作者の思うSFM(日本版) 地域マネー(地域通貨)と林業
国内に限った話という前提で書いてみました。
個人的に感じていることは、ISOやFSC等の森林認証を取ることによる木材・林業の生き残りは難しいのではないか。大規模な森林所有者ならびに団地を持っていて認証に係るコストが負担できるところや、輸出を視野に入れている企業は勿論別ですが。
それは、森林認証制度に欠点があるというのではなく、すばらしいシステム・思想だと思いますし、このシステムによって環境保全に意識した林業が行われることは、100利あって1害はないと思います。 ただ問題なのは、一部の環境保護団体の過激な主張、過激な行動(環境テロ行為)が消費者の購入意欲を阻害するかなと思うぐらいです。
今までの林業が全く環境に配慮していなかったというわけではありませんが、経営の見直しの過程で、認証を取る取らないに関わらず環境に配慮しているという経営行為を行えば、一般の人にも林業を理解してもらえると思います。
公益的な産業といっても、なかなか理解してもらえなかったと思いますが、この様なことに配慮していますと提示することによって、具体的になるからです。
国内の地場産業を守る意味では、どちらかというと、地域マネー(地域通貨)という新しいシステムの中で、生き残ることが可能ではないかと思っています。地場のモノが一番良いという発想です。身近でもありますから
その地域の森林からでた木材を利用した家を建てる。間伐材を利用する。市場によって価格が影響されるのであれば、地域マネーを使って、その木材(森林)の価値と変わる何かと交換するということです。
一種の物々交換です。今までのお金の価値と違う新しい世界です。
あるHPでは、面白いたとえがありました。
地域マネーは子供銀行券と同じで、子供同士で通じる通貨、大人社会では勿論使えません。
子供を地域に置き換えれば、地域では使えるけれど、世界では使えないということです。
森林認証制度は、生活の中で、高品質を求める、また環境に優しく生きたい、地球人でありたいという願望を持った人には受け入れられる反面、経済的に余裕のない人にとって見れば、少しでも安いモノを求める行動の前には、ただのお題目となると思います。
自分の経済状態を見ると、認証材を使った製品とそうでない製品があった場合、価格で決めると思います。勿論やすい方です。こんなホームページを作っていながら、行動が伴わないのは情けないですが、無い袖は振れません。
けれども、地域マネーとなれば、例えば、木材と農作物や魚介類といった見えるモノや、福祉ボランティアという見えないサービスまで交換する事が可能になるでしょう。山持ちの小規模所有者に利益が還元されるのでないでしょうか。
特に、間伐材などの利用においては現時点では、10年たったモノでも大根1本に価格で勝てないんです。市場価格に影響されないで、間伐材をスムーズにだし、現金を得ることは出来ませんが、山の管理に対する報酬が、違う形で発生するのではないでしょうか
持続可能な森林経営とは、何かを考えた場合、作者は、環境に優しいとか、生態系に配慮したとか、野生動物に優しいというのではなく、ある地域内で循環する森林資源の利用と思っています。
その範囲を地域マネーという範囲とリンクさせるのです。
今の木材価格には、公益的な機能はハッキリ言って含まれていません。
海外マーケットに左右されていますから。
付加価値は、今の経済システムでは、素人から見ても難しいと思います。
しかし、地域マネーではそれが付加できると思います。
どうでしょうかね。
主伐で、現金を手に入れ、間伐で福祉を得る。
そうすることが、国内における持続可能な森林経営が出来るのではないかと勝手に思っています。
是非、ご意見をお願いします。