奈良県    
  県木:スギ
Cryptomeria japonica
県花:ナラノヤエザクラ
Prunus verecunda
 
杜(森)の話
杜(森)の話
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原始林でもない鎮守の森
日本にある原生林は、基本的にありません。あえてあるとすれば、三輪山。大山神社のご神体ということだからです。本来の照葉樹林の姿です。一般的に入ることはダメで、入れても写真はダメです。

春日大社の春日山原始林は、非常に原始林に近いのですが、実は原始林ではないのです。なぜなら、そこに生えているナギ(Nageia nagi)は、献木された名残だからです。

ちょっと残念



 
ヤナギin奈良
ヤナギにまつわる迷信(?)
◎家の新築時にヤナギの木を使わない。

日本一の木造建築??
 日本最古と言うより、世界最古の木造建築物が、推古15年(607年)に聖徳太子によって建立された高さ31.5mの法隆寺五重塔です。
 日本初の世界文化遺産でもあります。

 また、最大容積の木造建築が、東大寺大仏殿です。今の建築物は、宝永6年(1709年)に建て替えられた建物で、治承4年(1181年)と永禄10年(1567年)の2回の戦火で焼け落ちます。
 このため、正面の幅は、57.5m、奥行き50.5m、棟までの高さ49.1mとなっていますが、創建当時の天平宝字2年(758年)と比べると。奥行と高さはそのままですが、幅は、86mあったらしく、2/3に縮小となっています。

治承4年(1181年)は、宗教と言いつつ好き放題だったのを駆逐するため、平清盛らによる南都焼討での焼失

永禄10年(1567年)は、カトリック教徒による破壊行為。

ちなみに、最大床面積の木造建築は、京都にある東本願寺の御影堂と言われています。

金玉ぶらぶら餅=朴の葉の「でんがら」のこと
 「でんがら」とは、餡を包んだ餅を朴(Magnolia obovata)の葉で包んだ東吉野村と川上村周辺での伝統菓子です。端午の節句には欠かせない伝統菓子なのですが、理由は、男のある形に似ているからとか。
端午の節句と入っても5月5日ではなく、旧暦を使うため、6月に入ってからの話。

 ちょうどホオノキの新葉が出ることで、枝毎切り落として、葉で包むのです。枝付きで葉で包まった餅がブランブランしているので、男の子用とも言われています。

 笑いの乏しい山村ならではの晴れの日での食べ物だったのでしょう。そこには、子孫繁栄、立身出世、すくすく育ってほしい、そんな願いの籠もった食べ物です。

 餅で餡を包みます。さっと熱湯で湯がいた朴の葉でくるんだ後に蒸します。これで保存食になります。

 食中毒の原因の一つの黄色ブドウ球菌に対して抗菌作用があるので、使われているんです。

 「でんがら」とは、「でん」=「田」、「がら」=「柄」、朴の葉の葉脈が田んぼの形に見えることから、呼ばれるとのこと。

 また、場所によっては、「野あがり餅」といって、田植え等の農作業の区切りが付いたときに食べる意味から、野あがりというそうです。