ケニア共和国
Republic of Kenya
     
  最初の一歩
ケニアの紅茶 
ケニア紅茶の楽しみ方
燻製チップは、椰子の実
一缶50ksh
洪水で繁茂する悪魔の木
       
 
最初の一歩
ケニアにおける植林の最初は、1902年(明治35年)のこと。この年、森林局が誕生。
ユーカリとアカシアなどが導入試験されたんです。
ちなみに、ユーカリは、Eucalyptus saligna、アカシアは、Acacia decurrens。

   


Eucalyputs grandisの森(KEFRI)
 







  ケニアの紅茶
ミルクティーといえば、ケニアの紅茶?
1903年にインドのアッサム種(Camellia sinensis)を導入したのが始まり。G.W.L.ケインが、リムル(Limuru)に植えたのが最初だとか。ケリチョ(Kericho)、ナンディーヒル、ソチックといった標高1500〜2700メートル、年平均降水量が1200から1400ミリの場所で栽培。大地溝帯の東西に生産地が分布。
なお、商業栽培は商業栽培は1924年から、そして今のような規模になるのは、独立後の1963年以降のこと。

3〜5月が雨期ということもあり、紅茶の生育には問題なく、しかも暖かいため、摘んだ葉も2週間後には新芽が出るということで年中葉を摘むことが出来たんです。

ケニア紅茶の楽しみ方
ケニア紅茶といえば、ミルクティー(チャイ)がおすすめ。

紅茶3杯分
1.ミルクパンに200〜250CCの沸騰した湯に、ティースプーン8杯分の茶葉を入れる。
2.水分が少なくなるまで煮詰める。
3.これにミルクを500CC 追加して沸騰。
4.茶こしで漉して、カップに注いで好みに合わせて砂糖を入れる。

スパイスティーなら、
1.水とミルクを300CCずつ入れて、山盛り3杯の紅茶と、カルダモンとシナモンなどの香辛料を入れ、を中火で10〜15分程度煮詰めます。
2.茶こしで漉して、カップに注いで好みに合わせて砂糖を入れる。

   
 




           一袋150円(150ksh)ぐらいで、木の実の販売は、
森林局の許可が必要。               


こんな感じで実が大量になります。
  燻製チップは、椰子の実
Doum plamと呼ばれるHyphaene coriaceaで、ケニアの半乾燥地に自生するヤシの木です。これの実を使って、ティラピアの燻製に用います。

採れる繊維で、かごに。椰子の実は、ティラピアの燻製の素に。


Dum plamの実をこの中に入れます。


これで、トゥルカナ湖で釣り上げられた魚が燻製となり、日持ちさせて流通させます。油で揚げたり、乾燥させた物もあります。

場所は、トゥルカナ湖周辺です。
 
日本円で200円程度
 
稚樹は、この大きさですが、

一缶50ksh
ナイロビの実情は、まだまだ木炭に頼る生活。一缶50ksh、日本円で50円相当です。一缶で1家族1日分です。



こんな感じで販売しています

 

普通の売店です。


ここでも炭を売っています。
 


  歯磨きの木
Salvadora persicaという樹種は、半乾燥地に分布していて、インドや西アジア、アフリカに分布しています。

折った枝を扱くと歯ブラシに。


洪水で繁茂する悪魔の木
 ケニアの半乾燥地で繁茂しているプロソピス(Prosopis juliflora)は、南米原産のミラクルツリー。Mesquite(メスキート)とも呼ばれます。
 マメ科植物で、乾燥に耐性があるため、砂漠や塩性地の再生、防風林、砂丘の安定化などに適した樹種で、苛酷な環境において、家畜や人間にとって大げさに言えば、唯一の炭水化物、糖分およびたんぱく質源であると同時に、燃料や木材、環境再生、薬品および日陰を提供したんです。

 構造材にはならないけれど、杭として利用。蜜源、樹液はゴム、樹皮からはタンニン、乾燥した莢を砕いた粉はアメリカインディアンの伝統的な食料、生の莢や葉は家畜の餌。

 繁茂する理由が、稚樹や葉を家畜である牛が食べないこと。ただし、実は結構食べるらしい。このため、現地の郷土樹種が育つ過程で食害に遭うのに比べ、食べられないことで、生き残れるからとか。

 半乾燥地とはいえども、数年に一度は洪水が発生します。この時に、種が流れだし、芽吹いた結果なのです。1997 年のエルニーニョによる大雨で全国規模で広まったと言われています。

 インドでは、19世紀には不毛な大地を緑化する目的で、導入されていて、1930年代には航空機播種がラジャスターン州で行われたとのこと。この結果を良しとして、1960〜1980年代に燃料不足を解決するために、薪炭材として導入したのこと。1973年との話もあります。FAOが音頭を取ったため、ケニア以外の乾燥地にも導入されています。
 
 しかし、「Mathenge」または「devil tree(悪魔の木)」とさえ言われ程、嫌われているんです。大きな理由は、棘でパンクするから。

 日本で言えば、良いと思って導入して結構貢献してくれたのに、邪魔扱いされているニセアカシアと同じ。

 ケニアでも管理方法が分からなかっただけで、付き合い方を見付ければ、結構役立つはずです。(希望)

   



壁のように繁茂しているプロソピス


水(ワジ:地下水)のある場所に繁茂するプロソピス

メモ
セネガル 1822年導入
南アフリカ 1880年導入
エジプト 1900年導入
スーダン 1917年導入 1995年に侵略的移入種として駆除する事に

原産地のメキシコでは薪炭など使われるため、乱獲で減少中