訪問はコーラの実と塩で         
  薪の取り方        
  防風林はニームでつくる        
  持続的農業を支える木        
           
訪問はコーラの実と塩で
昔ながらの風習ですが、村を訪ねるときのしきたりがあります。
それは、塩とコーラの実を贈り物として渡すこと。

塩は非常に重要なモノ。
これなしには人は生きてゆけません。
でも、コーラの実(コーラナッツ)は??

カフェインが多く含まれていて、覚醒作用があるからとも。ちなみに、コラニンという成分は心臓を活発に作用させるそうです。
コラノキ、コーラノキ(Cola acuminata)はアフリカ人が昔から気分転換に利用されてきました。コーラノキは、熱帯雨林の植物なんです。でも、乾燥地の市場でも売られています。

ちなみに乾燥した種子は、粉にして水に溶かして飲むんだそうです。

で、コーラの色は、この成分の一つ、コラニンが時間が経って興奮作用が消える頃にできる(変化する)色素、コラニンレッドの色なんだそうです。





コーラの実




薪の取り方
煮炊きに必要な薪。燃料無しでは人は生きていけません。薪集めが女性の仕事で重労働というのはよく聞く話です。女性の家事軽減のためにも、薪炭林を集落周辺に植えて、薪集めを止めさせなければなりません。

半乾燥地では、石油や石炭、ましては電気などありません。このため、木を使って燃料を確保するしかないんです。ただし、生きている木はダメです。枯れ落ちた木を使うことが慣習のルールです。

農地には落ちていないけれど、放牧地にいけば、結構あるんです。灌木があって、その下に落ちているんです。集めるのは女性と子供の仕事。これから解放されると、女性の活動ももっと幅広くなると思います。


防風林はニームでつくる
アフリカの半乾燥地には、インド原産のニーム(Azadirachta indica)が我が物顔で存在。なぜ?

理由は、健胃薬となるニームの特徴からなのです。良薬は口に苦しということで、ニームも苦い葉っぱです。牛もヤギ等の家畜が食べないので、結構植えているんです。

ニームの造林地は、防風林や薪炭林で効果を発揮中。枝を切っても切った後からいっぱい枝が再生するので、結構有り難い木なのです。






ピーナツやミレットが植えられます。
持続的農業を支える木
持続的な農業を続けるには、ヘクタールあたり70本の木が必要といわれています。木といっても、ただの木ではありません。

ミラクルツリーこと、アカシア・アルビダ(Acacia albida)。これを農地に植えれば、窒素固定をします。それだけではなく、葉は雨期に落葉して枝だけ存在します。生育に必要な時期は、日光が届くのです。逆に乾期で他の植物が枯れて葉を落としている中、濃い緑を提供します。乾期は飼料になるので、ミラクルツリーと呼ばれます。

ちなみに、苗木は1本500〜900CFA。日本円にして100円から200円といったところでしょうか

結構人気があります。