認証材と日本の林業と消費者 北欧で見てきたことを書いてみます。
別に、認証材を否定しているわけではないと言うのを知ってもらいたいのですが でも、これだけはいえると思います。 認証制度を導入する前にやることがあるやろと それと、輸出を考えているのかと 認証材が必要なのは、木のない国の話ではないのか 具体的には、イギリスやオランダ、ベルギーといった国 林業が存在出来ない国の話のような気がします。 なぜなら、木を外から買ってこないといけないから 自国材でまかなうことが出来ないから 木を買う以上は、ちゃんとした経営からでないと自然破壊につながる それこそ、認証材の出番です。 でも、木質資源が豊富にある国はどうなのか 北欧をぶらっとして強く感じたことは、認証材は必要ないと 敢えて、誤解を招く言葉ですが、強く言い切れます。 認証材は自国の林業を馬鹿にしていると (もちろん、輸出となれば話は変わりますけどね) 北欧の林業は、更新容易な林業です。 そして、木が豊富にあります。 レジャーは森でのイチゴ狩りに、キノコ狩り 所有者に断ることなく、森に入ります。 また入って良いのです。ただし、たき火などの森を傷つけてはダメですが 森が一般の人と非常に身近にあるんです。 だから、森を荒らすような経営は出来ません。 したがって、森をきちんと管理する義務を森林所有者は負っています。 変なことすると、たぶん村八分にされるんだと思います。 では、振り返って日本では 個人所有の森にズカズカと入ることは出来ません。 それが良いか悪かは別の次元かもしれませんが 身近な森を提供しなかったことは事実です。 もちろん、北欧と違って急峻な日本の地形がその最大の要因であることは 明らかだと思います。 まあ、わざわざ、急峻な斜面に入る方もいないですからね 身近に森を感じていない、木を感じない国民がいることが問題なのかもしれません。 提供していない側に問題があるのか、それ以前の関心無い都市部の人間が存在に 問題があるのか、山(森)、林業というのはこの国の人に何を提供してきたのか 再認識、再発見しないといけない時期に来ているのかもしれません。 認証を取って林業の活性化を求めても、消費者が国産材を求めなければ 輸出して海外に活路を求めるしかありません。 このままだと、消費者に木・森を意識させなければ、認証材をとっても宝の持ち腐れです。 じゃあ、どうすればよいのか だいぶ北欧にかぶれてしまったのですが 木製品のデザイン力は見習うべきではないかと 口悪く言えば、冬の閉ざされた空間の中でひたすら考えるしかなかったから 研ぎ澄まされたデザインが生まれたのかもしれません。 それ以上に木材をふんだんに使っています。 外装、内装に、また生活雑貨、小物も aarikka(http://www.aarikka.fi/)の製品をまねする必要はないけれど 日本人による日本の風土にあった新しいデザインを作る努力をするべきでしょうね 国産材が売れないのではなく、売ろうとする努力がアイデアが足りないのかもしれません。 木を身近に感じさせることが今求められているのかもしれません。 木造校舎は無理にしても、国産材をふんだんに使って内装を充実させるとか いろいろ方法はあると思います。 林業とはなんだろうか、いろいろな人からのメールをもらって考えさせられます。 3代先のことを考えて行う気の長くなる、そして自然災害というリスクと隣り合わせの 変な産業です。 3代先、60年後の未来は誰も分かりません。 なのに木を植え、育てます。 そこには、孫がお金に困らないようにという誰もが分かる目的の他 農業に適さない土地を有効利用する人間の知恵があります。 林業とはと聞かれれば、 「食糧を作ることが出来ない場所で、生活に必要な物を自然の力を使って生み出す産業」 といえるのかもしれません。 今の基礎を作った林業の先駆者は、多くは庄屋さん 利益のためというより、雇用を作ったり、材を安定的に供給するという 公共精神から発展してきた経緯があります。 今も、そういった面が残っていると思います。 天然林と人工林、洪水調節機能は、人工林が劣りますが 草地よりはずっとまし 水源涵養は、結果的にしろ、自然にあまり逆らわない産業だから出来る 芸当なのかもしれません。 日本の林業は、薪炭の供給、木材の供給を続けてきました。 急激の需要増加に対応しきれず、外国からの輸入になり 厳しい時代に突っ込んだままです。 ここで北欧と違う点は、愛国心が無いというか 郷土愛がないということ もし、自分の生まれた地域を愛するのならば 地域産を買うはず、買わなければ自然環境が悪くなり 地域経済もおかしくなります。 認証制度を導入しても、取得出来ても、意味がないのでは そんな気がします。 郷土を愛するような形に持って来れたら 認証を取得しなくても木材が売れるようになるのでは 持続可能な森林経営、環境に配慮した森林経営 でも、山側で出来ることはあまりありません。 流域の人をいかに目覚めさせるか 安心して生活を送ることが出来るのは、管理された山があるから 再生可能な資源を育てているのも、未来のため どうすれば、都市部の消費者に受け入れられるか 都市の住民に反旗を翻すのも一つかも知れません。 北欧の人の自国の誇りに感化されましたが 考えないとね 好き勝手書きました。 環境問題はグローバルに考えることは重要ですが ローカルというか足下から 国内に限って書いてみました。 |
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