面地に立地する林のことだが、特に都市部では斜面地だけが開発されずに樹林として残ることが多いので、これを指す場合が多い。
車両集材 しゃりょうしゅうざい 車両集材は、林の中に集材専用の車両が入って、材を荷台に積んで、あるいは牽引して集材する方法です。集材専用の車両は、トラクタ、林内作業車などと呼ばれ、大型の車両は8トンを超えるものから、小型のものでは数百キロのものまで、いろいろな車両が使われています。
集材する車両は、林内に入って材を集めますが、林地の傾斜が急であったり、地表の条件が悪くて林内を走向できないときは、その車両が通る専用の道をつけて、道の上を走向し、材を集めて積み込み、集材することになります。
固定的な施設がいらず、1~2名の少ない人数でも作業をすることができ、車両の機動性が発揮できます。
作業条件によっては専用の道をつける必要があり、車両が林内に入ることによって林地を荒らす危険もあります。
雌雄異株 しゆういしゅ 実をつける雌花の木と雄花のつく木が別々
獣害 じゅうがい 獣類によって、樹皮をはがされたり若木が食害を受けたりする被害のこと。
収穫樹 しゅうかくじゅ りんご、みかん等の立木で果実等の収穫を目的としているものをいう
集材機 しゅうざいき 原動機を備えた一種の巻上げ機械。空中に張ったワイヤーロープを使用して、伐採した木材を林道等まで搬出する作業に使用される。
収縮継目 しゅうしゅくつぎめ contraction joint ダムコンクリートの冷却に伴って発生する収縮によるひび割れを防ぐ目的で設けられているコンクリート打ち継目で、施工に当たり開きやすい構造にしておく。収縮継目にはダム軸に直角方向の横継目と、ダム軸に平行な縦継目があるが、砂防ダムではほとんど横継目のみである。一般に15m間隔に設けられるが、ダムの高さ、セメントの種類、人工冷却の有無によって異なる。継目の形は平面が多い。継目からの漏水を防ぐため止水板が用いられる。
集水面積 しゅうすいめんせき 周囲の山などに降った雨がダムに注ぎ込みます。この雨が降る区域の面積のことです。
集成材 しゅうせいざい 板材(ラミナ)を繊維(木目)の方向が平行になるように、長さ、幅、厚さの各方向に接着した製品。柱材等の構造用集成材と階段材、床材等の造作用集成材に大別。
住宅性能表示制度 じゅうたくせいのうひょうじせいど 構造耐力、遮音性、省エネルギー性など住宅性能を契約の事前に比較できるよう性能の表示基準を設定するとともに、客観的に性能を評価できる第三者機関を設置し、住宅の品質の確保を図る制度。
雌雄同株 しゆうどうしゅ 雌花と雄花が1本の木につき、開花・結実する植木
集約施業団地 しゅうやくせぎょうだんち 林業の生産性を高め、経営合理化を図るために生産資本を集中的に投資し、近代的経営により木材を継続して生産する一定地域の森林をいう。
集落協定 しゅうらくきょうてい 傾斜等により農業生産条件の不利な1ha以上の一団の農用地において農業生産活動等(耕作、農地管理等)を行う農業者等が締結するもので、将来にわたり当該農用地において農業生産活動等が維持されるよう、 [1]構成員の役割分担、[2]生産性の向上や担い手の定着の目標等、集落として今後5年間に取り組むべき事項や目標を定めるもの。中山間地域等直接支払制度
集落排水 しゅうらくはいすい 林業経営に必要な施設及び林業集落におけるし尿及び生活雑排水又は雨水を管路で集合して処理する施設
集落林道 しゅうらくりんどう 林道を補完し、木材、しいたけ等の林産物の運搬に利用されるとともに山村住民の通勤、通学等の日常生活としての役割を果たす道路で山村の生活環境の改善を目的とした施設
収量比数 しゅうりょうひすう 林分密度管理図に示されている最多密度曲線に平行して示される線のことで、ある平均樹高の時、その林分がもてる最大の幹材積に対する割合をいう。
人工林の成長段階における理論上の最大材積に対する現実材積の比率で、間伐の時期と間伐量を判断するのに使用する。樹高の判断基準には平均樹高を用いる。
林木の生育段階に応じた密度と材積などの関係を表したものに林分密度管理図があるが,この林分密度管理図は,林分の生育段階ごとにどの程度の混み具合にするか,どの程度間伐するかを決めるときに用いられる。収量比数は,平均樹高が同じ林分で最多密度の林分幹材積を1とした場合に,密度の低い林分の幹材積の比で表される。林分の密度管理に当たり重要な役割をもつ数値である。
重力ダム じゅうりょくだむ gravity dam 堤体自身の重量によって、これに作用する水圧、土圧、地震力などの外力に抵抗し、安定を保つ形式のダムのこと。一般にコンクリートを材料として築造されるが、砂防ダムでは粗石コンクリートを用いることがある。理論が簡単で施工は容易ではあるが、均等で十分な支持力を持つ基礎を必要とする。一般に二次元の安定計算をするが谷幅が狭く、両岸の岩盤が良好な場合は、水平方向のはりの要素を考えた三次元設計がなされることがある。
朱漆 しゅうるし 朱漆とは、朱塗りに使用する漆のことで、生成方法が二通りある。
一つは生漆を透漆に加工する際に硫化水銀を混ぜる方法。
もう一つは酸化チタニウムを染料で染めた顔料を混ぜる方法。
樹下植栽 じゅかしょくさい 気象害(霜・雪・風害等)から守るため、上層の樹木からの保護効果を期待して樹木の下に苗木を植えること。
樹冠 じゅかん 樹木の枝と葉の集まりをいい、上層の主に陽葉からなる部分を陽樹冠、下層の主に陰葉からなる部分を陰樹冠という。
樹冠疎密度 じゅかんそみつど 樹木が成長して樹冠が大きくなり、樹冠どうしが接することで、いわゆる林冠が形成されている状態を閉鎖といい、樹冠疎密度は閉鎖の程度を表す。樹冠疎密度は、空中写真を用いた林分構造の解析、材積の推定などに重要な因子となる。
林地面積とそこに生立する立木の樹冠投影面積との比率を調査し,10分の5以下を疎,10分の6~8を中,10分の9以上を密としてあらわしたもの。
樹幹注入剤 じゅかんちゅうにゅうざい マツ枯れを起こす原因となるマツノザイセンチュウの侵入、増殖を防ぐため、マツの樹幹へ直接注入する薬剤。なお、樹幹注入法はマツの幹へ直接施用するため環境への影響が少なく、確実な薬剤投与が可能な単木的予防方法である。
種菌 しゅきん きのこ栽培用の種として使用することを目的として、木のコマやオガクズ等を容器に詰めて殺菌を行ったものに、菌を接種し、一定期間培養したものであり、その種の菌糸が純粋に、かつ適度な条件下で培養されたもの。
樹高曲線 じゅこうきょくせん 測定した胸高直径,樹高の値について,x軸を胸高直径,y軸を樹高としてプロットしたとき,その散布図の中心を通る曲線をいう。
受光伐 じゅこうばつ 複層林などを造成する場合に、下層木が成長できるように、陽光を調整するために行う伐採。
樹姿 じゅし その樹木の全体の姿。見た目。業界人が使う用語で、一般にはほとんど使われない。
種子植物 しゅししょくぶつ 維管束を持ち、主に種子により繁殖する植物をいいます。種子植物は被子植物と裸子植物とに分けられ、前者は胚珠が子房にくるまれているもので、後者は胚珠がむき出しになっているものでマツやスギなどがこれにあたります。また、被子植物は双子葉植物と単子葉植物とに分けられ、前者は種子から発芽した最初の子葉が2枚のものでバラやキクなど、後者は子葉が1枚のものでイネ、ユリ、ランなどがこれにあたります。
主ダム しゅだむ main dam 砂防ダムで、渓流にあって、貯砂、堆積土砂の勾配調節、砂礫の分級、山腹斜面の防護など計画された主たる機能を持つダム本体のこと。ダム本体の安定を維持するために設置する水叩き、副ダムなどと区分する。
宿根草 しゅっこんそう 冬になって地上部が枯れても、土の下にある根や茎、芽などが枯れず生き残り、春になると再び芽を出して生長する植物。
10分雨量 じゅっぷんうりょう 10分毎に観測される雨の量で、短時間に強く降る雨を捉えるのに有効とされています。
主伐 しゅばつ 次の世代の森林の造成を伴う森林の一部または全部の伐採。
樹木 じゅもく 草本(植物)に対する木本の一般的な呼称で地下茎をもつ多年生植物の総称。樹木の種類はきわめて多く、現在、知られている数は被子植物門は約700種、被子植物門は約25万種に及んでいる。
樹木医 じゅもくい 樹木の診断及び治療、後継樹の保護育成並びに樹木保護に関する知識の普及及び指導を行う専門家のこと。(財)日本緑化センターが実施する樹木医資格審査に合格し、樹木医として登録されることが必要。1991(平3)年に発足した樹木医制度において認定された,樹木の病気を診断して,樹勢の回復を助ける専門家のこと。(財)日本緑化センターが実施する樹木医資格審査に合格すると,登録されることになる。応募資格は,樹木の診断,治療に関する実務経験が7年以上あること。
樹木相 じゅもくそう ある地域の生育する植物の全種類を植物相という。ここではある地域に生育する全樹木の種類をさす。
樹木の二酸化炭素の固定 じゅもくのにさんかたんそのこてい 樹木が毎年重量を増やして成長できるのは、葉で行われる光合成(炭酸同化作用)によるものです。光合成は、光エネルギーを利用して二酸化炭素と水から有機物(主に炭水化物)を合成する過程です。合成された炭水化物は、主に幹、枝、根に分配され樹木の重量成長にまわされます。このようにして大気中の二酸化炭素は葉から吸収され、炭水化物として樹体に固定されます。炭水化物の一部は呼吸によって消費され、再び二酸化炭素として大気に放出されるので、実際には光合成による総固定量から呼吸による消費量を差し引いた量(純固定量)が樹体に蓄えられることになります。樹体の乾燥重量の約1/2近くが、こうして固定された炭素です。例えば、1kgのセルロースを生産するのに、1.6kgのCO2を吸収し1.2kgのO2を放出し0.4kgの炭素を固定します。
樹林帯区域 じゅりんたいくいき 樹林帯区域として河川管理者が指定した区域。
越水による堤防洗掘の防止及び氾濫流にとる破堤の拡大の防止を図り(河畔林)、ダム湖に流れ込む土砂の流出や、そのストロー効果により汚濁水の流入を抑制する(ダム河畔林)機能を有すると認められる樹林帯を整備・指定するもの。
循環型社会 じゅんかんがたしゃかい 現在の大量生産・大量消費・大量廃棄型の社会は、有限な地球の資源や環境に大きな影響を及ぼしている。このことから、環境への負荷を最小化していくため、生産、流通、消費、処理といったそれぞれの段階での廃棄物の発生抑制、再資源化といったリサイクルを中心とする社会。
なお、森林・林業、木材産業の分野においては、木材利用と森林整備を推進することで、「大気→森林→木材(リサイクル、多段階利用により繰り返し利用)→大気」という炭素の循環を不断に機能させ、森林・木材を利活用した循環型社会の構築へ向けての取り組みが求められている。
春慶塗 しゅんけいぬり 春慶塗とは、黄または紅に染めた木地に透漆を塗り重ねた塗り方を言います。木目が、透明な漆塗りによって美しく表現されます。
準林班 じゅんりんぱん ほぼ同じ立地条件(標高,傾斜,地質,土壌等)よりなる平均5 ha 程度の区画で,林班に準ずるものである。1林班を通じて片仮名イロハの順に番号を付す。
省エネルギー しょうえねるぎー Energy Efficiency :EE 排出削減プロジェクトにおける1カテゴリー区分。小規模CDMプロジェクト方法論については、供給サイドおよび需要サイド双方の省エネルギー方法論が提示されている。
上下流交流 じょうかりゅうこうりゅう 上流の山間地域は水源地として、治水、利水、環境面において下流地域の発展を支えてきた。近年は、流域という視点から、上下流の流域交流を行っている地域がある。例えば、下流の住民が上流の水源の植林を行ったり、上下流の住民が情報交換を行ったりする例がある。
小高木 しょうこうぼく 厳密な定義は存在せず、文献によりまちまちだが、一般的には樹高3~10mになる木のことを指す。本サイトでは、成木の標準的な樹高が5~10m前後になる樹木のことを指している。亜高木(あこうぼく)、中木(ちゅうぼく)などと呼ばれる場合もある。
捷水路 しょうすいろ 河川が曲がっている所を直線的にするなど、洪水を安全に速く流下させるために人工的に開削する水路。海、湖、違う川と繋ぐ水路を「放水路」、同じ川を繋ぐ水路を「捷水路」という。
上層間伐 じょうそうかんばつ 樹冠間伐とも呼ばれ、広葉樹の用材生産施業における間伐に用いられるものです。
優勢木の形質と成長にマイナス影響を与える優勢木を優先的に間伐する方法です。
このとき、優勢木の中でも相対的に形質の劣る優勢木を優先的に間伐し、優良木に影響を及ぼさない準優勢木以下は残します。
準優勢木以下を残すのは、間伐後に優良木の幹から後生枝が発生するのを防ぐためです。
承認済小規模方法論 しょうにんずみしょうきぼほうほうろん Approved Small-scale Methodology :AMS 小規模CDMプロジェクトのための方法論。現在用いられているAMSは、CDM理事会の下部組織である小規模CDMプロジェクトワーキンググループによってまとめられたもの。
現在の状況(UNFCCCサイト):http://cdm.unfccc.int/methodologies/SSCmethodologies/approved.html
承認済統合方法論 しょうにんずみとうごうほうほうろん Approved Consolidated Methodology :ACM CDM理事会によって承認された方法論(AM)のうち、2つ以上を統合したもの。
現在の状況(UNFCCCサイト):http://cdm.unfccc.int/methodologies/PAmethodologies/approved.html
承認済方法論 しょうにんずみほうほうろん Approved Methodology :AM CDM理事会によって承認された方法論。下部組織である方法論パネル(Methodology Panel)が予備審査を行い、CDM理事会が最終的な審査を行、CDM理事会が最終的な審査を行う。
現在の状況(UNFCCCサイト):http://cdm.unfccc.int/methodologies/PAmethodologies/approved.html
小班 しょうはん 森林の位置と施業の便を考え「森林計画図」上に設定した森林区画の単位。森林の植生を単位とした森林区画の最小単位である分班の集合体で、30ha程度の小流域を単位とする。(小班の集合体を林班という。)
照葉樹 しょうようじゅ 常緑広葉樹で、葉は厚く、表面に光沢があり色が深緑色の樹木。
カシ類、シイ類、ツバキ、サザンカ、クスノキ、カナメモチ等。
特にシイ・カシ等の樹木は、直根性・深根性であるため土地の崩壊等の災害防止に役立つとともに、保水力が高く地下水の涵養にも役立っている。
食害 しょくがい 動物が森林や農作物を食い荒らして害を与えること。食害を起こす動物を害虫、害鳥、害獣などとよぶ。
植生 しょくせい ある地域一帯の地表を覆っている植物的共同体の総称です。その場のあらゆる環境圧に耐え、生き残って形成されている植物集団です。植生は、その性質から次のように分類されています。(A)原植生:人間による影響を全く受けていない植生で、今日ではほとんど消滅しています。(B)代償植生:原植生が破壊され、代わって成立している植生です。(C)現存植生:現実に触れ、見ることのできる植生のことで、人間の生活圏のほとんど全ての現存植生は代償植生です。(D)潜在自然植生:一切の人為を停止した場合、その立地において成立すると考えられる植生です。
植生自然度 しょくせいしぜんど 自然度とは、「自然は人間の手のつけ具合、人工の影響の加わる度合いによって、極めて自然性の高いものから、自然性の低いものまでいろいろな階層に分かれて存在する。」という考え方に基づき、植物社会学的な観点からみて、土地の自然性がどの程度残されているかを示す1つの指標として導入されたもの。
自然は、人工の影響を受ける度合いによって、自然度の高いものも低いものもありますが、植生自然度とは、自然に対する人間の手のつけ具合を、植物群落の自然性によって指標化したものです。高山植物群落や極相林(自然植生の安定した状態の林)のように人間の手の加わっていないものを、10及び9とし、緑のほとんどない住宅地や造成地を1、その中間に二次林・植林地、農耕地等をランクし、10段階で表示します。
植繊機 しょくせんき 竹・せん定枝・モミガラなど、硬くてそのままでは使えそうにないものを繊維状物質に変える機械。対象物をあらかじめチップ化しておき、それをホッパーから投入。中のスクリューがそれを圧縮、混練し、さらにカッターによってミンチ状にすりつぶして、機械先端部の穴からバラバラにほぐれた繊維粉末にして出すというもの。自分が使いたいと思う植物で、有機質の生肥料を作れる。竹肥料もその一種。
植物群落 しょくぶつぐんらく Plant community 植物種の集まりのひとかたまりを植物群落と呼ぶ。
これが、多数、複雑に絡まりあい、そこにすむ動物や水や土壌など生物以外のつながりを含めて、生態系を構成する。森や草原、尾瀬のような湿原、河原の草むら、道ばたの雑草たち、これらはみんないろいろな植物が集まって暮らしている「植物群落」である。「植物群落」は、自然をかたち作っている重要な要素である。
植物群落保護林 しょくぶつぐんらくほごりん 国有林野のうち,わが国または地域の自然を代表するものとして保護を必要とする植物群落及び歴史的,学術的価値等を有する個体の維持を図り,併せて森林施業・管理技術の発展,学術研究等に資するため設定された森林。
植物群落レッドデータブック しょくぶつぐんらくれっどでーたぶっく 自然の構成要素である植物群落そのものの多様性を、また動植物の生息・生育地として、生態系の多様性を守るために植物群落という単位で保護・保全が必要である。
そこで、緊急に保護・保全が必要な「植物群落」についてリストアップし、その保護を訴えたのが植物群落RDBである。日本全国で7492件の「植物群落」がリストアップされた。
除伐 じょばつ 育成の対象となる樹木の生育を妨げる他の樹木を刈り払う作業。一般に、下刈を終了してから、植栽木の枝葉が茂り、互いに接し合う状態になるまでの間に数回実施。
育成の目的以外の樹種を伐り除く作業や形質が悪化して将来の見込みのない造林木を伐る作業を言う。これは立木の密度管理のためではなく、造林樹種の正常な育成を確保することが目的である。
シラス しらす shiraus 南九州に分布する第三紀末から第四紀にかけての火山噴出物で、軽石流堆積物、降下軽石などやその二次堆積物のこと。一般に白色砂質で未固結、半固結である。シラスの強度特性は、みかけの粘着力が大きく、自然状態では垂直の安定した高い斜面を形成することができるが、豪雨により、崩壊を起こし、大災害を発生することがある。一般の土と比べて極めて特異な性質を持った特殊土壌の一つである。シラスによって構成された巨大な大地をシラス台地と呼ぶ。
シンク しんく 汚染物質の吸収源のことです。特に地球温暖化問題との関連で二酸化炭素(CO2)の吸収源を指します。海水、海洋生態系、陸上生態系(森林)のいずれかが吸収源と推定されてますが、全体像は十分には明らかになっていません。
人工衛星画像 じんこうえいせいがぞう 人工衛星に搭載したセンサを用いて、地表面からの反射あるいは放射される電磁波を観測して得たデータの画像を人工衛星画像、あるいはリモートセンシングデータという。電磁波には人間の目で見ることができる可視光域(青、緑、赤)から、人間の目では見ることのできない赤外線や紫外線、マイクロ波などの幅広い波長帯域の情報が含まれる。そこで、観測された電磁波の強さをセンサでいくつかの波長帯に分けて測定することで、森林、農地、市街地、水域などの識別が可能になる。1972年にLANDSATが打ち上げられ、コンピュータの目覚ましい発展とともに、急速に普及してきた技術である。
針広混交林 しんこうこんこうりん 針葉樹と広葉樹が混じって生育する森林。
人工林 じんこうりん 苗木の植栽、種子のまき付け、挿し木等の人為的な方法により造成された森林。
新梢 しんしょう その年に出た新しい枝。
浸水(きのこ) しんすい シイタケを強制的に発生させるための方法
浸水 しんすい 洪水による氾濫によって住宅や田畑が水につかること。住宅などが水に浸かることを「浸水」、田畑や道路などが水に浸ることを「冠水」という。
新生産システム しんせいさんしすてむ 県産材の新しい生産、流通、加工体制。森林施業の団地化、集約化、工場への直送、加工体制のネットワーク化など。
申請組織 しんせいそしき Applicant Entity :AE 運営機関(Operational Entity:OE)としての認定を申請する組織。申請を受けたCDM認定パネルが審査し、CDM理事会が認定する。
薪炭林 しんたんりん 薪及び木炭の原材料となる木材の生産を目的とする森林。
振動障害 しんどうしょうがい 振動障害とは局所振動による障害、すなわちチェーンソーやグラインダーによる工具・機械・装置などの振動が主として手・腕を通して身体に伝達されることにより生じる、レイノー現象(白ろう指とも呼ばれる)を主徴とする末梢循環障害、末梢神経障害それに運動器(骨・関節系)障害の3障害のことです。
振動障害特殊健康診断 しんどうしょうがいとくしゅけんこうそうだん チェーンソー、刈払機、さく岩機等の体に振動を与える機械器具の使用に伴い生じる手指、前腕等の末しょう循環障害、末しょう神経障害又は運動器障害等を未然に防止するため、通常の健康診断項目と異なる筋力、筋運動検査、血圧検査、末しょう循環機検査並びに末しょう神経機能検査等について行う特殊健康診断である。
針葉樹 しんようじゅ 樹木を葉の形態で分類した名称で、広葉樹に対応する語。スギ、ヒノキ、マツ類、モミ類、細くとがった葉をもつ樹木(イチョウは葉が偏平形をしているが針葉樹)。常緑樹と落葉樹に大別されるが、カラマツを除いては他は常緑樹である。
人力集材 じんりきしゅうざい 人の力で、丸太を担ぐ、転がす、引っ張る、などして材を集める。他の集材方法でも木寄せ作業用として必要なことも。
森林インストラクター しんりんいんすとらくたー 森林インストラクターとは、自然に対する深い知識を持ち、森に遊びに来る人と大自然との橋渡し役となる人を認定する資格。(社)全国森林レクリエーション協会が主催する。試験は1次(筆記)が9月中旬、2次(実技・面接)が11月に行われる。1次試験科目は森林、森林内の野外活動、林業、安全および教育の4科目。科目合格制を採用しており、合格した科目は3年間有効。受験資格は20歳以上であること。合格率は19%前後。
森林インストラクターの大半はボランティアとして活動している。キャンプやイベントを手伝い、企画した団体などから5千~3万円程度の謝礼が出るケースもある。グループで自然観察会を開催する動きも活発化しており、資格ニーズは高まっている。今後は森林公園職員(臨時)などに仕事場が広がる可能性もある。
森林火災 しんりんかさい 通常山火事といい,原野を含めて林野火災ともいう。森林火災は燃える部位によって地表火,地中火,樹冠火,樹幹火の4種に区分される。
森林火災保険 しんりんかさいほけん 森林火災保険とは、森林保護を目的とする火災保険です。自然林、人工林、および立木竹・伐倒木竹を保険の目的とすることができ、火災による損害のみをてん補します。また森林火災保険は民間保険会社が引受けるもののほかに、国営森林保険(農林水産省所管)があり人工林のみを対象として、火災以外には風水雪害等の気象災害や噴火による損害もてん補します。
森林環境教育 しんりんかんきょうきょういく 森林内での多様な体験活動などを通じて人々の生活や環境と森林との関係について学ぶことにより、「地球温暖化防止」など森林の多面的機能や森林の整備と森林資源の循環利用の必要性等に対する理解を醸成するとともに、子どもたちの「生きる力」を育むための取組み。
森林管理協議会 しんりんかんりきょうぎかい Forest Stewardship Council 1993 年にWWF(世界自然保護基金)などの環境団体や林業者、木材取引企業、先住民団体などによって組織された非営利の国際団体。FSCの森林認証は、「環境保全の点から見て適切で、社会的な利益にかない、経済的にも持続可能な森林管理」を推進することを目的としており、認証された森林から出された木材・木材製品にロゴマークを付けて流通させるもの。北海道では、2003年8月に下川町森林組合が認証を取得している。
森林基本図 しんりんきほんず 「地域森林計画」の策定のため、空中写真の図化により県が作成した地形図。森林計画図のベースマップ。縮尺は5千分の1。
森林吸収 しんりんきゅうしゅう 京都議定書では、樹木による CO2吸収分を削減目標の達成に活用できることとされており、新規植林、再植林、森林経営、都市緑化が該当する。我が国は、森林経営によって約3.9%の削減を目指すとしている。
森林組合 しんりんくみあい 森林所有者の経済的社会的地位の向上並びに森林の保続培養及び森林生産力の増進を図ることを目的として森林組合法に基づき設立された森林所有者の協同組合。
森林所有者が出資して設立された協同組合であり、組合員の所有する森林の経営に関する相談や、組合員の委託による森林施業や木材の販売などを行っている。
森林組合の広域合併 しんりんくみあいのこういきがっぺい 2以上の市町村の森林組合が新しい組合を設立、又は一方の市町村の森林組合が他方の市町村の森林組合を吸収する方法によって、1つの森林組合に合同すること。
森林計画区 しんりんけいかくく 「森林法」等に規定される、森林計画制度に基づき、知事が策定する「地域森林計画」において、広域流域別に主要な河川及び行政区界により区分された区域であり、全国には158の森林計画区が定められている。
島根県では、江の川広域流域に包括される「江の川下流計画区」、「斐伊川計画区」、「隠岐計画区」、及び高津川広域流域に包括される「高津川計画区」の計4森林計画区に区分されている。
森林計画図 しんりんけいかくず 森林基本図(一部、国土基本図)の上に、森林の位置と施業の便を考え区分した、森林の区画(林班・小班・分班)等を示した図面。縮尺は5千分の1。
森林計画図 しんりんけいかくず 地域森林計画の付属資料となる。
森林国営保険 しんりんこくえいほけん 火災、気象災及び噴火災によって受ける損失を保険の仕組みにより補てんすることにより、災害によって林業の再生産が阻害されることを防止するとともに、林業経営の安定を図ることを目的とする、森林国営保険法に基づく制度。
森林GIS しんりんじーあいえす 森林に関する地図や空中写真等の図面情報と林種や林齢等の文字や数値情報を一元的に管理し、分析、処理できるシステム。GIS(Geographic Informatiion System:地理情報システム)とは、各種の図面情報(行政界、道路、河川、建物等)と属性情報(地名、住所等のデータ)を総合的に管理、加工し、視覚的に表示できる高度な分析や迅速な判断を可能とするコンピューター情報処理システムのこと。
森林GIS しんりんじーあいえす 森林地図情報システムの略称
森林所有形態 しんりんしょゆうけいたい 日本の森林は国有林と民有林(公有林、私有林)に大別され、国有林は大部分が林野庁の管理経営する国有林野である。公有林は県有林、市町村有林、財産区有林の総称。私有林は個人有、法人有、共有などに属する森林。
森林整備 しんりんせいび 森林施業とそのために必要な施設(林道等)の作設、維持を通じて森林を育成すること。
森林整備地域活動支援交付金制度 しんりんせいびちいきかつどうしえんこうふきんせいど 森林所有者等による計画的で一体的な森林施業の実施に不可欠な地域活動(森林の現況調査・施業実施区域の明確化作業・歩道の整備等)の実施に必要な経費について一定額を交付する制度。
森林整備法人 しんりんせいびほうじん 分収林特別措置法第9条により、造林又は育林の事業及び分収方式による造林又は育林の促進を行うことを目的とする民法第34条の規定により設立された法人で、地方公共団体が、社団法人にあっては総社員の表決権の過半数を保有し、財団法人にあっては基本財産の過半を拠出しているものをいう。
森林整備保全事業計画 しんりんせいびほぜんじぎょうけいかく 平成15年の「森林法」改正により、公共事業計画である「森林整備事業計画」を拡充し、治山事業に関する事項を加えた「森林整備保全事業計画」を創設することが定められた。平成16年6月に計画期間を平成16年度~20年度とする同計画が策定された。
森林施業 しんりんせぎょう 目的とする森林を造成、維持するための造林、保育、間伐、伐採等の一連の森林に対する行為。
森林施業計画 しんりんせぎょうけいかく 森林所有者等が市町村森林整備計画に基づき、自発的に作成・実施する森林施業(造林・間伐等)に関する5年間の計画であり、市町村・県・国の認定を必要とする制度。
森林法などに規定されている森林計画制度の1つ。森林所有者などが、所有や権利を持っている森林について、具体的な伐採や造林などの5年間の計画について自発的に作り、市町村などから認定を受ける森林管理に関する計画のこと。これに従うことで、(1)税制上の特例措置(所得税、相続税、法人税、特別土地保有税)、(2)造林補助金の割り増し、(3)農林漁業金融公庫資金などの低利融資、(4)森林整備地域活動支援交付金の交付などの優遇措置を受けることができるため、計画的、合理的な森林の管理を行うことが期待される。
森林施業体系 しんりんせぎょうたいけい 育成林か天然生林か、階層(単層林か複層林か)、更新(植栽か萌芽更新か)、伐採(皆伐か択伐か)、伐期(短伐期か長伐期か)など目標とする林分を体系化したもの。
森林施業の共同化 しんりんせぎょうのきょうどうか 森林施業を推進するために,森林所有者が共同で伐採,下刈りなどの施業を実行したり,あるいは森林組合などへ施業を共同委託すること。
森林施業プランナー しんりんせぎょうぷらんなー 森林を所有する方に、間伐などを勧める際に、森林組合では、作業方法、間伐に必要な経費、木材販売見込額などを明らかにした提案書「森林施業プラン」を提示することに取り組んでいます。このプランを作成できる人
森林セラピー しんりんせらぴー 森林セラピーとは、森の自然が彩なす風景や香り、音色や肌触りなど、森のいのちや力を感ずることによって、私たちの心身に元気を取り戻させようとするものです。
今までも、森はストレス解消などの効用があるため、「森林浴」として多くの人々に親しまれてきましたが、森林浴については、その効用についての明白な科学的解明がなされていませんでした。
このため、森林のもつ生理的リラックス効果などの「癒し効果」を科学的に解明し、科学的なエビデンスの基づく健康増進やリハビリテーションのための効果的なメニューを確立する「森林セラピー」を進めていくこととしました。
森林認証 しんりんにんしょう 世界的な森林減少・劣化の問題と、グリーンコンシューマリズムの高まりを背景として生まれた“適切な森林管理”を認証し、その森林で生産された木材及び木材製品をラベリングする制度である。「認証とラベリング」という市場を活用するソフトな政策手段により、持続可能な森林管理(SFM)を普及させることを目的とする。適切な森林管理が行われていると認証された森林から出される林産物は、認証ラベルをつけて市場に出荷される。森林認証は FSC(Forest Stewardship Council)が認定した認証機関(現在世界に7つ)により行われる。認証機関は、環境・社会・経済的側面に配慮した厳しい基準に照らし合わせ、対象とする森林が適切に管理されているかどうか評価する。森林認証には、「森林管理の認証」と「生産物認証」の2つがある。“適切な森林管理”を認証するのが「森林管理の認証」で、認証森林の林産物を材料とした製品であることを認証するのが「生産物認証」である。
森林のもつ多面的機能 しんりんのもつためんてききのう 地球温暖化の防止、国土の保全、水源のかん養、自然環境の保全、良好な景観の形成、文化の伝承、木材の生産等の森林がもつ多面にわたる機能
(1)森林・林業基本法(昭和39年7月9日法律第161号、平成13年7月法律第107,108号)の第2条に定義されており、森林が有する国土保全、水源のかん養、自然環境の保全、公衆の保健、地球温暖化の防止、林産物の供給などの多面にわたる機能をいう。
(2)農林水産大臣諮問、「地球環境・人間生活にかかわる農業及び森林の多面的な機能の評価について」にかかる日本学術会議の答申において、「多面的機能」の定義について、「森林・林業の分野では、森林の有する様々な機能については、林産物生産機能を含むすべての機能を「多面的機能」と呼び、林産物生産を除く場合は「公益的機能」と称してきた。」と記述されている。(日本学術会議答申p58)
森林の流域管理システム しんりんのりゅういきかんりしすてむ 流域を基本的な単位として、その流域内の市町村、林業・木材産業等の様々な関係者による協議・合意の下で、森林整備から木材の生産、加工、流通にわたる川上から川下の連携を進め、民有林と国有林を通じて適切な森林整備と林業、木材産業の活性化を総合的に展開しようとする取組。
森林病害虫 しんりんびょうがいちゅう 森林を形成する樹木を侵す有害菌及び有害昆虫の総称。一般的に知られているものに穿孔虫のマツクイムシがある。
森林文化 しんりんぶんか 森林や木材との密接なかかわりの中で、森林を保全しながらこれを有効に利用していくための知恵や技術、制度及びこれらを基礎とした生活様式。
森林簿 しんりんぼ 各都道府県において地域森林計画の付属資料として備える、森林の位置と施業の便を考え取りまとめた、森林資源等に関する台帳。森林計画図と連動し、林班、小班、分班を単位として構成する。
森林計画図と共に森林GISで管理・更新する。
地域森林計画を樹立するために必要な地況、林況等の調査を実施し、その結果を林小班ごとに示した簿冊である。
森林法 しんりんほう 明治30年に制定され、昭和26年に全面的に改正され新たに公布された森林行政の基本法典である。内容は、総則、森林計画等、保安施設、土地の使用、森林審議会、雑則からなり、森林計画では基本となる法律である。近年では、平成10年に、伐採届や森林施業計画の認定が市町村へ移行する改正があり、平成13年に、重視する機能に応じて森林を3区分して整備を推進するよう森林計画制度等が改正された。
森林保全 しんりんほぜん 森林の機能を損なわないで人間の社会生活に有効に利用すること。例えば,立木を伐採する際に,治水機能の低下や自然景観の損壊を計算に入れるなど,森林を経済的に活用するとともに,その存在価値を低下させないようにすること。
森林浴 しんりんよく 森林内の清浄な大気を浴びることです。樹木から発散される「フィットンチッド」と呼ばれる芳香性物質は、殺菌効果があり健康にも良いと言われています。
森林立地 しんりんりっち 森林の生育に影響を与える環境因子(土壌、地形、気象、生物等)を総合して森林立地という。
森林・林業基本計画 しんりんりんぎょうきほんけいかく 「森林・林業基本法」の基本理念の実現に向けて、森林及び林業に関する施策を総合的かつ計画的に推進するため、同法に基づき策定した計画。森林及び林業施策の基本方針、森林のもつ多面的機能の発揮並びに木材の供給及び利用に関する目標、政府が講ずべき施策を明記。
森林・林業基本法 しんりんりんぎょうきほんほう 森林のもつ多面的機能の発揮、林業の持続的かつ健全な発展を基本理念とする政策を国民的合意の下に進めていくため、その実現を図る基本的事項を定めた法律。平成13年7月にそれまでの「林業基本法」を改正して成立。
水害防備林 すいがいぼうびりん 河岸に群落として繁茂している竹林のことです。竹は土の中に根を伸ばし、しなやかな枝は、洪水による水の勢いを弱める力があります。現在のように堤防をつくることができなかった時代に、この水害防備林(竹林)は人々の暮らしを守っていました。
水系 すいけい 同じ流域内にある河川、湖沼、水路の総称。一級水系、二級水系、単独水系などがある。
水源かん養機能 すいげんかんようきのう 森林の公益的機能の一つ。樹木及び地表植生などにより降雨、融雪水の地下浸透を助長し、貯留水を徐々に流出させる森林の理水機能(洪水ピークの平準化、渇水の緩和)
樹木および地表植生などにより、降雨や融雪水の地下への浸透が助長され、溜まった水が徐々に流出される森林の機能のこと。
森林の地表面は、落ち葉などの堆積や小動物の活動などにより、保水力の高いやわらかな土壌となっており、森林に降った雨は、そこに浸透・貯留され、少しずつ湧水などとして流れ出ていく。これによって、森林は水の浄化機能をもつほか、河川の流量を安定させ山からの土砂の流出も防ぐ働きがある。これらの機能を水源涵養機能といい、伐採などによってこれが失われてしまうと、河川下流域での洪水や土壌流出の原因となる
水源林 すいげんりん 水源の推量と水質を確保するための森林。森林では、落ち葉などの堆積と腐食や小動物の活動などにより、保水力の高いスポンジ状の土壌を形成している。森林に降った雨は、土壌に浸透し、貯留され、徐々に貯水池や河川に流出していく。この働きを「水源涵養機能」といい、河川の流量を安定させるとともに、浄化機能も果たしている。また、森林は山からの土砂の流出も防ぐ働きがあり、水源の保全と確保に役立っている。
水褥 すいじょく water cushion ウォータークッションともいう。落差の大きい流れは落下地点での洗掘、波動などを起こすため、下流にプールを造って落下水脈を貫入、拡散させて減勢する。普通は下流の河道を副ダムで締め切ってプールを造るが、落差の大きい場合はプールの底をコンクリート張りにして河床を落下水脈による洗掘から守る。
水褥地 すいじょくち 主ダムと副ダムの間にできる池のことをいいます。前庭保護工の下流端を副ダムでなく垂直壁とした場合は、池ができないため、水褥池はありません。
垂直壁 すいちょくへき vertical wall 砂防ダムや床固工の水叩きに副堰堤を造らない場合、水叩き下流端を垂直に折り曲げて河床にかん入させることにより下流河道とすりつける。これにより河床の不連続面で洗掘が起きても水叩きの破壊にはつながらない。
水利権 すいりけん 河川の流水を取水できる権利のことです。河川法には河川の流水の占用の許可として、承継できる財産権として定められていますが、農業用水など河川法制定より前から取水しているものも少なくなく、それらは形式的に河川法の許可を得たものとされています。河川法第3条の規定に基づき河川管理者の許可により取水しているものを法定水利権もしくは許可水利権、河川法制定以前からの水利権で具体的な取水量を制限していないものを慣行水利権といい、適正な河川管理のため慣行水利権の法定化を指導しています。
スイングヤーダ すいんぐやーだ 建設用ベースマシンに集材用ウィンチを搭載し、旋回可能なブームを装備する集材機。(swing:回転する)(yarder:集材機)
タワーヤーダの仕組みを応用し、建設用ベースマシンに集材用ウィンチを搭載し、旋回可能なブーム(バックホウ等)を装備する集材機。(タワーヤーダ→後出)
数値地形モデル すうちちけいもでる 地形を3次元座標でディジタル表現するモデルを数値地形モデル、またはDigital Elevation Model(DEM)、あるいは Digital Terrain Model(DTM)と呼ぶ。等間隔格子点ごとに標高値を与えてそれによる補間で地形を表現することが多い。標高のサンプリング点を等間隔格子点でなくランダムに、あるいは地形の特徴をよく反映するように選択する場合がある。こうした場合、補間にはサンプル点を頂点とする三角形網を用いることが多い。こうした三角形網、あるいはそれを生成するソフトウェアを Triangulated Irregular Network(TIN)と呼んでいる。
末口 すえくち 丸太の先端(細い方)の木口
末口自乗法 すえくちじじょうほう 日本古来の丸太求積法。末口直径の2乗に材の長さを乗じて丸太の材積とする。
透塗 すきうるし 透漆とは、生漆を加工してできた透明感のある飴色の漆のこと。これが塗料としての漆になる。
透塗 すきうるし 色付きの漆もすべてこの透漆がベース。透漆はその透明感を活かして、木地の木目を引き立たせる木地呂塗(きじろぬり)や春慶塗(しゅんけいぬり)、またワインの様な深い透明感をもつ溜塗(ためぬり)などに使用されます。
スキッダ すきっだ 装備したグラップル(油圧シリンダーによって動く一対の爪)により、伐倒木を牽引式で集材する集材専用トラクタ。(skid:引きずって運ぶ)
筋工 すじこう small terracing work 山腹工で、比較的緩傾斜ではあるが人工を加えなければ山腹斜面の安定が困難である場合、または積苗工などの山腹工の中間に補助的に用いる工種。使用材料によってかや筋工、芝筋工、石筋工、そだ筋工などがある。直高1~1.5mおきに幅0.5~0.6mの段を設け、そこにかや、芝、そだちを植える。必要に応じて狸穴を掘り、肥料や稲わらを入れる。
ステレオマッチング すてれおまっちんぐ 写真画像からディジタルオルソフォトを作成する場合、正射変換に必要な地形の高さ情報はステレオマッチングという技術で自動的に取得される。
ステレオマッチング すてれおまっちんぐ ステレオマッチングとは、立体を構成する左右の写真画像から面積相関等により自動的に写された地形の同一場所を探索し、高さ情報に変換する技術である。この技術の開発により、ディジタル写真画像作成の自動化は急速に進んだ。
砂溜工 すなだまりこう sand arresting works 山地からの流出土砂(主として表面侵食による砂)を下流の流路が流送し得ない場合に、通常扇頂部に緩勾配・幅広の堆積区域を設けて砂を堆積させて流水の土砂濃度を低下させる工法である。満砂した場合は排砂する必要がある。
巣山 すやま 鷹の巣を保護し、鷹狩り用の鷹の育成を図るために、住民の立ち入りを厳重に禁止した山。
スライドフォーム すらいどふぉーむ sliding form ダム工事におけるコンクリート型枠は、コンクリート打ち上がりに伴う移動に対して容易に取り扱いできることが必要で、そのため順次上方へスライドさせることができる型枠をスライドフォームという。ダム型枠は、大型バイブレーターによって締め固められるマスコンクリートの大きな荷重を受けるため強固な固定と取外し設置の容易さと構造の頑丈さから、一般には鋼製のものが使用される。メタルフォームからの荷重は、数本の横げたで受け縦げたに伝えられる。型枠は、下のリフトの上部に埋め込まれたアンカーボルトにシーボルトを介して固定される。ダミーボルトは上のリフト打設の際のアンカーボルトの固定とシーボルト穴の形成のために取り付けられる。
スラッシュ雪崩 すらっしゅなだれ 富士山で発生する、多量の岩塊や表土立木等を巻き込んで流下する、特に水分が多い雪崩で、古くから富士山麓の住民から「雪代」と呼ばれて恐れられている。
摺り漆 すりうるし 摺り漆とは、木地に生うるし(精製しないナマのうるし・透明)を直接塗り込み、余分な漆を拭き取り、乾いたら磨く工程を繰り返す技法。拭漆(ふきうるし)とも言います。木地に漆がしっかりしみ込むので丈夫、木目がきれいに浮き出るのが特徴。
スリット型堰堤 すりっとがたえんてい 透過型堰堤の一種で、コンクリートの水通しの一部に切り込みを入れたような形状になっているものをいう。水通し幅の広い堰堤の場合には複数のスリットを設ける場合がある。スリット堰堤の目的の一つに上流からの水を調節する役割がある。細いスリットにより水が一気に下流に流れずに堰堤上流側に水が貯まっていくいわゆる堰上げを起すことにより、スリットに横ビームを取り付けた堰堤水量を一定以上に増やさない、土石流の流下を食い止めることができる。
過去にスリット部分に土石が挟まり水が常時貯まった状態となり、それが後に挟まった土石が外れ、下流に被害を及ぼした例もあり、最近ではスリット部に横ビームを取り付ける改良を施している堰堤が多くなった。
生活環境保全機能 せいかつかんきょうほぜんきのう 生活環境の悪化を防止し、快適な生活環境を保全・形成する機能。
制限林 せいげんりん 各法律、条令等により立木の伐採や土地の開発等に制限を受けている森林
制限林 せいげんりん 例として保安林、自然公園にかかる森林
清耕作物 せいこうさくもつ 土壌への過剰施肥や畜産廃棄物による過剰養分の土壌からの除去,連作によって増加した土壌微生物やかたよった微生物相の是正,あるいは富栄養価した水域の浄化などを目的として栽培される作物.畑での過剰養分吸収のためには,吸肥能力の高い粗大イネ科作物のソルガムやトウモロコシ,連作障害回避のためには,センチュウ駆除効果のあるマリーゴールド,ハウス栽培における過剰養分吸収にはスイートコーン,水質の改善のためには,水生植物で養分吸収能力の高いホテイアオイなどが用いられる。
クリーニングクロップともいう
製材 せいざい 丸太から角材や板材を挽き出すこと、またはその製品。
正三角形植え せいさんかくけいうえ 正三角形植え(一般に三角植えと呼ぶ)は、平地でも傾斜地でも、それぞれの木に均等な樹冠スペースを与えるのに最適です。三角植えは冠雪害による共倒れを防ぐのに効果があります。しかし間伐の伐出作業の能率は落ちます。
生産森林組合 せいさんしんりんくみあい 森林組合法に基づく認可法人である。
生産森林組合 せいさんしんりんくみあい 森林の共同化を目的とし、組合自身が森林所有者として森林経営を行うものであり、組合員は、その森林経営のために森林又は金銭等を出資して、一定の労力を提供して森林の生産事業に従事することが義務づけられている。
整枝 せいし 植物の姿を整えるために枝を切ること。
正射写真画像 せいしゃしゃしんがぞう 一般に、空中写真や衛星写真画像は、カメラが鉛直下向きを向いている保証がないので、写真上の縮尺は一定ではない。一方、オルソフォトは、写真画像を数値的に処理して、あたかもカメラが鉛直下向きで無限遠から撮影したかのように画像データを修正したものである。地図が実際の地表から表現項目の取捨選択を行った図面であるとすれば、オルソフォトは実際の地表をそのまま写し出した画像であると言える。
静水圧 せいすいあつ hydrostatic pressure 静止している流体内の任意の面に作用する圧力のこと。その強さは流体表面に作用する力を無視すれば、表面からの深さと流体密度の積に等しく、方向に関わらず一定であり、作用方向はその面に直交する。
生態系 せいたいけい 生物群集(植物群集と動物群集)及びそれらをとりまく自然界の物理的、化学的環境要因が総合された物質系を指します。生態系は、生産者、消費者、分解者及び還元者から構成され、無機物と有機物との間に物質代謝系が成立しています。自然環境を基準にして陸地生態系、海洋生態系などに区別され、また生物群を基準にして森林生態系、鳥類生態系などに区別されます。生態系の一部が人為的に変更又は破壊されると、その生態系全体の物質代謝回路が影響を受けます。人間が食料を狩猟などによって得ていた時代には、人間は自然環境の共生者でしたが、現在では産業の進展にともない、自然の生態系は破壊され、異なった生態系ができつつあります。最近の人口の爆発的増加も生態系の変化の一つとして注目されています。
生態系ネットワーク せいたいけいねっとわーく 多様な生態系と野生生物すべてを含む地域を、複合生態系として保全するための方法のひとつ。生物の生存と移動・物質とエネルギーの交換を可能にするように地域を確保すること。多様な生態系が維持され、十分な機能を保持している面積を含んだ保護地域(コアエリア)と、それを取り巻く一定の人間活動が行われながら維持される半自然生態系(バッファゾーン)、さらにコアエリアを結ぶ地域(コリドー)の配置が基本となる。
生態防除 せいたいぼうじょ 栽培時期、栽培方法や栽培品目を変え、病害虫の発生ピークを避ける等により、病害虫の被害を防ぐ方法。
成長の限界 せいちょうのげんかい 1972 年(昭和47年)にローマクラブが発表した報告書の表題で、人口増加や環境悪化などが続けば、100年以内に地球上の成長は限界に達すると警鐘を鳴らしました。また、同報告書は、地球の破局回避のためには、成長から世界的な均衡へと移っていくことの必要性を訴えました。
成長量 せいちょうりょう 樹木がある期間に成長した量をいう。通常は樹幹材積の成長した量(材積成長量)をいう。1年間に成長した量を連年成長量、現在までに成長した量を総成長量、その平均を平均成長量という。
(総成長量=連年成長量のn年間の合計)対して、「平均成長量」とは、総成長量をn年間で割った1年あたりの平均の成長量のことである。
性フェロモン せいふぇろもん ガ(蛾)などの昆虫のオスは、メスの放出するにおいを頼りに交尾相手を見つけており、このにおい物質を「性フェロモン」という。また、「性フェロモン」は、同じ種類のオスだけに作用し、他の種類には全く作用しない。
現在、一部の害虫の「性フェロモン」は人工的に合成され、農作物やゴルフ場の害虫防除に利用されている。
生物多様性 せいぶつたようせい 遺伝子・生物種・生態系のレベルで多様な生物が共存していること。その経済的価値に加えて、生物の多様性そのものに固有の価値があるとされる。
生物の間にみられる変異性を総合的に指すことばで、生態系(生物群集)、種、遺伝子(種内)の3つのレベルの多様性により捉えられる。従って、生物多様性の保全とは、様々な生物が相互の関係を保ちながら、本来の生息環境の中で繁殖を続けている状態を保全することを意味する。
種のレベル、固体レベルおよび遺伝子のレベルで広がりのあるさまざまな生物が共存している状態をいう。地球温暖化により生物多様性の破壊が進むと危惧される。
生物の間に見られる変異性を総合的に指す概念であり、現在の生物が見せる空間的な広がりや変化のみならず、生命の進化、絶滅という時間軸上のダイナミックな変化を含有する幅広い概念。一般には、「生態系の多様性」、「種の多様性」、「遺伝的多様性」という3つの階層で多様性を捉え、それぞれ保全が必要とされている。
生物の多様性に関する条約 せいぶつのたようせいにかんするじょうやく 1992年5月に、ブラジルのリオデジャネイロで開催された環境と開発に関する国際連合会議(環境サミット)で決められた。陸上、海洋などの水中、これらが複合した生態系と、世界のすべての生物の多様性を保全するために、参加国が協力して取り組むことを表明している。2008年7月18日現在、日本を含む 190か国がこの条約に参加しているが、米国は「バイオ産業に影響がある」ことを理由に参加していない。この条約には、生物多様性が人類の生存を支え、人類にさまざまな恵みをもたらすものとして、世界が連携して生物多様性の保全に取り組むことが重要としている。先進国の資金により、開発途上国の取り組みを支援する資金援助の仕組みと、先進国の技術を開発途上国に提供する技術協力の仕組みがある。
正方形植え せいほうけいうえ 正方形植え(一般には方形植えと呼ぶ)は平地ではよいのですが、傾斜地では上下方向の空間が小さくなります。しかも傾斜地では、樹冠は谷側の部分が発達し、樹冠の山側の部分は、その上の木の樹冠の谷側の部分によって侵食されます。したがって、上下方向に距離の長い「矩形植え」は傾斜地で有効です。
世界銀行炭素基金(PCF) せかいぎんこうたんそききん 出資者(国・企業)からの資金を、発展途上国や市場経済移行国(旧東欧)における温室効果ガス削減プロジェクトに投資し、これによって得られた温室効果ガス削減量を出資者に配分する目的で世界銀行が設立した基金(2000年1月に発足)。PCFは、Prototype Carbon Fundの頭文字。
積算雨量 せきさんうりょう ある一定の期間(例えば日積算・月積算など)に降った雨の量
施業実施協定 せぎょうじっしきょうてい 森林所有者等が市町村長の認可を受けて森林施業の共同化及びそのために必要な施設の整備に関して締結する協定。
施業の勧告 せぎょうのかんこく 森林法に基づき、森林所有者等が市町村森林整備計画に従って施業していないと認められる場合は、市町村長が勧告出来る制度。
森林法第10条の10に基づき、森林所有者等が市町村森林整備計画に従って施業していないと認められる場合は、市町村長が勧告出来る制度である。なお、要間伐森林の施業が適切に行われない場合は勧告、調停、裁定の制度がある。
せつ 枝に葉がついている部分
雪丘 せっきゅう 吹きだまりが形成され、通常の積雪よりも高くなっているところをさす。
設計洪水位 せっけいこうずいい ダム設計洪水流量の流水がダムから流下する場合における貯水池の最高水位のこと
絶滅 ぜつめつ 世界中に、存在する生物は、一千万から三千万と言われているが、これらの種は現在1 年間に2~4 万種が絶滅していると言われている。進化の過程の中では絶滅も自然のプロセスであり、恐竜のように多くの種が絶滅したが、そのスピードは比較的ゆっくりしたもので、恐竜の時代でも平均して約一千年に1 種の割合で絶滅が起こったと推測されている。現在の絶滅の要因の全てが間接的・直接的にも人為のものであることから、このような加速が起こっている。
ゼラチノスポリウム ぜらちのすぽりうむ 過乾燥のクヌギに多く発生する。梅雨期に至って粘質のオレンジ色の胞子胞子角を生ずる。これが寄生すると樹皮部が浮き上がり、はがれやすくなる
ゼロエミッション社会 ぜろえみっしょんしゃかい 資源の循環利用を基調とし、地球の限られた資源の使用効率を高めて廃棄物(エミッション)による環境負荷がゼロになることを目指す経済社会。
ゼロカーボン ぜろかーぼん エネルギー効率に優れ断熱が施された建物で、エネルギーをゼロまたは低炭素技術から得ることで、年間を通じてあらゆるエネルギー消費による実質の炭素排出量がゼロとなること。
先駆植物 せんくしょくぶつ 他の植物がまだ生えていない裸地などに、真っ先に侵入してくる植物のこと。生育力が旺盛で、生長が早く、日当たりを必要とし、貧弱な環境にも耐えるといった共通の性質をもつ。先駆性植物。樹木の場合は先駆樹木、先駆性樹木。
洗掘 せんくつ scour 流水や土石流の侵食作用によって河岸や河床が削られる現象をいう。
穿孔性害虫 せんこうせいがいちゅう カミキリムシ、キクイムシ、ゾウムシ、キバチの仲間など、樹木の主に幹の部分を食害する昆虫の総称。
樹木や丸太の樹皮下または木質部に穿孔して発育・加害する昆虫の総称。
穿孔虫 せんこうちゅう 樹皮下・枝幹に穿孔する害虫。ゾウムシ類、カミキリムシ類、キクイムシ類、タマムシ類が含まれる。いずれも幼虫が樹皮下や材内で成長し、成虫になってが外界へ出てくる。
全国森林計画 ぜんこくしんりんけいか 森林法第4条の規定に基づき、「森林・林業基本計画」に則して、農林水産大臣が全国の森林について、5年ごとにたてる15年を1期として樹立する計画。森林のもつ各種機能の重要性にかんがみ、国が森林施業に関する基本的事項などを定めることにより、森林・林業施策の推進方向を明らかにするとともに、「地域森林計画」の策定に当たっての基準を示すもの。
潜在自然植生 せんざいしぜんしょくせい ある土地が持つ潜在力によって成立すると考えられる理論上の植生のことをいいます。温暖な気候と降水量に恵まれた我が国においては、露岩地、砂丘、低湿地等の特殊な土壌条件を持つ場合を除けば、植生の終局的な姿は森林の形態をとるとされています。
扇状地 せんじょうち alluvial fan 浸食の激しい急峻な山岳地帯を流れる川が平地に出るところに、扇形に土砂や礫が厚く堆積してできた土地。即ち、扇状地は、本質的に洪水や土石流災害が起こりやすい土地といえる。
侵食の激しい急峻な山岳流域を流れる川が平地に出るとき、その山麓に出口を中心に半円錐形の堆積を作る。これを扇状地といい、出口からそれぞれ扇頂部、扇央部、扇端部に分ける。川は扇頂部で数十分の一、扇央から扇端部にかけて百分の一に近い急勾配を持つ。砂礫流送量の多い川は扇状地の中で天井川を形成し、洪水時にしばしば破堤して川道は首振りをするように変化する。砂礫流送量が減少してくると扇頂部では掘込河道となる。扇状地内下流で掘込河道から天井川にかかる地点をインターセクションポイントといい、氾濫の危険の最も大きい所である。砂礫流送量が更に少なくなるとインターセクションポイントは更に下流に移り、掘込河道となって河道は安定する。
前生林 ぜんせいりん 本来の造成目的に応じた樹林を保護するために設けられた、成長が早い樹種による林帯。
腺体 せんたい 蜜などの分泌物を出す腺が突起状になったもの。葉の付け根や葉柄に、1mm前後のゴマ粒のようにつくのが普通。多くの樹木の葉では腺体はないが、サクラの仲間など特定の種類だけに見られるので、同定のポイントになる。腺点、蜜腺も似たような意味。
せん断試験 せんだんしけん  shearing test せん断強さを測定するための試験。せん断強さにはピーク強度、完全軟化強度、残留強度等がある。室内や原位置での試験があり、また試験機により直接せん断試験、さん軸圧縮試験、リング回転せん断試験などその用途によっていろいろな試験機が開発されている。試験方法には非排水せん断試験(U-test)、圧密非排水せん断試験(CUあるいはCU-test)、あるいは排水せん断試験(D-test)などがある。地すべりなど長期斜面の安定問題を考えるときは有効応力表示された強度定数が一般に必要であり、また残留強度も考慮しなければならない。
剪定 せんてい 樹形を整えたり、大きくなるのを抑えるために刈り込むこと。花つきをよくするためにも行う。
前庭部 ぜんていぶ  apron 砂防ダム下流の河道で、越流水が落下する部分をいう。
前庭保護工 ぜんていほごこう apron ダムから落下する水や礫から、基礎地盤を保護するための施設で、ダム下流の水叩き・側壁護岸・垂直壁または副ダムのこと。
水叩き工に同じ、砂防ダムからの越流水がダム下流の河道(前庭部)を洗掘してダム基礎を破壊するのを防ぐために施設するものをいう。張り石またはコンクリートで前庭を覆うもの、副ダムを設けて砂礫を堆積させるもの、プールを設けて水や砂礫を堆積させるもの、捨て石工などがある。
漸伐 ぜんばつ 単層林において,成熟木を数回または十数回に分けて伐採すること。
選木 せんぼく 間伐の際に、伐る木と残す木を選んで決めること。
全木集材 ぜんぼくしゅうざい 伐木現場で枝払いを行わず,枝葉付きの伐倒木をそのまま集材すること。
雑木林 ぞうきばやし 雑木林とは、色々な種類の木が集まってできた林で、田畑の脇のちょっとした裏山や尾根など、生活の場に近いところにある林です。主にクヌギやコナラ、カエデなどの落葉広葉樹で構成されています。
層区分 そうくぶん 森林GISにおいて、複層林の場合の上・下層を示す
造材作業 ぞうざいさぎょう 造材作業は、伐倒した木の枝と梢を切り落とす「枝払い」と、決められた長さの丸太を作る「玉切り」をする作業です。
伐倒してすぐに造材する場合と、材を乾燥させるためにしばらく経ってから造材する場合があります。
また、大がかりな集材方法を使う大規模な伐出作業では、枝葉を付けたまま、または枝葉だけを落として、長いままの木を集材して、平らな足場のよい場所で造材することもあります。
層状巻きだし そうじょうまきだし 盛土施工に際し、一定の厚さで盛土材を敷き均すこと
壮齢林 そうれいりん 林分を年齢によって区分すると幼齢林・壮齢林・老齢林(高齢林)に分けられる。壮齢林は林木の成長力が盛んで(材積成長量が大きい)伐期平均材積成長量が最多に達している森林をいう。
側壁 そくへき side wall 砂防ダムの水叩き部ののり面に施設される擁壁。越流部から水叩きへ落下する水が左右ののり面を浸食して不安定化しないように保護する。のり面が浸食に対して十分に強い岩であれば施設しないこともある。
素材 そざい log 立木を伐採して枝を切り払ったり一定の長さに切りそろえたりして丸太にしたもの。原木ともいう
素材生産 そざいせいさん 立木を伐採し、造材して素材(丸太)を生産すること。その費用。
林内または山元土場において素材(丸太)を生産することで、通常は立木の伐倒から枝払い、玉切り、集材までの過程を言う。
測高器 そっこうき 樹高を測定する際に使用する簡易式測定器具。
【測竿】目盛りがついた竿を樹木の先端まで伸ばし、目盛りを読み取る。
【ワイゼー測高器】目的物までの水平距離を測ることにより、簡単に高さ測定が可能。
【ブルーメライス測高器】高さ、傾斜、距離測定が可能。測高器としての精度が極めて高く、操作も簡単。
そで wing 砂防ダムにおいて、水通し部(堤冠)に隣接する左右の非越流部分、両岸の袖は上流河道の線形によって必ずしも対称ではない。その勾配は必ずしも水平とせず計画渓床勾配と同程度またはそれ以上とする。両岸への嵌入は岩盤で1~2m、土砂で2~3mを標準とし、間詰めを行う。土石流の衝撃を受ける区間では導流堤などでそでへの直撃を避ける工夫を必要とする場合がある。
粗度 そど  roughness 流れに対する境界面の凸凹の状態をいう。粗度が小さく、その影響がすぐに減衰して流れの中心部に及ばないような境界面を、水理学的に滑らかな面といい、逆に粗度が排水して濁度を基準以下とする。
ソハヤキ地帯 そはやきちく 九州南部、四国、紀伊半島、東海南部の温帯、表日本のことを差し、その西南日本外帯の固有種をソハヤキ型とか、ソハヤキ要素を持つ植物という。襲速紀といい、熊襲の襲、四国九週間の速水の速、紀伊の国の紀の意味です。
疎密度 そみつど 土地に対する立木の占める割合。樹冠疎密度をいい、林地面積に対する樹冠投影面積の占める比率をいう。3/10未満の場合は、無立木地として扱っている。
袋果 たいか 乾果の一種で、1個の心皮からなる果実。熟すると心皮の合わせ目から裂開して種子が飛び出す。ガガイモなどがこのタイプ。
耐寒性区分 たいかんせいくぶん hardness zone アメリカ農務省が採用している植物耐寒性の指標。過去の最低気温の平均値から一定の温度幅を1~11までのゾーンに分類。欧米では植栽する植物を選ぶ時の重要な要素(耐寒性)の一つとして、活用している。別名、ハーディネスゾーン
耐寒性植物 たいかんせいしょくぶつ 寒さに強く、0度以下の低温に耐えることのできる植物。冬でも戸外で育てられる。
大気環境木 たいきかんきょうぼく きれいな空を守り、よりよい大気環境を創り出す樹木を「大気環境木」として選定。
台切り だいきり キリやクヌギなどの植栽木を地際から切断し,その切り株から萌芽により,勢いのよい新しい幹を育てる作業。
耐根層 たいこんそう 防根層ともいい、樹木の根が生長して防水層を破ることを防ぐ目的のものをいう。 防根層ともいう
堆砂勾配 たいさこうばい 砂防ダムの堆砂勾配は、ほとんど水平に近い勾配から現渓床勾配程度の勾配の間で変化するが、土石流発生時に確実に土石流を捕捉できる勾配を計画堆砂勾配と定義する。
計画堆砂勾配は、一般に既往実験等によりダム地点の現渓床勾配の1/2から2/3の間の勾配とする。ただし計画堆砂勾配は1:6.0の勾配(tanθ)を上限とする。
平常時堆砂勾配は既往実績をもとに現渓床勾配の1/2までとする。
第三者機関 だいさんしゃきかん third party 運営機関(Operational Entity:OE)としての認定を申請する組織。申請を受けたCDM認定パネルが審査し、CDM理事会が認定する。
堆砂容量 たいしゃようりょう 貯水池流域の地形、地質、気象、水文、その他の流域特性等により、貯水池の比堆砂量を推定し、これを基にして想定したおおむね100年間の堆砂量が水平に堆砂すると仮定して設定した容量のことです。
対生 たいせい 葉のつき方の1つで、茎の節に2枚の葉が向かい合ってつくことをいう。
ダイダイタケ だいだいたけ 傘の形は半円形で重なり合って生え、色は黄色みがかかった褐色でビロードのように密生する。大径木や乾燥不十分な生木状態の原木に出やすい。
堆肥 たいひ わらや樹皮などに家畜のふんなどを加えて堆積し、腐熟させたもの。肥料としてより、土の通 気性をよくし、肥料もちをよくするなど、土壌改良材として使われる。
ダイポールモード現象 だいぽーるもーどげんしょう ダイポールとは「二極」の意味。エルニーニョ・ラニーニャと似たような現象で、インド洋熱帯域の西部の海水温が上昇し、東部の海水温が下降する現象。これにより、ケニアなどインド洋西岸の降水量は増え、逆にインドネシア周辺の降水量は減る。原因として考えられているのは、スマトラ島沖の東インド洋で南東貿易風が強まり、暖水が西インド洋に押しやられた結果、西インド洋では深層にある冷水が上昇せずますます海面温度が上昇し、一方東インド洋では、深層の冷水が上昇することで海面温度が下降するためと考えられる。この現象は、1999 年に東京大学の山形俊男教授のグループにより発見されたもの
高植え たかうえ 根の上部が地面より高くなるように植えつけること
択伐 たくばつ 森林内の樹木の一部を抜き伐りする主伐の一種。
伐倒期に達した林の伐採方法で皆伐と対比される。林をいっせいに伐採するのでなく、抜き伐りの形に伐る方法を択伐という。このような伐り方をする林は、保安林、急傾斜地など皆伐によりほかに与える影響が大きい林とか、小面積の林を有効に使う場合などに行われるが、伐採経費がかかるすぎるとか、残した木が傷むなどの欠点もある。しかし、森林の多面的機能が重視される場合の伐採方法としては適しているといえる。
托葉 たくよう 葉柄の基部や、基部が茎を抱く部分につく一対の葉に似た付属体で、葉の一部を構成するが、形や大きさには植物によって様々であり (エンドウ:大きな葉形、タデ科:葉鞘、ニセアカシア:刺状など)、これを欠く葉もある。
多自然型護岸 たしぜんがたごがん 自然の土や石などをより多く使って、植物が繁茂し、魚や虫などの生物が生息しやすいように工夫して施工される岸辺のこと。
谷次数区分 たにじすうくぶん 砂防計画基準点より上流を対象として、谷次数区分をHorton則により行う。使用する基図は、対象流域の面積により縮尺1/5,000~1/25,000程度。
谷筋の最上流部において、そこを谷と見なすか、山腹斜面と見なすかについては下図を参照する。
(Horton則)・・・同じ次数同士が合流して(n+1)次谷となる。たとえば、3次谷に1次谷や2次谷が合流しても3次谷のままだが、3次谷が合流すると4次谷となる。
谷止工 たにとめこう  small check dam 渓流に造られる数メートル以下の低ダム。土砂を堆積させて山腹斜面を安定させたり、縦浸食を防止する。また20°以上の渓流では渓床堆積物を固定して土石流化するのを防ぐ。
種菌 たねきん シイタケやナメコなど、きのこの種を培養したもの
多年草 たねんそう 多年草とは一度種をまき植えると、一年に一度枯れるが、根が残り、また新しい芽が出てくる植物のことです。ほとんどは冬に枯れるが、冬でも地上部に葉を残すものや、地上部は枯れて根だけが残るもの(宿根草)などがあります。
ダブルウォール型堰堤 だぶるうぉーるがたえんてい 堰堤の上下流の壁面をエキスパンドメタルや矢板等で組立てて、内部に現場発生土等で充填する工法。現場発生土を使えるため、残土処分費を節約でき、コンクリートの使用も最小限に抑えられる環境にやさしい工法であるが、内部が土砂のため、断面がコンクリート形式より大きくなる場合が多い。比較的軟弱な地形や残土を減らしたい場合に適した工法といえる。
断面を小さくできるINSEMダブルウォール工法もある。共生機構株式会社の製品で共生ダブルウォールがある。
玉切り(きのこ) たまぎり 地域によりサイズが異なるが、原木サイズ90センチに切りそろえる様のこと
玉切り たまぎり 立木を伐倒して枝払いがすんだ後、樹幹の大小、曲がり、節、腐れなどの欠点を見極めて、用途に応じて定められた長さ(定尺)に切断して丸太にすること。
枝払いが終わると、材の長さを測って玉切りする位置を決めます。材の利用目的に合わせて材の直径に応じた長さが決められているのがふつうです。丸太の長さが規格より長いと材が無駄になるし、少しでも足りないと、商品としての価値が大きく低下します。正確な測尺とマーク付けを行わなければなりません。測尺と同時に、材の曲がりや腐れなど、材の欠点を避けて丸太を切り取るようにします。測尺には目盛りを付けた竹あるいは木の竿を使いますが、専用のスチールテープなども市販されています。
溜塗り ためぬり 溜塗りとは、木地に下地塗りを施したあと朱に染め、その上に透明な漆を厚く塗る技法で、濃いワインカラーの深みのある仕上がりになります。
タワーヤーダ たわーやーだ 架線集材に必要な元柱の代わりとなる人工支柱を装備した移動可能な集材車。林内からの丸太搬出のための集材機の一部を専用の車に搭載し、自走することにより移動性を高め、架設撤去の時間を短縮します。
短期賃借権 たんきちんしゃくけん 賃貸借は処分行為ではありませんが、期間の長い賃貸借は処分行為に近い効果がでてくるので、処分の能力を持たない者(被保佐人)又は権限を持たない者(後見監督人が付いている後見人、不在者の財産管理人、相続財産管理人、権限の定めのない代理人など)が管理行為としてする賃貸借を短期賃貸借といいます。
植林用の山林で10年、その他の土地では5年、建物では3年、動産では6ヶ月以下の賃貸借をいいます。
段丘堆積物 たんきゅうたいせきぶつ 古期河床堆積物で、未固結~半固結の砂礫、砂、粘土から構成される。
短枝 たんし ごくわずかした生長せず、葉を多くつけ、花を咲かせる枝
短日植物 たんじつしょくぶつ 秋になって日が短くなると花芽をつけて花を咲かせる植物。
湛水面積 たんすいめんせき ダムによって川の水を堰き止めて出来る湖の面積のことです。
単層林 たんそうりん 主要林木の樹冠がほぼ同じ高さの森林。
炭素換算 たんそかんさん 二酸化炭素(CO2)の量を炭素(C)相当分で算出する方法。炭素換算値はCO2の量に0.273を掛けて得られる。逆に炭素換算の値に3.67を掛けるとCO2の量が得られる。
炭素循環 たんそじゅんかん 地球上の炭素の移動。化石燃料の燃焼による二酸化炭素の大気中への排出のほか、海洋、森林、土壌などによる吸収・排出を総合的に捕らえたもの。
炭素プール たんそぷーる 大気、森林バイオマス、木材製品、土壌、海など、炭素を貯蔵あるいは放出することができるシステムのこと。
単板積層材(LVL) たんばんせきそうざい 丸太から薄くむいた板(単板)の繊維(木目)の方向を揃えて接着したもの。家具、建具、構造材等に利用。
断片化 だんぺんか fragmentation 断片化とは、大きな面積を占めていた熱帯雨林が、開発などによって細かなパッチのような状態になることをいう。一般に、1000ha未満の熱帯雨林は断片化した状態といわれることが多い。
片化の原因
オーストラリアの先住民であるアボリジニ人の生活や文化は、熱帯雨林と共存共栄するもので、熱帯雨林というリソースを上手に活用していた。その後ヨーロッパ人移住しはじめてからは熱帯雨林を伐採し農業用地として開拓したり、家具などの材料として多くを輸出した。その結果、熱帯雨林の断片化が起きた。
断片化が引き起こす問題
熱帯雨林が断片化すると主に二つの問題を引き起こす。一つは生息地の消失、もう一つは森林が小さくなり、さらに森を分断してしまう事である。その結果として初期排除、面積効果、孤立化、混み合い、エッジ効果(周縁効果)などの問題が起こる。
熱帯雨林の断片化で、限られた環境でしか生きられないスペシャリストの種は、生息地の減少により生息できなくなり絶滅する可能性が高まる。
単粒構造 たんりゅうこうぞう 土の構造で、それぞれの粒子が独立しているもの。
団粒構造 だんりゅうこうぞう 土の構造で、細かい粒が集合して1cm位までの大きな塊になったもの。
地位 ちい 林地の材積生産力を示すものである。樹種毎に40年生時の樹高を示して地位指数として表すこともある。
林地の材積生産量を示す指数で、気候、地勢、土壌条件等の地況因子が総合化されたものである。一般に1~5の5段階で区分し、数字が小さいほど材積成長量及び上長成長量が大きく、地位が高いことになる。
地域管理経営計画 ちいきかんりけいえいけいかく 流域ごとに国有林野の管理経営に関する事項について、森林管理局長が定める5ヵ年計画。
地域森林計画 ちいきしんりんけいかく 森林法第5条の規定に基づき、「全国森林計画」で示された森林施業に関する目標及び基準に則して、森林の施業等(伐採・造林・間伐・林道・保安林の整備等)に関する基本的事項について、森林関連施策の方向、森林整備の目標等を定めた計画。県知事が、県の4つの計画区の対象民有林において、5年ごとに10年を一期とする計画をたてることとなっており、「市町村森林整備計画」の規範となるものである。
地域通貨 ちいきつうか エコマネーは環境、福祉、教育、文化など今の貨幣で表しにくい価値をコミュニティのメンバー相互の交換により多様な形で伝える手段。地域の市民ボランティアが提供する介護サービスや文化教養的サービス、地域住民がふだん必要とする食料品や日用品、理容美容サービスなどが主な取引の対象となる。エコマネーは現在流通する貨幣のように銀行などを介して利子を得たり、銀行が預金以上に貸出を行う信用創造する金融仲介機能を持たない。経済の地域内循環を重視しており、手元に保有することはできるが決済機能のみのマネーである。日本国内でもいくつかの地域で実験が試みられている。
エコマネー
地位級 ちいきゅう 主要な樹種別に伐期(適正伐期齢)総平均成長量をm3単位の等級に区分したもの。
チーム・マイナス6% ちーむまいなすろくぱーせんと 深刻化している地球温暖化を防止するために、日本は京都議定書で2008~2012年のあいだに温室効果ガスを6%削減することを約束。これを実現するための国民的プロジェクトが「チーム・マイナス6%」。モットーは、毎日の生活の中で「1人1日1キログラムのCO2排出量削減をめざそう!」。しかし、日本の温室効果ガスの排出量は年々増加する傾向にあって、とくに「家庭部門」やオフィスなどの「業務その他部門」における05年の温室効果ガス排出量は1990年比で約4割増加しており、対策の強化が求められている。
力枝 ちからえだ 樹木の枝の中で、最も太い枝のこと。
地球温暖化 ちきゅうおんだんか 近年、産業の発展や森林の開拓などの人間活動の活発化に伴って「温室効果ガス」が大量に放出され、大気中に吸収される熱が増えたことにより、地球全体の平均気温が上昇する現象。
海水の膨張や氷河などの融解により海面が上昇したり、気候メカニズムの変化により異常気象が頻発する恐れがあり、自然生態系や生活環境、農業などへの影響が懸念されている。(水不足や水害、絶滅する種の増加、沿岸域の水没、死亡率や伝染病危険地帯の増加、公害問題など)
地球温暖化防止森林吸収源10ヶ年対策 ちきゅうおんだんかぼうししんりんきゅうしゅうげん10かねんたいさく 地球温暖化対策推進大綱に基づき、我が国の森林による二酸化炭素吸収量を確保することを目的に、平成14年12月に農林水産省が策定した、森林整備・保全や吸収量の報告・検証体制強化等に関する10年間の対策。
地球サミット ちきゅうさみっと 環境と開発に関する国際連合会議(UNCED:United Nations Conference on Environment and Development)のこと。 1992年6月3~14日までブラジルのリオ・デ・ジャネイロで国連が開催した。約180カ国 と1地域(EU)、そして102名の首脳が参加する国連史上最大規模の会議となった。また世界各国から約1万ものNGOが参加したといわれている。 この会議では気候変動枠組条約や生物多様性保全条約の署名が開始されただけではなく、『リオ宣言』や 、21世紀に向けた行動計画を定めた40章約500ページにわたる『アジェンダ21』、『森林原則声明』が採択された。世界中から参加した環境NGOは、地球サミットで各国政府は期待された決定をしなかったとし、それに替わるものとして34の『NGO条約』を策定した。
地況 ちきょう 位置、気候、地勢、地質、土壌、地位及び地利等の要素を一括して地況という。
竹酢液 ちくさくえき 竹炭を焼くときの煙から得られるもので、優れた殺菌効果を持つ竹のエキスです。
主成分は酢酢で、その他にもフェノール類を中心に30種類以上の成分が含まれています
蓄積 ちくせき 樹木の幹の部分の容積を「材積」という。ある森林を構成する立ち木の材積の和のことを「蓄積」という。
林分の材積の総量を指し、森林簿では小班ごとに整数のm3単位で表している。
畜力集材 ちくりきしゅうざい 馬を使って、地引きで、またはソリに載せて、材を引き出す。積雪期を選んで行われることもある。最近では少ない。
地材地消 ちざいちしょう 地域の森林から産出された木材を地域の工場で加工し、住宅や家具などとして地域で使用すること。
治山 ちさん 荒廃山地などの復旧や森林の維持・造成を通して水資源のかん養と土砂流出の防止を進め、国土の保全及び水資源の確保を図ること。公共事業として農林水産省が森林法に基づき治山事業を行っている。
治山事業 ちさんじぎょう 治山治水緊急措置法において①森林法に規定する保安施設事業と、②地すべり等防止法に規定する地すべり防止工事または、ぼた山崩壊防止工事に関する事業を治山事業という。
治山対策 ちさんたいさく 山地に起因する災害から国民の生命・財産を保全するために実施するダム工、山腹工や森林整備。
治山防災地理情報システム ちさんぼうさいちりじょうほうしすてむ 治山の計画から施設管理までの一体的地理情報システム。災害情報、計画策定、施設管理、危険地管理の他、地形解析により効果的・効率的な事業実施が可能。
稚樹 ちじゅ 樹木の子ども。高さ30cm程度のまでのものを指す場合が多いが、はっきりした基準はない。
地籍活用GIS推進事業 ちせきかつようじーあいえすすいしんじぎょう 国土交通省 土地・水資源局国土調査課が実施している地籍調査を実施した市町村がGISを構築する際に、基図サーバ・構内通信網・地籍維持管理システム等の整備について支援している事業である。
地籍図 ちせきず 国土調査法第2条により地方公共団体が主体となり地籍調査(土地の所有者、地番、地目の調査及び地籍に関する測量)の結果を図面に表したものである。作成する図面の縮尺は1/500~1/5,000の間で作成されており、主に宅地の場合は1/500、農地の場合は1/2,500、山林の場合は 1 /2,500あるいは1/5,000で作成されていることが多い。
地籍調査 ちせきちょうさ 一筆ごとの土地に関する所有者、地目、地番などの記録を地籍という。地籍調査とは、土地における地籍の明確化を図る目的をもって、毎筆の土地についてその所有者、地目及び地番を調査するとともに、境界の測量、面積の測定を行い、地図(地籍図)及び簿冊(地籍簿)を作成する調査である。
千鳥植 ちどりうえ 方形のグリッド上に植栽するのではなく、交互に植栽する方法。
じぐざぐ植え(千鳥植え)は三角植えに近い効果があり、積雪地帯でよく用いられます。列状植栽は2列植え、3列植えなどがあり、機械作業には便利です。
着生植物 ちゃくせいしょくぶつ epiphyte 一般の植物は土壌を生育基盤とするが、着生植物は他の樹木や枝を生育基盤とする。
虫えい ちゅうえい 葉や枝の一部に、虫が寄生してできるコブのこと。ゴール。一般には「虫(むし)コブ」と呼ばれる。
中山間地域 ちゅうさんかんちいき 山地や傾斜地が多く、地理的、社会的条件が不利な地域で、地域の産業基盤や生活基盤の整備が比較的遅れている地域。
中間農業地域と山間農業地域をあわせたもので、耕地率が20%未満、森林率50%以上の地域のことを指す。国土面積の7割、森林面積の8割を占めている。
山林や傾斜地が多く、まとまった平坦な耕地が少ないなど、農業上の諸条件が平場の地域に比べて不利な地域を指す。
柱頭 ちゅうとう 被子植物の雌しべの先端の部分。花粉が付着しやすいように粘液を分泌する。
頂芽 ちょうが 茎の先端にある芽。
冬芽のうち、枝の先端についている芽のこと。ふつうは側芽より大きくよく目立つ。
超高圧送電 ちょうこうあつそうでん 発電所から消費地の近くまで電力を送る電線が送電線である。電気を送る場合、電圧が高いほど大量の電気を損失を少なくして送ることができる。送電線は送電電圧とともに発展してきた。送電電圧が27 万5 千ボルト以上のものを超高圧送電線という。1973 年、東京電力が日本初の50 万ボルト送電線の運転開始、50 万ボルトの超高圧送電線で主要な送電ネットワークづくりをすすめてきた。1999 年、世界初の100 万ボルト設計送電線も完成した。現在は50 万ボルトで送電している。
長枝 ちょうし 短枝の逆の普通の長い枝
長日植物 ちょうじつしょくぶつ 短日植物とは逆に、春になり日が長くなってくると花芽を作って花を咲かせる植物。
鳥獣保護区 ちょうじゅうほごく 野生鳥獣の捕獲の禁止を始め、生育、繁殖に必要な巣箱、給水、給餌施設などを計画的に整備し、野生鳥獣の保護、繁殖を図ることを目的として、環境大臣または都道府県知事が設定した区域。このうち、特別保護地区が森林の伐採等の制限を受けるため、森林計画制度において制限林として位置づけられている。
野生鳥獣の保護繁殖を図るために「鳥獣の保護及び狩猟の適正化に関する法律」に基づき、知事、または環境大臣が設定する区域。設定期間は10年以上、20年以内で更新できる。
長伐期施業 ちょうばっきせぎょう 通常の主伐林齢(例えばスギの場合40年程度)のおおむね2倍に相当する林齢を超える林齢で主伐を行う森林施業。
長伐期施業森林 ちょうばっきせぎょうしんりん 市町村森林計画で定める森林の区域の一つで、この森林に指定されると、主伐年齢の下限値が標準伐期齢の2倍マイナス10年となり、長伐期施業が義務づけられる。
長伐期施業森林を指定する場合は、水土保全林の範囲内となる。
長伐期林 ちょうばっきりん 伐採林齢を通常の倍(40~60年→80~100年)に延ばし、下層植生と表土を安定させる森林。
直根 ちょくこん 地中にまっすぐ太く伸びている根のこと。対は側根
貯砂ダム ちょさだむ  check dam, debris dam 荒廃地から流出する土砂・石礫や、大出水時に上流域より流下する土砂・石礫を貯留する目的で設けられる砂防ダムのことをいう。
地利 ちり 林地が木材の運搬等に関して経済的位置の有利な程度を示すもので、木材市場や製材工場までの距離をランク付けて表す。
木材の搬出・輸送距離の長短による搬出難易等経済的位置の有利不利の度合を示すもの。森林簿では林班の中央から道路までの距離により区分される。
地利級 ちりきゅう 樹種別に,当該林分における1m3当たりの立木価格の千円単位(百円単位を四捨五入)の数値をもって表記する。
地理情報 ちりじょうほう 特定の場所(点であったり、広がりを持っていたり、あるいは空間を占有する構造物であったりする)に結び付いた情報一般である。その場所の位置や形状に関する情報とそれ以外の性質に関する情報とに分類されることがある空間データと同義である。
地理情報システム ちりじょうほうしすてむ GIS : Geographic Information Systems 人文・自然の環境情報と社会経済的な情報の地理的位置分布状況をデータベース化し、データの入力及び更新、データの検索、さらにデータの統計的手法や分析手法によって地域の特異性を顕在化する。また、データの編集や融合を通してさまざまなシミュレーションを行ったりして、多くの人々へのビジュアルなプレゼンテーションが可能な出力表示機能を兼ね備えたシステムである。
沈砂池 ちんさち  settling basin 砂だまり工とも呼ぶ。上流に土砂抑制の砂防ダムが十分計画できない場合、活火山地帯のように無限に土砂の供給源がある場合などは災害防止のため、流路の一部を拡大して流下土砂を貯留する目的で造られる工種である。沈砂池の容量は流域の諸条件(流域面積、地質、地形、降雨量、荒廃度など)によって異なるが、堆積土砂の排出を考慮して、年1~2回の土砂排出計画を見込んだ大きさとするのが一般的である。
追加性 ついかせい1 Additionality JIやCDMなどのプロジェクトを行う際の基準の一つであり、「資金の追加性」と「環境の追加性」がある。「資金の追加性」については、プロジェクト実施に使われる資金は、ODAに対して、追加的であることが必要な要件であるとされている。「環境の追加性」については、そのプロジェクトがなければ生じなかったであろう、実質的で測定可能な環境面での長期的利益をもたらすことが要件とされる。
追加性 ついかせい2 プロジェクトがない場合と比較して追加的であること、との京都議定書の要求事項。
通年性アレルギー症状 つうねんせいあれるぎーしょうじょう 通年性アレルギー症状とは、季節に関係なくいつでも症状が現れ、1年中続くアレルギー症状のことです。
通年性アレルギー症状の代表的なものとしては、ハウスダスト、カビや真菌の胞子、ダニ、昆虫の死骸などが原因で起こるアレルギー性鼻炎や、気管支喘息などです。
ツーバイフォー工法 つーばいふぉーこうほう 木材で組まれた枠組みに構造用合板等を打ち付けた壁、床等で荷重を支える木造建築工法の一種。枠組みとして多く使われる製材の呼称寸法が厚さ2インチ、幅4インチであるためツーバイフォー(2×4)工法と呼ばれている。
接ぎ木 つぎき 植物の枝や芽(穂木)を、別の個体(台木)の幹や枝に密着させ、繁殖させる方法。
つぎロウ つぎろう つぎ木の時につぎ口に塗るロウをいう
つちくらげ病 つちくらげびょう 焚き火や山火事を誘因として発生し、病原菌が根を侵してマツ類を枯死させる土壌病害のひとつ
つちくらげ病 つちくらげびょう 東北地方の太平洋側、日本海沿岸の海岸松林で発生
土寄せ つちよせ 除草や保温、植物を支持するなどの目的で株元に土を寄せること。
つる つる 立ち木を伐倒で、追い口を切り進んだとき、追い口と受け口の間に切り残される部分。木が倒れるときに、蝶つがいの働きを利用して、伐倒方向を確実にし、倒れる速度を調整するという大切な働きをする。
つる切り つるきり 育成しようとする樹木に巻き付くつる類を取り除くこと。通常、下刈を終了してから、育成しようとする樹木の枝葉が互いに接する状態になるまでの間に行う。
下刈りの終わった造林地において、造林木に巻き付き、または樹冠に登ってこれを覆い被圧するなど、造林木の生育に障害を及ぼしている、つる植物を除去する保育施業。
下刈りを終了した後に、つる植物を切ることで、クズ、フジ、アケビ等のつる植物が植栽木に巻き付く場合、ナタや除草剤でこれらを除去する作業をいう。
つる植物 つるしょくぶつ vine, climber つる植物は他の植物の枝や幹にまきつくなどして、光を獲得するために茎を上層に伸張させる。生育期間が短いつる植物は「Vines」、生育期間が長く木本性のつる植物は「lianas」と呼び分けることがある。
Th2 てぃーえいちに Th2とは、鼻やのどをはじめ人間の身体のあらゆる粘膜で異物の侵入を防ぐ免疫細胞のひとつで、どこかの粘膜に異物が侵入したと感知すればすぐにIgE抗体を配置して身体を守ってくれる細胞のことです。
花粉症や、アトピーなどの症状を引き起こす「IgE抗体」を作り出しているのはこのTh2細胞なのです。さまざまな要因からこのTh2細胞の働きが強くなると、本来は人体に害のないものにも反応してしまい、アトピー性皮膚炎・蕁麻疹・花粉症・アレルギー性鼻炎・アレルギー性結膜炎・喘息などのアレルギー症状を引き起こします。
このTh2細胞の働きを抑えているのがTh1細胞と呼ばれる細胞で、Th1とTh2はお互いを抑制してバランスを取っていますが、Th1が上手く働いてないとTh2が優位になり、さまざまなアレルギー症状となって現れるのです。
現代人の身体は、肉類などの高タンパク質の食生活でTh2が活性化しすぎ、必要以上のヒスタミンを過剰に分泌し、IgE抗体の生産過多になっています。花粉はタンパク質でできていて、体内がこれを異種タンパク質として捉えることによって、IgE抗体は過剰に花粉を攻撃し続けるというわけです。ですからTh2が活性化しすぎないよう、過剰なタンパク質の摂取をさけることは、花粉症対策にはとても大切で、重要なことなのです。
低温処理 ていおんしょり 植物の生育を調節するために、種子や球根、苗などを一定期間低温におくこと
堤冠部 ていかんぶ ダムの水通し敷高より上の部分
堤冠保護工 ていかんほごこう 砂防ダムの水通しを送流砂礫などによる摩耗や欠損を防ぐため、水通し部を富配合のコンクリートで(厚さ30cm程度)保護すること
ディジタルマッピング でぃじたるまっぴんぐ 一般用語としてはディジタル方式での地図作成・管理一般を指すこともあるが、固有名詞としては国土地理院が標準化を進めている大縮尺実測図の測量・図化・編集・更新を通してのディジタル処理体系を指す。
定植 ていしょく 目的の場所に植えること。対は仮植
定性間伐 ていせいかんばつ 林分の優劣や幹の欠点などにより、あらかじめどのような形質の木を伐るべきかを決めておく間伐方法。
堤体部 ていたいぶ ダムの水通し敷高より下の部分
低炭素社会 ていたんそしゃかい Low-carbon society、LCS 地球温暖化の原因である二酸化炭素(CO2)などの温室効果ガスの排出を、自然が吸収できる量以内に削減するため、低炭素エネルギーの導入などの環境配慮を徹底する社会システム。低炭素社会では、すべての人がCO2を減らすための行動や選択をとり、政府は税制のグリーン化など仕組みづくりを行う。福田首相は2008 年6月に、日本の2050 年までの長期目標として現状比で60%から80%の削減を掲げ、「世界に誇れるような低炭素社会の実現を目指す」と表明。同年7月の北海道洞爺湖サミットや関連会合で、低炭素社会への転換を世界に呼びかけた。
堤底 ていてい bottom of dam 砂防ダムの底面のこと。堤底は一般に水平が多く、滑動防止を考慮する場合は鋸歯状とする。
泥流 でいりゅう  mud flow 土石流(広義)の一種。第三紀層地帯や火山灰堆積地帯で発生するかゆ状の土砂移動形態をいう。特に火山地帯で発生する泥流については火山泥流(Lahar,volcanic mud flow)と呼ばれている。流れの先端部は段波状を呈することが多く、粘性に富んでいる流れである。転石や大礫は主に後続流によって流下する。
定量間伐 ていりょうかんばつ どれだけの量を伐るかをあらかじめ決めておく間伐方法。
低林施業 ていりんせぎょう 木を大きくせず(樹高10m未満)短いサイクルで伐採-萌芽再生を繰り返す(低林施業といいます)こと
木を大きくしないのでプロに頼まなくても伐れる。
伐った木の大きさがほだ木や薪などに利用しやすい。
デメリットとしては、間伐やそれに続く下刈りなど管理の頻度が増えること。
データフォーマット でーたふぉーまっと データを表現する際の並び(関連)や長さを規定したもの。たとえば、「最初の2バイト分でデータを識別する固有番号を表現し、次の4バイトに作成日時、その次の8バイトには対象となる地物の位置座標を記録する」場合に、これをフォーマットという。
摘芯 てきしん 茎や枝の先を摘むこと。それまで生長が抑制されていたわき芽が生長し、分枝が多くなる。ピンチともいう。
摘芯 てきしん 樹形を整えるために伸びすぎた主枝を短く切り詰めて揃えたり、小枝の分枝を促す作業をいいます。
適正伐期齢 てきせいばっきれい 個々の林業経営では、伐期は標準伐期齢を基準に検討されるが、経営目標や経済事情、林分の生育状況等、標準伐期齢に従った一律的な伐採は出来ないことから、森林所有者が経営目標等を勘案して林分毎に定める伐期齢をいう。
市町村が地域の実情に応じて、市町村森林整備計画で具体的に定めることができることとされていたが、森林計画制度の見直しにより、廃止された。
地域森林計画に定める基準に基づき,育成単層林施業を実施することが適当と認められる森林を対象として,主伐として伐採することが適当な林齢として個々の森林ごとに,市町村森林整備計画において定められているもの。現段階の森林簿には‘標準伐期齢’が転記されている。平成13年の法改正により市町村森林整備計画における適正伐期齢の記載が廃止された。
適地適木 てきちてきぼく 森林を仕立てる際に、その場所の土壌や立地条件に最も適した樹種を選んで植林すること。林業の場合は、農業と異なり、きめ細やかな管理ができないため、森林を育てる地域の自然の立地条件に適合した樹種を選ぶことが重要である。
摘蕾 てきらい つぼみを摘み取り花数を減らすこと
つぼみを摘みとること。多くの花を咲かせることによって栄養が分散され、りっぱな花が咲かなくなるのを防ぐために行う。
ディジタルオルソフォト でじたるおるそふぉと 一般に、空中写真や衛星写真画像は、カメラが鉛直下向きを向いている保証がないので、写真上の縮尺は一定ではない。一方、オルソフォトは、写真画像を数値的に処理して、あたかもカメラが鉛直下向きで無限遠から撮影したかのように画像データを修正したものである。地図が実際の地表から表現項目の取捨選択を行った図面であるとすれば、オルソフォトは実際の地表をそのまま写し出した画像であると言える。
Δ型スリット でるたがたすりっと 流木止めの一種で横から見た形状が「Δ」になっていることから呼ばれる。鉄骨骨組と場所打ちコンクリート接合によるハイブリット構造である。
天井川 てんじょうがわ 川の底が周辺の土地より高くなっている河川。
堤防をつくり、河道を固定すると、運ばれてきた土砂が川底につもり、川が浅くなって氾濫の危険が増す。そこで堤防のかさあげが行われ、川底につもる土砂と堤防の継ぎ足しが繰り返される。
その結果、川底がまわりの土地より高くなり天井川が形成される。それゆえ、天井川は人工地形である。
天地返し てんちかえし 榾木の環境を揃えたり、刺激が必要なとき行う様のこと
耕土が年々の作付けなどによって老朽化した場合、これを下層の心土と入れかえて、耕土の生産力をとりもどす作業をいう。
展着剤 てんちゃくざい 農薬を散布するとき、薬液が植物体や虫体にくっつきやすくするために加える薬品
天然下種更新 てんねんかしゅこうしん 森林内で天然(自然)に散布した種が発芽して稚樹として育つことにより、後継の森林を育成する方法。
天然下種補整 てんねんかしゅほせい 天然下種により更新を図る場合、更新を促進させるために行うかき起こしなどの作業のこと。
天然更新補助作業
天然更新が確実に行われるようにするため実施する作業のことで、刈出し、芽かき等がある。
天然更新 てんねんこうしん 主として天然の力によって次の世代の樹木を発生させること。種子が自然に落下、発芽して成長する場合と、木の根株から発芽(萌芽)して成長する場合等がある。
植林等の人為によらずに森林の造成を行うこと。自然に落ちた種子の発芽や樹木の根株からの萌芽等による方法がある。必要に応じて、ササ類の除去等稚樹の成長を助ける作業を行う。
天然生林 てんねんせいりん 自然の推移に委ね、主として自然の力を活用すること(天然更新)により、保全・管理されている森林
天然林 てんねんりん 主として天然の力によって造成された森林。天然林には、稚樹が不足する部分へ苗木を植栽するなど一部に人為を加えたものも含まれる。
天端 てんば  crown 砂防ダム、堤防などの堤頂面をいう。水通し天端とも呼ばれている。
堤防の一番高い面。天端は道路として利用されている所もある。
天端厚 てんばあつ width of crown 砂防ダムの天端は、通過砂礫の衝撃や摩耗に十分耐え得るだけの厚さを有する必要がある。この厚さを天端厚といい、過去の施設災害から検討された結果、砂混じり砂利や玉石混じり砂利が流下する河川で土石流の発生のない地区では、天端厚1.5~2.0m、玉石や転石が流下し、土石流の発生のある地区では天端厚3.0~4.0mが標準とされている。
土圧 とあつ  earth pressure ある境界面に生ずる土の圧力。土圧論としてはクーロンとランキンのものが有名である。クーロンは土を剛体と仮定して平面すべり面を持った土くさびの釣り合いにより土圧を求める。一方ランキンは重力のみが作用する半無限の地盤内における各点の塑性平衡状態にある応力から土圧を算定している。また土圧には受動土圧、静止土圧、主動土圧があり、構造物は状況に応じてこれらの土圧を基準にして設計される。
土圧係数 とあつけいすう1 coefficient of earth pressure 砂防ダムの堆砂土圧計算において土圧係数は一般に0.3~0.6で示される。土圧係数はクーロンの土圧論で
Ce=[cos・i-√(2cos^2・i-cos^2・φ)]/[cos・i+√(cos^2・i-cos^2・φ)]
で示される。砂防ダムなどの背後がほぼ平坦(i=15°くらいまではcos・i≒1と仮定できる)とすれば、
Ce=(1-sinφ)/(1+sinφ)
で示される。内部摩擦角φを35°とすればCe=0.27≒0.3となる。
冬芽 とうが 夏から秋につくられ、冬を越して春に伸びる芽をいう。寒さや乾燥に耐えるように鱗片に被われ、また、表面に を分泌したり、毛が密生したりするものもある。
透過型堰堤 とうかがたえんてい 不透過型と逆で土砂を貯めない形式の堰堤のこと。透過型堰堤は通常、上流側には土砂を貯めず、土石流などが発生した場合に効果を発揮する工法。透過構造のため河床を行き来する小動物への影響が少ない、堰堤規模が小さくて済むなどの利点がある。環境などへの配慮から透過型堰堤を採用する事例が多い。
透過率 とうかりつ 林帯は、「密である林帯」は風速を大幅に減少させるが、その減風域をみると「通風性のある林帯」よりも、影響範囲が狭まる傾向が見られる。密度の高い林帯の背後では乱流状態が形成されこれによって風速の回復を早めるためである。林帯は60%程度の風が透過する密度が好ましいとされる。
胴枯菌 とうかれきん 過乾燥の特に初期樹皮を高温乾燥させた物に出やすくにきび状に発生する。胴枯菌の出た後トリコデルマの二次感染をおこしやすい
胴込 とうごめ 練石積み護岸工やコンクリートブロック積み護岸工などにおいて工作物の一体化のため、積石やコンクリートブロックの表面から控え長の間に詰めるコンクリートを胴込め(コンクリート)という。胴込めコンクリートの施工に当たっては合端部分にコンクリートをてん充することが難しいのでモルタルを用いる場合もある。特に練石積みにおいては胴込めによってその強度が左右されるとまでいわれるほど重要である。
当事者意識(環境教育) とうじしゃいしき あなたの問題なのです。あなたが原因で、あなたが解決者です。「私は」で語り・考えることが環境教育指導者の基本。主語が不明確なメッセージは誰の胸にも響きません。環境問題解決には、まず原因者の人間のひとりひとりが当事者意識を持つことが非常に重要です。
トウヒ属 とうひぞく 常緑針葉樹の分類でマツ科のうち道内に自生するトドマツはモミ属(Abies)。エゾマツ、アカエゾマツや道路防雪林で植えられているヨーロッパトウヒはトウヒ属。モミとトウヒの違いは、球果がモミ属(Picea)は直立するが、トウヒ属は成熟すると下垂する。
胴吹き芽 とうふきめ 太い幹から出す小枝。木が弱ると出る
倒木更新 とうぼくこうしん 倒木の上に発生した稚樹による森林の更新で、エゾマツによく見られる。腐朽した倒木上は、倒木により林冠に孔げきができているため光条件にめぐまれるほか、乾燥、凍上、雪腐病及びササなどの下層植生による影響等を受けにくい。
導流堤 とうりゅうてい traininh dyke 川の合流点や河口の部分における流路が、土砂の堆積によって乱されるのを防ぐために設けられる堤防や、泥流を無害に下流に流下させるために設けられる堤防のことをいう。
とくしゃ地 とくしゃち 山の斜面で乱伐等によって土壌が流出し植生がなくなり、表面浸食が行われている箇所
特定広葉樹 とくていこうようじゅ 地域独特の景観や多様な生物の生息、生育環境の維持・創出を図るために必要な広葉樹として、市町村森林整備計画で定める樹種をいう。
主に地域の森林に生育する広葉樹の中から定める。特定広葉樹育成施業森林を指定する場合は、森林と人との共生林の中となる。
特定森林施業計画 とくていしんりんせぎょうけいかく 個々の森林所有者が作成する長伐期施業、複層林施業、特定広葉樹育成施業等、森林の公益的機能を特に発揮するための森林施業計画をいうが、平成13年の森林法改正により、森林施業計画に統合され、認定基準に考え方が継承されている。
特定施業森林 とくていせぎょうしんりん 公益的機能を特に発揮する森林で、複層林施業、長伐期施業、特定広葉樹育成施業等により整備すべき森林をいう。
施業特定林分(伐採方法等の施業方法を特定する林分)も含む平成13年度の森林法改正により、公益的機能別施業森林となり、森林の区分毎に森林施業を特定する森林を指定し、当該施業を実施が義務づけられる。
特定保安林 とくていほあんりん 保安林の指定目的の機能の発揮を確保するため、造林、保育、伐採等の施業を早急に実施する必要があると認められる保安林。
特に帯状に残すべき森林 とくにおびじょうにのこすべきしんりん 森林の遮蔽性を維持する観点から、択伐を行うよりも、帯状に森林を保存しつつ、主伐を行う森林をいい、市町村森林整備計画で指定する場合は、森林と人との共生林の範囲内となる。
特用林 とくようりん 森林法第10条の8第1項第6号で規定される立木の果実(樹液、樹皮又は葉)の採取に主として供される普通林で、伐採届の適用は受けない。
特用林産物 とくようりんさんぶつ 森林原野の産物のうち、建築や製紙用パルプなどに使われる一般用材を除いた品目。主な用途はきのこ類や木の実、山菜類などの食用、オウレンの根やキハダの樹皮などの薬用、竹材や桐材などの工芸材料・建材、ミツマタの樹皮やコウゾの樹皮などの繊維、漆や木ロウなどの樹脂・ロウ、桐油や椿油などの油脂、樟脳などの精油、サカキやシキミなどの供花、クチナシの実などの染料などである。
床替 とこがえ 苗畑で苗木つくるときに、苗木は根系の発達を促す、容姿を整えるなどの目的で大きさに応じて植え替えられる。この作業を床替という。
床固工 とこがためこう groundsel, ground sill 河床洗掘を防止し流水の向きを制御する目的で、河川又は渓流を横断して設けられる施設です。床固工を連続して配置し、床固工群として面的な効果を発揮することもあります。
河床洗掘を防止して河床縦断形状を規制し、流水の流向を制御する目的で河川を横断して造られる構造物をいう。床固め工には、このほか氾濫水の集水を兼ねて、流路工最上流端に設けられる、いわゆる「止めの床固め工」もある。一般に高さは5m以下で、有効落差は2~3mが多い。床固め工は貯砂機能は有しないが、河床固定、縦断勾配の緩和、乱流の防止の効果の他、河岸崩壊の防止の効果を持つ。
床止め とこどめ 落差工と帯工の総称
所沢くぬぎ山ダイオキシン問題 ところざわくぬぎやまだいおきしんもんだい 埼玉県所沢市では以前から「くぬぎ山」の焼却場を発生源とするダイオキシン汚染が心配されていたが、測定値は公表されていなかった。1995年、くぬぎ山周辺土壌と焼却灰からそれぞれTEQで100~500pg/g及び2000~4000pg/gという高濃度のダイオキシンが検出された。1999年、「株式会社環境総合研究所」が独自に調査を行い、「ニュースステーション」が所沢の野菜はダイオキシン濃度が高いとの報道を行ったことにより、所沢産野菜の不買運動が起こり大きな社会問題となった。その一方で、くぬぎ山に端を発する市民運動・マスコミ報道の結果として法整備・情報公開が進んだという成果の側面もある。これらの一連の成果は日本における環境汚染対策の転機だと考えられている。
ほうれん草には触れたにもかかわらず、狭山茶については触れず、テレビ朝日の偏向報道の一つとして有名
土砂災害 としゃさいがい 大雨や地震が誘因となって、崖が崩れたし、土砂や石の混ざった水が谷や川から流出することで人命・財産の損害をもたらす現象を指す。土砂災害の発生原因となる自然現象には土石流・がけ崩れ、地すべりの3つがあります。
土砂流 としゃりゅう  sediment flow 土砂流や泥流に対して用いられる用語で、堆積構造は層状を呈し、堆積勾配も緩く、流水によって徐々に堆積するので、家屋等に対する影響も土石流や泥流ほど大きくない。実際の土砂災害の中では現象として最も多く出現し、しばしば土石流と間違われることがある。
土壌硬度 とじょうこうど 土壌の現地での硬さのこと。緻密度・堅密度とも呼ばれる。ふつう、山中式硬度計を用いて測定される
土壌浸食 とじょうしんしょく 雨水や風の作用により、地表面の土壌などが削り取られること。現在、東京の森林の中には、適切に管理されていないために、高木が繁茂し、林内が暗くなり、地表を覆っていた灌木や下草が消失した森林が少なくない。そのため、むき出しになった林内の土壌が雨滴や地表流により削り取られて、土壌浸食がおきるという問題が生じている。
土壌診断 とじょうしんだん 土壌の改良や適切な施肥法などの指針を作るために,土壌の諸特性を調べ,問題点の有無,その状態,改善のための処方を明らかにすること.作物の生育状況,土性(砂土,壌土,埴土),土壌中の養分(腐食含量,酸度,NPK含量など),物理性(ち密度,水分,空気率など)などから総合的に判断する。
土壌肥沃度 とじょうひよくど 作物が高い収量をあげるための土の力・地力・地力保全基本計画調査では土地の生産力を以下の項目を用いて分級している。表土の厚さ、有効土層(根群域)の深さ、表土の礫含量、耕耘の難易、土地の乾湿、自然肥沃度(置換塩基容量、リン酸吸収係数、土層の塩基状態)、表土の養分の豊否(有効態窒素含量など)、有害物質、地すべりや冠水のおそれ、傾斜など。水田は他に、湛水透水性、酸化還元性が項目に加わる。
土壌微生物 とじょうひよくど 土壌中に生息する細菌,放線菌,糸状菌などの総称.腐植の集積,窒素固定,養分供給などで農業上有益になる場合と,土壌病害,脱窒,硝酸還元作用による根腐れなどで有害な場合がある.わが国の自然土壌の表層1g当たり細菌数は百万~数千万とされる.土壌中の有機物を分解し,自然界における物質循環の中で大きな役割を果す。
土壌流出 とじょうりゅうしゅつ 乾燥地帯や、大規模な森林伐採が行われている地域において、土壌が水の作用などにより流されてしまう現象のこと。一年間に世界の耕地から流出する土壌の量は240億トンに及ぶとの推計もある。
熱帯林などが伐採され表土が露出すると、熱帯地方特有の豪雨などにより、表土が浸食され流出します。また、中央アジアやアメリカ大陸では旱魃(かんばつ)によって、表土が強風で飛散するという被害も生じています。そのことによって森林の回復が阻止され、あるいは農産物の収量低下を招くなど深刻な事態が発生しています。
土石流 とせきりゅう debris flow, mud flow 集中豪雨などによって、増水した河川水や沢水が河床に堆積した土砂を一気に下流へ押し流す現象を指します。土石流の流速は速いもので時速60kmに達するものもあり、一瞬にして人家や畑などを飲み込むことがあります。土石流は川沿いを数キロにわたって移動するのが特徴です。
土石流 とせきりゅう debris flow, mud flow 掃流力によらない土砂の流れの形態の名称で、従来は山津波(やまつなみ)などと呼ばれていた。最近の研究により土砂流と呼ばれるものにも、土砂の流れ方や堆積の仕方によって狭義の土石流(debris flow)、泥流(mud flow)および土砂流(sediment flow)があることが判明している。主な特徴は、土石流は先端部に巨礫を含む岩石礫群を有し、後続流は泥流や高濃度の土砂流である。巨礫による衝撃力は大きな破壊力を持ち、直進性がある。先端部は勾配が10°~4°程度の地形の所で停止するが、後続流部は流下し、しばしば災害の原因ともなっている。堆積構造は層状を呈しない。泥流が発生する地域によっては泥流(第三紀層に多い)と火山泥流(活火山地帯に多い)とがある。ともに流下速度が早く、桜島野尻川では河床勾配1/20の流路工で約13m/secの速度が観測されている。堆積は堆積基準面からそ上する。先端部には必ずしも石礫を有しないが段波状を呈することが多い。比較的導流が可能である。流体の密度は桜島の火山泥流で1.81~1.95と測定されている。土砂流は、土石流と呼ばれる土砂の流出状態のうち最も多い形態であり、堆積の状況は層状の堆積層を呈し、流れの速度は、通常の流水とほぼ同一と考えられる。土石流に比較すると衝撃力は小さく、被害は土砂流の継続時間に関係する。導流は比較的可能である。
土石流対策ダム とせきりゅうたいさくだむ 土石流の抑止、土石流の緩和などを目的として設けられる砂防ダム。砂防ダムにより土石流に対応するには、土石流をダム堆砂域で抑止する方法と、堆砂域の長さ、勾配、広さを利用して、土石流を掃流形態にかえる方法とがある。土石流を掃流形態にかえるためには、渓床勾配を土石流の停止勾配以下にすること、渓床幅の拡大を上流河幅の3倍以上にすることなどがあげられる。土石流の抑止のためには、砂防ダム1基により、原則として計画土石流の30%以上を堆砂させるようにダムの規模を決定する。(各自治体により規模決定根拠は異なる。)
土石流堆積物 とせきりゅうたいせきぶつ mudflow deposite, debrisflow deposite 土石流が停止すると、平面的には舌状に、断面的にはマウンド状に堆積する。この堆積物を土石流堆積物という。一般的には、大礫が先端に集中し、後部ほど細粒の石礫が多くなる。土石流の量が多いと河道が土石流の土砂で埋積される。その後の出水によって土石流堆積物が次第に洗掘され深い谷となるが、一部には河道に残って段丘を形成する。この段丘を土石流段丘と呼ぶ。
土石流発生抑制量 とせきりゅうはっせいよくせいりょう 砂防堰堤の平常時堆砂区間は元の河床部の土砂は流下を抑えられる。この流下を抑えられる土砂量のことを言う。一般に土石流対策堰堤の場合には「渓床幅×堆積深×平常時堆砂区間までの流路長」で計算される。ただし、透過型堰堤の場合には見込まない。扞止量(かんしりょう)ともいう。
土石流ピーク流量 とせきりゅうぴーくりゅうりょう 土石流ピーク流量の算出方法には、降雨量に基づく方法「理論式」と流出土砂量に基づく「経験式」があるが、両方計算して大きいほうを採用する事例や、理論式のみを採用するなど、担当事務所により対応が異なる。一般に、経験式では理論式に比べて非常に大きな数値となる場合があり適当でないなどの理由があげられる。経験式が異常に大きい数値となる理由としては、もともと火山地帯のデータが多いためであることが関係している。経験式を採用する場合も、本川のみの土砂量を採用するなど、現地に見合った数値にしている例が多い。
徒長枝 とちょうし 茎や枝がひょろひょろ伸びること。水分や窒素過多、光量 不足などが原因で起こる。とくに強く伸びる枝で、よくない
トップランナー機器 とっぷらんなーきき 省エネ法(エネルギーの使用の合理化に関する法律)の中で定められている、機器の省エネ性能(エネルギー消費効率)に関する基準である「トップランナー基準」に適合する機器のこと。冷暖房機器、軽自動車、電化製品等について基準が定められている。
エネルギーを多く消費する機器のうち、省エネルギー法に基づいて指定された機器のエネルギー消費効率の基準を、各々の機器において,基準設定時に商品化されている製品のうち「最も省エネ性能が優れている機器(トップランナー)」の性能を上回るように設定する制度。1990年の省エネ法の改正で、民生・運輸部門の省エネルギーの主要な施策として導入された。基準に達しないと、ペナルティーとして社名などを公表、罰金を科される。対象となっている主な製品は、自動車やエアコン、テレビ、DVDレコーダー、パソコン、電気冷蔵庫、電子レンジ、ジャー炊飯器、蛍光灯機器、ストーブ、ガス調理器など。省エネ性能は、情報提供(小売り事業者による表示制度)が課せられていて、性能を☆印で表した統一ラベルを、2006年10月から製品に貼付している。
土場 とば 市場などに出荷する前に、木材を一時的に集積・貯蔵しておく場所のこと。
木材を森林から市場、工場まで搬出する過程で、木材を一時的に集積し、貯木する場所をいう。集材作業現場に隣接した作業土場や林道沿いに設けられる山元土場、加工施設に併設された工場土場等、場所も規模もさまざまである。
トビ枝 とびえだ 木全体の姿から見てあってない長い枝
トラクタ集材 とらくたしゅうざい トラクタで材を牽引して集材する方法で。緩~中傾斜の林地で行われる。
トランスロケーション とらんすろけーしょん trans-location 相対測位方式の一種。複数地点で同時に単独測位を行い、それぞれで求められた座標値を差し引きして基線の長さと方向を求める方法である。それぞれの地点の観測誤差の中には、GPS衛星の軌道誤差や大気、電離層による誤差のように、ほぼ共通のものがあるので、差し引き計算のときに相殺され、精度がよくなる。基線測定の精度は数m程度で干渉測位には劣るが、単独測位用受信機がそのまま利用できること、基線解析が簡単であることなどの特徴がある。なお、この用語は日本独特であるので注意。
トリコデルマ菌 とりこでるまきん ボタンタケ属菌のカビの時代の名称である。初期は白くゴマ状に中期になると緑色の文生胞子が大きくなる。榾木どうしの接触感染、土壌からの土壌感染、榾木の傷跡やシイタケの採取跡からの感染、中温で過湿からの感染(日本海の豪雪地域)など多種類ある。防除はシイタケ菌の活動を弱めない環境に整えておくことが第一である。
採りまき とりまき ロウバイなど、タネをとった後、すぐにまくこと
ドングリポット苗木 とんぐりぽっとなえぎ アラカシやコナラ、クヌギなど16種自生しているドングリのなる木から採取した実をビニール製などのポット(鉢)で2年程度育て、誰でも簡単に植林できるようにしたもの。岡山県
内水氾濫 ないすいはんらん 堤防から水が溢れなくても、河川へ排水する川や下水路の排水能力の不足などが原因で、降った雨を排水処理できなくて引き起こされる氾濫。
苗腐れ なえぐされ 苗腐れとは、発芽直後に苗が倒れる病害のこと。通常ダンピングオフという状態で、土中に住むカビの仲間によって起こる。苗立枯病ということもある。
苗立枯病 なえたちがれびょう 苗立枯病は育苗床・本ぽへの播種から本葉2~3葉期頃までの生育極初期に、主に地際部から発病し立枯れ症状を起こすもの
苗床 なえどこ 苗床とは、苗を育成する場所をいう。わく床と露地床があり、温床と冷床とに分かれる。
中目材 なかめざい 丸太の末口径(丸太の梢側の切り口)が20~28cmの木材。
流枝 なげし 枝を一本長く伸ばしたり、樹形を傾けたりする樹の仕立て方
ナショナルトラスト なしょなるとらすと 多くの市民や企業から広く資金を募り、豊かな自然環境の保護や、価値の高い歴史的な建造物を取得し管理しながら、将来に引き継いでいくことをめざした環境保護活動。野生の生き物やその棲家を確実に守る有効な手段。1895年に英国で発足したナショナルトラスト協会による運動が有名。日本では、北海道斜里町による「しれとこ100平方メートル運動」や、和歌山県田辺市の「天神崎保全市民運動」が知られている。日本の最初のナショナルトラストは神奈川県鎌倉市。1964年、鶴岡八幡宮の裏山である「御谷(おやつ)の森」に宅地開発がもち上がり、市民が募金活動に取り組んで寄付金900万円を集めた。これに鎌倉市が600万円をあわせ、1500万円で1.5ヘクタールの土地を買い取り、森を守った。現在は50団体以上が、それぞれの地域・風土に根ざして環境保全の普及と啓発、教育、まちづくりなど多岐にわたる活動に取り組んでいる。
身近な動植物の生息地や都市近郊に残された緑地などを、寄付金などをもとに住民自らの手で買い取って保全していこうとする自然保護活動のこと。この活動はイギリスが発祥の地とされている。
斜め植え ななめうえ 積雪地帯におけるスギの植栽では、斜め植えが有効です。斜め植えにすると、雪圧による根切れ、根の浮き上がり、幹折れを防ぐのに有効です。
①植栽点を中心に植生と地被物を四方に除きます。
②下枝の2、3本が埋まるぐらいの深さに穴を掘り、谷側に積まれた土を植栽木の枕となるように足で軽く踏み固めます。
③苗木を穴の中の適切な位置に置いて、根と下枝を山側の土を掘り崩して埋めます。苗木の立つ角度は、傾斜面に直角とします。
④苗木の幹の上部をつかんでゆるやかに苗木を揺すりながら足で土を踏み固め、最後に苗木の周りにリターをかぶせます。
均しコンクリート ならしこんくりーと 流路工や砂防ダムを施工する際に、掘削時、底面が転石や岩盤などによっては必ずしも平滑にならない場合がある。このときに基礎面を平滑にするために打設するコンクリートのことを均しコンクリートという。
軟白 なんぱく 軟白とは、セロリ、ウド、アスパラガスなどの栽培で、食用部分を周りから紙で包んだり土を寄せて、光・風を断ち白く栽培すること。あくが少なく、軟らかくなる。
南洋材 なんようざい フィリピン、インドネシア、マレーシア、パプアニューギニア、シンガポール、ソロモン諸島、ブルネイの7カ国から輸入される木材の総称。ホワイトラワン、イエローメランチ等。
二季咲き にきざき 二季咲きとは、春と秋の年2回、開花すること。
光周性(植物が日照時間の変化に対して反応する性質)には反応せず、中性植物に分類される。
二季咲きの性質をもつ植物は一般に低温感応せず、また休眠が浅い。そのため夏から形成されてきた花芽の一部が秋から冬にかけて花として開花するもの。狂い咲きとは区別される。
二脚鳥居型支柱 にきゃくとりいがたしちゅう 二本の柱に横木を取り付け植栽木(幹)を支えるもの。
二級河川 にきゅうかせん 一級水系以外の水系の河川、湖沼のうち、都道府県知事が管理している河川を二級河川という。二級河川のある水系を二級水系という。
二級水系 にきゅすいけい 一級水系以外の水系の河川、湖沼のうち、都道府県知事が管理している河川を二級河川という。二級河川のある水系を二級水系という。
二次的自然 にじてきしぜん 二次林、二次草原、農耕地など、人と自然の長期にわたるかかわりの中で形成されてきた自然。原生自然に人為等が加わって生じた二次的な自然。
人間活動によって作り出されたり、人が手を加えることで管理、維持されてきた自然環境のことを言います。里山を構成する水田や溜池、雑木林、採草地や放牧地などの草原などがこれにあたります。近年は、山間地域の過疎化、高齢化にともなって、人の手が入らなくなった結果、里山など二次的自然の放棄が進行してしまい、現在管理放棄後の利用についての取組みが推進されています。また、昔は普通に見ることができた水辺の生物であるメダカやタガメも、環境省のレッドデータブックで絶滅危惧II類とされ、生物の種の保存も課題とされています。
二重位相差 にじゅういそうさ double phase difference 干渉測位において、基線の両側の受信機で記録した1衛星の位相積算値の差(受信機間一重位相差)と別のもう1個の衛星による位相差の差引きをしたもの。これによって両受信機の時計の差を完全に消去できる。干渉測位では4衛星による3組の二重位相差から基線を求める。
2周波数型 にしゅうはすうがた dual freq uency model GPS衛星から発信されているL1帯とL2帯の電波の両方を受信して測位、測量を行う形式の受信機をいう。2周波数の観測を行うことにより電離層の影響を消去できる。精密な単独測位、長い基線の干渉測位には2周波数型受信機が有利である。
二次林 にじりん その土地本来の自然植生が、人為や災害によって消失した後、自然に生じた森林。いわゆる雑木林のこと。
原生の森林が伐採され、その後萌芽等により天然力で復した森林をいう。植生遷移の2次遷移からいう。
伐採や風水害などにより森林が破壊された跡に、土中に残った種子や植物体の生長などにより成立した森林のことです。
二段林 にだんりん 二層林ともいい、主に樹齢の違いによる上層木と下層木から構成される森林。
日照時間 にっしょうじかん 日照時間とは、日照のある時間をいう。日照とは、太陽からの直接あたる光をいい、大気中で散乱した光は含まない。
ニマイガワ にまいがわ シトネタケに似て7月中期より榾木の外樹皮が剥離される。30℃以上で優勢するため高温で乾燥する環境に出やすい
庭木 にわき 庭木とは、主として山野に自生する樹木の中から、観賞用として庭などで栽培される樹木の総称のこと。
根入 ねいれ depth of embedment 特に護岸工などで河床面以下に設ける構造物のことで、その長さを根入れ深さという。通常の河川においては根入れ深さは1~2mである。
根株 ねかぶ 多年草で地上部が枯れても地下部に残っている根や茎の総称。
根切り ねきり 根切りとは、土の中にスコップなどを差し込み、樹木などの根の先端を切ることをいう。木の勢いを抑え、花芽をつきやすくする、安全に移植するなどの目的で行われる。
根腐れ ねぐされ 水はけや通気が悪く、根が腐ること
根腐れとは、水のやりすぎや根のまわりの通気不良、病原菌などの原因で、根が呼吸できなくなり腐って衰弱することをいう。
軽症の場合は、腐った根を取り除き、新しい土で植え替えるとよい。珪酸塩白土や木炭を混ぜておくと防止効果がある。
根来塗 ねごろぬり 根来塗とは、朱塗りの下の黒漆が黒い模様のように見えてくるまで使われ、使うほどに味わいが出る、「根来もよう」として珍重され親しまれてきた塗り。
塗り方は、黒を塗った上に朱を塗り重ね、それを丁寧に研ぎ出します。反対色の黒地に朱模様にしたものは「曙塗り」と呼ばれます。
熱電併給 ねつげんへいきゅう コ・ジェネレーションともいう。電力と熱とを併給することをいい、発電と同時にそれに使った排熱を利用するシステム。
燃料を燃やして得られる熱を電力に変えると同時に、蒸気、熱水を暖房・給湯などにも利用するため、熱効率がきわめて高い(70~80%)のが特徴である。
熱帯雨林 ねったいうりん 赤道の近く、主に高温多雨の地に見られる森林。世界の野生生物種の約半数が生息していると言われ、世界の植物群のうちでも最も複雑な構造と豊かな種類組成をもつ。土壌の透水性が高いため、降雨は地中深くまで浸透し、ゆっくりと移動・蒸発するため、水源の涵養や山崩れなどの災害防止、下流の河川の流出を安定させる役割などを果たしている。また、地球の酸素の約40%は熱帯雨林によって生産されたとも言われる。
熱帯林 ねったいりん 概ね南北回帰線にはさまれた地域に分布する森林で、熱帯多雨林、熱帯季節林、サバナ林に大別されます。地球の「肺」として酸素供給、二酸化炭素の固定化など地球規模での環境保全・調節機能を有するとともに、極めて多種多様な動植物を育む生態系でもあります。地球上の陸地面積の約6%にすぎませんが、地球上の生物種の少なくとも半分は、熱帯林に成育・棲息していると言われており、未知の遺伝子資源の宝庫でもあります。
ネットワークモード ねっとわーくもーど network mode 干渉測位において、複数基線、複数セッションの観測を一括して解く解析方法。普通はあまり行われないが、GPS衛星の軌道追跡を併用するようなときに利用される。
根詰まり ねづまり 根詰まりとは、鉢植えなどの容器栽培にされた植物が旺盛に生長した結果、根が容器いっぱいに伸張してその後の生長を鈍らせる状態をいい、放置すれば衰弱し枯死する場合もある。植え替え、株分けなどを行う必要がある。
根鉢 ねはち 土をつけて掘り出された根のまわりの部分
根鉢とは、土や鉢から掘り出された根と、根の周りについている土の部分のことをいう。
根張り ねばり 根が縦横に伸びている具合
根張りとは、根のつき方や、伸長のぐあい、勢力の度合いのこと。
植物の生長の度合いや樹勢を判断する際には、根張りを見ることが多い。根張りがよい植物は養分の吸収が効率よく行われ、地上部も健全に育成する。「根張りがよい」などと使われる。
根伏せ ねぶせ 根伏せとは、さし木繁殖法のひとつで、根を短く切って土の中に埋め発芽、発根させる方法のこと。
根踏み ねふみ 越冬により根本がゆるんだ植栽木の抜けや倒伏を防ぐため、植栽木の周囲を踏み固めること。
根巻き ねまき 根巻きとは、樹木を移植するとき、土が落ちないようにワラとワラ縄で根の周りを巻くことをいう。
根回し ねまわし 根回しとは、樹木を移植する際に、あらかじめ根切りを行ったり、いったん根の周囲の土を掘り上げて埋め戻し、細根を発生させるなどの作業をいう。
いきなり樹木を掘り上げて移植すると、根が活着しないで枯れてしまうことがあるが、その安全策として行われる。
果樹の結実を良好にするためにも行う。
燃料革命 ねんりょうかくめい 昭和30年代の高度経済成長期にエネルギー政策の転換を指します。この頃、安価で扱いやすい原油を大量に輸入し、石油・ガス製品の生産と消費を急速に拡大しました。その結果それまでエネルギーの中心的役割を担ってきた石炭・薪炭の消費量は激減しました。
燃料電池 ねんりょうでんち 水素と酸素の化学的な結合反応によって生じるエネルギーにより電力を発生させる装置のこと。
この反応により生じる物質は一酸化二水素、即ち水(水蒸気)だけであり、クリーンで、高い発電効率であるため、地球温暖化問題の解決策として期待されている。
現在では、燃料電池自動車、家庭用の燃料電池開発など商品化に向けて各企業が努力をしている。
水素は天然界には単体としてはほとんど存在していないため、水素を得るためにはエネルギーが必要となり(例えば水の電気分解)、そのためには燃料電池で得られる以上のエネルギーが必要であり、永久機関ではないことに留意する必要がある。
農機集材 のうきしゅうざい 農業機械(農用トラクタ、耕運機、雪上車など)を利用して集材する。集材用に付属器具を使うこともある。
農業集落排水施設 のうぎょうしゅうらくはいすいしせつ 農業用の用排水の水質を保全し、農山村における生活環境を改善するためのし尿や生活雑排水などの汚水処理施設。
公共下水道計画区域外の農業振興地域などの集落を対象とし、数集落の単位で効率的に整備を図る小規模分散の集合処理方式をとっている。
農林業センサス のうりんぎょうせんさす わが国の農林業の生産構造、農業・林業生産の基礎となる諸条件等を総合的に把握することによって、農林業の基本構造の現状と動向を明らかにし、農林業施策及び農林業に関して行う諸統計調査に必要な基礎資料を整備することを目的に農林水産省が5年ごとに行う調査。
農林漁業金融公庫 のうりんぎょぎょうきんゆうこうこ 農林漁業の基盤整備,構造改善を主な融資分野とする長期低利の金融機関。農林中央金庫,その他一般の金融機関が融資することを困難とするものを融通する目的で,農林漁業金融公庫法に基づいて1953(昭28)年に設けられたもの。林業者は造林,林道の造成,林業施設の造成・取得,林地の取得などに必要な資金の融資が受けられる。
農林中央金庫 のうりんちゅうおうきんこ 農林漁業者や農林漁業者を直接または間接に構成員とする信農連,組合などの所属団体などに対し,農林地域における産業基盤及び生活環境の整備に必要な資金を融通するため,1923(大12)年に設立された特殊金融基金。林業関係資金には,森林所有者資金,低利貸出資金(生産基盤整備資金,木材流通近代化資金),普通資金,生産加工流通資金がある。
ノーマライゼーション のぉまらいぜーしょん 障害者や高齢者などを特別視しないで,すべての人が一緒に暮らす社会こそがノーマル(正常)だとする考え方のことです。
のぎ イネ科植物で、小花の護頴の先端にある針状の突起をいう。
法勾配 のりこうばい  gradient of slope 護岸工におけるのり面勾配や、ダムの上下流面の勾配をのり勾配という。砂防ダムの下流のり勾配は2分が多く、上流のり勾配は安定計算によって求められる。流路工の護岸工におけるのり勾配は、下表に示したように、護岸工の構造によって変化する。
のり勾配
構造   直高   のり勾配
3m未満 0.3以上(割)
石積み、コンクリートブロック積み 練積み
3m以上 0.4~0.6
5m未満 0.5
空積み 3m未満 0.5~1.5
石張り、コンクリートブロック張り 練張り 1.0~2.0
空張り 3m未満 1.0~3.0
コンクリートのり枠張り  2.0
蛇かご張り、連結コンクリート張り  2.0
法面 のりめん 地面の切り取りや盛り土によってできた人工的な斜面のこと。
法面保護工 のりめんほごこう1 slope protection works 植生または構造物でのり面を被覆し、のり面の浸食や風化を防止するために用いられる工法。植生によるのり面保護は雨水による浸食防止、凍上崩壊の抑制と自然環境との調和を目的とする。構造物による法面保護工の目的は風化、浸食、のり面崩壊の防止とのり面小崩壊の抑制を目的とし、植生工の不適な斜面でののり面保護に用いられる。構造物に大きな土圧が予測されるときはアンカーなどの併用も行われている。のり面保護工には各種の工種がある。

のり面保護工の工種

●植生によるのり面保護工
張芝工:種子吹付工:植生マット工:植生盤工:植生袋工:植生穴工:植生ネット工
●構造物によるのり面保護工
石張工:ブロック張工:コンクリート張工:モルタル吹付工:コンクリート吹付工:ブロックのり枠工
現場打ちコンクリートのり枠工
●その他ののり面保護工
のり面アンカー工:蛇かご工等
パークアンドライド ぱーくあんどらいど 従来都心部まで自動車を乗り入れていた通勤者等が、自宅の最寄り駅に近接した駐車場に駐車し、そこから都心部へは公共の鉄道やバスなどで移動するよう誘導するシステム。都心部への自動車の乗り入れ規制や、有料化等の施策を抱き合わせて実施すれば、その促進がより効果的となる。パーク&ライドを行うことによって自動車の走行距離が減り、二酸化炭素の排出が軽減され温暖化防止につながっていく。また、大都市の大気汚染対策、渋滞緩和などにも効果がある。
パーティクルボード ぱーてぃくるぼーど 木材を細かく切削し、これに接着剤を添加して熱圧した板状の製品。家具、建築等に利用。
ハーディネスゾーン はーでぃねすぞーん hardness zone アメリカ農務省が採用している植物耐寒性の指標。過去の最低気温の平均値から一定の温度幅を1~11までのゾーンに分類。欧米では植栽する植物を選ぶ時の重要な要素(耐寒性)の一つとして、活用している。別名、耐寒性区分
ハーベスタ はーべすた 伐採、枝払い、玉切り(材を一定の長さに切りそろえること)の各作業と玉切りした材の集積作業を一貫して行う自走式機械。(harvest:収穫する)
バイオエタノール ばいおえたのーる サトウキビやトウモロコシ、米や麦、籾殻、ウッドチップなどのバイオマス(生物)資源を発酵させてつくるエチルアルコールのこと。近年は、食品や建材などの廃棄物も利用できるようになってきた。一般に、石油や天然ガスなどの化石燃料からつくられる合成エタノールと区別されて、そう呼ばれる。バイオマスが原料なので、燃焼しても大気中の二酸化炭素(CO2)を増加させない特性をもった燃料。たとえば、ガソリンと混合して利用することで、ガソリンの燃焼時に発生するCO2排出を減少させる効果がある。京都議定書ではバイオエタノールの利用によるCO2排出は、排出量にカウントされないことになっている。化石燃料のように資源が枯渇する心配がない有機資源のため、燃料の多様化の点でも注目される。その半面、食料や飼料用に回らなくなることで穀物価格の高騰や、食糧危機を招く原因と指摘されている。
バイオセーフティ ばいおせーふてぃ 遺伝子組み換え生物(LMO=Living Modified Organism)が、生態系や生物多様性に悪影響を及ぼさないように講じる措置、あるいは考え方。遺伝子組み換え生物とは、一般的には近代的なバイオテクノロジーによりつくられたものをさし、伝統的な品種改良や接ぎ木によるものは含めない。食料などの円滑な供給とのバランスを考慮する必要が生じており、ザンビアがLMOを理由に国連からの食糧援助を断わるなどの問題も生じている。オーストラリアやカナダ、アメリカなどの遺伝子組み換え作物の輸出国は、貿易規制に反対、EU諸国は安全性を重視するよう主張している。また、「生物の多様性に関する条約」でもLMOの取り扱いが規制されており、締結国会議において「バイオセーフティに関するカルタヘナ議定書」が2000年に採択。2003年、日本も議定書を実施する法律である「遺伝子組み換え生物等の使用等の規制による生物の多様性の確保に関する法律(カルタヘナ法)」を制定している。
遺伝子組換技術等のバイオテクノロジーの利用にあたっては、環境への影響を十分に検討して、将来、人の健康への影響を含めた環境への影響が生じないよう配慮することが重要である。こういったバイオ・テクノロジーの利用にあたっての環境保全の観点からの安全性を「バイオ・セイフティ」という。国際的には、生物多様性条約第19条3に規定に基づき、締約国会議においてバイオ・セイフティに関する検討が行われている。バイオテクノロジーにより改変された生物について、生物の多様性の保全と持続可能な利用への悪影響を未然に防止する観点から、その輸出入等に焦点を当て、安全な利用が確保される方策等を規定するバイオ・セイフティ議定書の策定に向けて検討が行われている。
バイオトイレ ばいおといれ 微生物の働きを利用して、し尿を処理するトイレのこと。杉チップなどを住み家として繁殖した微生物が、し尿をえさとして取り込み、水や炭酸ガスなどに分解し、ほとんど消滅させることができる。経済的、立地条件的に下水道や浄化槽などを設置するのが難しい山岳地帯や河川公園などで導入されている。特に山岳地帯では、近年の登山人口の増加でし尿の影響が水場にも現れ始めており、バイオトイレの整備が急務となっている。富士山などに設置されている。
バイオマス ばいおます もともと生物(bio)の量(mass)のことであるが、今日では再生可能な、生物由来の有機性エネルギーや資源(化石燃料は除く)をいうことが多い。基本的には草食動物の排泄物を含め1年から数十年で再生産できる植物体を起源とするものを指す。エネルギーになるバイオマスの種類としては、木材、海草、生ゴミ、紙、動物の死骸・糞尿、プランクトンなどの有機物がある。バイオマスエネルギーはCO2の発生が少ない自然エネルギーで、古来から薪や炭のように原始的な形で利用されてきたが、今日では新たな各種技術による活用が可能になり、化石燃料に代わるエネルギー源として期待されている。総合エネルギー統計及び、電気事業法に基づく認可・届出の実績値によると、1998年度時点での一次エネルギー供給(58,910原油換算万kl)に占める新エネルギーの割合は1.2%(679.6)であり、その中に占めるバイオマスエネルギーの割合は68.7%(467.0)となっている。このバイオマスエネルギーの活用の増進を目指して「バイオマス・ニッポン総合戦略」が2002年12月に閣議決定された。
「再生可能な生物由来の有機性資源で、化石資源を除いたもの」。バイオマスは、地球に降り注ぐ太陽のエネルギーを使って、無機物である水と二酸化炭素から、生物が光合成によって生成した有機物であり、ライフサイクルの中で、生命と太陽エネルギーがある限り持続的に再生可能な資源である。
エネルギー源として活用が可能な木製品廃材やし尿などの有機物のこと。再生可能エネルギーの一つ。発酵させ発生するメタンガスを燃料として利用することもある。
バイオマスは、生物(bio)の量(mass)に由来し、「バイオマス・ニッポン総合戦略」では、「再生可能な、生物由来の有機性資源で化石資源を除いたもの」とされている。
バイオマス・ニッポン総合戦略は、平成14年12月に地球温暖化防止等を目的として、バイオマスを最大限に利活用するための具体的取組や行動計画として国が定めたもの。平成18年3月に見直しを行い、輸送用燃料などへのバイオマスエネルギーの導入促進を強化した。
バイオディーゼルとは、一般的に、動植物の油脂を加工してディーゼルエンジン用燃料としたものを指し、BioDieselFuelの頭文字をとってBDFと呼ばれることもある。漁船で使用されている化石燃料(重油や軽油)に代替可能な、植物等が吸収した炭素を循環させることにより二酸化炭素量の増大につながらないカーボンニュートラルな燃料を用いる。
バイオマスエネルギー ばいおますえねるぎー 生物体をエネルギー源に用いることです。バイオマスは、太陽エネルギー、空気、水、土壌の作用で生成されるため無限に再生が可能です。地球上で1,550億トンのバイオマスが生産され、日本では約14億7,500万トンが生産されています。
バイオマスタウン ばいおますたうん 域内において、広く地域の関係者の連携の下、バイオマスの発生から利用までが効率的なプロセスで結ばれた総合的利活用システムが構築され、安定的かつ適正なバイオマス利活用が行われているか、あるいは今後行われることが見込まれる地域
バイオマス・ニッポン総合戦略 ばいおますにっぽんそうごうせんりゃく 地球温暖化防止、循環型社会の形成等の観点からバイオマスの総合的な利活用の推進に向けて、持続的に発展可能な社会「バイオマス・ニッポン」を早期実現するため14年12月に閣議決定された戦略。その後、それまでの対策・施策の進捗状況等を踏まえ、18年3月に見直しが行われた。
バイオマス・ニッポン総合戦略 ばいおますにっぽんそうごうせんりゃく 新たな総合戦略では、バイオマス由来燃料の利用の促進、未利用バイオマスの活用等によるバイオマスタウン構築の加速化、アジア諸国等海外との連携等を図るとされている。
バイオ燃料 ばいお燃料 トウモロコシやサトウキビなどの農産物のほか、食品廃棄物などの廃棄物を原料として作り、ガソリンなどを代替する燃料。ガソリンの代替燃料となる「バイオエタノール」、ディーゼルエンジン用になる軽油の代替燃料「バイオディーゼル」が代表的。バイオ燃料は原料となる農作物などが育つ間に、温暖化の原因になるCO2 を吸収するため、バイオ燃料を燃やした際に出るCO2 排出量を相殺できるとして、注目が高まっている。ただ、近年バイオ燃料の需要が急上昇したため、原料となるトウモロコシなど食料価格が高騰し、国際問題化。食料の供給を妨げないために、食料にならない稲ワラや植物の茎を使ったバイオ燃料の研究も始まっている。
排出権取引 はいしゅつけんとりひき 京都議定書で定められた温室効果ガスの排出削減目標を達成出来ないA国(あるいは企業)が、目標を上回って達成したB国(あるいは企業)から余剰分を購入することで、自国の排出削減量を補完するしくみ。
売電 ばいでん 自宅や会社で発電した電気を電気会社へ売却すること。例えば、自宅に太陽光から発電が可能な、ソーラーパネルを設置し、自宅で消費する以上に発電した電気の余剰を電力会社へ売ることを売電(電気を売る)行為となる。売電にあたっては、電力会社との電気の売買契約、電気量を測るための売電用の電力計の設置が必要となる。
パイピング ぱいぴんぐ piping 土中の浸透水により土粒子が移動・流出して、土中に水みちができる現象。自然斜面や盛土斜面などでパイピング現象が生じ、崩壊の発生原因になることが多い。
羽柄材 はがらざい 板類、タルキ、敷居、鴨居など造作に用いられるものの総称で、柱、土台、桁などの構造材以外の製材品をいう。
葉枯らし はがらし 伐採した木を枝葉をつけたまま林内に数ヶ月放置して、葉が黄・赤変するまで自然乾燥させること。
品質(収縮、反りなどの狂いが少なく、色艶がよい)やコスト面(含水率を落とすことで搬出効率の向上)で優れているが、反面、害虫の侵入する危険がある。
パキバシウム菌 ぱきばしうむきん ボタンタケ属菌のカビの時代の名称である。初期は白くゴマ状に中期になると緑色の文生胞子が大きくなる。榾木どうしの接触感染、土壌からの土壌感染、榾木の傷跡やシイタケの採取跡からの感染、中温で過湿からの感染(日本海の豪雪地域)など多種類ある。防除はシイタケ菌の活動を弱めない環境に整えておくことが第一である。
波数 はすう wave number 搬送波位相を積算するときの単位。通常、0.01波位までの精度、すなわち長さにして2mm位まで測定する。単位はサイクル(cycle)。
派川 はせん ある川から分かれて流れる河川。派川には放水路など人工的に分岐させたものがある。
八掛け支柱 はちがけしちゅう 三本の柱で植栽木の高い位置で支持するもの。
はちまき はちまき 葉のついている枝に見られる、枝を一周する輪。モクレン科やクワ科の一部など、特定の樹種でしか見られないので、樹木を見分ける手がかりとなる。
発芽 はつが germination 種子の多くは水分を失い休眠状態であるが、一定の条件(発芽条件)を満たすと休眠状態が解除され、根や芽がでる。これを発芽という。
一般的に、発芽条件は十分な水、酸素、温度が重要であるが、植物によっては光、煙、種子につくキズなども発芽の重要な条件となる。
また、近い将来に植林を予定している場合は、果肉を取るなどの発芽までの期間を短縮させる作業も行われることがある。
伐期 ばっき 更新を前提とした林木の伐採・収穫までの期間
主伐が予定される時期。
伐期齢 ばっきれい 林木が成熟期に達し、更新を前提として伐採・収穫される年齢。
(林分が完全な成長をして、施業目的に従い成熟期に達して)主伐によって収穫する林齢をいう。
伐採届 ばっさいとどけ 普通林での伐採前の森林法に基づく市町村長への届け出制度。自己の所有林であっても、また森林育成のための伐採であっても、無届けの場合は、森林法第207条により30万円以下の罰金となります。
伐採届出制度 ばっさいとどけでせいど 森林法第10条の8に伐採の届出制が定められており,森林所有者などは地域森林計画の対象となっている民有林(保安林及び保安施設地区の区域内の森林を除く)を伐採する場合,あらかじめ都道府県知事に森林の所在場所,伐採面積,伐採方法,伐採齢,伐採後の造林の方法,期間及び樹種などを記載した伐採及び伐採後の造林の届出書を提出しなければならないことになっている。
伐採・搬出 ばっさいはんしゅつ 木材として十分育った木はチェーンソーで伐採され、集材機等で山から運び出されます。最近ではタワーヤーダ等の大型の林業機械が導入され、作業の効率化、安全化が図られています。
パッシブデザイン ぱっしぶでざいん 特別な機械装置を用いることなく、建物自体の性能によって熱や空気の流れを自然に制御し、暖かさ、涼しさの効果を得ようとする設計技法の総称。
伐倒駆除 ばっとうくじょ 松くい虫被害木を伐採・倒伏し、薬剤散布や焼却、くん蒸などの処理をすることにより、被害木の内部にいる病原体(マツノザイセンチュウ)の運び屋(マツノマダラカミキリ)の幼虫を駆除するもの。
伐倒方向 ばっとうほうこう 傾斜地にある立木の伐倒方向は、横方向または斜め下へ倒すのがふつうです。斜面の上側へ倒せば、伐倒した材が滑り落ちて作業者が危険ですし、真下の方向では、伐倒した木が地面に強く当たって材が折れたり割れたりする恐れがあります。
伐倒作業は、木を傷つけないように、次の工程である造材や集材作業がやりやすいように、そして作業者に危険がないように、行わなければなりません。
立木を倒す方向は、周囲の地面の凹凸、障害物の有無、立木の傾き、風の方向などを考慮して決めます。集材するときの都合を考えることも忘れてはなりません。
伐木造材 ばつぼくぞうざい 立木を伐採して、目的・用途にあった寸法に玉切りする作業。
葉干し はぼし 紅葉が始まった木を伐採し、葉を付けたまま放置することにより水を抜くこと
葉水 はみず 葉に水をかけること。ほこりやハダニを洗い落とす、植物の温度を下げる、空中湿度を高めるなどの目的で行われる。
葉焼け はやけ 強い光によって、葉が焼けて褐色になった状態
張芝工 はりしばこう  sodding のり面保護工の一種。小面積施工の多い急傾斜地崩壊防止工事に最もよく用いられる工法の一つである。張芝工に用いられる芝は野芝が多く、芝1枚の大きさは、36cm×28cmであり、一束10枚で1m2となる。施工に当たっては、凍上のある所では晩秋から冬にかけての施工は避けるほうが望ましい。また日照りによる芝枯れの危険性から盛夏の施工も望ましくない。
パルプ はるぷ 木材などを機械的・化学的に処理することによって得られる繊維のこと。主に製紙用原料として使用される。
半陰樹 はんいんじゅ 日照時間が短くても、明るい日陰なら問題なく育つもの
-落葉樹-
ヤマモミジ/リキュウバイ/ツツジ/オオテマリ/マンサク/モクレン/コブシ/ハナミズキ/ジンチョウゲ/ボタン/ドウダンツツジ/ミツマタ/ユキヤナギ/ヤマブキ/ハナズオウ/トサミズキ/アジサイ/ヒメシャラ/ナツツバキ/ムクゲ/ハギ/ロウバイ/ニシキギ/マユミ/ムラサキシキブ
-常緑樹-
モチノキ(ソヨゴ)/イヌマキ/イヌツゲ/ヒマラヤヤマボウシ/ツツジ/ワビスケ(ツバキ)/マザキ/シャクナゲ/キンモクセイ/レッドロビン/サザンカ/カルミア/アセビ/クチナシ/
ツタ類
セイヨウヒイラギ/ゲッケイジュ
-果樹
ユスラウメ/ヤマモモ/ナンテン
バンキング ばんきんぐ Banking、Carry over 約束期間に温室効果ガスを削減目標を上回り削減した場合、その余剰分を次の約束期間の目標達成のために使える仕組み。キャリーオーバーとも言う。
板根 ばんこん buttresses 幹の側面に発達した板状の根を板根と呼ぶ。熱帯雨林に生育する樹木には板根を形成するものが多い。イエローキャラビーンなどが板根を形成する代表的な樹木である。
熱帯雨林に生育する樹木が板根を形成する理由として、①幹が倒れないようにする支柱の役割、②貧栄養な土壌から効率的に栄養を吸収する役割、③呼吸する役割などが挙げられていている。
半常緑樹 はんじょうりょくじゅ サツキやツツジのように、春に伸びて夏に繁る春葉と、夏に伸びて一部は冬を越す夏葉の、2型の葉をもつ樹木をいう。
番水制 ばんすいせい 農家の人が自分の田んぼに引く水を、何日か交代で、水を引ける日と引けない日を決め、協力して水利用すること
搬送波 はんそうは carrier 電波を用いて情報を伝達するときのもととなる高周波。搬送波だけでは、その周波数の連続した一定のサイン波である。情報に応じて、例えば、振幅、周波数、位相に変化をつけることによって、通信の相手方に伝達する。GPSでは搬送波はL1、L2の周波数の波で、伝達すべき情報はC/Aコード、Pコード、航法メッセージである。これらの情報はすべてディジタルデータであるので0°と180°の位相変化によって搬送波に乗せる。
半耐寒性植物 はんたいかんせいしょくぶつ 0度近くまでの低温に耐え、霜が当たらなければ冬越しできる植物。
被圧木 ひあつぼく 森林が成熟する過程で、林木個々の間の生長競争に負け、優勢木に圧迫された最も劣勢な木。圧迫の程度が大きくなるにつれて枯死する。
PRNコード ぴぃあーるえぬこーど pseudo randon noise code 擬似雑音符合とよばれる0と1が、一見不規則に交替するディジタル符号列であるGPSのC/Aコード、Pコードはともに擬似雑音符号であって、0と1の配列を衛星ごとに変えることによって識別を行う。
PRN番号 ぴぃあーるえぬばんごう PRN number GPS衛星の擬似雑音符号のビット配列に関係した番号であるが、現在は衛星番号と同一に扱われている。この番号によって、受信機内部では所定の擬似雑音符号を発生して受信波形と比較して、所望の衛星を捕捉・受信する。→SV番号
B型スリット びぃがたすりっと 構造は、鋼管を組合わせた工法で、単純ながら立体ラーメン構造である。最下流型にも対応する。スリット高が6m以下での事例が多い。日鐵建材工業株式会社の製品。
ピーク流量 ぴーくりゅうりょう peak discharge ある地点で観測されたハイドログラフの最大流量を当該洪水のピーク流量と呼ぶ。砂防ダムの放水路や、流路工の断面決定にはこのピーク流量を基本に土砂混入を考慮した計画流量が用いられる。最大流量の観測値をもたない渓流におけるピーク流量の算定には、ラショナル式
Q=0.2778・fr・A
f:流出係数、r:豪雨の時間雨量(mm)、A:流域面積(km2)が用いられる。
Pコード ぴーこーど P code, protect, precision GPS 衛星から発信されている測位用電波に乗っている信号。擬似距離を測定するためのタイムマークとしての役割と、24個のGPS衛星の識別符号としての役割を併せもっている。擬似雑音符号であって、ビット率10.23Mbps、符号列の長さは時間にして1週間という長大なものである。始めはこれによって秘密を維持しようとしたが、現在は実質、公開されている。L2帯はPコードによるが、コードレス方式によるのでなければ受信できない。
ヒービング ひーびんぐ heaving 粘性土地盤の掘削工事の場合、土留壁背面の土が前面に回り込むような状態で背面地盤が沈下し、根切り付近の地盤が浮き上がって(heave)生ずる崩壊現象をいう。土留壁内外の水位差が大きいと、水圧の作用により底面付近の支持力が低下し、危険性が大きくなる。底面付近の土の透水性が高く、細粒で粒径が均一な緩い砂の場合は、底面付近の下方から上向きに水位が作用し、底面を押し上げることがある。このようなヒービングを特にパイピングと名付けている。ヒービング防止には、支持力の大きい層まで土留を打ち込むか、土留壁の根入れ深さ(土留壁の強度をチェック)を大きくする。
非越流断面 ひえつりゅうだんめん 重力式コンクリートの砂防ダムには、流水が流下する越流部と流水が越流しない構造の非越流部とがある。砂防ダムの堤長が長い場合、その経済性、施工性を考慮して越流部と形状を変えた非越流部の断面を決定することがある。この場合、非越流部の断面は上流のりが急で、下流側の下流のりが緩となるので、越流部断面に対して逆断面となると表現することがある。
ビオトープ びおとーぷ 野生生物の生息空間を意味するドイツ語で、いきものの繁殖地やねぐらだけでなく、隠れ場や移動経路も含んだ一定の空間的広がりをもった概念。都市化の進展とともに失われつつある身近な自然を都市の中に確保し、創造していくことがまちづくりの新しい課題になっている。
ドイツ語でBio(生命の)とTop(場所)の合成語です。特定の生物群集が生存できるような、特定の環境条件を備えた、均質なある限られた生物生息空間を言い、具体的には池沼(トンボ池)、湿地、里山林など様々なタイプがあります。本来は、生物が互いにつながりを持ちながら生息している空間を示す言葉ですが、特に、開発事業などによって環境の損なわれた土地や都市に点在する空き地や学校の校庭などに、人工的につくられた生物の生息、生育環境空間を指して言う場合もあります。このようなビオトープ造成事業では、特定の植物の生育環境や昆虫、魚、野鳥など小動物の生息環境を意識した空間造りが行われています。近年、都市的な土地利用が急速に進行し、沼や池、湿地、草地、雑木林などの身近な自然がなくなっていることから地方や地域単位で、ビオトープ整備が行われ、人工的に自然をつなぐ取り組みがなされています。
東アジア酸性雨モニタリングネットワーク ひがしあじあさんせいうもにたりんぐねっとわーく 東アジア地域を中心に酸性雨に対する国際協力、モニタリング、調査研究を進め酸性雨による環境への影響を防止するために設立されたネットワークのことです。
東アジアにおける酸性雨への共通理解を形成し、情報交換による各国間の協力を推進することを目的としています。日本主導のもとで、1998年(平成10年)に試行稼働され、2001年(平成13年)から本格稼働しました。
2006年(平成18年)3月現在、カンボジア、中国、インドネシア、日本、韓国、ラオス、マレーシア、モンゴル、フィリピン、ロシア、タイ、ベトナム及びミャンマーの13カ国が参加しています。事務局は、国連環境計画(UNEP)にあり、ネットワークセンターとして新潟の日本環境衛生センター・酸性雨研究センターが指定されています。
ひげ根 ひげね ひげ根とは、主根の生長が早く止まり、茎の下端あたりから多数でた細い根のこと。単子葉類の普通の根の形。
ヒコバエ ひこばえ ひこばえとは、樹木の切り株や根元から生えてくる若い芽・枝葉のこと。「ヤゴ」ともいう。
ビスタ びすた 都市景観計画等において用いられる展望,眺め,見通し等を意味する言葉です。
ヒスタミン ひすたみん ヒスタミンとは、免疫系に関係する信号伝達物質で、アレルゲン(花粉など)に反応して血液中の肥満細胞などから放出されるアミノ酸のヒスチジンから合成される一種です。鼻水、くしゃみ、目のかゆみなどのアレルギー症状(花粉症など)は、ヒスタミンが過剰に放出された状態のことです。
ヒスタミンが過剰に分泌して起こる症状には、花粉症の場合のくしゃみ・鼻水・目のかゆみ、アトピー性皮膚炎やハウスダスト、またぜんそくなどもヒスタミンの過剰が原因といわれています。
ヒスタミンが過剰になるのを抑える薬剤に抗ヒスタミン薬があり、花粉症の治療にも抗ヒスタミン剤はよく使用されていますが、眠くなるなどの副作用があります。
非耐寒性植物 ひたいかんせいしょくぶつ 寒さに弱く、加温してやらないと越冬できない植物。
一クワ植え ひとくわうえ 植栽能率を高めるために、また耕運による乾燥を最小限に防ぐために、「一クワ植え」という方法もよく用いられます。
植生と地被物を除いた後、クワを打ち込んで山側に押し付け、苗木を穴に差し込みます。この方法は掘りやすい土の場所で、競合する植生の比較的少ないところに適しています。
肥培 ひばい 肥培とは、生長期などに水と肥料をじゅうぶんに与え、強健に育てることをいう。
肥満細胞 ひまんさいぼう 肥満細胞とは、ヒスタミンなどの化学物質を含んだ大きい細胞という意味で、マスト細胞とも呼ばれ、決して肥満の人にある細胞という意味ではありません。肥満細胞は卵円形で丸々と太ったように見えるところからこう呼ばれていて、鼻の粘膜や眼の結膜はもちろん、身体のあちこちに存在している細胞なのです。
肥満細胞が関係するのは1型アレルギー(アナフィラキシー型、もしくは即時型とも呼ぶ)で、1型アレルギーの代表的疾患としては気管支喘息、花粉症、じんましん、アナフィラキシーショック、食物アレルギーなどです。
アレルゲン(花粉などの抗原)が体内に入ると、IgE抗体がどんどん作られ、ある水準を超え、再びアレルゲン(花粉などの抗原)が入って来ると、IgE抗体が抗原に対してさまざまな攻撃(抗原抗体反応)がこの肥満細胞の上で展開されるのです。
皮目 ひもく 枝や幹の表面に見られる小さな樹皮の模様。点状、線状、菱形など形は様々で、ここから気体が出入りして植物体が呼吸をする役割がある。
冷し芽だし(きのこ) ひやしめだし 芽だしの方法の一つ。浸水後直接ビニールなどのシートで覆い上から水を掛け、温度を下げる方法。主に気温の高い時期に有効
日向土 ひゅうがつち 日向土とは、宮崎県日向地方で産出される火山性の軽石。「日向ボラ」「日向砂」とも呼ばれる。
通気性、排水性がよく、保水性もある程度あるので、ラン類、山野草などの栽培に使われる。
標高の自動抽出 ひょうこうのじどうちゅうしゅつ 写真画像からディジタルオルソフォトを作成する場合、正射変換に必要な地形の高さ情報はステレオマッチングという技術で自動的に取得される。
ステレオマッチングとは、立体を構成する左右の写真画像から面積相関等により自動的に写された地形の同一場所を探索し、高さ情報に変換する技術である。この技術の開発により、ディジタル写真画像作成の自動化は急速に進んだ。
標準測位サービス ひょうじゅんそくいさーびす standard positioning service:SPS これまではC/Aコード、L1帯による一般用の測位を指していた。しかし、Pコードが実質的に開放されているので、この用語の意味は曖昧になっている。
標準地域メッシュコード ひょうじゅんちいきめっしゅこーど 一定間隔の経緯線によって地域を分割した標準メッシュに付与したコード番号のことであり、一次元の情報である「数」で、二次元の情報である「面的位置」が表現できる。
標準伐期齢 ひょうじゅんばっきれい 地域森林計画において林業経営の指導基準として定められる伐期齢をいう。標準伐期齢の定め方は、主要樹種について平均成長量が最大となる年齢を基準とし、既往における平均伐採齢を勘案し原則として5の倍数で定めることとされている。
主伐を行う標準的林齢。主要樹種について、平均的成長量が最大となる林齢を基準とし、公益的機能を発揮できる状況及び既往の平均伐期齢を勘案して定める。原則として5の倍数とし、市町村森林整備計画において定める。
標準メッシュ ひょうじゅんめっしゅ メッシュを標準化しておいて、様々な情報をそうした共通単位毎にデータ化しておけば、地域解析などに好都合である。こうした目的で定められたメッシュを標準メッシュと呼ぶ。
標準メッシュ ひょうじゅんめっしゅ わが国では20万分の1地勢図の区画の1次メッシュ、それを8x8に区分した2万5000分の1地形図の区画の2次メッシュ、更にそれを 10x10に区分した区画の3次メッシュ(経度で45秒、緯度で30秒の幅となる)などのメッシュ系が定められ、JISメッシュなどと呼ばれている。このメッシュ系は経緯度で区画が決められるから緯度によって区画の面積は異なる。これに対し自治体などでは公共座標系に基づくメッシュを用いている場合が多く、こちらは等幅メッシュなどと呼ばれる。
標準和名 ひょうじゅんわめい 植物学の分野で最も一般的に使われている和名。しかし、厳密な標準和名というのは定められていない。例えば、ニセアカシアとハリエンジュ、ムシカリとオオカメノキなどは、いずれも標準和名として使われている。
比流量 ひりゅうりょう speciffe discharge 流域の単位面積当たりの流量のことで、一般にm3/sec/km2単位で示される。ラショナル式における0.2778frを比流量と呼ぶ。流域面積が異なる流域間の流出量の比較や、性格が類似した他の流域の流量の推定に用いられる。また、比流量は、流域が少ないほど大きくなるのが普通である。
肥料あたり ひりょうあたり 肥料あたりとは、濃い肥料を与えたことにより、葉先や縁が枯れる障害をいう。ひどい場合は株ごと枯れてしまうこともある。「肥料負け」「肥料障害」ともいう。
肥料の5要素 ひりょうのごようそ 肥料の5要素とは、肥料の3要素にマグネシウム、カルシウムを加えたものをいう。
肥料の3要素 ひりょうのさんようそ 肥料の3要素とは、植物が生育するのに必要な栄養素のうち、最も大切な成分のチッ素、リン酸、カリの3つをいう。
肥料の微量要素 ひりょうのびりょうようそ 肥料の微量要素とは、肥料の成分のうち微量でもよいが不可欠な成分をいう。鉄、マンガン、ホウ素、亜鉛、銅、塩素、イオウなどがあげられる。
ピンチ ぴんち ピンチとは、伸びてきた枝先についた芽や芯を摘むこと。枝数が少ない樹木などは、芽をかきとることによって枝を多く出させることができる。「摘心」「芯摘み」ともいう。
ファイバーボード ふぁいばーぼーど 木材繊維に接着剤を添加して整形した板状の製品の総称。比重により、硬質繊維板(HB)、中質繊維板(MDF)、軟質繊維板(IB)に区分される。
ファシリテーター(環境教育) ふぁしりてーたー 単なる司会・進行役ではなく、グループなどで何かが起こるのを助け、促進する役割を担う人のこと。メンバーと「共にある」こと、援助的であること、感受性が豊かであることなどが要求される。
ワークショップなど参加型学習会の司会進行役の呼び名ですが、単なる司会進行役ではなく、学習を楽しく円滑に進める役割を担う人をいう。
環境学習の場には様々な意見や考え方を持った人が参加しますが、そのような人々が持つ多様な経験や意見をうまく引き出し、全員が主体的に学習に参加できるように促していくことがファシリテーターの重要な役割である。
ファミリー・フォレストガーデン ふぁみりーふぉれすとがーでん ファミリー・フォレストガーデンでは、森林の中で家族の皆さんが、自分の時間をのんびりと過ごしていただくとともに、森林の中で様々なアイデアを活かして、森林づくり活動や親林活動(森林に親しむ活動)を楽しむ場
フィードバック(環境教育) ふぃーどばっく この用語は、元来、自動制御回路などの電子工学の分野で用いられているもの。この分野では、アクティビティやプログラムを指導した人に対して、それを受けた人々が率直な感想を伝えてあげることをいう。アラ探しではなく、その人の成長のために行う建設的批評のこと。
フィトンチッド ふぃとんちっど フィトンとは植物、チッドとは殺すという意味で、植物が周囲の微生物から身を守るために発散しているもので、樹木からは多く出され、人間にとっては抗菌性や精神安定作用があり、森林浴の効用のひとつとされる。
植物によって作られ、他の植物や昆虫、動物に影響を与える活性物質の総称。樹木から発散される主な成分はテルペン類であり、香りが良く抗菌性を持つものや精神安定作用などを持つ活性物質が含まれている。
ロシア語で、「樹木から放散されて周囲の微生物などを殺す働きを持つ物質」を意味する。フィトン(植物)、チッド(殺す)。
樹木の香気成分であるテルペン類がこれに相当すると考えられており、森林浴の効用の源となっているばかりでなく、古くから生活の知恵として様々な場面で利用されてきた。主なものに、抗菌・防虫・防腐・消臭・脱臭効果、漢方薬・生薬としての利用などがある。
近年の研究で、肝臓の活動を高める酵素の活性化、香りによる清涼効果、生理機能の促進、二日酔い・体調不良時の頭痛・吐き気の軽減やリラックス効果(副交感神経の刺激による、精神安定・開放感を与えたり、ストレスの解消など)が、わかってきた。
風衝樹形 ふうしょうじゅけい 恒常風の影響で変形した樹形。
風致林 ふうちりん 名勝旧跡などに付随して,その景観を一層引き立てる要素となっている森林。
フーチング ふうちんぐ footing 柱や壁などの構造物の荷重が土の表面の限られた部分に集中して作用すると、土層は破壊または沈下するので、それを防止するために荷重を広い面積に分散させ、地盤または杭に伝えて支持させるように底面を広げてある基礎構造物のこと。
風媒花 ふうばいか 風媒花とは、花粉を風によって運んでもらうタイプの植物をいいます。一方、花粉を虫に運んでもらうタイプの植物を虫媒花といいます。南の地方の樹木では虫媒花をもつ植物が多いのに対し、北の地方では風媒花をもつ植物が多いのが特徴です。
一般的に風媒花は虫媒花よりも大量の花粉を作り、遠くまで運ぶので、より花粉症の原因になりやすいと考えられています。
風媒花の代表的なものとしては、スギ・ヒノキ・シラカンバ(シラカバ)・カバノキ・ハンノキ・ヨモギ・ブタクサ・カモガヤ(イネ科)などの花粉症の原因植物が多く、虫媒花の代表的なものはイチゴ、リンゴ、バラ、ウメなど、それほど花粉症患者が多くない植物が多い。
フェーン現象 ふぇーんげんしょう 湿った空気が山を越えて吹き降りる際に、風下側で気温が上がって乾燥する現象。湿った空気が山脈をのぼり雨を降らせる際には気温は100m につき0.5 度下がるが、水分を失った空気が山を下るときは100m につき1 度ほど上昇するため、風下側では風上側より高温となり乾燥する。この現象をフェーン現象と呼ぶ。日本では、主に日本海に台風や低気圧が進んだ際、山脈を越えてくる南よりの風が日本海側に吹き降りて発生する。フェーン現象が発生すると、異常高温、大火、融雪による洪水などを引き起こす。
フォワーダ ふぉわーだ 林地内の丸太を林道端等まで積載・集材する車両機械で、ハーベスタと組み合わせて使用されることが多いです。
深植え ふかうえ 深植えとは、苗や球根を深く植えることをいう。
拭漆 ふきうるし 拭漆とは、木地に生うるし(精製しないナマのうるし・透明)を直接摺り込み、余分な漆を拭き取り、乾いたら磨く工程を繰り返す塗りの技法。摺漆(すりうるし)とも言います。木地に漆がしっかりしみ込むので丈夫、木目がきれいに浮き出るのが特徴です。
副芽 ふくが 副芽とは、主芽に寄り添うようについた主芽よりちいさい芽のこと。主芽が順調に生育すると芽吹かないが、主芽が生育しなかった場合に主芽と交代する。
輻射熱 ふくしゃねつ 輻射熱とは、太陽の直射熱で熱くなった壁や床などから照り返される熱のことをいう。
複層林 ふくそうりん 樹齢の異なる樹木群が、同一の土地の上に混在して生育している森林のこと。樹木の枝葉部分が上下2層以上で構成されており、上層の樹木を伐採しても下に次世代の樹木が生長しています。そのため水源かん養機能等の森林の公益的機能が継続的に発揮されます。
人工更新により造成され、樹齢、樹高の異なる樹木により構成される森林。上層木の伐採後、裸地にならない利点があるが、下層木の成長が遅いことや育林や伐採コストが上昇する欠点がある。
複層林施業 ふくそうりんせぎょう 原則として人工更新により造成した森林において、森林の構成する林木を部分的に伐採し、人工更新により複数の樹冠層を有する森林(施業の関係上一時的に単層となる森林を含む)を造成する施業。
福田ビジョン ふくだびじょん 福田康夫首相が、洞爺湖サミットの開催前の2008年6月9日に発表した地球温暖化対策の柱となる将来像。長期目標として、世界的には2050年までに温暖化ガスを現状より半減。日本では60~80%の削減を掲げている。
具体的な政策として、(1)革新技術の開発と、省エネや再生可能エネルギーの普及など既存の先進的技術のさらなる活用(2)排出権取引や地球環境税の導入など、国全体を低炭素化に動かしていくための仕組みづくり(3)「地産地消」の促進など、地方の活躍(4)国民一人ひとりが低炭素化社会の実現の意義や重要性を認識し、行動すること。国民主役の低炭素化――が4本柱。
福田首相は、「産業革命後につくりあげられた化石エネルギーへの依存を断ち切り、『将来の世代』のための『低炭素社会』へと大きく舵を切らなければいけない」と、決意を述べている。
(出典:「低炭素化社会・日本」をめざして福田首相の記者会見から)
副ダム  ふくだむ1 counter-dam ダム工において、主ダム下流部の洗掘防止のために設けられる工法。一般に主ダム、副ダムともに岩盤上に設けられ、ウォータークッションにより自由落下水脈の衝撃力を緩和させ基礎の保護を目的として施工される。副ダムの位置は経験により
L=(1.5~2.0)(H1+h0)
H1:水叩き天端から本ダム高、h0:本ダムの越流水深、L;本・副ダム間の長さ、で示される。また、副ダムの高さは
H2=(1/3~1/4)H0
H0:ダムの堰高、H2:本ダムと副ダムの重複高、で示される。砂防ダムの堤高が高く、越流水深が大きい場合には、副ダムの堤高も大きくなる。そこで下流の洗掘防止対策として、第2副ダムや沈床、ブロックなどの護床工を施工する場合もある。
覆土 ふくど 覆土とは、球根を植えたり種を播いた後その上に土をかけること。一般的な目安としては、種の直径の2~3倍の厚さが適当だが、好光性種子には覆土は行わない。
不在村森林所有者 ふざいそんしんりんしょゆうしゃ 自分の森林の所在する市区町村の区域に居住していない森林所有者。県内の森林面積の約10%が不在村森林所有者により占められている。
所有する森林とは別の市町村に居住する個人又は主たる事務所のある法人。
ふし 幹が太くなるにつれ、枝が幹の中に包み込まれた部分。
附属書I国 ふぞくしょいちこく ANNEXⅠ country 気候変動枠組条約(FCCC)で規定される先進国および旧ソ連、東欧諸国を指し、温室効果ガスの削減やさまざまな報告の義務を負う。
UNFCCCの附属書Ⅰに記載された締約国。先進国と経済移行国からなる。途上国に先行して温室効果ガスの排出削減に関する義務を負う。
附属書A ふぞくしょえ ANNEX A 京都議定書の附属書の一つ。対象とする温室効果ガスの種類と発生源分野のリストが掲げられている。
附属書II国 ふぞくしょにこく ANNEXⅡ country 気候変動枠組条約(FCCC)で規定される先進国(OECD加盟国)のこと。温室効果ガス削減やさまざまな報告義務のほか、途上国への資金提供などの義務を負う。
附属書B ふぞくしょびぃ ANNEX B 京都議定書の附属書の一つ。締約国およびその排出削減数値目標のリストを掲げる。ここに掲げられている国を付属書B国という場合もある。
付属書B国は、京都議定書の附属書Bに記載された、排出削減を数量的約束している国。
負担分任の原則 ふたんぶんにんのげんそく 租税原則(地方税の特別原則)のひとつ。「地方税は、住民が広くその共通費用の負担を分かち合う税であることが望ましい」という原則。
付着根 ふちゃくこん 付着根とは、よじのぼり植物の茎から出る気根の一種のこと。樹幹や壁面などに密着させて張りつく。キヅタなど。
普通河川 ふつうかせん 一級河川及び二級河川以外の河川、湖沼、水路などで、市町村長が管理している区間を普通河川という。このうち改修などを進めるために特に指定したものを準用河川という。
普通林 ふつうりん 制限林以外の森林で、法令で立木の伐採規制のある森林を除いた森林。
ふで ひと続きとなって所有された土地の最小単位を筆と呼ぶ。その境界が筆界である。
不定芽 ふていが 徒長枝に多い、変なところから現れる芽
不定芽とは、茎などが損傷を受けたとき、茎の先端や葉腋以外の部分からでる芽のこと。葉や根の一部からでるものもある。さし木などで、枝茎が切断されたときに発生しやすい。
不定根 ふていこん 本来発生しない場所から発生する根系で、枝や幹からも発生する。
不定根とは、枝や茎の節や節の間、葉柄などから出る根のこと。不定とはいっても、それぞれ出るところは決まっている。
筆界 ふでかい ひと続きとなって所有された土地の最小単位を筆と呼ぶ。その境界が筆界である。
不透過型堰堤 ふとうかがたえんてい 砂防堰堤の形式の一種。上流から流れてくる土砂を堰堤に貯めて土石流などの災害を防止する形式。堰堤の上流側が土砂で埋まった状態(満砂)で効果を発揮するよう計算されている。
懐枝 ふところえだ 幹に近い部分で内側に向かって出る小枝のこと
樹冠を形成している幹や主要な枝に混じって生じた弱小の枝をいいます。
布団蛇篭 ふとんじゃかご  gabion works 鉄線、竹、柳などを用いて四角のかごを編み、中に玉石または割石を充填して作る蛇かごの一種。粗度が大きく、屈撓性に富むので、護岸の根固め工、床固工、水叩工などに用いられるが、一般には耐用年数は10年以下である。
腐葉土 ふようど 落葉を堆積して発酵させて腐らせた土。
通気・排水性が良い
ふりかえり(環境教育) ふりかえり それぞれの活動(アクティビティ)をやりっ放しにしないで、自分がそれを経験してどう感じたのかを振り返って書き留めてみること。
プレカット ぷれかっと 我が国の伝統的建築工法である木造軸組工法による建築を行うに当たり、建築部材工場であらかじめ柱、梁、桁などの接合部の刻み加工を施すこと。大工技能者不足への対応、部材加工コストの低減化、住宅の工期短縮等を図ることが可能となる。
プレカット ぷれかっと 住宅等の建築に必要な柱、梁などの部材を工場であらかじめ加工すること。
フローティングダム ふろーてぃんぐだむ floating dam 砂防ダム基礎部は一般に岩盤であることが望まれるが、ダム高15m以下の砂防ダムに限っては、基礎が岩着しない砂礫層上にダムを築造することがある。このダムを岩着している基礎を持つ砂防ダムに対して、フローティングダムと呼ぶ。フローティングダムの場合には前庭洗掘により転倒する恐れがあるので、前庭保護には十分注意が必要である。
プログラム(環境教育) ぷろぐらむ コンニチワからサヨウナラまでの起承転結のある一連の時間の流れ。いくつかのアクティビティとその接着剤の組みあわせでプログラムが構成される。
プログラムデザイン(環境教育) ぷろぐらむでざいん コンニチワからサヨウナラまでの数時間から数日間をどのように過すか構成(デザイン)すること。時間を組み立てる/構成する作業のこと。
プロセッサ ぷろせった 枝が付いたまま集材された木を、枝を払って一定の長さの丸太に切る(造材)工程を行う機械です。
ブロックⅠ ぶろっくいち BlockⅠ GPS の実験段階であった1972年2月以降1985年10月までに打ち上げられた11個の衛星(そのうち1個は打ち上げ失敗)。1992年現在、それらの半数は故障したり停止しているが、まだ数個が稼動していて、測位に利用されている。ブロックⅡの衛星の配備が完了次第、退役することになっている。
ブロックダム ぶろっくだむ block dam 屈撓性を持たすためブロックによって築造されるダム。その性質上地すべり地でのダムに用いられている。またブロック継ぎ足しによって容易にダムの形状を大きくすることができるため、災害復旧工事などでも用いられている。しかし衝撃力に対応するには不適当で、土石流対策用のダムには向かない。また、基礎部の細粒砂の流出による形状変化が生じやすい。ブロックの大きさは積み重ねが可能な範囲で大きくするが、通常5t/個程度が用いられている。
ブロックⅡ ぶろっくに BlockⅡ 1989年2月以降打ち上げられているGPSの実用機。基本的にはブロックⅠ衛星と同じ規格であるが、搭載原子時計の数、電源の容量等が増強されている。
ブロック割 ぶろっくわり block 砂防ダムのコンクリート打設は、打ち継目と収縮継目によって行われる。この継目によるコンクリートの区切りをブロック割という。ブロック割の大きさはダムコンクリートのひび割れ防止とコンクリート打設能力、水替え施設、ダムの構造などを考慮して決定される。また、現場の事情で変更する例も多い。人工冷却の行われない砂防ダムの場合、ひび割れ防止の観点から1.5m以下のブロック割が適当である。
文化的効用 ぶんかてきこうよう Cultural 生態系がもたらす、文化や精神面での生活の豊かさを指す。
精神、宗教的な価値を支え、知識、教育、インスピレーションの土台、レクリエーションや美しい物の提供
生態系に由来する人類の利益となる機能(生態系サービス)の4つのうちの一つ
分収林制度 ぶんしゅうりんせいど 森林の土地所有者と造林又は保育を行う者の2者、あるいは、これらに費用負担者を加えた3者で契約を結び、植栽や保育等を行い伐採時に得られた収益を一定の割合で分け合う制度。分収林は、植林の段階から契約を結ぶ「分収造林」と育成途上の森林を対象に契約を結ぶ「分収育林」に大別。
分班 ぶんぱん 森林の位置と施業の便を考え「森林計画図」上に設定した森林区画の単位で、森林の植生を単位とした森林の区画の最小単位(分班の集合体を小班という。)
平均渓床勾配 へいきんけいしょうこうばい 砂防堰堤を計画する上で、計算の元となる主渓流の平均勾配のこと。一般に計画位置から上流200m前後までの平均勾配を表す。その数値を使って砂防堰堤の安定計算など構造を決定するために用いられる。計画当初では測量図がないため、1/2500地形図などを使って縦断図を作成し渓床勾配を割り出し、概略で堰堤の構造を決定する。
米材 べいざい 米国及びカナダから輸入される木材の総称。ベイマツ(ダグラスファー)、ベイツガ(ウエスタンヘムロック)等。
平常時堆砂勾配 へいじょうじたいしゃこうばい 不透過型堰堤の通常堆積するであろう土砂の範囲を表した勾配のこと。土石流対策堰堤では平均渓床勾配の1/2、流砂調整堰堤では平均渓床勾配の1/3としている。図上で表される線のことを平常時堆砂線、その範囲のことを平常時堆砂域(へいじょうじたいしゃいき)という。
平地林 へいちりん 定義は,調査・研究の目的によって,また各県によって異なるが,茨城県では昭和52年より標高150m以下でかつ傾斜15度以下の森林と定めている。原則として市町村を単位とし,その森林面積の市町村の全森林面積に対する割合が70%以上の市町村を平地林地域とし,水戸市をはじめ63市町村(ただし,つくば市は旧筑波町地域を除く)がこれに該当する。
山地を除く、概ね標高が200m以下の平地部の森林で、そのほとんどは、雑木林、社寺林、屋敷林などの二次林である。
ヘゴ棒 へごぼう ヘゴ棒とは、木生シダの一種のヘゴを材料に棒状に乾燥させたものをいう。支柱などに使用される。
ヘリコプタ集材 へりこぷたしゅうざい 林道から遠い林地からの搬出にヘリコプタが利用されている。高品質の材で、出材量がまとまっている場合には経済的に成り立つ。
ヘルス へるす health GPS独特の用語であって、衛星から発信されている航法メッセージの中に「ヘルス」という情報があって、当該衛星の状態が正常であるかどうかを利用者に知らせる。これによって、その衛星の利用の可否を判定する。
ベルリンマンデート・アドホックグループ【温暖化対策】 べるりんまんでーと・あどほっくぐるーぷ Adhoc Group of Berlin Mandate:AGBM 1995年3月にベルリンで開催された気候変動枠組み条約第1回締約国会議での決定(ベルリンマンデート)に基づき、2000年以降の地球温暖化防止対策を規程する議定書等を検討した会合のこと。COP3までに8回開催された。
ペレット へれっと おが粉等を15mm程度の小さな円筒状に成形したもので、ストーブ・ボイラーの燃料として使用。
編成 へんせい 地域森林計画を作成する業務を編成と呼ぶ。森林調査を行い、森林簿等を作成し、地域森林計画書を作成するまでの一連の業務をいう。
保安林 ほあんりん 災害から国土を守り、良質で豊富な水資源をかん養し快適な生活環境と良好な自然環境の保全など、特定の公共目的を達成するため、森林法に基づき農林水産大臣、知事が指定し、一定の制限が課せられている森林で、水源かん養、土砂流出防備など17種類ある。
水源のかん養等特定の公共目的を達成するため、農林水産大臣又は都道府県知事によって指定される森林。伐採や土地の形質の変更が制限される。
水源のかん養機能、土砂の流出その他の災害の防備、レクリエーションの場の提供など、特定の公共目的を達成するため、森林法に基づいて一定の制限が課せられている森林です。土砂崩壊防備、飛砂防備、防風、魚つき、風致、保健など、17種類の保安林があります。
保安林整備計画 ほあんりんせいびけいかく 農林水産大臣が流域別に保安林の配備、森林施業、管理に関する基本方針や治山事業等保安林の機能確保のために実施する事業の展開方向などを定めた10年間の計画。
保安林率 ほあんりんりつ 天然林や人工林等の森林面積に対しての保安林の面積の割合のこと。
なお、保安林は、森林法に基づき、水源のかん養、土砂の流出の防備、魚つき、公衆の保健などの目的を達成するため農林水産大臣又は都道府県知事が指定した森林で、伐採・土地の形質変更などが制限される。
保育 ほいく 植栽終了後、育成の対象となる樹木の生育を促すために行う下刈、除伐等の作業の総称。
育成する目的樹種の成長を促すために行う作業の総称であり、下刈り、雪起こし、除伐、つる切りなどの作業がある。林木の生長を助ける作業をいう。下刈り、雪起こし、除伐、つる切りなどの作業がある。
保育間伐 ほいくかんばつ 育成段階の森林を、適正な密度にするよう間伐するが、間伐材を利用しないものをいう(切り捨ての間伐)
ボイリング ぼいりんぐ boiling お湯などが沸騰する意味の英語"boiling"が語源であり、根切り底面付近の砂地盤に上向きの浸透流が生じ、この水の浸透力が砂の水中での有効重量以上になった場合に、砂が持ち上げられ、沸騰した状態で破壊する現象をいい、クイックサンドと同一現象である。このほか、支柱や杭などのまわりから被圧が噴出してボイリングを起こすことがある。ボイリング防止には、ウエルポイントなどにより地下水位を下げ、浸透力を弱めるか、注入工法などにより、地盤を強化するとともに、難透水性の地盤にする方法などがある。
萌芽更新 ほうがこうしん1 樹木を伐採した後に株から発生する萌芽を成長させ、森林の世代交代を図る方法。
萌芽更新 ほうがこうしん2 薪炭林として利用されていたクヌギ林やコナラ林は、この方法で更新されていた。
防火樹林帯 ほうかじゅりんたい 森林火災発生時の延焼を防ぐために防火性、耐火性の強い樹種により林縁や林内に設けられる樹林帯、樹種としては常緑広葉樹のヤマモモ、サンゴジュ、アオキ、モッコクが多く使われる。
萌芽小幹 ほうがしょうかん 萌芽から成長して木質化して幹になったもの。
方形植え ほうけいうえ 正方形植え(一般には方形植えと呼ぶ)は平地ではよいのですが、傾斜地では上下方向の空間が小さくなります。しかも傾斜地では、樹冠は谷側の部分が発達し、樹冠の山側の部分は、その上の木の樹冠の谷側の部分によって侵食されます。したがって、上下方向に距離の長い「矩形植え」は傾斜地で有効です。
防根層 ぼうこんそう 耐根層ともいい、樹木の根が生長して防水層を破ることを防ぐ目的のものをいう。
法人の森林(もり)制度 ほうじんのもりせいど フィランソロピー活動としての森林づくり、社員教育の場としての森林づくり等、法人が、国土の保全や生活環境を守ること、森林資源の造成を図ることを目的として森林を作るための分収造林契約のこと。森林資源の造成を図ることを目的に農林水産省・林野庁が推進している。企業が社会貢献活動を実施するための場として、林野庁が国有林の一部を提供し、企業と林野庁が共同で森林を造成・育成する。H16年時点で、1864ha,399カ所が「法人の森林(もり)」に設定されている。
放水路 ほうすいろ 河川が曲がっている所を直線的にするなど、洪水を安全に速く流下させるために人工的に開削する水路。海、湖、違う川と繋ぐ水路を「放水路」、同じ川を繋ぐ水路を「捷水路」という。
法正林 ほうせいりん 毎年一定した収穫の出来る要件を完備した森林のことをいう。
材積収穫が計画に基づいて毎年正しく継続できる条件を備えた森林。経営目的に従って林木を伐採しても,その森林の生産力を保続することができる森林をいい,こうした状態を法正状態という。①法正齢級(伐期までの各年齢の立木が同面積ずつ存在すること),②法正林分配置(各林分の位置的関係が経営目的に適切であること),③法正蓄積(毎年,均等な材積収穫ができる森林),④法正成長量(法正蓄積による成長量)の4つの条を必要とする。
法線 ほうせん alignment 構造物の平面的な配置を示す線。流路工計画においては、流路の法線は重要な一要素である。一般に、砂防流路工の法線は直線形が望ましいとされている。特に河床勾配が1/30より急な場合、S字の法線はできるだけ避けるべきである。
放送暦 ほうそうれき broadcast ephemeris GPS衛星の航法メッセージの中にある、その衛星自身の軌道要素。これをもとに、衛星の位置を計算して測位計算を行う。
放牧地 ほうぼくち grazing land 動物(家畜および野生動物)により採食される,あるいは採食される潜在性をもつあらゆる植生地。この用語は包括的で,動物に採食されうるすべての土地の種類および型を含む。
穂木 ほぎ 穂木とは、接ぎ木で殖やすときに、台木に接がれるほうの枝をいう。挿し木の場合は区別して「さし穂」ともいう。
北洋材 ほくようざい ロシアから日本に輸入される木材の総称。北洋カラマツ等。
保健文化機能 ほけんぶんかきのう 文化的,教育的,保健休養的な諸活動のための場の提供,感銘を与える優れた自然環境の維持,形成等を通じて,人間の精神的,肉体的な健康の維持,増進や資質の向上に寄与する働き。また,原生的な環境の保護,貴重な動植物の生息の場の保存等を通じて,森林生態系を構成する生物の遺伝子資源を保全するとともに学術の振興に寄与する働き。
保護樹(林)帯 ほごじゅりんたい 山地災害防止や植栽木の保護のため、前生樹の一部を等高線に沿って帯状に残した樹林帯をいう。
保護林制度 ほごりんせいど 原生的な天然林や、貴重な動植物の保護、遺伝資源の保存等を目的として、区域を定め、禁伐等の管理経営を行うことにより、森林を保護する国有林野事業の制度。森林生態系保護地域、植物群落保護林等。
国有林において,学術の研究,貴重な動植物の保護,風致の維持等を目的として区域を定め,禁伐等の管理経営を行うことにより,森林を保護する制度。平成元年には,「森林生態系保護地域」の設定等を含む保護林の再編・拡充が実施された。
母材 ぼざい 土壌に含まれる鉱物粒子の素となる岩石
母樹 ぼじゅ 天然更新や人工的な苗木生産に必要な種子等を供給する親木。一般には、遺伝的に優良な個体を母樹とする。
補植 ほしょく 新植後に発生した枯損苗木を補充するために行う植付けを補植という。また、天然更新が不十分な林地に対する植付けも補植という場合がある。
保全生物学 ほぜんせいぶつがく 基礎生物学分野と、社会科学の成果を応用しつつ、生物多様性の保全という具体的成果を目指す学問。従来の生物学との違いは、森林開発や野生生物の利用など、人間活動とのかかわりを分析すること、調査研究だけでなく、対象とする生物の個体数回復や、それをとりまく生態系回復など具体的課題に焦点を当てていることなどである。
保続 ほぞく 収穫が毎年連続してあることをいう(収穫の保続)林業経営が連続的に出来ることを保続経営ともいう。
保存樹 ほぞんじゅ うるおいある都市の緑のシンボルとして、重要な役割を果たす巨木・古木を、市の基準に基づき、保存樹として指定している。保存樹は、次世代に引き継ぐ貴重な財産であるため、健全な生育ができるよう樹勢の診断や保護等を行っている。
保全すべき松林 ほぞんすべきまつばやし 保安林に指定されている松林とか、美しい景観を形成し松以外の樹木ではとってかわることの出来ないような役割を果たしている松林を他の松林と区分しており、この松林では松くい虫の被害が蔓延しないように各種防除措置を実施している。
榾木 ほだぎ クヌギ、ナラなどに種菌を植えた後の原木のこと
ホットスポット ほっとすぽっと 絶滅危惧種(RDB 種)が特に多種生息する地域。地域固有種の多い南西諸島などや、高山、奥山の自然地域、また、平地から丘陵地にかけての農地や二次林など、人の生活域に近い場所に多く分布していることが注目され、水系をまとまりとした分布も多く見られる。健全な生態系を維持・回復し生物多様性を確保するためには、捕獲や採取の規制等により、RDB種を種として保存することに加え、ホットスポットを面的に保全するための対策が必要であると考えられる。
ポット苗 ぽっとなえ ポット苗とは、ポリエチレン製などの鉢(ポット)に植えられた苗のこと。花壇やコンテナに定植して育てる。
ポット苗は掘り取りによる根の痛みはなく、輸送や植え付け作業中の根の乾燥もないために、小さな苗から比較的大きなものまで、どのようなものを植えても活着は容易です。
ポット苗の場合は、比較的細長いものでもよく、むしろある程度細長いものが、林地で雑草木との競争で上に抜き出るために有利です。(ただし、そのような細長い苗木は積雪地帯には適しません。)
大型のポット苗は非皆伐施業に有効です。
林内で風の影響が少なく、日陰で雑草木の生長が遅いので、背丈の高い苗を植えると下刈りを大幅に軽減でき、あるいはほとんど下刈りをしなくてすむ場合もあります。
ポット苗植栽 ほっとなえしょくさい ポットをつけたまま植栽する場合(ジフィーポット)は、ポット内の土の高さと植栽後の周辺の土の高さが同じになるか、ポットが埋まる程度までの深さで植栽します。
ポットを外して植栽する場合は、根鉢(鉢土)を崩さないように注意しながら、根鉢の上面と植栽後の周辺の土の高さが同じになるように植栽します。
ジフィーポットの場合も、ポットや根鉢の大きさだけ穴を掘って埋めるのではなく、それよりも少し大きめに掘るのが望ましいでしょう。これは、穴の中が過湿になるのを防ぐためです
ポドゾル ほどぞる 寒冷で湿潤な気候化にある亜高山帯、亜寒帯、冷温帯の森林で、強酸性腐植の有機酸により、鉄、アルミニウムなどが土層の上部から下層に溶脱集積することによって生成される酸性の強い土壌。日本では北海道の北部地帯、中部地方以北の高山地帯のヒバ、ヒノキ、コウヤマキの樹林下に見られる。
寒冷湿潤な高標高域の針葉樹林帯に出現し、酸性が強いため、土壌中の鉄やアルミニウムが溶脱し、下層に集積する。灰白色を呈し林木の生長は悪い。
保肥力 ほひりょく 保肥力とは、土が持つ肥料成分を保持する能力のこと。保肥力があることを「肥料持ちがいい」などといいます。
ほふく性 ほふくせい ほふく性とは、植物が地面を這うように生長する性質のこと。這い性ともいう。
ほふく性植物は、草丈自体は低いままで、茎またはほふく茎を横方向に伸長させる。イチゴ、シバザクラ、スイートアリッサムなどがあげられる。タイムは立ち性とほふく性の両方がある。ランナーもほふく性の一種。
掘込河道 ほりこみかどう 流路工を施工する際に護岸天端を周囲地盤と同一もしくはそれより低い所に位置させる。流路工が周囲より低いため掘込河道と呼ぶ。これは洪水流を安全に流下させる目的で施工されるものであるが、掘込河道による短所、すなわち地下水位の変化、自然環境の変化などにも十分配慮する必要がある。
ホルムアルデヒド ほるむあるでひど メタノールを酸化すると生じるアルデヒド。融点 -92 ℃、沸点 -19.3 ℃。刺激臭を持つ。接着剤や樹脂の原料として広く使われる。粘膜を刺激し,炎症を起こす
ホロニックエネルギーシステム ほろにっくえねるぎーしすてむ その語源である「ホロン(HOLON)」とは、英国の哲学者アーサー・ケストラーが1970年代に提唱した概念で、ギリシャ語の「ホロス(HOLOS)」(全体)と「オン(ON)」(個や部分)の合成語です。その意味は、すべてのモノは、全体の一部分「構成要素」でありながら、それ自体がひとつの「全体」でもあるという考え方であり、日本語では、「全体子」と訳され、「個と全体の有機的調和」という意味で用いられています。その概念をエネルギーシステムに適用したものがホロニック・エネルギーシステムです。具体的には、分散型エネルギーシステムの最適な導入規模・形態・運用などについての設計技術、コージェネレーションに加え、風力・太陽光・バイオマスなどの再生可能エネルギーの利用やエネルギー貯蔵、熱利用などのシステムを構成する要素技術について個々にまた全体として調和をとりながら研究開発を行うというもの。
本数調整伐 ほんすうちょうせいばつ 過密化により保安林機能の低下した森林に対し、林内環境の改善を目的として、上木の立木密度を調整するために行う選択的な伐採。
本川 ほんせん その水系を代表する河川。本川は一般的に水量、長さなどが同一水系の中で、最も大きい場合が多い。
マイクロカッティング技術 まいくろかってぃんぐぎじゅつ 2~3年たった苗木から、その穂先から穂を取って挿し木にして増やしていく方法。
従来なら、採種・採穂園を10年ぐらい掛けて造成。時間を短縮
毎木調査 まいぼくちょうさ 一定地域の立木全体について1本ごとに測定し記録すること。
巻き立て作業 まきだてさぎょう 巻き立て作業は、集材した丸太を同じ材種や同じ長さごとに仕分けして、はい積みする作業です。
巻きひげ まきひげ 巻きひげとは、自立しにくい茎を持つ植物が、その体を支持するために葉や茎を変形させ、ほかの植物やものに巻きつき支えるようになった器官。
エンドウのように複葉の小葉が変形したもの、サルトリイバラのように托葉が変形したものは、葉性巻きひげと呼ばれる。
また、フドウのように茎が変形したものは、茎性巻きひげと呼ばれる。
真砂土 まさつち 真砂土とは、花崗岩が風化した土のこと。主に中部以西で産出する。砂と単粒の粘土からなり、重く、団粒化していないので排水性、通気性に劣る。山砂の一種であり、中部、関西地方で山砂というときは真砂土を指す。
マッカーサーの置き土産 まっかーさーのおきみやげ 1961年に日本で初めて花粉症と確認されたブタクサ花粉。このブタクサはアメリカからの帰化植物で、戦後、アメリカ駐在軍が日本へ来た際に持ち込んだため、マッカーサーの置き土産と呼ばれるようになりました。
松くい虫抵抗性マツ まつくいむしていこうせいまつ マツ枯れの主な原因とされている「マツの材線虫病」に対して、被害が激しい箇所で枯れずに残っているマツを選抜・育成し、造成した採種園から育てたマツであり、一般のマツより「マツの材線虫病」に強い。
マツノザイセンチュウ まつのざいせんちゅう 北アメリカから入ってきた長さ1mmほどの線虫。マツノマダラカミキリがマツをかじった時にマツノザイセンチュウがマツの内部に侵入して増殖し、最終的にマツを枯らしてしまう。
間詰コンクリート まづめこんくりーと 基礎が岩盤の場合、堰堤の掘削面を保護するなどの目的のために施工される。堰堤と掘削面の隙間を埋めるコンクリートなので間詰コンクリートと呼ばれる。通常、間詰コンクリートは、堰堤本体と同時に打設される。砂礫層の場合には、間詰コンクリートは施工せず、擁壁などの埋戻しにより対応する。
間引き まびき 間引きとは、野菜や草花を直播きしたときに、適正な栽培間隔をとるため、育成中の混み合った苗の一部を抜き取ること。
競合をさけ、生育を促進させるために行う。このとき不良苗も同時に除去する。
また、間引きは一度に行わず、数回に分けて行う。
丸太の種類 まるたのしゅるい 小丸太(直径14cm未満)
中丸太(直径14cm以上30cm未満)
大丸太(直径30cm以上)
マルチ まるち 作物を栽培するときに地表面を被覆すること,またはその被覆するもの.わら,草,ポリエチレンフィルム,紙などを用いる.地面からの蒸発を少なくする,地温変化の抑制(過高温・低温の防止),土壌浸食の防止,雑草防除などの効果がある。
マルチング まるちんぐ mulching マルチングとは、株の地際の土の表面をポリエチレンフィルムや稲わら、腐葉土などによって覆うこと。
雨水による土壌浸食の防止、乾燥防止、冬の防寒、夏の防暑、雑草の発生防止、泥はねを防止して病気の発生を防ぐなどを目的とする。
マングローブ林 まんぐろーぶりん Mangrove 熱帯地方の河口付近、湖の干満の影響を受ける海岸地帯に生息する特殊な植性。オヒルギ、メヒルギ、ニッパヤシなどの樹種で構成されるマングローブの林床は、多数の木根が絡みあい、エビやカニなどの水棲動物の生息地となっている。また、陸域拡大の最前線としての位置を占めており、サンゴ礁とならんで、インターフェース地生態学の主要な研究対象の1つにもなっている。
マングローブは、河口汽水域(淡水と海水が混雑している場所)の塩性の湿地に生育する。対塩性があり、胎生種子や支柱根などが特徴である。
波がある場所では生育せず、主に川の河口域に成立するが、波当たりがなければ、普通の海岸でも生育する場合がある。
マングローブが成立している場所は泥がたまりやすく、酸素不足におちいりやすい。そのため、マングローブは、気根(=呼吸根。地表に顔を出す根)を出し、酸素を取り入れやすいように進化してきた。また、種子散布方法も独特で、海流散布と呼ばれる方法をとる。
マングローブの価値
マングローブは以下の理由から非常に重要な植生である。
①生態的な価値では、多様な植物が生育し、動物の生息地となっていることから「命のゆりかご」と呼ばれている。
②経済的な価値では、オーストラリア北東部の漁業高の約30%をカバーしているといわれている。
③防災的な価値では、沿岸部のマングローブが緩衝材の役目を果たし、津波の災害を減少させるといわれている。
満砂 まんしゃ 堰堤では施工直後は上流に土砂は貯まっていない状態であるが、土石流が起きなくても日頃の降雨などにより数年~数十年かけて徐々に土砂が貯まっていき、最終的には堰堤の水通しまで土砂が堆積する。この水通しまで土砂が堆積した状態のこと。通常、不透過型堰堤では満砂の状態から土石流など土砂災害に対して安全な設計を行っている。透過型堰堤の場合は、土石流以外で満砂になることはほとんどない。
マント群落 まんとぐんらく マント群落とは、林の外縁にできる低木や、つる植物の群落のこと。
幹焼け みきやけ 強い光のせいで幹の樹皮がはがれてくること幹巻きで防ぐ
実肥 みごえ 実肥とは、リン酸を中心とした肥料のことで、花や実のつきをよくする。「花肥」ともいう。
みじん みじん みじんとは、1㎜以下の目のふるいを通り抜ける細かい土のこと。
鉢植えなどでは、排水不良を防ぎ、通気を確保するために「みじん」を取り除いた用土を使用する。
水替 みずかえ 砂防ダム工事期間中、流水を完全に処理して、工事中の災害を防止するとともに、出水による手戻りも防ぐ必要がある。このため流水を仮締切り、仮排水路によって切り替える。このことを水替え、もしくは瀬替えという。水替え設備には、ダムの場合、水抜き暗渠を利用した堤体内仮排水路や仮排水トンネル、コルゲート、木どいなどがあり、流路工の場合には仮締切り堤、木どい、水中ポンプの利用などがある。仮設物の規模は対象とする流量、工事期間、河川の特性などによっても異なるが一般に1~5年生起確率の洪水流量程度を対象として設けられている。
水極め みずぎめ 植栽した樹木の根周辺の土を水によって安定させること
水極めとは、樹木を植えつけるとき、土を埋めながら一緒に穴の中に水を流し込んで、根の間に土がよく詰まるように植える方法をいう。これに対し、水を使わないで植える方法を土(空)極めという。
水セメント比 みずせめんとひ  water-cement ratio 練りたてのコンクリートまたはモルタルにおいて、骨材が表面乾燥飽和状態であるとしたときの水セメントとの重量比。砂防ダムなどに用いられるコンクリートは耐久性が必要であることから、気象条件の厳しい場合に55%、通常の気象条件の場合で60%以下とすることが定められている。コンクリート強度σは水セメント比w/cと関係があり、普通ポルトランドセメントを用いた場合の28日強度はρ=-210+215c/wで示される。
水叩き  みずたたき apron 砂防ダムの下流部で越流水が落下する部分を前庭もしくは水叩きという。水叩き部を保護するには水叩工、張石工、副ダム工、捨て石工などの方法がある。
水叩工 みずたたきこう 砂防ダムの前庭部の洗掘を防止しダムの安定を図るために設けられる構造物。水叩き工は砂防ダムが15m以上の場合および、15m以下で砂礫基礎の場合に設けられる。水叩き工の長さは、落下水が射流から現況河川の水理条件に戻るまでの長さとし、厚さは経験的に1.0m~3.0m程度が多く用いられている。また長さは経験式として次式がある。
高いダムL=1.5(H+h0)
低いダムL=2.0(H+h0)
ここに、L:本ダム軸から水叩き下流端(副ダム軸および垂直壁軸)までの距離、H:砂防ダムの有効高さ、h0:越流水深、である。
水叩き厚さは経験式として次式がある。
水褥池がある場合t=0.1(0.6H+3h0-1.0)
水褥池がない場合t=0.2(0.6H+3h0-1.0)
ここに、t:水叩きの厚さ、H:砂防ダムの有効高さ、h0:越流水深、である。
水通し みずとおし spilway, overflow section 堰堤の上部に台形状に切り込みが入った部分のこと。大雨などで大量の水が出ても、水通しがあることによって水の流れる方向を制御したり、渓岸の侵食を防止することができる。水通しの大きさは、砂防堰堤の場合は100年確率で計算されることが多い。
砂防ダムの放水路のこと。対象流量を流し得る十分な断面を有し、かつ上・下流の地形、渓床の状態、流水の方向などを考慮してその位置が決定される。水通し幅は上・下流の河幅を考慮して決定し、水通し高は計画水位に余裕高を加えた高さに定める。放水路の断面形状は直線形、台形、長方形、円弧形などがあるが最も普通に用いられるのは逆台形である。
水抜き穴 みずぬきあな  drainage hole 背後地盤に湧水が多い場合や盛土の場合などに護岸に設ける穴のこと。背後からの水圧による外力を減殺するために設けるもので、練石積みやブロック積みの場合には、水抜き穴は2m2当たり1個程度設けるものとし、内径が小さいとごみや土砂で詰まることが考えられるので、径は5cm以上の大きさとする。材料としてはビニールパイプなどの耐水材料を使用することが望ましく、施工位置は、湧水の状態などを考慮して最も適当な位置とする。
水抜き暗渠 みずぬきあんきょ  drainage hole 砂防ダム堤体に設ける穴のこと。その目的は、①施工中の流水の切り替えのため、②堆砂後の浸透水を抜き水圧を減ずること、③流出土砂の調節のため、などである。①の場合には工事完成後は不要となる。③についてはある程度大きさが必要となる。水抜き暗渠の大きさ、数、配置は、その目的によって決定される。
溝肥 みぞひ 溝肥とは、生け垣などに沿って溝を掘り、肥料を施す方法のこと。
密植 みっしょく 単位あたりの植栽本数が多い植栽の仕方。通常ha当たり5000本以上植栽した場合、密植と呼ぶ。
密度管理 みつどかんり 林分の密度と材積成長との間に定量的な関係があることを利用して,林分を管理すること。
密閉ざし みっぺいざし 密閉ざしとは、さし木法のひとつで、光が通るフィルムでさし床を覆って湿度を保ち管理する方法のこと。普通のさし木では発根しにくい植物で行われる。
ミディゲーション みでぃげーしょん 公共事業等の開発行為において出てきた、環境に対する影響緩和という考え方です。影響の回避を最善として以下、影響の最小限化、修正、低減、代償の順に自然環境への影響を検討するものとされています。
ミドリ摘み みどりつみ マツの新芽を全てそろうように摘み取ること
緑の銀行 みどりのぎんこう 市民からの献木と労力奉仕などの預け入れを基金として、公共施設へ樹木を移植するしくみのこと。
緑の国勢調査 みどりのこくせいちょうさ 河川や湖沼、海岸など自然環境の現状と改変状況を、植生や野生生物の生息状況と併せて把握するために行われる調査のこと。旧環境庁が昭和48年から始め、現在は環境省が行っている。概ね5年を一区切りとして実施される。日本列島は南北に長く、山地が国土の約4分の3を占め、平野、盆地、丘陵地などが分布するなど地形も複雑で、四季の変化が明確である。こうした条件により、決して広くはない国土に多岐にわたる植生、生物種が広がっている。この自然環境を適正に保全していくために、現状把握は必要不可欠である。
緑の国勢調査 みどりのこくせいちょうさ 自然環境保全基礎調査は、全国的な観点から、日本における自然環境の現況及び改変状況を把握し、自然環境の保全の施策を推進するための基礎資料を整備するために環境庁が、1973年(昭和48年)度より自然環境保全法第4条の規定に基づき、概ね5年ごとに実施している調査です。一般に「緑の国勢調査」と呼ばれ、陸域、陸水域、海域などの各々の領域について、調査項目を分類し、国土全体の状況を調査しています。調査結果は、報告書及び地図などにとりまとめられた上、公表されており、これらの報告書などは、自然保護行政の他、環境アセスメントなどの各方面において活用されています。
緑の雇用 みどりのこよう 森林作業に従事する人を訓練・育成することで、林業における雇用創出と、森林の保全を図る事業のこと。森林は土砂の流出や洪水・渇水を緩和し、水質浄化など環境保全の面で高い機能を持つ。また、二酸化炭素を吸収・貯蔵する機能もあり、地球温暖化防止の点でも注目されている。しかし、林業の担い手が減少傾向にあり、森林の荒廃が懸念されている現状にある。緑の雇用により林業に就業するために必要な知識や技術を習得した人材が育成され、持続的な林業の発展及び森林の保全につながるものと期待される。
緑のダム みどりのだむ 水源涵養機能を持つ森林をこのように表現する。水源涵養機能とは降水を吸収して水源の枯渇を防ぎ、また水流が一時に河川に集中して洪水を起こすことを防ぐ機能のことである。また森林は水質浄化機能などさまざまな環境保全機能(公益的機能)を持ち、これらの機能を利用した国土保全の森や漁民の森などが造られている。
緑の募金 みどりのぼきん (社)国土緑化推進機構と都道府県緑化推進委員会が主体となって行っている募金。集まった募金は、国内外のさまざまな森林づくりに活用されている。募金期間は春と秋。
未立木地 みりゅうぼくち 伐採跡地以外で、樹木が生立していない林地のこと。
未利用バイオマス みりようばいおます バイオマスのうち、稲わら、麦わら、もみ殻等の農作物非食用部、林地残材といった未利用のもの。
ミレニアム・エコシステム・アセスメント みれにあむ・えこしすてむ・あせすめんと Millennium Ecosystem Assessment 生態系に関する科学的なアセスメントを実施して各国政府などに情報提供するため、国連の呼びかけで2001年に発足した世界的プロジェクト。地球生態系診断ともいう。
世界の草地、森林、河川、湖沼、農地および海洋などの生態系に関して、水資源、土壌、食料、洪水制御など生態系機能が社会・経済にもたらす恵み(財とサービス)の現状と将来の可能性を総合的に評価しようとするもの。生物の種類、個体数、森林や海が吸収・放出する二酸化炭素量など地球上の生態系の現状を調査し、生態系からどのような利益・影響を受けているのかについて、4年間の成果を2005年3月に発表。人間活動による生態系の劣化の進行、生物種絶滅速度の増加などを警告。地球環境ファシリティー(GEF)、UNEP、世界銀行などが拠出しており、日本では国立環境研究所が参加
民有林 みんゆうりん 国有林以外をいい、個人、会社、社寺等が所有する私有林、都道府県、市町村、財産区等が所有する公有林に区分される。
国以外のものが所有している森林のこと。県・市町村など地方公共団体が所有している森林もこれに含まれます。例:公有林、会社有林、寺社有林、個人有林など。
ムカゴ むかご ムカゴとは、葉のつけ根にできる小さな球根のこと。
無機質肥料 むきしつひりょう 無機質肥料とは、化学的に製造された肥料で、単肥として1成分だけのもの(硫安、過リン酸石灰など)と、2種類以上の成分を混ぜた複合肥料とがある。
無垢材 むくざい 接着剤を使わず製材品としてそのまま利用する木材。塗料や接着剤等を使っていない状態の製材品。
虫こぶ むしこぶ 葉や枝、芽などの一部に虫が寄生してできるこぶのこと。虫瘤。特定の植物に特定の虫(ハチ、ハエ、アブラムシなど)が寄生してできる場合が多く、特にイスノキの虫こぶは有名。大きさは数ミリから数センチまで様々。「虫(ちゅう)えい」や「ゴール」とも呼ばれる。
無立木地 むりゅうぼくち 樹木が生立していない林地。地域森林計画では、樹冠を投影した面積が30%以下の林地と規定している。(無立木地=未立木地+伐採跡地)
銘木 めいぼく 材質や形がとても優れていたり、鑑賞価値が高い、珍しいなどの木材の総称。
芽かき めかき 伐採後、切り株等からぼう芽した複数の芽に対して、成長の劣悪なものを除去してぼう芽更新を補助する作業。
萌芽更新の際に発生する、ぼう芽枝の本数が多くなりすぎないように、ぼう芽が適正本数になって以降に発生した芽を摘み取ること。
芽かきとは、1茎に1花咲かせるために、不要な側芽を摘み取ることをいう。摘芽ともいう。
同じ目的で蕾を摘み取ることを摘蕾という。
目地材 めじざい  joint material コンクリート構造物における各ブロックの接合部、および収縮によるクラック防止のために用いる材料。目地材には雨水、小石などが目地に入るのを防ぐために目地の上部に注入して詰める材料としての注入目地材と、目地の上部に詰める成形材料である成形目地材がある。
芽だし めだし 浸水後シイタケの芽が出やすいよう覆い等を用いて目きりに最適な環境にする方法
芽出し肥 めだしごえ 芽出し肥とは、草花の芽が活動を始めるころに与える肥料のことをいう。速効性の肥料を使う。
芽だし室 めだししつ 芽だしを行う部屋のこと。18度前後がもっとも良い
メタデータ めたでーた データの所在、内容、品質、条件などを記述したデータのこと。メタデータは定まった書式で記述されることが望ましいため、ISO/TC211や国土交通省の官民連帯共同研究などで標準化のための研究がすすめられている。
芽つぎ めつぎ 芽つぎとは、芽の周囲部のみを穂木にしてつぐ方法のこと。枝や、幹の途中に接がれる。
メッシュ めっしゅ 地理情報の一表現手法であり、地表面を一定のルールに従い、多数の正方形などに分割したもの。分割の方法により、正方形、長方形、三角形、六角形などが利用される。こうしたメッシュごとにデータを与えることで、その分布などを表現できる。
欧米ではメッシュ即ち面的単位の集計値を記述する場合をグリッド・セル(grid cell)方式、結び目即ち点の属性を記述する場合をグリッド(grid)方式と呼ぶのが普通のようだが、わが国では双方を併せてメッシュ方式と呼んでいる。
目土 めつち 目土とは、芝の手入れで2~3年に1回、4から5月に肥えた畑土などに肥料を加えて薄くまくこと。匍匐茎を充実させ、茎元から良い新根を出させる目的で行う。また、張った面のデコボコを修正する役割もある。
芽摘み めつみ 芽摘みとは、伸びる茎の芽先を摘み取り、側枝をださせること。芯摘み、ピンチ、ピンチングともいう。
芽吹き めぶき 芽吹きとは、成長期に入り、芽が動き出すことをいう。
メリクロン めりくろん mericlone メリクロンとは、植物の成長点を切り取って培養する増殖法のこと。親株と同じ遺伝子を持つ苗が、雑菌に冒されなで大量に得られる。
meristem(分裂組織)とclone(栄養系)の合成語。
免疫 めんえき 免疫とは、一度かかった病原体に対して強い抵抗性を発揮し、次回からは病原体に対して生体を防御する反応のことです。
花粉症などの、くしゃみ・鼻水・目のかゆみなどは、免疫の働きの一つで、体の中に侵入した異物(花粉)を外へ排出しているのです。このように元々人の体に備わっている抵抗力を免疫、または免疫力、自然治癒力と呼ばれています。
モウソウチク もうそうちく モウソウチクは北海道から南西諸島の各地に植栽され、竹林を形成している。1736年に中国から薩摩藩にもたらされたという。マダケよりも大きくて太く、樹高12mになる。この高さまで一ヶ月程で一気に到達してしまう。筍(タケノコ)は柔らかく大形であるため、食用に供される。稈(かん)は物理性が劣るため、繊細な細工物の素材としては一級品ではなく、花器、ざる、かご類、すだれ、箸などのほか建築材料などとして用いられる。
木育 もくいく 子どもの頃から木を身近に使っていくことを通じて、人と木や森との関わりを考えられる豊かな心を育むこと。木を通じて豊かな感性を育み、共感を分かち合える人づくりと、地域の「木の文化」の構築や人と自然が共存する社会をめざす。北海道から発信している新しい言葉。
木材等生産機能 もくざいとうせいさんきのう 木材等森林で生産される資源を培養する機能。
木材腐朽菌 もくざいふきゅうきん 木材が腐るとういうのは、種種の菌類が木材中に侵入しセルロース、ヘミセルロース、リグニンを分泌酵素によって分解するため。侵入された木材は、変色、変形、壊敗その他の劣化を引き起こし腐朽という現象になる。
木酢液 もくさくえき 木材乾留、松根乾留または製炭の際に副産物として得られる赤褐色の水溶液。用途には魚類、蓄類の食品燻煙香料、トイレ・家畜などの脱臭剤土壌消毒など。
木酢液とは、木炭をつくるときに出る煙を急激に冷却し、生成された液体。
木酢液を植物に散布すると、生育促進や免疫力の向上に効果があるとされている。また殺菌、殺虫にも効果があるといわれる。
目視検査 もくしけんさ ディジタル化した地図を出力し、正しく入力されているかどうかをチェックする方法として入力の元になった基図と照合してチェックする方法である。非常に時間と労力がかかる作業であるが、検査の最終工程として地図データが正しく入力されているかどうかは人間の目による検査に頼っている。
木質系プレハブ工法 もくしつけいぷれはぶこうほう 住宅の主要構造部の壁、柱、床、梁、屋根又は階段等を木質部材として、予め機械的方法で大量に工場生産し、現場で組み立てる建築工法。
木質バイオマス もくしつばいおます 森林で生育した樹木のことで、具体的には、森林から伐り出した木材だけでなく、樹木の枝葉、製材工場などの残廃材、建築廃材などを含んでいる、これをエネルギー源に用いるとき、これを木質バイオマスエネルギーという。
木質ペレット もくしつぺれっと 木材の端材や廃材などを飲み薬程度の大きさのタブレット状に加工し木質系バイオマス燃料。端材などは水分や形状にばらつきがあるため、ボイラーの燃料としては燃焼速度にむらが生じる難点を粉砕、含水分の調整などを行い均質固形化して取り扱いを容易にしている。
木質系ペレットは、おがくずや木くずなどの間伐材、製材廃材、林地残材といった木質系の副産物、廃棄木材を粉砕し圧縮してできた固形燃料。水分が少なく、高温で燃焼できるためダイオキシンの発生を大幅にカットできる。また、木材の成分であるリグニンという物質が圧縮時の熱で融解し接着剤の役割を果たしているので、燃焼時に有害物質を出す心配もなく、地球温暖化防止効果もあることから、再生可能エネルギーとしての期待が高まっている。
木質ペレット燃料 もくしつぺれっとねんりょう オガ粉や樹皮などを高圧で圧縮したもので、接合剤などの添加物を加える必要がない。円筒状、直径4~12mm、長さ10~25mm。取り扱いやすいこと、安定した燃焼、燃焼効率が高いなどの特徴がある。
木造軸組工法 もくぞうじくぐみこうほう 我が国の伝統的な住宅の建築工法で木材の柱、梁、桁などで加重を支える構造のもので、柱、梁、桁などの主要な部材を接合して建築する、部材の端同士を様々な形状で接合している、従来こうした継手等加工は熟練した大工技能の一つとして手加工に委ねられてきたが、近年は自動機械化(プレカット化)が急速に進行しつつある。
木タール もくたーる 木材乾溜や製炭の際に得られる留出液で,木酢液以外のもの。
木炭 もくたん 木材を熱分解した後に残るもの。燃料として昔から利用されるほか、見に見えない小さな穴がたくさんあることから水質浄化、脱臭、除湿などの働きがある。
木本 もくほん いわゆる「木」の専門的な呼び名。幹が木質化すること、冬にも地上部が残り、そこに冬芽(休眠芽)をつけることなどで草本と区別されるが、厳密な境界はいまだに曖昧な部分もある。
木理 もくり 木材を組成する各種細胞の配列のしかたによって生じる木目。木材の軸方向に並行して走る通直木理,ねじれた形の細胞の配列となる斜走木理などがある。
元口 もとくち 丸太の根本(太い方)の木口
元肥 もとごえ 植付けの時に、植え穴に施す肥料
元肥とは、植物の種を蒔いたり、植えたりする場合に最初から土の中に施しておく肥料のこと。土に混ぜる場合と、根の下のほうにまとめて入れる場合がある。
効果が長く続く堆肥などの遅効性肥料や緩効性肥料を与えるのが一般的。基肥とも書く。
モニタリング もにたりんぐ 通常は「監視」の意味で用いられるが、「自然環境」の関係で用いられる場合は、地域の自然環境の状況について継続的、あるいは定期的に調査を実施することをいう。
モノレール集材 ものれーるしゅうざい 果樹園などに使われるモノレール運搬装置を林業用に改良したものを用いて使う。
モミアゲ もみあげ 冬に芽の整理と前年の葉を摘み取ること
門かぶり もんかぶり 枝が門の上を覆うように張らせた仕立て方
モントリオール・プロセス もんとりおーるぷろせす 欧州以外の温帯林等を有する12カ国(アルゼンチン、オーストラリア、カナダ、チリ、中国、日本、韓国、メキシコ、ニュージーランド、ロシア、ウルグアイ、米国)により進められている、森林経営の持続可能性を把握・分析・評価するための「基準・指標」の策定・適用に向けた取組。1994年に7基準・67指標を適用することについて、参加各国で合意。2004年の会合では、社会等の変化に対応していないなどの理由から指標を見直すことが決定。
焼畑 やきはた 山野や森で雑草などを焼き払って、焼け跡を農地として利用する農業のこと。焼いた後に残る灰を肥料とするため地力の消耗が激しく、地力が弱ったら放置して数年~数十年後に再び焼畑をして耕作する必要があり、数年ごとに新たな農地が必要となる。近年途上国などで問題となっている森林破壊は、人口増加に伴って移動耕作による焼畑が頻繁に行われ、土壌中の栄養素が流出することが主要因であるといわれる。伝統的な焼畑は日本でも宮崎県椎葉村で盛んに行われ 1960 年代にピークを迎えたが、今では衰退した。
やく 雄しべの先端にある花粉をつくる袋形の器官。成熟すると裂けたり、一端に穴が開いたりして内部の花粉を放出する。
薬用植物 やくようしょくぶつ 薬用植物とは、薬に用いる植物で、生のまま使ったり、生薬にしたり、有効成分を取り出して薬の原料にする植物をいう。
ヤゴ やご ヤゴとは、根元から不規則に発生する勢いの良い若い枝のこと。「ひこばえ」や「根吹き(ねぶき)」ともいう。
野生化 やせいか その地に元来存在しなかった植物が、人間の影響によってその地に根付き、自然状態で繁殖すること。草本の場合は「帰化」ともいうが木本ではあまりいわない。
ヤナギ埋枝工 やなぎまいしこう ヤナギ類の枝(挿し穂と呼ばれる)を埋設し、不定根・萌芽の発生を期待して植栽する方法。
屋根緑化 やねりょっか 一般的に人が利用しないことを前提に、建築物の勾配屋根や陸屋根等を緑化することをいう。
山津波 やまつなみ 山崩れや突発的地すべりの大規模なもののこと。
山引き苗 やまびきなえ 森林に自然に生えた稚樹を採取して苗木としたもの。山取り苗ともいう。
山元立木価格 やまもとりゅうぼくかかく 立木の状態での樹木の販売価格。一般には、丸太の市場価格から、伐採、搬出等に必要な経費を控除して計算された幹の材積m3当たりの価格。
誘引 ゆういん 針金などを使って枝を引き導くこと
誘引とは、茎やつるを支柱やトレリスにところどころ結びつけて目的の位置まで導き、その形や茂りをよくすること。
樹木では、枝を支柱に添わせ、麻ひもなどで枝を調整しながら止めていく作業のこと。
有機質肥料 ゆうきしつひりょう 植物や動物から作られた肥料。骨粉、鶏糞、油粕かすなど。施した後微生物によって分解されてから効き目が現われるものが多い。
遊砂地 ゆうさち 流路の一部を拡幅し、流下してきた土砂を分散させて堆積させる目的の施設
雄蕊先熟 ゆうずいせんじゅく 雄蕊先熟とは、両性花の雄しべが雌しべより早く熟しきってしまう性質をいう。開花しても自家受粉では種子ができない。ナデシコ、キキョウ、ホウセンカ、ユキノシタ、などがこの性質を持つ。
優勢木 ゆうせいぼく 林木の中で、成長が良く林冠の上層をつくるもの。
優勢木間伐 ゆうせいぼくかんばつ 形質の悪い優勢木を優先的に伐って、残った中で形質良好な中庸木が最低利用径級(心持ち柱材が1玉収穫できる)に達するまで多く残していこうとするものです。そして利用径級に達したら、大きな木から間伐して収穫し、結果的にできるだけ多くの木が収穫できるようにするものです。
優勢木間伐は、若いときの(幹の中心の)年輪幅は開きすぎず、樹齢が高くなってからは年輪幅は詰まりすぎず、全体に年輪構成の均一な材が生産でき、良質材生産に適した方法です。この間伐方法は、スギやヒノキの良質材生産に有効です。
一方、間伐直後の林分構造は細長い木が風雪にさらされるので、冠雪害や風害に対応するために弱度に頻繁な間伐を慎重に行う必要があります。なおこの間伐方法は優勢木とともに劣勢木も間伐の対象にします。
融雪害 ゆうせつがい 融雪が原因となって起こる災害で、なだれ、雪解け水による洪水(融雪洪水)などがある。
優占 ゆうせん 群落を構成する種の優劣の割合を優占度という。優占度の最も高い種をその群落の優占種と呼ぶ。
有用広葉樹 ゆうようこうようじゅ 広葉樹のうち、建築材、家具材、薪炭材、薬用、食用果実等幅広い用途に利用されている樹木の総称。
雪起こし ゆきおこし 雪によって倒れた若い木を、幹が曲がったまま生長しないよう雪解け後にロープなどで引き起こして固定する作業。
雪圧や冠雪により倒れた樹木を引き起こし、縄・棒などで固定する作業。樹木の根元曲がりを軽減し、樹幹の成長促進を目的として行われる。
雪代 ゆきしろ 富士山で発生する、多量の岩塊や表土立木等を巻き込んで流下する、特に水分が多い雪崩で、古くから富士山麓の住民から「雪代」と呼ばれて恐れられている。スラッシュ雪崩 ともいう
癒合剤 ゆごうざい 癒合剤とは、枝の切り口に塗ると癒合組織を発達させる作用がある薬剤のこと。
ユニバーサルデザイン ゆにばーさるでざいん 生活弱者と健常者がともに生きていく社会を形成する上で、健常者の側から一部の障害者や高齢者への特別な配慮を強調するのではなく、あらゆる年代層や様々な身体条件の人々が分けへだてなく利用できることを目指そうとする設計の考え方。すべての人が可能な限り利用できることを目指して努力し続けるという設計の姿勢。
揚圧力 ようあつりょく  uplite pressure ダムの底面に働く上向きの水圧。通常ダム底面の上流端で最大値を示し、下流側に向かって直線的に低減する圧力分布を示す。砂防ダムにおいては堤高が低く堆砂によって上流端水深が小さくなるので揚圧力を考慮しない場合が多いが、堤高15m以上の砂防ダムにおいては揚圧力を考慮する。
葉腋 ようえき 葉が茎に付着する部分の上部で、芽はここにできる。
葉芽 ようが 葉芽とは、成長すると葉や枝になる芽のこと。
芽の中に花芽(かが)と葉芽が共存するものを混合芽と呼ぶ。
一般に花芽は葉芽と比べ太く丸く外見で区別できる。
要間伐森林 ようかんばつしんりん 間伐又は保育が適正に実施されていない森林で、市町村森林整備計画で指定する。
幼根 ようこん 幼根とは、胚軸の下にあり、発芽とともに成長して主根になる部分のこと。
葉痕 ようこん 葉のついていた痕が枝に残ったもの。冬芽と共に、冬の落葉樹を見分けるポイントとなる。半円形、円形などの他、U字形、T字形など様々な形も見られる。
用材 ようざい 針葉樹では構造材、建築用材を指し、広葉樹では家具用材を指す。製材用,パルプ・チップ用,合板用などとして利用される木材。薪炭材とシイタケ原木は含めない。
用材林立木 ようざいりんりゅうぼく ひのき、すぎ等の立木で用材とすることを目的としているもの又は用材の効用を有していると認められるもの
葉耳 ようじ 葉の基部の両端が耳状に突出したもの。例イネ科
陽樹1 ようじゅ 強光の下で発芽し、幼樹の時から生長量の高い樹種で、一般に乾燥に対する適応力は高い。逆に、日陰での適応性は低く、初期の遷移段階で優先することが多い。分類すると比較的短命。シラカバ・ヤナギ・アカマツなど。
-落葉樹-
ウメ/シダレザクラ/バラ/コデマリ/ライラック/ハナモモ/ボケ/レンギョウ/サンザシ/サンシュウ/ハナカイドウ/ビョウヤナギ/キンシバイ/サルスベリ/フヨウ/キョウチクトウ
-常緑樹-
ダイオウショウマツ
-果樹-
カリン/ザクロ/ナツメ/ブルーベリー/
-蔓植物-
フジ/ノウゼンカツラ/アケビ/ムベ
葉序 ようじょ 葉のつき方。一節に一つの葉をつけるものを互生(ごせい)、二つつけるものを対生(ついせい)、三つ以上つけるものを輪生(りんせい)と区別する。
葉鞘 ようしょう 葉身と節との間にあって、茎を取り囲んでいるさや状の部分。葉の基部が茎を包む鞘のようになっているものをいう。葉鞘はイネ科、タデ科などの植物に見られ、葉を支えるとともに茎を支える働きをしている。
養生 ようじょう 樹木の生育を助ける方法を指す(支柱取り付け・幹巻きなど)
養生 ようじょう curing 柱,床の寄木張りなどが汚染しないように砥粉(とのこ)塗り,紙張り,ビニール張りなどで木面を保護すること。または,モルタルや打ち終わったコンクリートが十分硬化するように保護すること。
打込みが終わったコンクリートは、硬化を十分進行させるため、低温度、急激な温度変化、乾燥、荷重などの有害な影響を受けないようにコンクリート表面を保護する必要がある。これを養生という。一般的には、コンクリートまたはモルタルを打設後、直射日光、寒気、風雨を避け、水和作用を助けるために、むしろなどで被いをすることをいう。
養生苗 ようじょうなえ 苗畑で種子から育成した苗木。これに対して林内から苗木を掘り取り、畑で育成した苗を山取苗という。
葉身 ようしん 葉の主要部で、生理的には光合成を行う器官。
陽生植物 ようせいしょくぶつ 日光のよく当たる場所を好む植物。乾燥に強いものが多い。ほとんどの一年生植物、田畑に作る多くの作物、アカマツ、シラカンバ、ヤシャブシなどがあり、特に樹木を陽樹という。
要整備森林 ようせいびしんりん 保安機能を確保させるため、特定保安林のうち、造林、保育、伐採その他の施業を早急に実施することが必要な森林。
葉舌 ようぜつ 葉身と葉鞘との境目にある舌状の突起。例イネ科
要転換森林 ようてんかんしんりん 広葉樹林の植栽や天然更新等により、樹種の転換を図る針葉樹人工林をいう。市町村森林整備計画で指定する場合は、森林と人との共生林の範囲内となる。
葉柄 ようへい 葉身を支える柄の部分で、葉身と茎・枝との連絡をするが、これを欠く葉もあり、無柄葉とよばれる。
幼木 ようぼく 「幼児」と同じで、幼い樹木のこと。厳密な定義はないが、高木の場合は人の背丈に満たないぐらいの個体を言う。「幼樹(ようじゅ)」も同じ意味。
葉脈 ようみゃく 葉肉内を平行または網状に走る維管束。
葉面積密度 ようめんせきみつど 単位地表面積当たりの葉の面積を葉面積指数という。葉面積密度は、葉面積指数を樹冠層の厚さで除したもので、樹冠の単位空間当たりの葉の面積である。
抑止工 よくしこう  restraint works 砂防工事においては抑止工とは土石流の抑止に用いられる。土石流対策堰堤がこれにあたる。地すべり工事においては地すべり力に対して直接構造物で対応する工法。代表的な工種として杭工、シャフト工、アンカー工、擁壁工などがある。
抑制工 よくせいこう control works 砂防工事においては、流出土砂を抑制する工法について抑制工という。流砂調節ダムなどがこれにあたる。地すべり工事における抑制工とは、地すべり発生の誘因を除去したり、地すべりのバランスを回復させる工法をいい、地表水・地下水除去工法、すべり面粘土の土質的改良工法、盛土工などの代表的抑制工がある。
余蒔き よまき 余蒔きとは、時期はずれに種子を蒔くことをいう。
余裕高 よゆうだか1 allowance height 計画高水位に達した水が波うったり、流木などが流れてきても安全なように堤防の高さに持たせた余裕。
洪水時の波および流木などを考慮して断面に見込まれる高さ。特に砂防河川のような急勾配の渓流においては、流木、巨礫などの混入によって水位の変動が著しい。そこで、流路工の護岸工は計画高水位に余裕高を加えた高さまで護岸を施工することとしている。余裕高は、原則としてラショナル式によって計画された対象流量によって下表のように定められている。ただし、同一流量においても、勾配が急なところ、緩やかなところでは水理条件が変化することから、砂防河川では十分な余裕が必要となる。このような考え方から、余裕高は河床勾配によっても変化するものと考えて、計画高水位(H)に対する余裕高(⊿H)との比(⊿H/H)が下表の値以下とならないように定められている。
余裕高
計画流量:余裕高
200m3/s未満:0.6m
200~500m3/s:0.8m
500m3/s以上:1.0m
勾配:~1/10:1/10~1/30:1/30~1/50:1/50~1/70:1/70~1/100:1/100~1/200
ΔH/H値:0.50:0.40:0.30:0.25:0.20:0.10
ライフサイクルアセスメント らいふさいくるあせすめんと life cycle analysis /assessment (LCA) 物品の生産から廃棄までの環境負荷量などを調査、分析して評価する手法。各種の製品やサービスについて、二酸化炭素排出量のLCAが行われれば、事業者や消費者が地球温暖化防止に取り組むのに有用であるが、現時点では、LCAは研究途上にある。(LCA)
落差工 らくさこう falling works 河床勾配を緩くするために設ける施設で、構造的に落差のある施設。流水の流下エネルギーを落下方向に向けることにより低減させるとともに、河床勾配を計画河床勾配にまで緩和させるために流路に設けられる構造物で、河床より構造物水通し天端までの間に高さを有することから落差工と呼ばれる。流路工においては落差工は一般に床固工と同一である。
落葉 らくよう 高等植物において、葉柄の基部に離層が発達し、水分の供給が断たれ、葉が枯れて落ちる現象をいう。落葉前には葉の中の炭水化物、タンパク質、無機塩類などが茎に移動し、葉緑素が分解して黄変することが多い。
落葉樹 らくようじゅ 秋になると、葉が落ち、春になるとまた新しい葉をつける樹木。(例:シラカバ、カラマツなど)落葉樹とは、1年のうち葉をすべて落としてしまう期間がある木をいう。日本では春から夏にかけて葉を繁らすが、秋には落葉する「夏緑樹」がほとんど。葉の寿命は1~8ヶ月程度。ブナ、ミズナラのような落葉広葉樹とカラマツ、セコイアなどの落葉針葉樹がある。同一植物でも環境によって落葉樹であったり、常緑樹であったりするものもある。紅葉や黄葉が美しいものが多い。
裸子植物 らししょくぶつ 裸子植物とは、種子植物のうち、胚珠が子房に囲まれずに裸出している植物のこと。ソテツ、イチョウ、マツ、スギ、イチイなど。
ラスタ らすた Raster ラスタ(Raster)とはもとはドイツ語の印刷用語で網目スクリーンを指し、転じてテレビジョンで用いられている画面走査を指す語となった。コンピュータ用語ではグラフィック画面をビットマップで構成・走査する方式をラスタ方式という。GISでは位置や形状を等型要素(普通は矩型)の配列で表す方式をラスタ方式という。メッシュないしグリッド・セルによるデータや画像データはラスタ方式ということができる。
ラピッドスタティック らぴっどすたてぃっく rapid static キネマティック測位の一つの方式。干渉測位では最低5衛星を観測することが必用であるが、この方式ではできるだけ沢山の衛星を同時観測しPコードも利用して、多数のデータを統計処理することによって整数値バイアスを確定しようとするものである。
裸苗 らびょう 裸苗の場合は、根がしっかりしていることが基本的に重要です。豊富な細根が四方に均等に広がり、地上部(幹、枝、葉)に対して地下部(根)のよく発達したものがよい苗木です。 また樹種により望ましい苗齢や苗高が異なります。若い苗の方が値段は安いし、輸送、植栽も簡単ですが、雑草木に被圧されやすく、下刈り作業では、雑草木との識別がしにくく、作業能率は悪く、苗木の頭をはねやすくなりますので、いずれの樹種においても年齢の高い苗を選択した方がよいでしょう。若い苗木では更新・保育作業では下刈り作業が最も大変だからです。
ラミナ らみな 集成材を構成する板材。集成材の1つの層を構成する木材のこと。1枚のひき板の場合と,ひき板などを縦接ぎ・幅矧ぎして一定の長さと幅に集成接着したひき板の場合がある。
ラムサール条約 らむさーるじょうやく 正式には「特に水鳥の生息地として国際的に重要な湿地に関する条約」と言い、1975年(昭和50年)に発効しました。イランのラムサールで採択されたことからこう呼ばれます。特に水鳥に注目し、その棲息地として国際的に重要な湿地及びその動植物の保全を進めることと、湿地の適正な利用を進めることを目的としています。日本は1980年(昭和55年)に加入し、北海道の釧路湿原、クッチャロ湖、宮城県の伊豆沼・内沼が指定されています。
ランナー らんなー runner ランナーとは、親株から長く遠くに伸びた茎のことで、土に着いて先端に子株ができ、そこから発根し殖える。走りづる、走り茎、吸枝ともいう。イチゴなどにみられる。
リーダーシップ(環境教育) りーだーしっぷ 良きリーダー(指導者)とは
L:LOVE (愛する心)
E:EXPERIENCE (経験)
A:ACTION (行動力)
D:DIRECTION (運営能力)
E:EDUCATION (教育する力)
R:RECREATION (創造する力)
S:SERVICE (奉仕の心)
H:HEALTH (健康な身体)
I:IDEA (斬新な発想)
P:PERSONALITY (個性)
~米国キャンプ協会の資料から~
L:LISTEN (傾聴する)
E:EXPLAIN (説明する)
A:ASSIST (援助する)
D:DISCUSS (話し合う)
E:EVALUATE (評価する)
R:RESPOND (回答する、責任をとる)
リグニン りぐにん 無定形のフェノール性高分子。セルロース,ヘミセルロースとともに木材を組成する主要成分で,広葉樹には20 ~ 25 %,針葉樹には28 ~ 31 %含まれる。主に繊維と繊維を接着する役目を果たしており,若い植物体の細胞膜中にリグニンが沈着すると,組織が強化され抵抗力が高まる。
リター りたー litter 植物の枝や葉が地表面に堆積し、未分解の状態のものを指し、A0層と呼ばれる。リターは微生物や土壌動物の活動によって分解されA層となる。熱帯雨林では微生物などの活動が活発なため、リターが分解されやすい。そのため、A0層は他の森林よりも薄い状態で維持される。リターは植物の生育に重要な栄養塩の重要な供給源である。また地表面に堆積したリターは、降雨時に雨の衝撃から土壌を守るため、土壌浸食を軽減する役割を持つ。
立毛補償 りつもうほしょう 土地等の取得又は土地等の使用に係る農地に農産物がすでに作付けしてあるとき又はそれを作付けするためにすでに費用を投下されているときは、農作物の収穫前に農地が取得又は使用されることによる損失を補償するもの
RINEX (GPS) りねっくす Receiver Independent Exchange Format GPS測量では受信機の機種が異なると、記録形式やデータ内容が異なるために、基線解析に使用できない。これを統一したデータ形式にして、異機種同士でも基線解析が可能になるようにするものである。現在、大学、研究所の一部で利用されている。
リフト りふと lift ダムコンクリートの一度の打込みの高さのこと。高さが高いとコンクリートの硬化熱が発散しにくくなり、コンクリートにひび割れが生ずる可能性が大きくなる。またあまり薄くなると水平打ち継目の処理費が大きくなるため、0.75m~2.00mを標準としている。
リフトスケジュール りふとすけじゅーる construction schedule of placement コンクリートダムの工程計画および設備計画の検討のため、各ブロック別・リフト別に打設計画を作成したものをリフトスケジュールという。リフトスケジュールの作成に当たっては、温度規正から定まる打設間隔・ブロック間のリフト差、施工能力、年間実働日数、コンソリデーショングラウチングや放流管の設置等の関連作業による制約、左右岸斜面部の施工順位等を考慮する必要がある。
離弁花 りべんか 離弁花とは、花弁が一枚一枚独立している花のこと。サクラ、マメ、ツバキなど。
リモートセンシング りもーとせんしんぐ 人工衛星や航空機から地球表面を調査すること。農業・林業・土地利用・地下資源・水資源・防災・水産・環境保全など広範な分野にわたって重要な役割を果たしている。特に環境分野では、植生などの自然環境や都市部における熱汚染状況の把握などを行い、各種データとの相関をとるなどの解析に利用されている。
流域 りゅういき 河川などの水の供給源となる地形的区域のこと。一つの河川に降った雨が集まってくる範囲。
流域管理システム りゅういきかんりしすてむ 「緑と水」の源泉である多様な森林の整備と「国産材時代」を実現するための林業生産、加工、流通における条件整備を森林の有する公益的機能が河川の流れを通じて発揮されるということを踏まえて「流域」を基本単位として森林の管理を行うこと。
流域を基本的な単位として、その流域内の市町村、林業・木材産業等の様々な関係者による協議・合意のもとで、森林整備から木材の生産・加工・流通にわたる川上から川下までの連携を進め、民有林と国有林を通じて適切な森林整備と林業、木材産業の活性化を総合的に展開しようとする取り組み。
流域森林・林業活性化センター りゅういきしんりんりんぎょうかっせいかせんたー 全国の主要な河川の「流域」ごとに、流域の特質に応じた森林整備や林業生産活動を推進するために設置された組織。県内では、市町村、森林・林業、木材産業等の関係者を構成員として、高梁川、旭川、吉井川の3流域にそれぞれ設置されている。流域林業活性化協議会を開催等を通じ、流域林業活性化基本方針の検討、情報の収集・提供、関係者間の調整等の業務を行う。
流域森林・林業活性化協議会における関係者間の調整、合意形成の促進等を通じ、森林の流域管理システムを推進することを目的として設けられた組織。流域内の市町村、林業、木材産業の関係者等で構成。
粒剤 りゅうざい 粒剤とは、粉状の肥料や薬剤を丸薬状に固めたもののこと。株の周囲にばら撒いたり、根の周囲の土中に埋め込んで使う。
流出係数 りゅうしゅつけいすう1 流出係数として、分野あるいは使用目的に応じていろいろな値が提案されている。砂防では、一般に下表を用いて設定している。ピーク流出係数fは、f=re/r=3.6Q/rAと定義され、降雨および流域特性と関連するほかに洪水到達時間の定義によっても異なったものとなる。
日本内地河川の流出係数 f (物部)
急峻な山地 0.75~0.90
三紀層山岳 0.70~0.80
起伏のある土地及び樹林 0.50~0.75
平坦な耕地 0.45~0.60
かんがい中の水田 0.70~0.80
山地河川 0.75~0.85
平地小河川 0.45~0.75
流域のなかば以上が平地である大河川 0.50~0.75
流出土砂抑制・調節ダム りゅうしゅつどしゃよくせいちょうせつだむ 目的別に分類された砂防ダムの一種。計画された流出土砂に対して、抑制・調節効果が十分発揮できるようにダム貯砂地の堆砂面積をできるだけ大きく計画することが望ましい。
立木 りゅうぼく 土地に生育する個々の樹木。
立木材積 りゅうぼくざいせき 材積測定の1種。材積測定は立木材積のほか丸太材積,製材材積の3つに大別されるが,立木材積には枝条を含めた樹木全体の材積と,枝条を除いた幹材積,枝条だけを計量する層積がある。これらの材積については,それぞれ標準となる材積表が作成されている。
立木地 りゅうぼくち 通常,木竹が集団的に生育している土地をいうが,国有林については樹冠の投影面積が20 %以上,民有林については同じく30%以上という基準が設けられている。
流木止 りゅうぼくどめ 土砂だけでなく渓流にある立木や倒木などが土石流と一緒になって流れていき、下流へ被害を与える場合がある。この立木や倒木による被害を無くすための工法。本堤につけるタイプ、副堤につけるタイプなど種々の工法が存在する。透過型堰堤の場合は流木止の機能を見込むことができ、一般に計画捕捉量の20%程度を流木量としている。
流木による災害を防止するため、砂防ダムや床固工の水通し部にスクリーン状に設置される工作物のこと。砂防河川では、大出水時に流木が流下し、橋梁に阻害されて、越流の原因をつくったり、流木自体による衝撃力による家屋の破壊などが生じている。これらの災害を防止するため設けられるのが流木止めで、通常、鋼製のスクリーンやスリット状に作られる。
立木補償 りゅうぼくほしょう 取得して使用する土地にある立木を、移植または伐採をするために必要となる補償、もしくはその費用のことです。
流量 りゅうりょう ある地点を1秒間に水が流れる量。
流路工 りゅうろこう channel works 流路工とは流路を確定して河道を整備することにより洪水に対して氾濫を防止することはもちろんのこと、堆積地帯での河床の固定と河岸の保護も合せて行う砂防工事の代表的工法の一つである。流路工の主な目的は以下のようである。①流路の縦断規正:縦断勾配の緩和による縦横侵食の防止。天井川の解消。②流路の平面規正:扇状地の乱流防止、流水断面の確保。③特殊な地質の地域における崩壊防止。
流路工の工種としては、護岸工、床固工、帯工、水制工、沈砂池工等があり、また施工場所については、おおむね河床勾配が1/100より急な河川区間において施工されることが多い。河川改修工事が比較的緩流区間において河積を増大することにより洪水の氾濫を防止することを主目的として施工されているところに砂防流路工事と河川改修工事の相違がある。流路工は、上流の砂防工事が既成もしくは流出土砂量に対して50%以上の整備が完了してから計画・施工すべきである。
流路を確定し、河床の固定、渓岸の保護をあわせて行う工法
流路工幅 りゅうろこうはば width of channel work 流路工幅は流路工計画において重要な要素の一つである。流路工幅を狭く設定すると洪水時に破堤や溢水が生じやすいし、水深が大きくなることから掃流力が大きくなって、工作物の安定性にも影響を及ぼす。河幅を広く取りすぎると流水は流路全面に存在せずに、流路内で乱流、偏流を生じ、不安定な河道を形成する。そこで流路工計画に際しては適正な流路工幅を与え、流路の安定を図ることが必要である。
利用間伐 りようかんばつ 間伐材を搬出し、資源として利用していく方法
間伐した木材(間伐材)を有効に利用すること。あるいは、間伐材を有効利用できるような間伐を行うこと。間伐材を林内に放置したままにする「伐り(切り)捨て間伐」に対する語
利用区域 りようくいき 林道の利用対象となる区域。山間部にあっては原則として集水区域、平坦部にあっては地形・地物により区画された地域とされている。
両性花 りょうせいか 両性花とは、一つの花に雄しべと雌しべを持つ花のこと。多くの花が両性花。
緑枝ざし りょくしざし 緑枝ざしとは、さし木の方法のひとつで、6月から7月中旬頃に、葉のついた枝をさす方法のこと。さし穂にはその年の春に伸びた若い枝を使う。「梅雨ざし」ともいう。
緑地協定 りょくちきょうてい 都市緑地保存法に基づいて、都市計画区域内の相当規模の土地や道路、河川などに隣接する相当の区間(100m以上)にわたる土地について、土地所有者等の全員の合意により、又は地方公共団体、公社、民間事業者が定めるところにより、区域の緑化に関することを定め、市町村長の認可を受け成立する。
緑地保全地区 りょくちほぜんちく 良好な都市環境を確保するために必要な自然的環境を保全することを目的として、風致や景観が優れており、かつ地区内の住民の健全な生活環境を保全するために必要な緑地などに指定される。地区内では建築物の建築、宅地の造成、木材の伐採などが原則的に禁止される。
樹林地、草地、水辺地、岩石地等の良好な自然的環境を有している土地で、無秩序な市街化の防止や公害、災害の防止、寺院・遺跡等と一体となった郷土のシンボル的機能等の働きを持つものを対象として定めるもの。
地区内で建築行為、土地の形質の変更等を行う場合は許可が必要となり、規制により損失を受けた場合の保証や所有者の申し出による土地の買い入れ、税制上の優遇等が定められている。
緑被率 りょくひりつ 一般に,ある地域又は地区において緑被地の占める割合をいいます。「緑被地」とは,樹林地,草地,田,畑などの土地を総称していう場合と,樹木,芝,草花などで覆われた土地(樹木の場合,その枝葉を水平面に投影した土地)の部分のみをいう場合とがあります。
樹林地、草地、農地、河川、湖沼、など緑で覆われた25㎡以上(樹林では、樹冠垂直投影面積)の土地を総称して緑被地といい、この緑被地が一定の地域に分布する割合を緑被率という。
緑化木 りょっかぼく 良好な生活環境をつくるため、公園・工場敷地・街路などに植えられる樹木。
林縁林 りんえんりん 光条件の良好な林縁部に成立する群落をマント群落・ソデ群落という。本書では、下枝が枯れあがった林内に風が吹き込まないように林帯の風上側に植栽する林帯を林縁林と定義した。
林家 りんか 林地の所有、借入などにより森林施業を行う権原を有する世帯。
林業を営む世帯。2000年世界農業センサスでは、1ha以上の山林を所有する世帯。
所有山林または所有山林以外の保有山林が1ha以上の世帯をいう。統計調査用語であり,2000年世界農林業センサスによれば,わが国の林家数は101万8,744戸である。(前回調査時は10ha以上が対象であった。)
林冠 りんかん canopy 林冠とは、林の最上を覆う枝葉の層のこと。また林で樹冠どうしが接して横になっている部分。中から見上げたり、林を外から見たりするときに用いる。
樹林の最も上層に位置する葉群層のこと。林冠が閉鎖した状態を閉鎖林、林冠が開いている状態を疎林と呼ぶ。閉鎖林では林冠で光がさえぎられるため、林内の照度が低くなる。
遷移後期の極相林では、閉鎖林になる場合が多い。熱帯雨林の場合、よく発達した状態の樹林では閉鎖林になる。一方、疎林では林冠でさえぎられる光が少なく、林内の照度が高くなる。遷移初期もしくは途中の樹林は疎林の場合が多い。
林況 りんきょう 林種、樹種、林齢、胸高直径、樹高、本数、材積、成長量等の要素を一括して林況という。
林分を形成する樹木集団の状況。林況の評価では樹種、樹高、胸高直径、樹齢、成長量、材積、立木度、粗密度及び高・中・低林別、樹冠(クローネ)のうっ閉度、混交率など林木成長に必要な相関要素を総合的に判定する。
林業改善資金 りんぎょうかいぜんしきん 林業改善資金助成法(昭和51 年法42)に基づき,林業経営の改善,林業労働に係る労働災害の防止,林業後継者の養成確保などについての林業従事者などの自主的努力を積極的に助長するため,中・長期にわたり無利子で貸し付けられる資金。資金の種類は,林業生産高度化貸金,林業労働福祉施設資金及び青年林業者等養成確保資金の3つに分けられている。資金の原資は,国・都道府県の財務資金によってまかなわれており,都道府県は,林業改善資金特別会計を設置して,林業従事者などに対し,林業改善資金の貸し付けを行っている。
林業技士 りんぎょうぎし 森林施業計画の作成,素材生産・造林などの事業に係る計画作成及び実行,治山・林道などの調査設計及び施工管理,森林の評価などの技術的業務を行う専門的林業技術者。林業技士養成事業に基づく講習を修了し登録された者をいい,登録部門は林業経営,林業機械,森林土木,森林評価に分かれる。
林業グループ りんぎょうぐるーぷ 林業経営の改善や技術の向上のため、地域の林業後継者が中心となって結成された学習集団のこと。林業に係る共同研究などやグループ所有林の施業を実施している。
林業経営体 りんぎょうけいえいたい 林地の所有、借入などにより森林施業を行う権原を有する、世帯、会社など。ただし、2005年農林業センサスでは、[1]保有山林の面積が3ha以上で2005年を計画期間に含む森林施業計画を作成している、[2]保有山林の面積が3ha以上で過去5年間に育林若しくは伐採を行っている、[3]委託を受けて造林・保育を行っている、[4]委託を受けて200m3以上の素材生産を行っている、のいずれかに該当するものを「林業経営体」としている。
林地の所有、借入、分収造林契約などにより、森林施業を行う権原を有する、世帯、会社など。
林業公社 りんぎょうこうしゃ 森林所有者が自ら整備することが困難な森林を対象として、「分収林特別措置法」に基づく分収林方式により人工造林等を行うために設置された公益法人。
林業事業体 りんぎょうじぎょうたい 他者からの委託または立木の購入により造林、伐採などの林内作業を行う森林組合、素材生産業者など。ただし、2005年農林業センサスでは、「林業事業体」という区分はなく、委託を受けて造林・保育を行っている、委託を受けて 200m3以上の素材生産を行っているものについては、「林業経営体」としている。
林業就業者 りんぎょうしゅうぎょうしゃ 林業に就業している者を指すが、通常、林業白書等では、国勢調査等の統計で把握される者のことをいう。国勢調査では、林業就業者は、9月末1週間に主として林業に従事した者とされている。
林業振興資金 りんぎょうしんこうしき 森林組合が次の貸付対象の事業資金として必要な資金を融資する。
(1)造林用種苗の生産・購入事業資金
(2)林産物の生産・購入事業資金
(3)森林造成(造林・保育)事業資金
(4)転貸融資つなぎ資金
(5)その他組合事業資金。
林業専門技術員 りんぎょうせんもんぎじゅついん 森林法第187条に規定されている普及指導職員で,試験研究機関と密接な連絡を保ち,専門の事項について,調査研究を行い,林業改良指導員を指導する。専門事項は,林業経営,造林,森林保護,森林機能保全,林産,特用林産,林業機械,普及方法等の部門がある。Spと略称され,国が行う「林業専門技術員資格試験」に合格した者でなければ任用されない。
林業粗生産額 りんぎょうそせいさんがく 林業生産活動によって生み出された林産物の生産量に、それぞれの価額を乗じて算出した額。
林業大学校 りんぎょうだいがっこう 林業を担う人材の育成を目的として、都道府県の条例に基づき設置される林業者研修教育施設。農業改良助長法に規定される農業者研修教育施設の林業課程として設置されているものを含め、現在6府県で設置されている。
林業普及指導員 りんぎょうふきゅうしどういん 従来の林業専門技術員と林業改良指導員の資格を一元化し、17年4月から都道府県に設置された職員。高度で多様な技術・知識をより的確に林業の現場に普及していくために、専門の事項についての調査研究と森林所有者等への普及指導を併せて実施
林業普及指導事業 りんぎょうふきゅうしどうじぎょう 試験研究機関と森林所有者等との橋渡し役という基本的役割の下、試験研究機関等で行われている技術開発の成果を、林業普及指導員の活動を通じて現場に合った形で普及する事業。なお、国と都道府県との協同事業として実施。
林業・木材産業改善資金 りんぎょうもくざいさんぎょうかいぜんしきん 林業者・木材産業事業者が経営の改善等を目的として、その自主性や創意を活かしつつ、都道府県知事から貸付資格の認定を受けた林業・木材産業改善措置(新たな林業・木材産業経営部門への進出、新たな先駆的技術の導入等)に取り組む際に必要な資金を無利子で貸し付ける制度資金。
林業労働力確保支援センター りんぎょうろうどうりょくかくほしえんせんたー 「林業労働力の確保の促進に関する法律」に基づき、都道府県知事が指定する公益法人。研修の実施、無利子資金の貸付、高性能林業機械の貸付、委託募集の実施等を通じて、新規参入の促進と林業事業体の事業の合理化、雇用管理の改善を支援。林業事業体の雇用管理の改善や事業の合理化、新規就業の円滑化、無利子資金の貸付等支援活動を行う。岡山県内では、1998年に(財)岡山県林業振興基金が指定されている。
鱗茎 りんけい 鱗茎とは、地下茎の一種で、地下茎の周りに栄養を蓄えた葉や葉鞘部が密生し肥大化、球状・卵状になったもの。鱗茎といっても大部分は葉で占められている。草花でいう「球根」の多くは鱗茎のこと。チューリップ、ユリ根、タマネギなど。
地下にある茎の基部に養分を蓄えて多肉となった葉が密生して、球形や卵形になったもの。例ノビル
輪作 りんさく 輪作とは、同じ場所で同じ種類の作物を繰り返し栽培せずに、いくつかの作物を順番に作ってから、その作物に戻すこと。病虫害の回避、地力の維持、忌地の回避などを目的とする。
リン酸 りんさん リン酸とは、肥料の3要素のひとつで、花や実のつきをよくする効果があるので「実肥」とも呼ばれる。
林産物 りんさんぶつ 林野から生産または採取される産物。木材の他に薪や木炭、しいたけなどのきのこ類、樹液採取(うるし)などの特用林産物などがある。
林種 りんしゅ 森林の状態によって区分したもの。人工林、天然林、伐採跡地、未立木地、竹林に区分される。
林床 りんしょう forest floor 森林内の地表面のこと。
樹林内の地表面付近のこと。林床には樹木の実生や草本などが生育する。
一般的に樹林内では地表面の上層に位置する林冠などで大部分の光が吸収・反射される。そのため、林床に到達する光は、太陽放射のごく一部であることが多い。ギャップなどが形成された場合は、地表面に到達する光が急激に増加し、林床に生育する植物にとって好適な環境となる。
林床植物 りんしょうしょくぶつ 林床植物とは、林床で育つ植物をいう。林の構造や季節変化によって育つ植物は違ってくる。
輪生 りんせい 同じところから数本の枝が出ている状態=車枝
茎の1箇所に葉を3枚以上つけること。
輪生葉序 りんせいようじょ 茎の同じ高さから3枚以上の葉がでるもの。単に輪生ともいう。葉の枚数により三輪生、四輪生などということもある。
林相 りんそう 森林を構成する樹種、林冠の疎密度、林齢、林木の成長状態などによって示される森林の全体像を示すもの。
林地開発許可制度 りんちかいはつきょかせいど 森林法の規定に基づく民有林の開発行為の許可制度。1ヘクタール以上の森林の開発行為が都道府県知事の許可対象となっている。
林地残材 りんちざんざい 立木を丸太にする際に出る枝葉や梢端部分、森林外へ搬出されない間伐材等、通常は林地に放置される残材。
スウェーデンでは熱電併給システムでバイオマスを有効活用しているため、伐採後、森林内には小さな枝くらいしか残らない。一方、わが国では森林バイオマス量の約35%が森林内に残されている(平成10年「森林・林業・林産業と地球温暖化防止に関する検討会報告書」P34)。
林道 りんどう forest road 木材などの林産物を搬出したり、林業経営に必要な資材を運搬するために森林内に開設された道路の総称。一般には、適正な林道の整備を図ることを目的として、林道の構造等の基本的な事項を定めた「林道規程」の基準を満たしている自動車道を指す。
林道網整備計画 りんどうせいびけいかく 林道の適切な配置を行うとともに整備路線,事業量などを明確にし,林道事業の円滑な推進を図るため,「森林資源に関する基本計画」を踏まえ,都道府県知事が策定する計画。林道網整備全体計画及び林道網整備5ヵ年間計画からなる。
林道の改築・改良 りんどうのかいちく・かいりょう 既設林道の構造(幅員、曲線、勾配、構造物等)の質的向上を図ること。全線的な向上を改築、局部的な向上を改良という。
林道密度 りんどうみつど 森林の単位面積当たりの林道延長をいい、通常はm/haで示す。なお、林道に林内に存在する一般道路を加えたものの密度を林内道路密度といい、同様にm/haで示す。
林内公道 りんないこうどう 森林施業に活用できる国道、県道、市町村道、農道等。林道から公道に移管したものも含む。
林内作業車集材 りんないさぎょうしゃしゅうざい 集材のために作られた林内作業車を使った集材。小型から大型まで各種の車両がある。
林内道路 りんないどうろ 森林施業に活用できる公道と林道
輪伐期 りんばっき 連年作業の行われる作業級の全体を一巡伐採するのに要する期間。
林班 りんぱん 森林の位置と施業の便を考え「森林計画図」上に設定した森林区画の単位で、谷、尾根、河川などの自然地形を利用して区分する。数小班の集合から成る。(分班の集合体を小班、小班の集合体を林班という。)
森林計画では、森林の位置を明らかにする必要があることから、対象の森林を字界や尾根、谷等の天然地形で分けたものを「林班」といい、通常50ha程度で設定する。数字で表す。林班内を所有者、林相、林齢、樹種、法令等の異なるごとに細かく分けたものを「小班」といい、数字で表す。小班数が多い場合は、天然地形等で5ha程度に小班をまとめたものを「準林班」といい、い、ろ、はで表す。これらをまとめて林小班と呼んでいる。
林分 りんぶん 林業経営上の単位として扱われる、林相(樹種、林齢等)がほぼ一様で、隣接する森林と区別できるような条件を備えた森林。
鱗片 りんぺん 鱗片葉。冬芽を覆うなど、かたく保護の役目を持つうろこ状の葉。
鱗片繁殖 りんぺんはんしょく ユリの球根は、平たくなった茎に、肥厚した葉がついてできたいわゆる鱗茎であるが、肥厚した葉を鱗片といい、これを一つずつ取り外して砂や鹿沼土に斜めに挿し入れて管理すると芽と根を出し、それぞれが新しいユリとなる。
林野率 りんやりつ 総土地面積に対する林野面積の割合
林野面積/総土地面積×100(%)
林齢 りんれい 森林の年齢。人工林では、苗木を植栽した年を1年生とし、以後、2年生、3年生と数える。
ルジオン値 るしおんち lugeon value ルジオンテストはダムの基礎岩盤内に削孔したボーリング孔に圧力水を注入し、その透水度より岩盤の透水性を評価するテストで現場で比較的簡便に実施できて、地層の状態が大体判断できる。ルジオン値とはボーリング孔1mにつき10kg/cm2の圧力で1.0リットル/minの水が岩盤中に圧入されたときの透水度1ルジオンとしている。もしこの圧入がダルシーの法則に従うような条件であれば、1ルジオン値は1.3×10^-5cm程度の透水係数に相当する。注入圧力が10kg/cm2以上で試験している場合は注入圧力と注入量とが直接関係にあることを確認してそのまま求めるが、10kg/cm2以下で折り曲がり点がある場合は換算ルジオン値を求める。
ルジオンマップ るしおんまっぷ lugeon map ダムサイト周辺のボーリング孔の透水試験の結果によりステージ別のルジオン値が得られると、これをダムサイトの断面図に記入しルジオン値の範囲を示した地図を作成する。これがルジオンマップである。これはグラウチングの計画および施工の有効な資料となる。ルジオンマップは測定したルジオン値を基に岩質や地質構造を考慮して作成するが、調査の進展に従って、随時精度の良いものに修正する。
齢級 れいきゅう 林齢を一定の幅でくくったもの。一般に5年をひとくくりにし、林齢1~5年生をⅠ齢級、6~10年生をⅡ齢級と数える。
冷床育苗 れいしょういくびょう 踏み込みなど加温をしないで苗床で行う育苗をいう。
レイズドベッド れいずどべっど レイズドベッドとは、レンガや石などを積み上げて囲み、かさ上げした花壇のこと。作業性がよく、排水、通気もよくなる。
冷蔵処理 れいぞうしょり ユリなどの促成栽培には、球を一定期間冷蔵して開花を早めることが行われる。これを冷蔵処理という。
れき ephemeris アルマナックと同じような意味であるが、GPSでは軌道情報と同じ意味に使っている。強いて違いを強調すれば、暦は精密な軌道要素ではあるが、精度が保証されている使用期限が短いことである。
礫耕 れきこう 礫耕とは、礫(小石)栽培のこと。
培養土に礫を使用して床にいれ、肥料を溶かした養液を環流したり注入したりして植物を育てる方法。
レクリエーションの森 れくりえーしょんのもり 国有林野のうち、人と森林とのふれあいの場として、国民の保健及び休養に広く利用されることを目的に指定した森林。[1]自然休養林、[2]自然観察教育林、[3]風景林、[4]森林スポーツ林、[5]野外スポーツ地域、[6]風致探勝林等に分類。
礫径調査 れっけいちょうさ 砂防堰堤の構造を決定するのに必要な調査の一つ。計画地点の前後200m前後の渓流沿いにある礫(レキ)を100個程度計測する作業のこと。対象となる礫は上流から流れてきたと想定されるもので、なるべく大きなものを計測する。明らかに山腹から落下してきたものは対象外とする。上流から流れてきたものは、ほとんどの場合、角が取れ比較的丸くなっているものが多い。幅、高さ、奥行を計測する。
列状間伐 れつじょうかんばつ 間伐作業の低コスト化を図るため、間伐木を伐採や搬出に都合のよい列状に選木し、間伐を行う方法。選木が簡単で、間伐作業も画一的になり、伐採や集材作業の機械化により間伐経費を節約できるが、林内に不良木が残り、将来生産材の品質の低下が生じるという欠点もある。
選木基準を定めずに単純に列状に間伐する方法。高性能林業機械の導入による作業効率の向上、選木作業の省力化等による間伐経費の削減に有効な手段。
劣勢木 れっせいぼく 林分の平均的な成長に比べて樹勢が弱く遅れているもの。そのため、周囲木から被圧を受け、ますます樹勢は衰え、枯死につながる場合も多い。
レッド・データ・ブック れっど・でーた・ぶっく Red Data Book 絶滅の恐れのある野生動植物の種に関する報告書のことです。その名称は、IUCN(国際自然保護連合)がはじめて発行したものの表紙に、赤い紙が使われていたことによります。日本では、動物について、環境庁が1991年(平成3年)に「日本の絶滅のおそれのある野生生物-レッドデータブック-」を発行しています。植物に関しては、1989年(平成元年)に、日本自然保護協会と世界自然保護基金日本委員会から「日本における保護上重要な植物種の現状」が発行され、また水生生物については水産庁が1994年(平成6年)、1995年(平成7年)に「日本の希少な野生水生生物に関する基礎資料」としてとりまとめています。蝶類については、鱗翅学会が1993年(平成5年)に「日本産蝶類の衰亡と保護」としてまとめています。その他神奈川県、三重県、兵庫県などの地方自治体が、その地域の希少な動植物について発行しています。
レッドデータブックは、絶滅のおそれのある野生生物の形態や生態、生育状況をまとめた本で、「生存に関して赤信号の灯った生物に関する各種の情報を記載した本」という意味である。1966年に国際自然保護連合(IUCN)が絶滅のおそれのある動植物の現状を世界的な規模で明らかにしたのが最初で、その後、世界各国で独自の「レッドデータブック」が作成されている。
日本では環境庁が1989年に「緊急に保護を要する動植物の種の選定調査・結果概要」を発表している。日本版レッドデータブックとしては、1991年に脊椎動物(日本産1,243種中283種)と無脊椎動物(同33,776種中410種)のリストが刊行されており、掲載種は、絶滅種、絶滅危惧種、危急種、希少種および地域個体群に区分されている。また、1993年には日本植物分類学会により植物(同約5,300種中895種)のリストが刊行されている。
レッドリストは、日本で絶滅のおそれのある野生動植物について、生物学的観点から個々の種の絶滅の危険度を評価し、選定してリスト化して公表したもの。そのリストに基づいて、2006年8月までに生息状況などをまとめたのがレッドデータブック。
2007年3月末現在、絶滅のおそれのある野生動植物の種の保存に関する法律に基づき、日本に生息・生育する絶滅のおそれがある種のうち、哺乳類4種、鳥類39種、爬虫類1種、両生類1種、汽水・淡水魚類4種、昆虫類5種、植物類19種の計73種を国内希少野生動植物に指定している。たとえば、トキやコウノトリ、イリオモテヤマネコ、タンチョウ、シマフクロウ、イヌワシなどがそれ。
レッドリスト れっどりすと IUCN が1994年12月に採択した、レッドデータブックに関するカテゴリーです。日本版は環境庁が1997年に発表しました。これまでの定性的な要件でなく、絶滅確率等の数値基準による客観的な評価基準を採用し、絶滅のおそれのある種(絶滅危惧種:Threatened)を一括りにしています。
連作障害 れんさくしょうがい 連作によって起こる作柄の不良を連作障害または忌地現象という。原因は、特定の病害が甚だしくなる、特定の土中養分の欠乏、塩積、根が分泌した有害成分のためなど、場合によって種々である。
連作障害とは、連作を続けたことによる生育不良などの障害をいう。
連作を続けると植物の生育が悪くなってくることがある。これを連作障害または忌地という。
連作により特定の病害虫が増加したり、土中の特定成分が減少したり、作物から分泌される有害物質が蓄積したりするためと考えられる。
レンジャー れんじゃー 米国においては、国立公園において現地管理業務を担当する職員を一般にパークレンジャー(Park Ranger)と呼んでいるが、我が国においてもこの呼称を用いて環境省の職員である国立公園管理官をレンジャーと称している。
我が国のレンジャーの業務は次の3つに大別される。
1.国立公園の風致景観の保護のための業務
2.国立公園の適正な利用促進のための業務
3.国立公園内環境省所管地・財産の管理業務
連続雨量 れんぞくうりょう 降り始めから降り終わりまでの一連の降雨量の積算値。ここで降り始め、降り終わりとは、前後24時間以上無降雨であった場合。
連続キネマティック れんぞくきねまてぃっく continuous kinematic キネマティック測位の一つの方式で、アンテナの移動の軌跡を追跡できる解析方法である
老朽化水田 ろうきゅうかすいでん これは土が老朽化した水田のことで、土から鉄分が溶け出してしまった結果であると考えられている。秋おち現象など、稲の収量に影響する。
漏水 ろうすい 河川の水位が上がることにより、その水圧で堤防や地盤の中に水みちができて、川の水が漏れること。漏水した状態が長時間続くと堤防が弱くなり、危険性が高まる。
老齢林 ろうれいりん 伐期に達した立木の平均材積成長量が低下している森林。通常,成長の早い樹種では50 年までを壮齢林とし,それ以上を老齢林とする。また,成長の遅い樹種では,80 年までを壮齢林,それ以上を老齢林とする分け方もある。
ローカルエネルギー ろーかるえねるぎー 各地域に分散して存在する小規模なエネルギー源のこと。風力、小水力、バイオガスなど環境と調和した再生可能エネルギーが多く地域の特性に合った各種の技術が研究・開発、利用されている。発電を行う場合全国規模のネットワークに接続されることが多いが、電力以外は地域内で生産し地域内で消費されることも特徴といえる。
ロードキル対策 ろーどきるたいさく 野生動物等が道路横断の際に自動車等により轢死、衝突事故死することをいう。
その対策とは、移動経路を確保するための野生動物専用の道路横断トンネルを設置したり、進入防止策や路肩に返しを設置するなどの措置をいい、ドライバーに衝突事故の注意を促す標識を設置することも含まれる。
6次産業化 ろくじさんぎょうか 農林水産業が1次産業(農林水産物の生産)にとどまるばかりでなく、それらを地域内で加工(2次産業)し、付加価値を高め、それを農林水産業者等が流通販売(3次産業)することにより、所得の向上と雇用の場の確保を図ろうとするもの。こうした一連の行為(1次×2次×3次)を6次産業化と称している。
60分雨量 ろくじゅっぷんうりょう 直近の60分間に降った雨の量を指します。60分雨量と時間雨量の違いは起算するタイミングが異なります。
6条監督委員会 ろくじょうかんとくいいんかい Article 6 Supervisory Committee JI事業を監督・検証する目的で設置された委員会。ただし、ホスト国が京都メカニズム参加要件を満たしている場合は、ホスト国が独自に排出削減の検証を行うことができる。これは、CDMと異なり、JIの場合にはホスト国が数値目標を負った国であり、削減の担保があるとみなされるため、規制が緩いためである。JI監督委員会ともいう。
ロジスティクス ろじすてぃくす 企業の物流合理化の手段。原料の手当てから販売まで、物流を効率的に管理するシステム。
露地床育苗 ろじどこいくびょう 露地、まったく被覆しない畑の畝を苗床として育苗する方法。単に露地育苗ともいう。
ロゼット ろぜっと 節間が極端に短くつまった茎に葉が水平に放射状に出ており、根から直接に多数の葉がむらがって着いている外観を呈する場合、このようなものをロゼットという。
植物の育成型を示す用語で、極めて短い茎から葉が四方に水平に出ている状態。このような葉をつける植物をロゼット植物という。例タンポポ
ロゼットとは、葉が放射状に広がり、地面に張り付いたように平らにでている状態のこと。太陽光をじゅうぶんに取り入れ、保温性があるので冬の間だけロゼット状で過ごす植物もある。
ロックフィルダム ろっくふぃるだむ ロックフィルダムとは、アースフィルダムのように土を材料とするのではなく、岩石を原料とするダムのことです。まず堤体中心部(コア)に粘土質の水を染み 込ませない為の壁をつくり、更にその周りにフィルターとなる層をつくって、堤体表面に岩石を並べる三層構造で堤体を強固なものにしています。
ロックウール栽培 ろっくるーるさいばい 養液栽培の一つで、土壌の代わりに、培地に鉱物を綿状に加工したロックウールを用い、養液を流して栽培する。近年開発された技術である。
ロット ろっと 生産や流通において使用される取引単位としての丸太や製材品の集まり。
ロット ろっと 腐れのこと。
路網 ろもう 森林内にある公道、林道、作業道の総称、又はそれらを適切に組み合わせたもの。森林施業を効率的に行うためには、路網の整備が重要となる。
ワークショップ(環境教育) わーくしょっぷ 「体験を通して共に学びあう場」。教育の新しい可能性。そこに参加する全ての学習者と教育者とがお互いの持てるものを出し合いながら、学びを得ていく学習法。また合意形成への新しい形という意味も持つ。
ワーディアンケース わーでぃあんけーす ワーディアンケースとは、寒さや乾燥から植物を守るために入れるケースのこと。ガラス製や、プラスチック製のものがある。
ワープ わーぷ 木材の反り,狂い,曲がりのこと。
矮化剤 わいかざい 生長調節剤の一種。植物の伸長をおさえ矮性の草姿に仕上げる。
Yコード わいこーど Y code 元来はPコードが軍事用秘密符号であったが、現在は実質的に開放されている。Yコードはそれに代わるものであるといわれている。
矮性 わいせい 生物の体が標準の大きさに比べて小さいこと。遺伝的または病的要因による。観賞用植物や愛玩動物として、育種で作られることも多い。園芸的には主として草丈の低いことをいう。高性に対する言葉。
わい性とは、節間伸長が少なく、草丈の低い植物をいう。ドワーフともいう。一般的には草丈30㎝未満のものをいう。
遺伝的なもの、生長抑制剤を使ったもの、台木によるもの、栽培方法によるものなどがある。
矮性台木 わいせいだいぎ わい性台木とは、あまり大きくならないように、接ぎ木の台木にわい性種を用いたもの。リンゴなどでは主流になっている。
わかちあい(環境教育) わかちあい ふりかえりとペアで実施することが多い。ふりかえりの記入用紙を使って、小グループでそれの読み合せをする。そしてフリーに意見を述べ合う。自分とは違った感想、多様な感性が活動の体験の意味をさらに膨らませる。
和漢薬 わかんやく 和漢薬とは、日本と中国で使われている生薬のこと。
脇芽 わきめ 葉のつけ根にできる芽。普通、葉の基部の上側にできるが、葉柄の内側に生ずるものも多い。腋芽。
枠組壁工法 わくぐみかべこうほう 木材で組まれた枠組みに構造用合板等を打ち付けた壁、床等で荷重を支える木造建築工法の一種。枠組みとして多く使われる製材の呼称寸法が厚さ2インチ、幅4インチであるためツーバイフォー(2×4)工法と呼ばれている。
枠ダム わくだむ crib dam 木材、鉄筋コンクリートなどの柱・はり・壁材で枠を組み立て、中に石礫を詰めて造るダム。枠の材料としては、上記のほか鋼材、中空コンクリート管などがある。構造物としては一単位を小さくとれるため、全体の構造が外力に対してフレキシブルなものとなるため、地すべり地や活火山地帯で地盤の変動している地域で用いられている。
輪肥 わごえ 輪肥とは、根株の周りに輪状に浅い溝を掘って、肥料を与えること。主として果樹や庭木などの永年作物に、元肥として毎年与える。「りんぴ」ともいう。
和名 わめい 日本国内で使われる種名。複数の和名(別名)をもつ木もあるが、正式な和名というのは厳密には決まっていない。植物学の分野で一般的に使われる和名を特に標準和名と呼ぶ。
割当量 わりあてりょう Assigned Amount Unit:AAU 2008年~2012年の第1約束期間に締約国が許可されている総排出量のこと。排出量取引やJI、CDMを行うことにより、この量にプラスあるいはマイナスされる。
割当量 わりあてりょう Assigned Amount Unit:AAU 附属書I国に割り当てられる温室効果ガスの排出枠⇔ERU、CER
割り接ぎ わりつぎ まず、穂の下端をくさび形にそぎ、台木の茎を切断してその断面の中央を少し切り下げて割れ目をつくり、これに穂を挿し込んでしっかりくくるか、特定の小具で挟み、台と穂の切り口を密着させる接ぎ木方法。しかし、接ぎ木苗が大苗で効果が悪いため、より効果の高い幼苗接ぎ木が一般的である。

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