日本の場合明治以降

明治以降の流れ




森がなかった頃の海の様子(昭和36年)1961年
↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓

43年後の海の様子。2004年(平成16年)

たががはずれた明治初期
明治維新は、徳川幕府から明治政府への移行
そのため、藩有林や御料林が明治政府に移ったのです。でも、その隙間をぬって、タガが外れたように金儲け、しがらみからの逃避等の理由で山が伐られました。農地に化けてしまったのです。

俺のモノはどう使ってもいいでしょと。洪水対策のためにオランダから来た技術者デ・レイケの山を荒らさないようにという声に耳を傾けなかったとか。明治のはじめの頃の話です。
(途上国における森林の劣化も同じ)


北海道でも開拓団の入植が森林破壊をしたんです。基本的にはアマゾンとかと同じ。土地無き人が人無き地へ進出というか、先住民の地に侵攻。
森林を切り開いて農業を行ったんです。プロジェクトXで有名になった北海道の襟裳岬。これは人の手による森林破壊の結果。新天地だったので、イケイケGoGoの結果なんですね。



明治44年(1911年)の滋賀県の山。燃料のために、構造材のために切り尽くされました。
参考写真:よみがえる国土 ―写真で見る治山事業100年の歩み―
 
平成21年(2009年)。ここまで緑が戻りました。
参考写真:よみがえる国土 ―写真で見る治山事業100年の歩み―



明治29年の水害(大垣城)
参考写真:よみがえる国土 ―写真で見る治山事業100年の歩み―
明治29年の信濃川の水害(燕市)
参考写真:よみがえる国土 ―写真で見る治山事業100年の歩み―

明治29年の神戸の水害(湊川決壊)
参考写真:よみがえる国土 ―写真で見る治山事業100年の歩み―

  森林法の誕生
明治30年(1897年)に、森林法が誕生します。簡単に言うと、森林法には、国有地であろうと、私有地であろうと、許可無く手を加えてはいけない法律です。

木を伐る際には伐採許可が必要です。山の斜面を削ったり、道を作ったり、テントを張るために地面を平らに擦ることさえも、許可が必要な法律です。木ったら、伐りっぱなしでは駄目です。植え直す義務があります。私有地であっても、公の物だからです。

そこには、勝手に森林を開発させない強い意志がありました。洪水多発です。外貨獲得のために、桑畑の造成、茶園の造成、陶器用の薪炭提供で、森林の開発、劣化が進みます。また、米価の高騰で、小金持ちになった農家が、家屋の新築=木材需要木材需要の発生します。

明治13年の暮れには、内務省から、山林保護をしろという通達が出ています。明治15年には、私有地であっても、伐採禁止が農商務省と太政官から出ました。それだけ、土砂流亡による河床の上昇、堤防の越流など、被害が多発していたからです。

日本は、放置国家ではありません。法治国家です。森林法、河川法、砂防法を作り上げ、今に至っています。


明治26年の鳥取県砂見川の洪水
参考写真:よみがえる国土 ―写真で見る治山事業100年の歩み―
大規模開発
中学校卒業者が金の卵といわれた高度経済成長
大都市に人が集まりました。その解決方法として、人口の振り分けが起こります。1970年代から、千里ニュータウン、多摩ニュータウンが誕生しました。これらは、代表的な住宅開発

それまで、都市に薪炭を供給していた雑木林が薪炭供給の役目を終え、住宅地に変わっていったのです。

動物側から見た開発の実態は、高畑勲監督「平成狸合戦ぽんぽこ」がよく分かります。それまで、煮炊き用に薪炭を提供してきた雑木林が燃料革命で石油やガスにシフトして経済的価値が落ちたのです。農業も落ち葉を土に入れることを辞め化学肥料にシフト。経済的価値を無くした雑木林がもっと経済価値の高いモノに変わったのです。

相続税も一役買ったんです。里山が消えた理由として。薪炭材の提供の場としての里山。しかし、持ち主が亡くなると高額な相続税が課されたんです。森をそのまま維持することは無理。軽減するために農地や果樹園に転用。
余談ですが、東京の西側、中央線沿いに栗畑が多いのは、農地改革で取られないための方策の他、相続税を安くするために利用区分の変更をするためにしたことなのです。また宅地にして売り払ってお金を工面したりしました。
リゾート開発による森林減少
右の写真はゴルフ場
空から見ればよく分かりますよね
コース毎に



民主党政権による自然破壊(政権・党はなくなっても被害は拡大・継続中)
自然エネルギーの買い取り価格を、誰かのために高めに設定した民主党政権(今は民進党)も森林の破壊に手を貸しています。風力発電や太陽光発電による森林破壊もあります。

森林というか、斜面を切り開き、太陽光パネルの設置は、残土問題を発生します。しかも、水土保持力のあった木の根も無くなるわけですから、休耕地に設置するのとは訳が違います。

風力発電も、山の風の良いところに設置します。その設置のためには、道が無いと駄目です。林業のための道では無く、重たい資材を運ぶため、また管理するために必要です。自然に優しい道ではありません。そして、風力発電が出来るまでは、渡り鳥たちの高速道路だった場所です。風の道に設置しないと電力が得られない訳ですから、自然破壊と言うより、鳥いじめですね。

まだ、日本では問題になっていないようですが、風力発電の設置の結果、周辺でネズミによる被害が増えているそうです。発電機の回る音で、猛禽類が近づかなくなるため、小動物が増えるそうです。増えた小動物は、餌を探します。まぁ、生態系のバランスが壊れてしまうのです。

自然エネルギーの買い取り価格が下落中です。下落して破綻するかもしれません。それ以上に劣化が進むかもしれません。その後、放置された状態になるでしょう。劣化して放置された太陽光パネルから有害物質が出れば、どうなることやら。政権を退陣する条件として固定価格制度を強引に導入した無能総理菅直人と政商孫正義、飯田哲也、植田和弘、そして条件の呑んだ当時の国会議員(目先の餌に飛びついて、修正案で対応した自民党と公明党)のせいで、森林が破壊され続けるでしょう。そんな菅直人を選び続けていたのが、東京都の小金井市民と武蔵野市民、三鷹市民です。3馬鹿市民です。そして、その他大勢の国会議員を選んだのは私を含む日本人です。orz
後世の人は、311東日本大震災とは言わず、2011日本大菅災と呼ぶかも


植物の根があることによる土砂流亡阻止、水土保全機能よりも、科学の進歩を後退させる、より良い原子力(科学技術で対応)では無い方法を採用してしまった日本には、国土の荒廃しか残っていないんでしょうかね。





チップ加工工場に山積みになった広葉樹
太陽光発電所設置の際に、邪魔になった樹木を伐採した結果です。平らな土地なら良いと思うのですが、斜面の場合、土壌の保持力はどうなるのでしょうか。

まぁ、幸か不幸か、日本は台風がやってきます。冬には雪が、6月は梅雨、一年中雨が降ります。だから、緑が豊かなのです。手を掛けてやれば、緑が戻るというのは有り難いことです。乾燥地や半乾燥地では絶対的に降水量が足りず、カラカラな大地になっているんですから。

運が良いというべきなんでしょうな

日本の場合明治以降
きこりのホームページ http://www.kikori.org