令和6年度
共通 設問Ⅰ
1800字
1-1 野生動物が人間の生業や生活及び自然環境に被害を与える事例が頻繁に発生している。中でもニホンジカ(学名:Cervus nippon、本問においては日本列島に生息する地域亜種すべてを含むものとする。以下、シカと記述。)による様々な被害が深刻化しており、対策が強く求められている。本問は、森林が持つ多面的機能の維持・発揮に向けた森林の管理・経営における効果的なシカ害対策について問うものである。

(1) 森林の持つ多面的機能をシカが低下させる事例を挙げて、技術者としての立場で多面的な観点から3つの課題を抽出し、それぞれの観点を明記したうえで、その課題の内容を示せ。

(2) 前問(1)で抽出した課題のうち最も重要と考える課題を1つ挙げ、これを最も重要とした理由を述べよ。その課題に対する複数の解決策を、森林部門の専門技術・手法を用いて示せ。

(3) 前問(2)で示したすべての解決策を実行しても新たに生じうるリスクとそれへの対策について、専門技術を踏まえた考えを示せ。

(4)前問(1)〜(3)の業務遂行において必要な要件を、技術者としての倫理、社会の持続可能性の観点から題意に即して述べよ。
1-2 森林の多面的機能の持続的発揮と地域の活性化には、森林整備とともに木材の需要拡大が不可欠である。そのような状況のもと、建築用材等として多くの針葉樹材が用いられているが、広葉樹材は1960年代以降、薪炭材としての利用が減少し、その森林の高林齢化がすすんでいる。一方、我が国の広葉樹林の面積率は約47%と針葉樹林とほぼ同等であり、未利用広葉樹資源の利活用が求められている。
上記のような状況を踏まえて、以下の問いに答えよ。

(1) 広葉樹林及びその資源の多面的な利活用に関して、その利活用事例を1つ挙げ、その事例に対して技術者としての立場で多面的な観点から3つの課題を抽出し、それぞれの観点を明記したうえで、その課題の内容を示せ。

(2) 前問(1)で抽出した課題のうち最も重要と考える課題を1つ挙げ、その課題に対する複数の解決策を、専門技術用語を交えて示せ。

(3) 前問(2)で示したすべての解決策を実行しても新たに生じうるリスクとそれへの対策について、専門技術を踏まえた考えを示せ。

(4) 前問(1)〜(3)の業務遂行において必要な要件を、技術者としての倫理、社会の持続可能性の観点から題意に即して述べよ。
林業・林産 設問Ⅱ
600字
1200字
1-1 森林法に規定されている「森林経営計画」の目的を述べ、対象となる森林の面積や所有形態に応じた計画の種類を挙げよ。また、認定されることにより受けられる優遇措置・支援及び申請先を述べよ。
1-2 健全な樹木に加害する一次性害虫である、マツノマダラカミキリ、カシノナガキクイムシ、クビアカツヤカミキリの3種について、それぞれの加害形態と防除法を解説せよ。
1-3 構造用集成材の使用環境について説明し、それぞれの環境でラミナの積層方向•幅方向の接着に使える接着剤を挙げよ。
1-4 製材の乾燥について、その必要性と乾燥方法について述べよ。
2-1 近年人工林の多くが本格的な利用期を迎え、今後大径材の出材量の増加が見込まれる中で、大径材の利用拡大に向けた取組が必要となっている。あなたがある地域において大径材利用拡大対策の担当者となった場合、下記の内容について記述せよ。

(1) 大径材の利用拡大に向けて、主として調査、検討すべき事項とその内容について説明せよ。

(2) 業務を進める手順を列挙して、留意すべき点、工夫すべき点を述べよ。

(3) 業務を効率的、効果的に進めるために必要となる関係者を列記し、それぞれの関係者との連携・調整について述べよ。
2-2 環境保全や持続可能な森林経営に向けては、違法伐採対策として合法性の確保•証明が重要となっている。上記の認識をふまえ、日本国内の人工林にて、皆伐による素材生産から木材製品販売に至るまでのいずれかの段階の事業において、あなたが違法伐採対策の担当責任者に選ばれた場合、下記の内容について記述せよ。

(1) あなたの立場を示し、調査、検討すべき事項とその内容について説明せよ。

(2) 業務を進める手順を列挙して、それぞれの項目ごとに留意すべき点、工夫を要する点を述べよ。

(3) 効率的、効果的な業務遂行のために調整が必要となる関係者を列記し、それぞれの関係者との連携、調整について述べよ。
設問Ⅲ
1800字
3-1 竹材は身近な資源として、これまで日用雑貨、建築•造園用資材、工芸品等様々な用途に利用されてきた。しかし、近年、プラスチック等の代替材料が普及することで竹材の利用量が減少してきている。このような状況を踏まえて林業・林産分野の技術者として、以下の問いに答えよ。

(1) 竹林や竹材の利用を促進するために技術者の立場で多面的な観点から3つの課題を抽出し、それぞれの観点を明示したうえで、課題の内容を示せ。

(2) 抽出した課題のうち最も重要な課題と考える課題を1つ挙げ、その課題に対する複数の解決策を、専門技術用語を交えて示せ。

(3) すべての解決策を実行して生じる波及効果と新たなリスク及びそれへの対策について、専門技術を踏まえた考えを示せ。
3-2 我が国の林業・木材産業の成長産業化に向けてスマート林業等(林業イノベーション)が提唱され、普及が推進されつつある。これを活かし、新たな機械や技術の導入により森林整備における作業現場での生産性向上を図るには、事前に作業工程を調査・解析して具体的な改善策を策定し、それらを関係者に分かり易く提示すること(見える化)が求められるところである。
上記の認識を踏まえ、林業の経営・生産に関わる技術者として以下の問いに答えよ。なお、森林整備における作業とは、除間伐及び択伐を含む伐採及び伐採後の造林•天然更新作業・保育・作業道開設・運材等の一連の作業を指すものとする。

(1) 森林整備作業の生産性向上に向けた機械や技術等の導入に当たって、技術者として多面的な観点から3つの課題を抽出し、それぞれの観点を明記したうえで、その課題の内容を示せ。

(2) 前問(1)で抽出した課題の中で、最も重要と考える課題をその理由とともに記し、専門技術用語を用い遂行方策を含む解決策を複数示し、具体的に説明せよ。

(3) 前問(2)で示したすべての解決策を実行しても新たに生じうるリスクとそれへの対応策について、専門技術を踏まえた考えを述べよ。
森林土木 設問Ⅱ
600字
1200字
1-1
1-2
1-3
1-4
2-1
2-2
設問Ⅲ
1800字
3-1
3-2
森林環境 設問Ⅱ
600字
1200字
1-1 国有林野事業における「保護林」について説明し、現在の区分を3つ挙げ、そのうちの1つについて役割を述べよ。
1-2 木質バイオマスのエネルギー利用について説明し、その効率的利用に向けた方策を1つ挙げ、その要点を述べよ。
1-3 森林の水質保全機能について説明し、その維持向上に必要な方策を2つ挙げ、その要点を述べよ。
1-4 森林火災の特徴について説明し、その効果的な防止方法を複数挙げ、それぞれの要点を述べよ。
2-1 近年、主伐•再造林が進むにつれて野生鳥獣による森林被害の中でも、ノウサギによる植栽木への被害が広がってきている。あなたの地域(市町村程度の広がり)で、ノウサギによる森林被害の防除担当責任者として業務を進めるに当たって、下記の内容について記述せよ。

(1) 調査、検討すべき事項とその内容について説明せよ。

(2) 業務を進める手順を列挙して、それぞれの項目ごとに留意すべき点、工夫を要する点を述べよ。

(3) 業務を効率的、効果的に進めるための関係者との調整方策について述べよ。
2-2 我が国は、2050年カーボンニュートラルの実現に向け、パリ協定のもとで2020年以降の温室効果ガス排出削減目標として「国が決定する貢献(NDC)」を定めており、2030年度に2013年度比で46%の排出削減を目指すことを表明している。この2030年度の削減目標のうち約2.7%は森林吸収源によるものであり、森林による吸収量を確保、強化させるための森林吸収源対策の推進は重要な課題である。あなたが地域(市町村程度の広がり)の森林吸収源対策の推進を図る担当者として業務を進めるに当たって、下記の内容について記述せよ。

(1) 調査、検討すべき事項とその内容について説明せよ。

(2) 業務を進める手順を列挙して、それぞれの項目ごとに留意すべき点、工夫を要する点を述べよ。

(3) 業務を効率的、効果的に進めるための関係者との調整方策について述べよ。
設問Ⅲ
1800字
3-1 地球温暖化や都市化の進行の影響もあり、我が国の森林景観は近年大きく変化している。地域の森林景観保全対策を担当する技術者として、以下の問いに答えよ。

(1) 技術者としての立場で多面的な観点から3つ課題を抽出し、それぞれの観点を明記したうえで、課題の内容を示せ。

(2) 抽出した課題のうち最も重要と考えられる課題を1つ挙げ、その課題に対する複数の解決策を、専門技術用語を交えて示せ。

(3) すべての解決策を実行しても新たに生じるリスクとその対策について、専門技術を踏まえた案を示せ。
3-2 松くい虫被害は減少傾向にあるものの、依然として国内で最大の病害虫被害となっている。松くい虫被害の発生する恐れがある海岸林を保全•管理していくうえで、以下の問いに答えよ。

(1) 技術者としての立場で多面的な観点から3つ課題を抽出し、それぞれの観点を明記したうえで、課題の内容を示せ。

(2) 抽出した課題のうち最も重要と考えられる課題を1つ挙げ、その課題に対する複数の解決策を、専門技術用語を交えて示せ。

(3) すべての解決策を実行しても新たに生じるリスクとその対策について、専門技術を踏まえた案を示せ。
令和5年度
共通 設問Ⅰ
1800字
1-1 2050年カーボンニュートラルに寄与するための、グリーン成長の実現に向けた試みの1つとして、「都市の木造化・木質化」が注目されている。一方、ウッドショックを背景に国産材の利用推進が求められている。

(1)「都市の木造化・•木質化」に向けた国産材の利用推進に関して、技術者としての立場で多面的な観点から3つの課題を抽出し、それぞれの観点を明記したうえで、その課題の内容を示せ。

(2) 前問(1)で抽出した課題のうち最も重要と考える課題を1つ挙げ、その課題に対する複数の解決策を、専門技術用語を交えて示せ。

(3) 前問(2)で示したすべての解決策を実行しても新たに生じうるリスクとそれへの対策について、専門技術を踏まえた考えを示せ。

(4) 前問(1)〜(3)の業務遂行において必要な要件を、技術者としての倫理、社会の持続可能性の観点から題意に即して述べよ。
1-2 気候変動の影響下において、極端現象と呼ばれる極端な高温や低温、強い雨などが世界各地で観測されている。我が国においても大雨の年間発生数が増加しており、山地災害の激甚化が懸念される。このような状況の中、土砂災害等に伴って発生する大量の流木による「流木災害」の軽減に向けた対応が求められている。
上記のような状況を踏まえて、以下の問いに答えよ。

(1)「流木災害」を軽減するための対策について、技術者としての立場で多面的な観点から3つの課題を抽出し、それぞれの観点を明記したうえで、その課題の内容を示せ。

(2) 前問(1)で抽出した課題の中で、最も重要と考える課題をその理由とともに記し、その課題に対する複数の解決策を、森林部門の専門技術用語を交えて示せ。

(3) 前問(2)で示した解決策を実行して生じる波及効果と専門技術を踏まえた懸念事項への対応策を示せ。

前問(1)~(3)の業務遂行に当たり、技術者としての倫理、社会の持続可能性の観点から必要となる要件、留意点を題意に即して述べよ。
林業・林産 設問Ⅱ
600字
1200字
1-1 特定母樹について、その指定基準を説明するとともに、特定母樹から得られる苗木の植栽により期待される効果について述べよ。
1-2 松くい虫被害について、発生のメカニズムを説明するとともに、その防除方法を3つ挙げ、それぞれに関して実施上の留意点を述べよ。
1-3 「木質耐火部材」についてその耐火性付与の方法を3つ挙げ、それぞれの特徴を述べよ。
1-4 木質材料である「直交集成板」と「超厚合板」について製造方法を簡潔に説明せよ。また、それらの用途と特徴の相違点を述べよ。
2-1 かつては竹材やタケノコの生産を目的に管理されていたものの需要の減少や担い手不足から放置された竹林を改めて管理することとなった。あなたがこの業務の担当責任者に選ばれた場合を想定して、下記の内容について記述せよ。

(1) 放置された竹林を改めて管理するに当たり、調査、検討すべき事項とその内容について説明せよ。

(2) 留意すべき点、工夫を要する点を含めて業務を進める手順について述べよ。

(3) 業務を効率的、効果的に進めるために調整が必要となる関係者を列記し、それぞれの関係者との連携・調整について述べよ。
2-2 今後は世界的にも木材需要が増大するとの見通しから、地域の木材を有効活用するため、新たに「木材輸出」を推進していくこととなった。この計画を進めるに当たり、下記の内容について記述せよ。

(1) 調査、検討すべき事項を列記し、その必要性及び内容について説明せよ。

(2) 留意すべき点や工夫を要する点を含めて業務を進める手順について述べよ。

(3) 業務を効率的、効果的に進めるために必要となる関係者を列記し、それぞれの関係者との連携、調整について述べよ。
設問Ⅲ
1800字
3-1 針葉樹人工林の多くが主伐期を迎えているものの、これまで個々の森林所有者による保育等に留まり、本格的な主伐等は行われていない地域があるものとする。
この地域では、今後、高性能林業機械を導入し、効率的な木材生産を行うことにより、森林資源の有効利用、持続的な林業経営を目指したいと考えている。
この地域の森林整備を支援する技術者として以下の問いに答えよ。

(1) 効率的な木材生産等を目的として高性能林業機械の導入を検討する際、多面的な観点から3つの課題を抽出し、それぞれの課題を明記したうえで、その課題の内容を示せ。

(2) 前問(1)で抽出した課題のうち最も重要と考える課題を1つ挙げ、その課題に対する複数の解決策を示せ。

(3) 前問(2)で示したすべての解決策を実行しても新たに生じうるリスクとそれへの対策について、専門技術を踏まえた考えを示せ。
3-2 近年、脱炭素が国際的な課題とされ、CO2削減の取組が各国で進められており、再生可能エネルギーによる発電の普及は、CO2削減への有効な手段として期待されている。そこで、木質資源を主たる燃料とした木質バイオマス発電施設を建設・運転することになった。この発電施設は、地域にある木質バイオマスを燃料として運転し、既に再生可能エネルギーの固定価格買取制度の認証を受けている。
この木質バイオマス発電設備を運転する技術者として以下の問いに答えよ。

(1) 木質バイオマス発電施設を安定して運転するために技術者の立場で多面的な観点から3つの課題を抽出し、それぞれの観点を明示したうえで、課題の内容を示せ。

(2) 前問(1)で抽出した課題のうち最も重要と考える課題を1つ挙げ、その課題に対する複数の解決策を示せ。

(3) 前問(2)で示した解決策を実行して生じる波及効果と専門技術を踏まえた懸念事項への対応策を示せ。
森林土木 設問Ⅱ
600字
1200字
1-1
1-2
1-3
1-4
2-1
2-2
設問Ⅲ
1800字
3-1
3-2
森林環境 設問Ⅱ
600字
1200字
1-1 「森林環境教育」の意義を説明し、活動事例を2つ挙げ、実施する場合の留意点を述べよ。
1-2 「森林認証」制度について説明し、我が国の取組状況と課題を述べよ。
1-3 スマート林業について説明し、関連する技術を3つ挙げ、それぞれの内容について述べよ。
1-4 森林の土壌保全機能について説明し、その維持向上に必要な方策を1つ挙げ、その要点を述べよ。
2-1 野生鳥獣による森林被害の中でも、シカによる被害が依然として全国的に深刻である。あなたの地域(市町村程度の広がり)で、シカによる森林被害の防除担当責任者として業務を進めるに当たって、下記の内容について記述せよ。

(1) 調査、検討すべき事項とその内容について説明せよ。

(2) 業務を進める手順を列挙して、それぞれの項目ごとに留意すべき点、工夫を要する点を述べよ。

(3)業務を効率的、効果的に進めるための関係者との調整方策について述べよ。
2-2 令和3(2021)年7月に、我が国において5件目となる世界自然遺産が登録された。あなたが世界自然遺産地域の森林管理を担当する技術者として、下記の問いに答えよ。

(1) 国内における世界自然道産の名称を1つ挙げ、その地域において森林管理計画を行うに当たって、調査、検討すべき事項とその内容について説明せよ。

(2) 業務を進める手順を列挙し、それぞれの項目ごとに留意すべき点、工夫を要する点を述べよ。

(3) 業務を効率的、効果的に進めるための関係者との調整方策について述べよ。
設問Ⅲ
1800字
3-1 近年、コナラやクヌギなどが大部分を占める里山の広葉樹林の多くは、直径が太く樹高も高い森林に変化してきている。広葉樹材の活用を念頭に、広葉樹林を持続的に管理していくうえで、以下の問いに答えよ。

(1) 技術者としての立場で多面的な観点から3つの課題を抽出し、それぞれの観点を明記したうえで、課題の内容を示せ。

(2) 前問(1)で抽出した課題のうち最も重要と考えられる課題を1つ挙げ、その課題に対する複数の解決策を示せ。

(3) 前問(2)で示したすべての解決策を実行しても新たに生じうるリスクとその対策について、専門技術を踏まえた案を示せ。
3-2 東日本大震災時の原発災害により、大量の放射性物質が森林に降下し、その影響は現在も続いている。今後、被害を受けた森林を適切に管理していくうえで、以下の問いに答えよ。

(1) 技術者としての立場で多面的な観点から3つ課題を抽出し、それぞれの観点を明記したうえで、課題の内容を示せ。

(2) 前問(1)で抽出した課題のうち最も重要と考えられる課題を1つ挙げ、その課題に対する複数の解決策を示せ。

(3) 前問(2)で示したすべての解決策を実行しても新たに生じうるリスクとその対策について、専門技術を踏まえた案を示せ。

令和4年度
共通 設問Ⅰ
1800字
1-1 ICT (情報通信技術)の発展により、高速通信やインターネット接続について利用可能場所等の制約が大きく緩和されている。この背景の下、森林に関連する技術においてもICTの活用が求められている。

(1)森林部門に関連するICTの活用に関して、技術者としての立場で多面的な観点から3つの課題を抽出し、それぞれの観点を明記したうえで、その課題の内容を示せ。

(2) 抽出した課題のうち最も重要と考える課題を1つ挙げ、その課題に対する複数の解決策を、専門技術用語を交えて示せ。

(3) 前問(2) で示したすべての解決策を実行しでも新たに生じうるリスクとそれへの対策について、専門技術を踏まえた考えを示せ。

(4)前問(1)~ (3) の業務遂行において必要な要件を、技術者としての倫理、社会の持続可能性の観点から題意に即して述べよ。
1-2 近年、気候変動による地球温暖化現象が進んでおり、地球温暖化対策への一層の取組が求められている。特に、木材の利用の効果(メリット)を最大化するため、木材を大規模な建築物や土木分野に利用することが世界的に進められている。

(1)技術者の立場で多面的な観点から木材の利用を促進するための課題を3つ抽出し、それぞれの観点を明記したうえで示せ。

(2)抽出した課題のうち最も重要と考える課題を1つ挙げ、その課題に対する複数の解決策を、専門技術用語を交えて示せ。

(3) 前問(2) で示したすべての解決策を実行しでも新たに生じうるリスクとそれへの対策について、専門技術を踏まえた考えを示せ。

(4)前間(1)~(3) の業務遂行において必要な要件を、技術者としての倫理、社会の持続可能性の観点から題意に即して述べよ。
林業・林産 設問Ⅱ
600字
1200字
1-1 2019年3月に成立した「森林環境税及び森林環境譲与税に関する法律」に基づき創設された「森林環境税」及び「森林環境譲与税」について概要を述べよ。
1-2 津波に対して海岸林が持つ減災機能について、その効果を3つ挙げ、それぞれの発現機構を簡潔に説明せよ。
1-3 加熱による木材の燃焼プロセスを概説し、木材の難燃化薬剤について、その難燃化作用を3つ挙げ、それぞれの機構を説明せよ。さらに薬剤による難燃化処理の技術的課題や問題点について述べよ。
1-4 CLT (直交集成板)の製造上・性能上の特徴を3つ挙げ、それぞれの特徴
における課題を述べよ。
2-1 シカによる森林被害が深刻な状況となっている中、あなたがシカ被害対策の責任者として業務を進めるに当たり、以下の内容について説明せよ。

(1)調査、検討すべき事項とその内容について説明せよ。

(2) 業務を進める手順を列挙して、それぞれの項目ごとに留意すべき点、工夫を要する点を述べよ。

(3) 業務を効率的、効果的に進めるための関係者との調整方法について述べよ。
2-2 我が国の人工林資源は、高齢級化の進行に伴って、大径材が増加している。
大径材の有効利用に向けた原木生産又は製材利用を進めるに当たり、下記の内容について記述せよ。

(1)調査、検討すべき事項とその内容について説明せよ。

(2) 業務を進める手順を列挙して、それぞれの項目ごとに留意すべき点、工夫を要する点を述べよ。

(3) 業務を効率的、効果的に進めるための関係者との調整方法について述べよ。
設問Ⅲ
1800字
3-1 山村は、これまで、そこで営まれる林業を通じて森林の多面的機能の発揮に重要な役割を果たしてきたと考えられるが、一方で近年の過疎化、高齢化の進行や林業生産活動の停滞など社会・経済的に多くの問題を抱えている。
このような山村地域の状況を踏まえ、その活性化を図るために技術者として以下の問いに答えよ。

(1)山村の活性化を図るため、多面的な観点から3つの課題を抽出し、それぞれの観点を明記したうえで、その課題の内容を示せ。

(2)前問(1)で抽出した課題のうちあなたが最も重要と考える課題を1つ選択し、その課題に対する複数の解決策を、専門技術用語を交えて示せ。

(3)前間(2)で示したすべての解決策を実行しでも新たに生じるリスクとそれへの対策について、専門技術を踏まえた考えを示せ。
3-2 近年、木材を成分毎に分画し、利用するバイオリファイナリーの技術が発展し、セルロースナノファイバー等の新規素材の製造に適応され、それを用いた製品は様々な分野で利活用が試みられてきている。このことを踏まえ、木質資源からセルロースナノファイバーを製造する技術者として、以下の問いに答えよ。

(1)木質資源からセルロースナノファイパーを製造及び普及するうえでの課題を、技術者としての立場で多面的な観点から3つ抽出し、それぞれの観点を明記したうえで、課題の内容を示せ。

(2) 抽出した課題のうち最も重要と考える課題を1つ挙げ、その課題に対する複数の解決策を示せ。

(3) すべての解決策を実行しでも新たに生じうるリスクとそれへの対策について、専門技術を踏まえた考えを示せ。
森林土木 設問Ⅱ
600字
1200字
1-1
1-2
1-3
1-4
2-1
2-2
設問Ⅲ
1800字
3-1
3-2
森林環境 設問Ⅱ
600字
1200字
1-1 生物多様性の保全について、これまでの我が国の森林における取組を3つ挙げ、それぞれの対策について述べよ。
1-2 森林環境税と森林環境譲与税について説明し、市町村における森林環境譲与税を活用した取組事例を1つ挙げ、その内容を述べよ。
1-3 森林GISの概要を説明し、森林GISで取扱う2種類のデータモデルを挙げ、それぞれの特徴と代表例を述べよ。
1-4 森林土壌の保水機能について説明し、その維持向上に必要な方策を1つ挙げ、その要点を述べよ。
2-1 令和元(2019) 年度の松くい虫被害量は約30万m3で、昭和54 (1979)年度のピーク時の8分の1程度に減少しているが、依然として最大の森林病害虫被害をもたらしている。あなたの地域(市町村程度の広がり)で松くい虫被害が点在的な被害から面的な被害に拡大する恐れがある場合、森林病害虫の防除担当責任者として業務を進めるに当たって、下記の内容について記述せよ。

(1)調査、検討すべき事項とその内容について説明せよ。

(2)業務を進める手順を列挙して、それぞれの項目ごとに留意すべき点、工夫を要する点を述べよ。

(3) 業務を効率的、効果的に進めるための関係者との調整方策について述べよ。
2-2 森林の多目的機能の中で最近注目されているものの1つに森林のレクリエーション機能がある。あなたが地域(市町村程度の広がり)のレクリエーション林(市民の森)の設定を担当する技術者として、下記の問いに答えよ。

(1)調査、検討すべき事項とその内容について説明せよ。

(2) 業務を進める手順を列挙し、それぞれの項目ごとに留意すべき点、工夫を要する点を述べよ。

(3) 業務を効率的、効果的に進めるための関係者との調整方策について述べよ。
設問Ⅲ
1800字
3-1 ナラ枯れ被害は、令和元(2019) 年度には約6万m3に達し、前年度被害報告がなかった8都県から被害報告があり、被害は拡大傾向にある。ナラ枯れ被害の発生する恐れがある里山林を保全していくうえで、以下の問いに答えよ。

(1)技術者としての立場で多面的な観点から3つ課題を抽出し、それぞれの観点を明記したうえで、課題の内容を示せ。

(2)抽出した課題のうち最も重要と考えられる課題を1つ挙げ、その課題に対する複数の解決策を示せ。

(3) すべての解決策を実行しても新たに生じるリスクとそれへの対策について、専門技術を踏まえた考えを示せ。
3-2 東日本大震災以降、海岸林再生事業として、重機による生育基盤盛土の造成が津波被害地で多く行われるようになった。植栽木を保全し海岸林を管理していくうえで、下記の間いに答えよ。

(1) 技術者としての立場で多面的な観点から3つ課題を抽出し、それぞれの観点を明記したうえで、課題の内容を示せ。

(2)抽出した課題のうち最も重要と考えられる課題を1つ挙げ、その課題に対する複数の解決策を示せ。

(3)すべての解決策を実行しでも新たに生じるリスクとその対策について、専門技術を踏まえた案を示せ。
令和3年度
共通 設問Ⅰ
1800字
1-1 山村地域では過疎化や高齢化等が深刻な状況となっており、若年者を含め、林業労働力の確保が難しい状況となっている口このため、森林・林業・木材産業においても、特に森林情報の収集、木材の生産管理・流通・加工、路網の整備、森林保全に関し、先端の技術を活用し、労働の強度や質を改善する「林業イノベーション」を推進することが求められている。

(1)林業イノベーションを進める中で、技術者の立場で多面的な観点から3つ課題を抽出し、それぞれの観点を明記したうえで、課題の内容を示せ。

(2) 前間(1) で抽出した課題の中から最も重要と考える課題を1つ挙げ、その課題に対する複数の解決策を示せ。

(3)すべての解決策を実行して生じる波及効果と専門技術を踏まえた懸念事項への対応策を示せ。

(4)業務遂行において必要な要件を技術者としての倫理、社会の持続可能性の観点から述べよ。
1-2 森林は極めて多くの多面的機能を有しており、様々な生態系サービスをもたらしている。 生態系サービスとは生態系が私たちにもたらす恵みのことで、国際連合の主唱による「ミレニアム生態系評価」では、生態系サービスを「供給サービスJ、i調整サービスJ、「文化的サービスJ、i基盤サービス」の4つに分類している。
(1)技術者としての立場で多面的な観点から、森林において重要と考える生態系サービスを3つ抽出し、これらが上記の4つの分類のいずれに該当するかとそれぞれを抽出した観点を明記したうえで、それぞれのサービスを質的・量的に向上させるための課題の内容を示せ。

(2) 抽出した課題のうち最も重要と考える課題を1つ挙げ、その課題に対する複数の解決策を示せ。

(3) すべての解決策を実行して新たに生じるリスクとそれへの対策について、専門技術を踏まえた考えを示せ。

(4)前問(1)~(3) の業務遂行に当たり、技術者としての倫理、社会の持続可能性の観点から必要となる要件を述べよ。
林業・林産 設問Ⅱ
600字
1200字
1-1 再造林の一貫作業について、低コスト化に寄与する作業方法を2つ挙げ、それぞれについて、技術的視点から内容課題について述べよ。
1-2 人工林において大面積にわたる倒木被害を与えうる気象災害である暴風害および冠雪害についてそれぞれの発生機構と予防策を述べよ。
1-3 木材の防腐処理について、処理効果の発現機構が異なるものを2つ挙げ、その機構と処理方法並びに近年実用化された新技術や再注目されている技術の事例について述べよ。
1-4 木炭について燃料用以外の用途を3つ挙げ、それぞれの用途について、木炭が持つその用途に適した性質と実用における応用例を述べよ。
2-1 「木育」、「森林環境教育」は、木材や木製品との触れ合い、森林内での様々な体験活動等を通じて、木材への親しみや木の文化への理解、森林と人々の生活や環境との関係についての理解と関心を深める取組である。担い手は地域における行政、森林・林業・木材産業関係者、保育・教育関係者など多岐にわたるが、あなたが地域におけるネットワーク構築の責任者に選ばれた場合を想定して、下記の内容について記述せよ。
(1)ネットワーク構築に当たり、あらかじめ調査、検討すべき事項とその内容について説明せよ。

(2) 業務を進める手IJ慎を列挙して、それぞれの項目ごとに留意すべき点、工夫を要する点を述べよ。

(3) 業務を効率的、効果的に進めるための関係者との調整方策について述べよ。
2-2 我が国の人工林の多くは、一般的な主伐である10齢級以上のいわゆる高齢級人工林となっている。あなたが高齢級人工林の管理と利用を進めていく際の担当責任者に選ばれた場合を想定して、下記の内容について述べよ。

(1)高齢級人工林の管理と利用を進めるに当たり、あらかじめ調査、検討すべき事項とその内容について説明せよ。

(2) 業務を進める手順を列挙して、それぞれの項目ごとに留意すべき点、工夫を要する点を含めて述べよ。

(3) 業務を効率的、効果的に進めるための関係者との調整方策について述べよ。
設問Ⅲ
1800字
3-1 林業における労働災害発生率は全産業の中でも最も高い状態が続いており、林業労働力の確保の面からも労働災害を防止し、健康で安全な労働環境を作り上げていくことが重要である。

(1)労働災害を防止するため、技術者としての立場で3つの課題を抽出し、それぞれの観点を明記したうえで、課題の内容を示せ。

(2)抽出した課題のうち最も重要と考える課題を1つ挙げ、その課題に対する複数の解決策を示せ。

(3)すべての解決策を実行して生じる波及効果と専門技術を踏まえた懸念事項への対応策を示せ。
3-2 持続可能な社会の実現が求められる中、林業・木材産業関係者に留まらず、建築物の施主など需要者側でも、環境にやさしい素材である木材利用への関心が高まっている。
近年、コンビニエンスストアやファーストフード店など、これまであまり木材利用と関わりが薄かった業界での木造化の取組が見られるようになったが大消費地である都市部での木造化・木質化は緒についたところであり、今後、木材利用のさらなる拡大が望まれている。このような状況を踏まえ、林業・木材産業分野の技術者として、以下の問いに答えよ。

(1)都市部の木造化・木質化を推進するうえでの課題を技術者としての立場で多面的な観点から3つ抽出し、それぞれの観点を明記したうえで、課題の内容を示せ。

(2)抽出した課題のうち最も重要と考える課題を1つ挙げ、その課題に対する複数の解決策を示せ。

(3)すべての解決策を実行しでも新たに生じうるリスクとそれへの対策について、専門技術を踏まえた考えを示せ。
森林土木 設問Ⅱ
600字
1200字
1-1
1-2
1-3
1-4
2-1
2-2
設問Ⅲ
1800字
3-1
3-2
森林環境 設問Ⅱ
600字
1200字
1-1 保安林制度の概要を説明し、主要な保安林を2つ挙げその指定目的を述べよ。
1-2 ナラ枯れ被害の原因を説明し、防除対策を1つ挙げ、その方法と留意点を述べよ。
1-3 東京電力福島第一原子力発電所の事故により飛散した放射性物質(おもにセシウム)による森林汚染の現状を説明し、汚染地域における放射性物質対策を1つ挙げ、その要点を述べよ。
1-4 林野土壌分類における堆積有機物層の区分を説明し、堆積有機物層を利用した土壌分類を1つ挙げ、その特徴を述べよ。
2-1 平成30 (2018) 年度の野生鳥獣による森林被害面積は約5、900haとなっており、そのうちシカによる被害が約7割を占め、シカによる被害が深刻になっている。あなたが地域(市町村程度の広がり)のシカによる森林被害の防除担当責任者として業務を進めるに当たって下記の内容について記述せよ。

(1)調査、検討すべき事項とその内容について説明せよ。

(2)業務を進める手順を列挙して、それぞれの項目ごとに留意すべき点、工夫を要する点を述べよ。

(3)業務を効率的、効果的に進めるための関係者との調整方策について述べよ。
2-2 地域の自然環境を保全するための森林管理方法の1つとして、針葉樹人工林の広葉樹林化がある。あなたが地域(市町村程度の広がり)の広葉樹林化を担当する技術者として、下記の問いに答えよ。

(1)調査、検討すべき事項とその内容について説明せよ。

(2) 留意すべき点、工夫を要する点を含めて業務を進める手順について述べよ。

(3)業務を効率的、効果的に進めるための関係者との調整方策について述べよ。
設問Ⅲ
1800字
3-1 健全な森林を維持していくためには計画的な間伐や主伐後の再造林等の森林整備を進める必要があるが、森林整備においては、渓畔林の保全等環境面にも配慮、していく必要がある。渓畔林を保全していくうえで以下の問いに答えよ。

(1)技術者としての立場で多面的な観点から3つ課題を抽出し、それぞれの観点を明記したうえで、課題の内容を示せ。

(2)抽出した課題のうち最も重要と考えられる課題を1つ挙げ、その課題に対する複数の解決策を示せ。

(3) すべての解決策を実行しでも新たに生じるリスクとそれへの対策について、専門技術を踏まえた考えを示せ。
3-2 気候変動の影響は地域の自然条件や社会構造によって影響の仕方や規模が異なる。市町村の気候変動適応対策において森林分野を担当するに当たり、森林環境の保全・創出の観点から下記の問いに答えよ。

(1)技術者としての立場で多面的な観点から3つ課題を抽出し、それぞれの観点を明記したうえで、課題の内容を示せ。

(2)抽出した課題のうち最も重要と考えられる課題を1つ挙げ、その課題に対する複数の解決策を示せ。

(3) すべての解決策を実行しでも新たに生じるリスクとそれへの対策について、専門技術を踏まえた考えを示せ。
令和2年度
共通 設問Ⅰ
1800字
1-1 人工林の半数が本格的な利用期を迎える中で、これら森林資源を循環利用することにより「林業の成長産業化」を実現することが重要な課題である。一方で、近年、台風等による豪雨や地震等による山地災害が頻発しており、これらへの早急な対応が求められている。
(1)上記のような様々な課題に迅速かつ適切に対応するためには、専門分野について十分な知識と技能を持った技術者の確保・育成が重要であるが、この点に関し、技術者としての立場で多面的な観点から課題を抽出し、その内容を観点と共に示せ。

(2)前問(1)で抽出した課題の内最も重要と考える課題を一つ挙げ、その課題に対する複数の解決策を示せ。

(3)前問(2)で示した解決策を全て実行した上で生じる波及強化と専門技術を踏まえた懸念事項への対応策を示せ。

(4)前問(1)から(3)の業務遂行において必要な要件を、技術者としての倫理、社会の持続可能性からの観点から述べよ。
1-2 持続可能な開発目標(Sustainable Development Goals:SDGs)は、2015年9月の国連サミットにおいて選択された「持続可能な開発のためのアジェンダ1(2030アジェンダ)に含まれるもので、持続可能な世界を実現するための17の目標・169のターゲットから構成されている。森林・林業・木材産業については、SDGsの目標15「陸域生態系の保護、回復、持続可能有り様の補足員、持続可能な森林の経営、砂漠への対処、並びに土地の劣化の阻止・回復及び生物多様性の損失を阻止する」を始め、多くの目標に関連している。現在、我が国の森林・林業・木材生産に関わるあらゆる主体が、SDGsの達成に向けて貢献して供養努めていくことが求められている。
以上の状況を踏まえて、以下の問いに答えよ

(1)SDGsの目標15の実現のために、技術者としての立場で森林・林業・木材産業全般にわたる多面的な観点から課題を抽出し、その内容を観点と共に示せ。

(2)抽出した課題のうち最も重要と考える課題を一つ挙げ、その課題に対する複数の解決策を示せ。

(3)解決策に共通して新たに生じるリスクとそれへの対策について、専門技術を踏まえた考えを示せ。

(4)以上を総合した取り組みにおいて必要な要件を、技術者としての倫理、社会の持続可能性の観点から述べよ。
林業・林産 設問Ⅱ
600字
1200字
1-1 スギ花粉発生源対策として、現在我が国で取り組まれている対策を2つ挙げ、それぞれに関して、技術的視点から内容、課題について述べよ。
1-2 ブナか樹木萎凋病(ナラ枯れ)について、その発生機構と防除法を述べよ。
1-3 食品としての木の鬼置いて報告されている機能性成分とのその効果について、主たるものを2つ挙げ、簡潔に説明するとともに、キノコを食品として販売する際に機能性を表示する取り組みの厳冬と課題にうち絵関連する法制度を含めて述べよ。
1-4 日本農林規格として2019年に制定された「接着重ね材」と「接着合せ材」について簡潔に説明せよ。また、それらの特徴と製造・利用時の留意点を述べよ。
2-1 森林の有する多面的機能発揮への期待が高まる中、近年、森林の生物多様性保全機能の重要性について関心が集まっている。そのような中、担当技術者として生物多様性の保全に十分配慮した森林の経営・管理を進めていく上で、下記の内容について述べよ。

( 1 )調査・検討すべき事項とその内容について説明せよ。

(2 ) 業務を進める手順とその際に留意すべき点、工夫を要する点を含めて述べよ。

(3 ) 業務を効率的、効果的に進めるための関係者との調整方策について述べよ。
2-2 人工林で素材生産を行う林業経営体において、新規事業として地域における木質バイオマスエネルギー利用システムへの燃料供給を進めることとなった。あなたがこの新規事業の担当責任者に選ばれた場合を想定して、下記の内容について記述せよ。

(1)調査、検討すべき事項とその内容について説明せよ。

(2 ) 業務を進める手順について留意すべき点、工夫を要する点を含めて述べよ。

(3 ) 業務を効率的、効果的に進めるための関係者との調整方策について述べよ。
設問Ⅲ
1800字
3-1 里山の広葉樹二次林はかつて、燃料や肥料、用材等の供給源として住民から利用され、身近な自然環境ともなっていた。しかし、燃料革命等によって利用・管理がなされず放置されたことから持続性が危ぶまれている。このため、里山林の再生と持続的な管理が求められている。これらのことを踏まえ、森林を管理する技術者として、以下の問いに答えよ。

(1)里山における、高齢化した広葉樹二次林の更新作業を天然更新で行うに当たって、技術者としての立場で多面的な観点から課題を抽出し、その内容を観点とともに示せ。

(2)抽出した課題のうち最も重要と考える課題を1つ上げ、その課題に対する複数の解決策を示せ。

(3)解決策に共通して新たに生じうるリスクとそれへの対策について、専門技術を踏まえた考えを示せ。
3-2 日本の国土は南北に長く、本州、|の中央には2、000~3、000m級の山岳が連なっているため、狭い国土に亜熱帯林、暖温帯林(照葉樹林)、冷温帯林(夏緑樹林)、亜寒帯林(亜高山帯林)といった、それぞれ相観の大きく異なる森林帯が分布している。このことにより、我が国では地域ごとに多彩な樹種が生育しているが、主に用材等として利用されているのはスギ、ヒノキ、カラマツなどの主要造林樹種や、ナラ3 ケヤキ、クリ、ヤマザクラなど一部の広葉樹材に限られている。農商務省山林局が明治45年に編纂した「木材ノ工藝的利用」には、様々な樹種がその用途とともに紹介されているが、現在その用途の多くが失われている。このように、かつては地域において用材等として活用されてきたが、現在では放置されている木材資源の活用について、以下の問いに答えよ。

(1)地域に存在する利用が低位な状態にある樹種の有効活用を進めるに当たって、技術者としての立場で多面的な観点から課題を抽出し、その内容を観点とともに示せ。

(2)抽出した課題のうち最も重要と考える課題を1つ挙げ、その課題に対する複数の解決策を示せ。

(3)解決策に共通して新たに生じうるリスクとそれへの対策について、専門技術を踏まえた考えを示せ。
森林土木 設問Ⅱ
600字
1200字
1-1
1-2
1-3
1-4
2-1
2-2
設問Ⅲ
1800字
3-1
3-2
森林環境 設問Ⅱ
600字
1200字
1-1 森林の更新方法を概説し、主な方法2つについてそれぞれの技術的留意点を述べよ。
1-2 森林における渓流水質形成過程について説明し、水質保全の観点から望ましい森林管理方策を述べよ。
1-3 海岸沿いに生活環境保全や防災のために指定されている保安林の種類とそれぞれの目的・機能、保安林制度に基づく保全対策について説明せよ。
1-4 REDD+での森林からの温室効果ガス排出削減量の測定の意義と測定方法について説明せよ。
2-1 近年、野生動物は農村域だけでなく都市域まで進出するようになり、農林業被害とともに人的被害が顕在化し、野生動物対策は地域の課題になってきている。あなたが地域(市町村程度の広がり)の野生動物対策を担当するに当たり、下記の問いに答えよ。

(1)調査、検討すべき事項とその内容について説明せよ。

(2 留意すべき点、工夫を要する点を含めて業務を進める手順について述べよ。

(3) 業務を効率的、効果的に進めるための関係者との調整方策について述べよ。
2-2 近年、ブナ科樹木の萎縮病(ナラ枯れ病)により、低山地主体にコナラ、ミズナラやカシ類の樹木が集団的に枯死する被害が目立つようになり、現在でも被害地域が拡大している。あなたが地域(市町村程度の広がり)でのナラ枯れ被害対策の担当責任者として防除業務を進めるに当たって、下記の内容について記述せよ。

(1)調査、検討すべき事項とその内容について説明せよ。

(2) 留意すべき点、工夫を要する点を含めて業務を進める手順について述べよ。

(3) 業務を効率的、効果的に進めるための関係者との調整方策について述べよ。
設問Ⅲ
1800字
3-1 人々の森林との関わり方の変化に伴い我が国の森林景観は大きく変化している。地域の森林景観対策を担当する技術者として下記の問いに答えよ。

(1)技術者としての立場で森林景観対策を進める上で現在の森林に生じている課題を多面的な観点、から抽出し分析せよ。

(2) 前問(1)で抽出した課題のうち、最も重要と考える課題を1つ挙げ、その課題に対する複数の解決策を示せ。

(3) 前問(2) に示した解決策に共通して新たに生じうるリスクとそれの対策について、専門技術を踏まえた考えを示せ。
3-2 地域における森林の生物多様性保全対策を策定する技術者として、以下の問いに答えよ。

(1)地域の森林における生物多様性保全対策を進めるに当たって技術者として多面的な観点から課題を抽出し分析せよ。

(2)前問(1)で抽出した課題のうち最も重要と考える課題1つを挙げ、その課題に対する複数の解決策を示せ。

(3) 前問(2)で示した全ての解決策を実行した上で生じる波及効果と専門技術を踏まえた懸念事項への対策を示せ。

令和元年
共通 設問Ⅰ
1800字
1-1 林業の成長産業化を進めていく上で、情報通信技術(ICT)を積極的に森林情報の整備や林業経営、木材流通に活用していくことが求められている。

(1)林業、林産業分野へのICTの導入に関して、技術者としての立場で多面的な観点から課題を抽出し分析せよ。

(2)抽出した課題のうち最も重要と考える課題を1つ挙げ、その課題に対する複数の解決策を示せ。

(3)解決策に共通して新たに生じるリスクとそれへの対策について述べよ。

(4)業務遂行において必要な要件を技術者の倫理、社会の持続可能性観点から述べよ。
1-2 日本では、収益性の悪化などの理由により皆伐・再造林が進まず、結果として高齢級人工林が増加している現状にある。

(1)このことから考えられる負の影響を、技術者としてのあなたの専門的立場から多面的に述べよ。

(2)(1)で述べた影響から1つを取り上げ、複数の解決策を示せ。

(3)(2)で示した解決策によって新たに生じうるリスクとそれへの対策について述べよ。

(4)(3)の対策を遂行するに当たって必要な要件を、技術者倫理、社会の持続可能性の観点から述べよ。
林業・林産 設問Ⅱ
600字
1200字
1-1 かつて薪炭林として利用されていた広葉樹二次林が高齢化している。その発生要因を説明するとともに、天然更新の観点から森林管理上の問題点を述べよ。
1-2 マツノザイセンチュウによる松枯れについて、その発生機構と防除法を述べよ。
1-3 我が国の主要造林樹種の樹幹を対象にして「辺材と心材」、「未成熟材と成熟材」という2組の概念について、両者の違いに着目して説明せよ。また、それぞれに関して利用上の特性・留意点等を簡潔に述べよ。
1-4 木材の化学修飾についてその定義を説明せよ。また、現在、圏内で実用化されている化学修飾木材を1つ挙げ、その製造法、性能的な特徴とその性能が発現する原理、利用用途を述べよ。
2-1 ①木材価格の低迷等により森林所有者の林業経営に対する意欲が低下する中で、あなたが、山間地に所在する市町村において新たな森林経営管理制度の担当者として経営管理権の集積業務を進める場合、下記の内容について記述せよ。

(1)調査、検討すべき事項とその内容について説明せよ。

(2) 業務を進める手順について留意すべき点、工夫を要する点を含めて述べよ。

(3) 業務を効率的、効果的に進めるための関係者との調整方策について述べよ。
2-2 ②国産針葉樹材を製材する工場において、同工場内で発生する樹皮・おが粉・プレーナ屑・端材等の有効利用策を見直すことにした。同工場ではこれまで自社の木材乾燥機用ボイラの燃料としてのみ利用してきたので、今回は本件専門の検討グループを立ち上げ、パルプ工場・きのこ生産業者への販売等々まで含めて、幅広く検討することにした。あなたがこの検討グループ。の統括責任者に選ばれた場合、下記の内容について記述せよ。

(1)調査、検討すべき事項とその内容について説明せよ。

(2) 業務を進める手順について留意すべき点、工夫を要する点を含めて述べよ。

(3) 業務を効率的、効果的に進めるための関係者との調整方策について述べよ。
設問Ⅲ
1800字
3-1 一貫作業システムが再造林を促進する手段として、各地で導入されつつある。初期保育の低コスト化に着目し、森林造成の計画を策定する技術者として、以下の問いに答えよ。

(1)一貫作業システムによる初期保育の低コスト化を実施するに当たって、技術者としての立場で多面的な観点、から課題を抽出し、分析せよ。

(2)抽出した課題のうち最も重要と考える課題を1つ挙げ、その課題に対する複数の解決策を示せ。

(3)解決策に共通して新たに生じうるリスクとそれへの対策について述べよ。
3-2 近年、センダンやチャンチンモドキなど、短期間で成長し早期に収穫が期待できる広葉樹の早生樹種への関心が高まっている。また、強度がある針葉樹の早生樹種として、コウヨウザンの活用にも注目が集まっている。これらの早生樹種の施業技術については、地域において実証的な取組が進展し、試験的な植栽も行われ始めている。これらのことを踏まえ、早生樹材の利用推進を担う技術者として、以下の問いに答えよ。

(1)早生樹材の利用を推進するに当たって、技術者としての立場で多面的な観点から課題を抽出し、分析せよ。

(2)抽出した課題のうち最も重要と考える課題を1つ挙げ、その課題に対する複数の解決策を示せ。

(3)解決策に共通して新たに生じうるリスクとそれへの対策について述べよ。
森林土木 設問Ⅱ
600字
1200字
1-1 山地の渓流における堆砂勾配について、堆砂時期や治山ダムの計画上幾つかの勾配に分けることができる。3つ以上の勾配名を挙げその性質と治山計画を立てる上での留意事項を述べよ。
1-2 治山事業における落石防止対策としては、落石予防工と落石防護工が挙げられるが、このうち、落石防護工について、その目的を述べるとともに2つ以上の種類を挙げ、それぞれの特徴について述べよ。
1-3 補強土擁壁の特徴と用いるのに望ましい箇所について説明し、代表的な3つの工法の違いを述べよ。
1-4 林道における排水施設について、その種類を挙げながら説明し、それぞれの目的や設置に当たっての注意点を述べよ。
2-1 東日本大震災に起因する津波によって東北地方などの海岸防災林が大面積にわたり甚大な被害がもたらされたことから、現在その復旧再生への取組がなされている。海岸防災林は潮害、飛砂・風害の防備等に加え津波に対する被害軽減の機能も確認されており、これら復旧への取組の知見が今後の全国の海岸防災林の整備に生かされることが期待される。 以上のような状況を踏まえ、以下の問いに答えよ。

(1)東北地方などの海岸防災林の被害状況や復旧の取組を踏まえて、今後、海岸防災林の復旧・再生を図るために、検討すべき事項について列挙せよ。

(2)(1)の検討事項について、あなたが特に重要と考える技術的課題を1つ以上挙げ、その解決方策を提案せよ。

(3)将来、あなたの提案を津波被害が予想される地域に適用する際、起こりうる問題点と対応策について述べよ。
2-2 林道の計画・設計に関して、以下の問いに答えよ。

(1)林道の開設に当たっては、路線規格や利用区域等を決定するとともに、経済的・社会的な検討を行うための予備調査(路線計画調査)を行うこととしている。予備調査について、小間(3)にある景観に関する調査以外の項目を具体的に1つ以上挙げ、その内容を説明せよ。

(2)林道の線形を決定するまで、の過程を実際の手順に従って説明せよ。ただし、説明の範囲は、予備調査の後から実測量(本測量)の前までとする。

(3)林道の事業地を含む山林は、周辺から多くの人々に眺望されているため、景観に関する調査を重点的に行う必要性が指摘されている。このとき、事業を効率的、効果的に進めるための関係者との調整方策について具体的に述べよ。
設問Ⅲ
1800字
3-1 近年、地球の温暖化に起因すると思われる異常な降雨が各地で見られ、それによる大規模な崩壊などの山地災害が発生している。これらの災害の発生は従来多く発生した比較的小規模な表層崩壊と異なるものがある。大規模な崩壊については、従来の防災対策と異なった対策も必要となってくることから、対策のリスクも考慮した被害の軽減が求められている。
森林土木の技術者として以下の問いについて答えよ。

(1)大規模な崩壊について、近年の降雨の特徴を踏まえてその発生機構の概略を述べるとともに、森林の防災機能、災害の発生形態等の観点から多面的に課題を抽出せよ。

(2)抽出した課題に対する解決策として、機構調査、対策調査、構造物によるハード対策を説明せよ。

(3)異常な気象条件等による新たに生ずるリスクとその対策について、主としてソフト面から述べよ。
3-2 林業専用道の作設において、常に流水のある谷を横断する場合の工法の選択について、以下の問いに答えよ。

(1)雨水流出量の予測について説明し、排水施設の通水断面を考慮、した工法の選定について、多面的に課題を抽出せよ。

(2)抽出した課題のうち、最も重要と考える課題を1つ挙げ、その課題に対する解決策を示せ。

(3)解決策によって新たに生じるリスクとそれへの対策について述べよ。
森林環境 設問Ⅱ
600字
1200字
1-1 山地降水の流出過程に及ぼす森林の影響をもとに、水源かん養機能発揮に望ましい森林について説明せよ。
1-2 ナラ枯れの被害状況、被害の特徴、メカニズムと被害対策について説明せよ。
1-3 我が国の森林土壌において広く用いられている「林野土壌の分類(1975)の分類法を説明し、土壌分類を用いて森林環境を評価する際の留意点を述べよ。
1-4 森林のバイオマスを林分レベル及び国レベルで、調査する際の技術的概要を説明し、それぞれの調査における課題を述べよ。
2-1 シカによる森林への被害が全国的に増加・拡大している。あなたが地域(市町村程度の広がり)でのシカによる森林被害対策の担当責任者として防除業務を進めるに当たって、下記の内容について記述せよ。

(1)調査、検討すべき事項とその内容について説明せよ。

(2)業務の手順等と留意すべき点、工夫を要する点を含めて述べよ。

(3)業務を効率的、効果的に進めるための関係者との調整方策について述べよ。
2-2 森林がもっている公益的機能が阻害されないように適切に開発を行うことを目的として森林法では林地開発許可制度を設けている。開発計画の立案に当たり、以下の内容について記述せよ。
(1)調査、検討すべき事項とその内容について説明せよ。
(2)業務の手順等と留意すべき点、工夫を要する点を含めて述べよ。
(3)業務を効率的・効果的に進めるための、関係者との調整方策について述べよ。
設問Ⅲ
1800字
3-1 里山の二次林は、人との関わりが薄れる中でその多くが長年放置されており、これにより森林内容が変化し、期待される多様な森林機能の低下が危惧される状況となっている。
里山二次林の保全管理計画を策定する技術者として、以下の問いに答えよ。

(1)里山二次林の保全管理対策を実施するに当たって技術者として多面的な観点から課題を抽出し分析せよ。

(2)抽出した課題のうち最も重要と考える課題1つを挙げ、その課題に対する複数の解決策を示せ。

(3)解決策に共通して新たに生じうるリスクとそれへの対策について述べよ。
3-2 持続可能な森林管理への国際的取組として我が国が参加している「モントリオール・プロセスJの基準・指標について以下の問いに答えよ。

(1)基準・指標に関わる技術的課題を多面的な観点から抽出し分析せよ。

(2)抽出した課題のうち最も重要と考える課題1つを挙げ、その課題に対する複数の解決策を示せ。

(3)解決策に共通して新たなに生じうるリスクとそれへの対策を述べよ。

  平成11年 平成12年 平成13年 平成14年 平成15年 平成16年 平成17年 平成18年 平成19年 平成20年 平成21年度
基準・指標                   基準・指標
公益的機能                公益的機能
里山           里山
土砂流亡                 土砂流亡
森林計画                   森林計画
海との関係                   海との関係
森林整備                 森林整備
高性能機械                   高性能機械
広葉樹造林                   広葉樹造林
造林のコスト                   造林のコスト
特用林産物                 特用林産物
木材貿易                 木材貿易
山村問題                 山村問題
流通問題                 流通問題
間伐                 間伐
タケ                   タケ
スギ花粉 スギ花粉
国産材の不振                 国産材の不振
森林管理         森林管理
後継者問題                 後継者問題
認証制度                 認証制度
森林被害               森林被害
更新方法                 更新方法
合意形成                       合意形成
複層林          ○          複層林
違法伐採                   違法伐採
地球温暖化                   地球温暖化
森林税                   森林税