千葉県    
  県木:イヌマキ
Podocarpus macrophylla
県花:菜の花
Brassica campestris
 
杜(森)の話    
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  お馬鹿な市長   花見市町村  
  晩ご飯の焼き魚は森で調達       
  山武林業とカドマツ       
  知らせのマツ物語      
  タケノコ料理      
  備蓄林はうらやま      
  灯台や船の材料としての山武林業      
         
 
お馬鹿な市長
 熊谷俊人千葉市長(現千葉県知事)(2009年〜)は、2014年7月24日の記者会見で、大馬鹿発言をしました。「海は最高の自然なのに、それを隠すように樹木が植えられているのはおかしい」と。
 稲毛から検見川、幕張の人工海浜の背後にある防風防砂林のうち、アメリカ西海岸のようなカッコいい風景にならない邪魔な松は原則切り倒して、海が見える町にしたい?とのこと。そして、駅前から、浜まで一直線に道を作りたいとのこと。

 防風林を壊すのは一瞬です。しかし、作るのは大変です。なぜ、そこに無用と思える緑のベルトがあるのか、無用というのはどの視点で見れば良いのか。為政者としては失格ですよね。そこに住んでいる人に良い森林とは、決して散歩したりすることが出来る森林ではないのです。逆に扱いに困る森林だけど、広範囲の人に恩恵を与えている場合の方が大きいのです。

 まぁ、洗濯物が塩でベタベタで買い換える。自転車はすぐに錆びるから買い換える。ペンキで塗り替えしないといけない等、お金がかかります。民主党の偉いさんが関係するるイオン幕張で買い物してもらうというのではあれば、経済活性化のために、最高の政策だと思います。

 どれだけ、日本各地で防風林が守られているか知らないんですね。悲しいですこんのなのが政治家にいるなんてとおもうと。

 千葉県が管理しているのですが、妥協案なんか示さず、突っぱねてほしいです。市の緑政課も逆らえば良いのに。馬鹿というか木違い、いやキチガイの声は無視すべきです。
 やっぱり隠れ民主党員ですから、国土破壊は是が非でもしたい所なんでしょうね。

 世界の森林破壊の原因の一つに、馬鹿な政治家という分野があります。政治家の一言で森林が無くなるのです。これも同じ構造なんでしょうね。部下の意見を聞かず、権力を勘違いしている。そして、それに気付かない住民。orz


   
    晩ご飯の焼き魚は森で調達
 千葉市中央区にある大厳寺は、昭和41年頃(1971年)まで400年続く川鵜(Phalacrocorax carbo)の森を持っていました。関東一の鵜の山を持ったお寺でした。天文17年(1548年)に設立された古刹で、広大な社寺林を持っていました。江戸幕府からは100石の朱印地をもらうくらい大きなお寺です。

 地元住民は、夕方になると籠を持って森の中に入り、カワウのいる木の下で、木の幹を叩いたりして驚かせたそうです。カワウは、可愛い子供のために、生きたままの魚を飲み込んで、巣に戻ってきます。そこを狙って、子供に食べさせる間に、木の下に落とさせたのです。

 また、カワウは大量の糞をします。これを集めれば、金になりました。肥料になるので。このため、カワウの営巣する木の下に、藁をひいて、糞を集めていました。藁をひく場所は、くじ引きで決めていたそうです。大量の糞は4万羽とか、相当な数のカワウが生息していたからです。その理由は、お寺が殺生を禁じていたのと、すぐ前に、広大なえさ場=東京湾があったからです。

 こんな関係に終止符を打ったのは、淑徳大学が出来たからです。お寺自体が、浄土宗の僧侶養成の学校、「檀林」であったため、間違ってはいないのですが、関東一の鵜の山は、これで消滅しました。


山武林業とカドマツ
 千葉県の林業といえば、17世紀には林業地として有名になった山武杉(サンブスギ)が有名です。スギが有名ですが、本当はカドマツの供給地として江戸の正月を支えていたんです。江戸時代初期の頃は、造林地と言うより、家の後ろに植えている程度。林業地では無かったのです。

 しかし、江戸という一大市場の拡大と、干鰯の登場で、木材需要が高まります。その結果、同じ品質のスギを増やす挿し穂の林業が盛んになっていくのです。
 
 しかし、市場のニーズに応えるのは、簡単ではありませんでした。その理由の一つが、乾燥です。降水量が少ないということで、スギを植える前にマツを植えてから、数年後にスギを挿し木として植えたんです。一種の2段林です。乾燥に強い松を先に植えることで、杉が生育できる環境、ほどよい湿度のある土を作ったのです。
 ちなみに、スギ林が出来る前に植えたマツは、門松として出荷されました。一大消費地である江戸に売られたのです。

 松が切られた杉林は、そのまま伐期を迎えるまで成長を続けます。上総戸と呼ばれる建具にされ、江戸に販売したり、鰯漁の船に使われました。端材などは、鰯を原料とした綿花栽培用の肥料「干鰯(ほしか)」をつくる燃料に使われました。

 この他、ソバやヒエ、アワと一緒に植える木場作も、林業地になる素地になっていました。マツやスギの畦の間に植えていたのです。

 江戸や漁船と入った市場ニーズに合わせて、造林地を増やしていく過程での工夫でした。







知らせのマツ物語
多古町の話
ここには、樹齢500年以上の松が昭和54年頃まであったそうです。松食い虫によって枯れてしまうのですが。
この松、村に凶事があると葉の色を変えて、みんなに知らせたそうです。

知らせの松が真っ赤になったとき、村人はどう思ったのでしょうか。


タケノコ料理
タケノコとの産地である大多喜町平沢地区
美味しい理由は粘土質の土という事で、タケノコの先端が太陽や空気に触れないようになっているため。このため、えぐみが出ないんだそうです。

そして、収穫後にお礼肥として鶏糞を山全体に捲くんだそうです。そして世代交代を促すため、親竹である3年竹は更新のために伐採。見分け方は、節が黒くなったもの。

WAIWAI童子
http://www.waiwai-warabe.jp/
民宿ひらさわ
住所:千葉県夷隅郡大多喜町平沢1124
TEL:0470-84-0130

塩漬けにして保存して年中食べられるようにしており、食べるときは、一晩水漬けして塩抜きするんだそうです。採った筍を茹でた後、塩漬け。おからと塩を一緒にして付ける地方もあるそうです。


平砂浦砂防林
備蓄林はうらやま
山武林業は、挿し穂+松の植栽で有名です。基本は、短伐期で、江戸や銚子の漁船向けの林業でした。江戸には、木材や建具の材料として育てていました。
銚子向けというか、鰯漁向けの漁船です。農業の発達とともに、貨幣経済の浸透とともに、干鰯のニーズが高まるとともに、船の需要も高まったからです。

その一方で、いざという時のための資産になる人工林もありました。飢饉で怖いのは、食べ物が無いのではなく、食べ物を買うお金がないことです。インフレがハイパーインフレになるため、お金だと資産価値が減ります。

物を持っていることが強いため、木材として販売可能な樹木を持っていることも、生きるための知恵です。
そのため、家の後ろに備蓄林を儲けていたのです。その備蓄林のことを、「背戸山(せどやま)」といいます。ある意味、裏山でもあります。

防風効果もあることから、屋敷林の一面も持っています。300坪(一反)から3000坪(一町歩)程を屋敷林としていたそうです。

地域によっては、斜面林と呼ぶこともあるそうです。
一説によると、元々屋敷林から提供していた木材が足りないとなって、造林地が拡大、林業地帯に発展したとも。元々、関東ローム層の上にあり、田んぼではなく、畑作地域。風が吹けば、表土が持って行かれる地域で、度々暴風で苦しんでいたところだったのです。なので、風よけ、防風ということで、防風林が作られた経緯があります。隣の鹿島神宮は、日本初と言われるほど古くから備蓄林が作られてきました。近くですので、備蓄林の意図を持って木を植えていたかもしれません。


灯台や船の材料としての山武林業
 九十九里浜から、船を出して漁をするとき、ポイントはどこか、帰る港は何処か判断するには、GPSが無い時代は、船から陸を見て判断するしかなかったのです。

台地の上に生えている杉の塊が、航行林としての機能を果たしていたのです。この様な植林地は、伐採されると困ると言うことで、保護されていたとか。ある意味、灯台の役割をしていたのです。昼間限定ですが。

 一艘の船を作る木材は、一つの山で調達できるようにしていました。
 完満で色艶の良い早生系のスギは、船の外装材に、晩生系統は、水に強いため、底材に利用。外装材の目通り、5尺、6尺、7尺のスギで作られるため、ゴロシチと呼ばれていたそうです。

 開墾して、農業を行い、土壌が痩せて、肥料切れした畑に、クロマツの山取苗を植栽します。廻し苗という、周囲の土壌を鎌で鉢状に切り、土毎掘り取って、移植する方法で植栽されていたんです。

 クロマツの枯れ枝は、落としながら、十数年生のクロマツ林を仕立てます。このクロマツの中に、いくつかの品種の杉を植栽します。素性の分かっている採穂林から調達したのです。
 スギがある程度大きくなると、杉の生長を阻害する松を伐採します。伐採した松は、薪炭に利用。燃料として干鰯にも利用されました。

 早生系の杉を利用するために伐採した後、3mの大苗を植えて、二段林、三段林、そして複層林を目指して施業します。照度管理というか、照度に合った品種を植栽していったのです。